2020年04月22日(水)

こだわりのシャンパン「テタンジェ」でハレの日の“テイクアウトBYO” ~シャンパーニュの楽しみ方~

時節柄、外出を控えなければならず、外食好きにとって辛い日々が続いています。ひいきのお店に足をはこんでぱーっと気分転換したくなりますが、ぐっと我慢。お店で自由に楽しく、大好きなワインを気兼ねなく飲める日が少しでも早く戻ってくることを祈って、“ステイ・ホーム”を徹底するべき時。

実は先日、うちの夫の誕生日だったのですが、前々から予定していたバースデーディナーも、泣く泣くキャンセル。お店でBYOするはずだったのに…。ひとしおの悔しさを感じ、しばらく落ち込んでいました。

しかし、年に一度の誕生日。家にこもりつつも、めいっぱい楽しまないと損じゃないか!と思い直し、発想を転換。普段とは違うやり方で、趣向をこらしてみることにしました。名付けて…“テイクアウトBYO”!「自宅でハレの日を祝うのにふさわしいプロのテイクアウト料理」と「自分的とっておきワイン」のマリアージュを試みることに。

そうと決まれば、さっそくワイン選びです。

シャンパーニュを代表する1本

お祝いごとといえば、シャンパーニュ。気分が華やぐ黄金色に、景気良くシュワシュワはじける細かい泡。他のスパークリングワインではなかなか味わえない、複雑リッチなワイン界の宝石。やっぱり、誕生日にはシャンパーニュでしょ。

今回選んだのは、日本でも有名なテタンジェブリュット・レゼルヴ。一番搾り果汁を使用し、3〜4年熟成させてから出荷される、味わい一押しのシャンパーニュです。

テタンジェといえば、以前のコラムで「007に登場するシャンパーニュ」として紹介しました(ものがたりワイン〜舌平目のマリアージュにご用心!?〜)。しかし、実はジェームズ・ボンド以外にも、特徴がめじろ押しなのです。

1. 家族経営

まずは何といっても、大手ではめずらしい家族経営のスタイル。シャンパーニュ造りにはお金と労力がかかるので、大手企業の傘下に入るのが得策なのですが、テタンジェはあくまで一族の伝統を重んじる経営をつらぬいています。そのため、ワイン造りに対する哲学が一貫しており、それが世界中で支持されるにつながっているといえます。

ちなみに、1世紀弱におよぶメゾンの歴史には、家族経営だからこそのドラマがたくさん。気になる方はぜひ、テタンジェの公式サイトをチェックしてみてください。007で名脇役を演じたテタンジェですが、実は一遍の素晴らしい物語の主役でもあるのです。

2. シャルドネにかける想い

テタンジェは特に、シャルドネのブレンド比率が大きいことで有名。一般的に、シャルドネは繊細さを、ピノ・ノワールは骨格を、ムニエはまろやかさをシャンパーニュに与えるといわれます。シャルドネを重視するということはつまり、繊細なニュアンスを大切にするということ。4代目社長のピエール=エマニュエル・テタンジェ氏いわく「シャンパーニュは手が届く贅沢」…ハレの日に少し背伸びしていただく贅沢だからこそ、心に余裕をもって繊細さをたたえたシャンパーニュを楽しんでほしい、そんな想いが込められているのかもしれません。

テタンジェの豆知識
2019年12月末日でピエール=エマニュエル・テタンジェは息子と娘に託して社長を退き、2020年から長女ヴィタリー・テタンジェが5代目社長に就任。テタンジェ初の女性社長を務めています。

3. シャンパーニュ伯爵への敬意

テタンジェの看板銘柄といえば、当たり年にのみ造られるコント・ド・シャンパーニュ(007にも登場)。コント・ド・シャンパーニュを日本語に訳すとシャンパーニュ伯爵。シャンパーニュ伯爵とは、中世シャンパーニュ地方を治めていた貴族です。

中でも有名なのはティボー4世。彼は十字軍に参加して遠征した際、キプロス島から故郷へブドウの樹を持ち帰ったのですが、これが今のシャルドネの先祖にあたるという説があります。シャンパーニュといえばシャルドネ、特にテタンジェはシャルドネが醸し出す繊細さを重視するメゾンです。そういった背景があり、シャンパーニュ伯爵に敬意を表して「コント・ド・シャンパーニュ」を造ったのだとか。テタンジェのトレードマークには、馬にまたがり遠征に出かけるティボー4世が描かれています。

さて、ワインが決まったら、次に考えるべきはお料理です。

テタンジェにあわせるお料理は…

実は今回、本当ならBYOで伺う予定だったお店がテイクアウトを始めたとの噂を聞きつけ、せっかくの機会なのでお願いすることにしました。お店は中目黒にあるBistro HiNGEさん※5月7日まで臨時休業。ワインにあうメニューを豊富に取り揃えている、ワイン好きにはたまらないお店です。事前にウェブでテイクアウトメニューを確認したところ、かなり豪華…!しかも、なんともシャンパーニュにあいそうなメニューばかりで、期待が膨らみます。

当日、2名分のテイクアウト・オードブルセットを受け取り、ウキウキ中を確認すると…なんとなんと、1食分のメニューの一部を、シャンパーニュ向けのスペシャルメニューに変更してくださっているではありませんか!すすす、素晴らしい。心が震えました。

気になるテイクアウト・メニューはこちら!

Bistro HiNGE テイクアウト オードブルセット

1. パテ・アン・クルート(お肉のテリーヌパイ包み)
2. 自家製グレッグ(ピクルス)
3. イタリア産プロッシュート&サラミの盛り合わせ
4. リエット(火を通した塩漬け豚肉ペースト)
5. ナチュラルチーズ2種
・さくら(日本の白カビチーズ)
・オッソーイラティ(フランスのハードチーズ)
6. ハーブ香るオリーブ
7. 玉ねぎとベーコンのキッシュ

8. 鮮魚のマリネ
9. ブッフ・ブルギニョン(牛すね肉の赤ワイン煮込み)

1食分は“シャンパーニュ・スペシャル”として、以下にチェンジ
4. オマールのパイ包み(リエットのかわり)
5. ナチュラルチーズ2種
・クロミエ(フランスの白カビチーズ)
・スティルトン(イギリスの青カビチーズ)
9. ドゥミドゥイユ
(鶏の黒トリュフ煮込み)(ブッフ・ブルギニョンのかわり)

これにバゲットとパンがそえられて1食5,000円。かなりボリュームがあって、リーズナブルです。

ブッフ・ブルギニョンとドゥミドゥイユは真空パックでご用意いただいたので、湯煎にかけて器にうつしました。他のメニューはボックスに綺麗に盛り付けていただいたので、そのまま食卓に…まるでピクニックのようで、気分も高揚します。

It’s party time!

お料理とシャンパーニュがそろったところで、“テイクアウトBYO”スタート!

テタンジェを大きめのグラスに注いで乾杯!プチプチ弾ける泡がバースデーを盛り立てます。香りをしっかり堪能しつつひと口。

最初に感じるのはトーストのような香ばしい香り…。ブリュット・レゼルヴは、アッサンブラージュするワインすべてがステンレスタンク発酵。樽を使わずブドウ本来の力を最大限に引き出した、技ありのファーストノートです。そのすぐ後を追うように感じるのはキリッとした酸と優しい甘み。飲み込んだあと鼻から抜ける香りには、蜂蜜のようなニュアンスがほんのり。舌の上にはクリーミーな味わいが残り、上質なシャンパーニュの風格がただよいます。ワインなのにトーストとか蜂蜜とかクリーミーとか…本当に不思議ですよね。でも、間違いなくそう感じるのです。

テタンジェの豆知識
テタンジェ・ブリュット・レゼルヴは、35以上の村のブドウをアッサンブラージュして造られます。歴史と伝統のあるシャンパーニュ・メゾンならではの技術による味わいの複雑さなのです。

テタンジェを味わったら、オードブルをいただきます。付け合わせのサラダをつまんでから、お肉にキッシュ、鮮魚のマリネ…盛り沢山なメニューを堪能しつつ、箸休めにチーズとオリーブ。どれもシャンパーニュにあうものばかりです。シャンパーニュが料理に合わせやすいというのは有名ですが、今回いただいたオードブルセットは特にシャンパーニュにマッチする内容で、よりマリアージュを体感することができました。

特に感動したペアリングは、シャンパーニュ・スペシャルのナチュラルチーズ!通常メニューのチーズに比べ、格段にテタンジェとの相性が抜群でした。クロミエは「ブリーチーズ」の一種で、フランス北部の寒い地方で造られる白カビチーズ。スティルトンはイギリス産なので、これまた寒い地方出身です。冷涼な気候のもと造られるシャンパーニュは、同じく冷涼な気候で造られる食材とベストマッチするのかも…そんなマリアージュの妙を感じさせる一品でした。

※お料理はテタンジェ1本を2人でゆっくり飲みきるのにちょうどよい量。少し早いペースで飲みたい場合は、もう1本赤ワインを用意すると、より楽しめるかもしれません。

最後に

自宅で美味しいシャンパーニュを傾けながら、料理をつまみ、夫婦で感想を言い合ってワインと料理のマリアージュを堪能する…こんなバースデーも悪くない!ハレの日の“テイクアウトBYO”、なかなか楽しいです。今度はワイン仲間とオンラインでつないでやってみたいな〜と思ったり…。でもやっぱり、お店でBYOしたい気持ちも大きいですけどね。


テタンジェ「ノクターン・スリーヴァー・ロゼ」があたるキャンペーン実施中

◎4月30日(木)まで ※終了しました

お店の情報

Bistro HiNGE Nakameguro(ビストロ ヒンジ 中目黒)

HiNGE(ヒンジ)は、蝶番(ちょうつがい)・要(かなめ)つなぎあわせるものという意味。“食を通じて、つなぎあわせる存在、場所になりたい”という想いで、お料理や多彩なワインを提供するビストロ。
※4月14日~5月7日臨時休業

【ワイン持ち込み条件について】
ワインの持ち込みは、Winomyプラン5,500円~(持ち込み料込)が断然お得!

  • 東京都目黒区上目黒2-11-1
  • お電話:050-1709-2267

店舗ページはこちら

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi/

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