2020年04月13日(月)

4月17日は「マルベックの日」!世界の記念日を知って、ワインを味わおう~フランス南西地方 カオール、アルゼンチンのフルボディ赤ワイン~

ワインインポーターの大野みさきです。

さて、来たる4月17日はマルベックの日(Malbec World Day)ですよ。皆様、ご存知でしたか。

2011年にアルゼンチンワイン協会は、アルゼンチンの一大銘醸地メンドーサにおいて、農学研究所と学校の創設を求める法案が出されたのが1853年4月17日のことから、国を代表する黒ぶどう品種「マルベック」の発展を祝う日に制定されました。アルゼンチン国内はもとより、世界中でマルベックの推進が図られている日です。

偶然でも耳にしたり、そのものに触れたりしなければ、なかなか新しいことを勉強したりしませんよね。私たちにはきっかけが必要です。

マルベックの日こそ、知る&試してみる絶好の機会です。この日にちなんで、マルベックを丸裸にして楽しんでみませんか。まずはこの品種の基本データーを押さえておきましょう。

マルベックってこんなブドウ品種

■マルベック/Malbec
・白/黒:黒ぶどう
・原産地:フランス・ボルドー
・主な栽培地:フランス南西地方(カオール)、アルゼンチン
・シノニム:コット、コー(仏)、オーセロワ(カオール)
・栽培環境:比較的温暖な気候を好み、ボルドー品種(CS、MLなど)よりも日照量が必要、雨を嫌う
・樹勢:とても強い
・病気の耐性:弱い(花ぶるい、霜、腐敗、ベト病)
・果粒:小粒で果皮が厚く、黒みがかっている、果皮に対する果肉の割合が低いのでワインは色濃くなる
・酸:中程度
・アルコール度数:やや高い
・果実味:大いにある
・タンニン:強い
若いマルベック
フローラル(スミレ)、ブラックベリー、ブルーベリー、プラムの香り。豊富な果実味と鉄分。力強くて骨格がしっかりしている。若いうちは固い。
熟成したマルベック
ドライフルーツ、たばこ、獣香、こなれて全体的に丸みを帯びる。

※生産地、区画、栽培、醸造方法、生産者、ヴィンテージによって、ワインを構成する成分の強弱、及び味わいは異なります。上記の基本データーはあくまでも目安や参考にして下さい。

それではフランス南西地方とアルゼンチン、2つの主要産地を順に見ていきましょう。

フランス南西地方のマルベック

フランスの南西部のボルドー地方を除いたエリアを南西地方と呼びます。

ローマ時代からワイン造りがはじまり、中世から近世の時代にかけて、地理的に隣接していたボルドーとはライバル関係にありました。

その昔、南西地方のカオール(CAHORS)ガイヤック(GAILLAC)のワインはボルドーを凌ぐワインとも言われ、中世から国際的に名を馳せており、とりわけイギリスではそのクオリティの高さに人気を集めていました。事実、ボルドーワインの品質向上(骨格形成)のために、南西地方の優良なワインがブレンドに使われていました。

19世紀前半フィロキセラ(ぶどう根アブラムシ)襲来により、カベルネソーヴィニョンやメルローにポストを奪われるまでは、ボルドーで最も広く栽培されていた品種でした。現在ボルドーではブレンド用に細々と育てられています。

また、内陸に位置する南西地方は、川を下り大西洋から各国にワインを輸出していました。地理上、どうしてもボルドーを通過しないとワインは出荷できません。ボルドーのワイン商らは自らのワインを守るために、南西地方のワインに通行料として高い税金を課したり、出荷を遅らせたりと圧力をかけてきました。そのような歴史背景があることからも、現在でもボルドーと南西地方は犬猿の仲と言われています。

特にカオールの赤ワインはマルベック主体(ワイン法で70%以上の使用が義務付けられている)で造られています。ボルドーワインを彷彿とさせる、色濃く濃厚なフルボディの赤ワインです。

その色の濃さから黒ワインと呼ばれ、今でも黒ワインと言えば、カオールのマルベックを指します。古くからカオールはマルベックの銘醸地でした。

アルゼンチンのマルベック

それでは南半球のアルゼンチンも見てみましょう。 

フランスほど長い歴史はなく、隣国チリからぶどう栽培が導入されたのも1556年と最近のことです。1970年代の安価な大量生産時代も終わり、80年代から海外輸出に力を入れて、政治経済の安定と共にワインの品質も向上していきました。

2018年には世界ワイン生産量第5位にランキングされ、その中でもマルベックはアルゼンチンの主要品種とされ、世界の栽培面積の90%を誇っています。メンドーサ(MENDOZA)は年間降雨量が少なく(100~300mm)、アンデス山脈の雪どけ水を灌漑に利用しています。

マルベックと言えば、カオールとアルゼンチンの2本柱と考えて間違いないでしょう。(昨今、アルゼンチン隣国のチリもチラホラ出てきています)

マルベック2大産地の味わいはどう違うの?

どちらの産地も、色濃く、味濃く、重厚なフルボディタイプの赤ワインです。

南西地方のカオールでは近年、エレガントなタイプが造られるようになりました。クセの抑えられたマルベックが多くなっていますが、それでもやはり野性味にあふれた、長期熟成タイプというのが王道です。

アルジェントマルベック2018 生産地:アルゼンチン・メンドーサ

アルゼンチンはぶどう畑の標高が平均900m(700~2000m)と高いので、昼夜の寒暖差がいっそう激しく、フランス産よりも酸が豊かな傾向があります。凝縮感はありますがタンニン由来のギスギス感はあまりありません。ミネラル感もあり、風味豊かで若いうちから楽しめるフレンドリーなワインが多いです。

マルベックはどんなお料理に合うの?

骨格のあるしっかりとしたワインなので、合わせるお料理もしっかりしたものがおすすめです。


フランス南西地方の郷土料理 鴨のコンフィ

フランス南西地方の郷土料理ではジビエとのマリアージュが有名です。鴨のコンフィ、温製フォワグラ、仔猪の煮込み(赤ワイン、野菜、ベーコンを加えて煮込み、ソースに血を加えたシチュー)、森鳩のサルミソース(鶏ガラや肝臓をワインで煮詰めたソースで軽く煮込む)などはソムリエ教本でも紹介されています。個性のあるワインには同じく個性のある複雑なお料理がマッチングするということですね。


塩胡椒で味わう赤身ステーキ

アルゼンチンのマルベックには、噛めば噛むほど旨味を感じるビーフ(赤身)ステーキに、塩胡椒はいかがでしょうか。比較的シンプルな調理法と味付けが、肉厚でジューシーなワインの魅力を存分に引き出します。

マルベックの日にちなんだ、マルベック丸裸ワイン講座はいかがでしたでしょうか。さあ、カオールとアルゼンチンのウンチクもストックできたし、今夜はマルベックで乾杯ですよ。

それでは皆様、ごきげんよう!

<参考サイト>※ENOTECA onlineへジャンプします
フランス南西地方 個性豊かなハイコスパワインの宝庫
南米が世界に誇るワインメーカー アルゼンチン「ボデガ・ノートン」

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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