2020年05月04日(月)

ワインメーカーで働くWSET資格保有者に聞いてみた!「ソムリエールは知っている」Vol.18

ワインショップやレストランで、私たちのワイン選びをサポートしてくれる、華麗なソムリエールたち。
彼女たちはどのようにしてワインに惹かれ、なぜソムリエールになったのか?そして、ソムリエールである彼女たちならではの「秘密のマリアージュ」や、ワインBYOに対する彼女たちの思いとは…
このコラムは、普段はなかなか見ることのできないソムリエールの素顔とその心の内に迫る、突撃インタビュー企画である。

トレジャリー・ワイン・エステーツで活躍するワインスペシャリスト

今回のインタビューのお相手は、オーストラリアのワインメーカーである「トレジャリー・ワイン・エステーツ」(以下 “TWE”)で活躍する 橋本さん。

TWEは世界でも最大級規模のワイン会社です。日本では「ペンフォールズ」や「ベリンジャー」などのワインのブランド名をお聞きになったことのある方が多いのではないでしょうか。

橋本さん

橋本さんはソムリエ資格ではなく、「WSET level3」という資格を保有。今回はWSET保持者への初インタビュー。また、昨今の状況を鑑み、初めてのオンラインインタビューとなりました。

WSETとは? ソムリエとは何が違う?

「WSET」はロンドンに本部を置く世界最大のワインの教育機関の名称のことです。「Wine and Spirit Education Trust」の意味で、「ダブル・エス・イー・ティー」と呼びます。(「ダブルセット」という通称でも親しまれています)

WSETは、ワイン産業をサポートする英国のワイン商組合『Vintners Company』が1969年に創設。現在では世界70カ国でWSETの教育組織が運営され、年間約95,000人が認定試験を受験するなど、国際的に認められている認定資格です。ワイン資格には4段階の認定資格レベルが設置されています。

橋本さんは「Level 3」に合格し、ワインの世界で活躍しています。

WSET取得に至るきっかけは?

橋本さんはアメリカのナパでワインの勉強をしていたのだそう。なぜアメリカだったのでしょうか?

「留学のそもそもの動機は、英語を学びたかったんです。でもせっかくなので、英語だけじゃなく好きなことも同時に勉強できたらいいなと思い、アメリカのナパにあるコミュニティカレッジへ行くことにしました!」と笑顔で話し始めた橋本さん。

「コミュニティカレッジ」とは、短大と専門学校をくっつけたようなイメージの、アメリカの地域社会に根付いた教育制度のこと。生徒の年齢や人種の幅が多様なそのコミュニティカレッジで4年間学ぶ間、ワインテイスティングやイベントのお手伝いを通じて、ワインが人をつなぐ魅力にどんどん惹かれていった彼女。その中でもっとワインを知りたいという意識が強くなり、WSET取得の道へ進むことに。

語学留学の先にWSETを取得し、ワイナリーで働くことになったという、これまでにないストーリー!

橋本さんオススメのマリアージュは、スケールが大きかった!

フグの白子焼き × ベリンジャー・ナパヴァレーのシャルドネ

まず最初に紹介してくれたのは「フグの白子焼きとナパヴァレーのシャルドネ」の組み合わせ。

白子のクリーミィーな口当たりに対して、酸が強すぎないナパのシャルドネはとても相性がよく、さらに、白子焼きの少しコゲた風味が樽感とマッチするのだそう。ナパのシャルドネは、酸が強すぎないので、和テイストのダシ感や旨味を損なわないため、白和食全般とのマリアージュがオススメだと教えてくれました。

ハンバーガー × ウルフ ブウラス イエローラベルのカヴェルネ・ソ-ヴィニョン

続いては、「ハンバーガーとカベルネ・ソーヴィニョン」の組み合わせ。ワインは橋本さんがコスパよしと太鼓判を押す、オーストラリアの「ウルフ・ブラス」。

「コスパのよい気軽なワインなので、ハンバーガーやホットドッグなど、少しジャンクっぽいカジュアルな食べ物と合わせてほしい」と橋本さん。

彼女がナパにいた当時、畑仕事の後に通った「イン・アンド・アウト」というお店のハンバーガーとポテトをテイクアウトし、おうちでワインと合わせた経験からインスパイアされたお手軽マリアージュを教えてくれた。

ハンバーガーのお肉の味と焦げ目の香ばしさに対して、カベルネ・ソーヴィニョンの果実味とスパイシーさにバッチリ合うという。まさに大陸的なスケールを感じるマリアージュです。組み合わせのポテトは「ガーリック風味のフレンチフライ」だとさらに満足度が増す!と笑顔の橋本さんでした。

赤身のステーキ × ペンフォールズ・ビン389・カベルネ・シラーズ

最後は「牛ステーキとオーストラリアのシラーズ・カベルネ」の王道マリアージュ。ワインはオーストラリアワインの中でも有名なペンフォールズのシラーズ。こちらは橋本さんが大好きな一本だそう。

カベルネとシラーズ半々で混醸したこのワインは、果実味とスパイス感のパンチが効いたワイン。このワインだけでも大満足という彼女のオススメマリアージュは「赤身のステーキ」。豊潤なお肉の味わいに対して、ワインそのものがまさにソース代わりになってしまうほどの存在感。ゆっくり時間をかけて、ワインの変化とお肉を楽しむが最高!これぞ至福のマリアージュ。と語ってくれました。

ワインBYOについて思うこと

最後に、Winomyが提案している「ワインBYO」について、プロの視点でのご意見をお伺いしてみた。「飲食店にワインを持ち込む」というアクションに対して、彼女たちは一体何を語ってくれるのだろうか…

ナパヴァレーで生活していた橋本さんにとって、ワインを持ち込むBYOの文化はいたって日常だそう。そこで、現地での大まかなルールを聞いてみました。

以下、ナパでBYOするワイン選びのマナーです。
・レストランのワインリストに載っていないワイン
・特別なヴィンテージや自分で造ったワイン(ナパでは生産者が多いため)
・レストランのレベルに合ったワイン
・コルケージを払う(無料の場合はチップを多少多めに払う)
これらがスタンダードルールだと教えてくれました。

日本に帰国してからも、BYOを楽しんでいる橋本さん。特に和食のお店でBYOを楽しめる文化が広がっていくといいなぁ、と語ってくれました。

編集後記

以前味わったTWEさんのワイン。自分の想像を遥かに超えるエレガントな味わいに衝撃を受けたワインの数々を鮮明に覚えています。この機会に、皆様もオーストラリアやアメリカの大陸的なワインに触れてみてはいかがでしょうか?

 


Winomy編集部  NORIZO

ワインライフナビゲーター™️。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワイン検定ブロンズ&シルバークラス認定講師。FLAネットワーク協会認定 食生活アドバイザー。世界中のワインやグルメを味わってきた知見を生かし、ワインのある毎日の楽しさを伝えるセミナーの講師や、ワインと食のマリアージュにフォーカスしたコラム執筆などを行う。時に世界のワインピープルとの対談記事もお届け。最近は「メンズワイン」を盛り上げる活動も積極展開中。「ワインになりたい」と思うほどワインを愛してやまない葡萄酒馬鹿です!

ソムリエールは知っている 過去の記事もチェック♪

この記事をSNSでシェアする

最近の記事

ニュース

2020年8月11日

夏にぴったり華やかロゼ・シャンパーニュ「ボーモン・デ・クレイエール」グランド・ロゼが10名様に当たる!今月のプレゼント

樽が並んでいる様子

コラム

2020年8月11日

風味に大きく影響する!ワイン樽の種類と役割とは

畑が広がっている様子

コラム

2020年8月10日

知れば知るほど面白い!ワインの王様・ブルゴーニュ

赤ワインのラベル

コラム

2020年8月9日

奥深い赤ワインの世界!ボディ別おすすめ15選

カラフルなイタリアの地図イラスト

コラム

2020年8月8日

ラインナップ豊富なイタリアワイン!地域別の特色とおすすめは?

カテゴリー