2020年05月26日(火)

余ったワインは捨てないで!飲みきれなかったワインの活用方法と日持ち、開栓後の酸化メカニズム(ワインの豆知識)

皆様こんにちは、インポーターの大野みさきです。過去の記事でワインの上手な保管方法についてお伝えしました。保管の仕方はわかったけれど、開栓後のワインはどうしたらいいの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

今日は、開栓後のワインの日もち、また美味しさが長もちする保管方法、古くなったワインの活用方法についてお話しましょう。

“To be or not to be. That is the question.”
生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。

シェイクスピアのハムレットの一文ですが、オープンしたワインが一体いつまで楽しめるのか。それは私たちにとっても大いなる死活問題。間違ってお客様(レストラン/ご自宅に見えられた方)に、開栓してから飲み頃をとうに過ぎて、風味や魅力が廃れたワインを出してしまわないよう、気を付けたいところです。

では、ワインが悪くなってしまったとは、どんな状態でしょうか。まずは、酸化について抑えておきましょう。

空気に触れると酸化がはじまる

ワインは空気に触れた瞬間から酸化がはじまります。(厳密にいうとボトル内でも状況に応じて酸化は起こります)酸化により、刻一刻と香りと味わいが変化していくのですが、皆様もこんな経験はないでしょうか。

開けたては固くて飲みにくかったワインが、数時間から翌日(あるいは翌々日以降)と時間を置いたら柔らかくなって劇的に良くなった。「あれっ、美味しくなってない?」

この現象をワイン用語では、閉じていたワインが開いたと言いますが、これは酸化によって引き起こされたものです。ワインに含まれるフェノール類が酸素に反応して生じたものです。度合いにもよりますがワインに好影響をもたらせるので、一概に「酸化が悪い」とは言えません。

しかし、開栓後に高い温度で保管すると、酢のような刺激臭が発生します。この香りは酢酸菌がワインのアルコールを消費し、酢酸とアセトアルデヒドに代謝されて出てきます。アルコール酸化の化学反応によって、フレッシュでフルーティだったワインの風味は、酸味が目立ちナッティで傷付いた果実味が現れます。この味わいが好みなら問題はありませんが、一般的にはこうなる前に飲み切るのが望ましいです。


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開栓後のワインの日もち

高アルコールの酒精強化ワインを除いて、一般的には3~5日もつと言われています。しかし、星の数ほどあるワインです。それぞれのタイプ(赤白、ヴィンテージ、タンニン、酸度、糖度)や保管方法(温度やボトルの状態)、また残量でも日もちが変わってきます。各ワインがどれぐらいもつのか見ていきましょう。

スパークリングワイン

開栓と同時に泡が発生して大気との均衡を保つため、泡が抜けきるまで出続けます。シャンパンストッパーを付けて冷蔵庫で保管しても3日程度が限度です。大型タンクを使ったシャルマ方式のスパークリングワインよりも、瓶内二次発酵で造られたガス圧の高い、シャンパーニュ、カヴァ、フランチャコルタなどの方がもちは良いです。

余談ですが、スパークリングワインのとっておきの飲み方をご紹介しましょう。開栓後、1杯だけ注いで残りはストッパーをして冷蔵庫で安置させます。飲みたい欲望に駆られても、ここはじっと我慢です。1週間の放置後、飲んでみて下さい。泡はそこまで活発ではありませんが健在です。そして味わいもすこぶる良くなっているのです。それは、瓶口に溜まる揮発性の高い(好ましくない物質)が消えて、分子の重い(良い)ものだけが残ったのです。騙されたと思って試してみて下さい。

ライトボディの白ワイン&ロゼワイン

スティルワインなので5~7日とスパークリングワインより長くもちます。しっかりしたタイプのワインなら1週間以上は日もちします。とは言っても開栓直後と数日後では、香りも味わいも異なります。ワインは時間の経過と共に酸化し、フルーティさが減少していきます。

フルボディの白ワイン

樽を使用した芳醇なタイプのワインは、3~5日ぐらい楽しめます。ボトリング前に好気的環境下で、より多くの酸素と接触したので、ライトボディのすっきりタイプの白ワインより、早く酸化する傾向があります。

赤ワイン

白ワインと比較すると、酸だけでなくタンニンもふんだんに含まれているので3~5日はもちます。同じ赤ワインでもカベルネソーヴィニョンなどのフルボディタイプは、ピノノワールなどの比較的タンニンが少ないタイプより長もちします。飲み頃を向かえていない若いワインは、開栓直後は固く閉じ、1~2日経過してやっと開いてくるというケースもあります。

酒精強化ワイン

ポートワイン、シェリー、マデイラ、マルサラなどのブランデーが添加されている長命ワインのことを酒精強化ワインと言います。涼しい暗所に保管したら1ヶ月以上もちます。また、貴腐ワインやアイスワインなどの甘口デザートワインも同様です。

保管の場所や温度

上記の日もちは、ワインのタイプや保管の条件によって異なるので、あくまでも目安です。一度、開栓したワインを長もちさせるには、ワインに酸素をできるだけ接触させないようにして、酸化を遅らせる必要があります。その方法としては、

●真空ポンプでボトル内の空気を抜く。
●小瓶に移して表面張力になるまでフィルアップして栓をする。
いずれも移す時に酸素となるべく触れないよう静かに素早くやることがコツです。酸化を防ぐ栓を利用するのも手です。また、ガスボンベを使って窒素ガスを充填する方法もあります。


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なお、室温が20℃を超えると酸化のスピードが著しくなります。原則、開栓後のワインは冷蔵庫で保管します。その際、必ず垂直にボトルを立てて下さい。ワインが酸素と接する面積を少なくするためです。

私はワインセラーの下段の棚を外して、開栓したワインを縦に収納しています。15℃の安全な温度なので、オレンジワインや赤ワインにもってこいです。赤ワインを冷やさないで飲むからと常温放置は絶対にやめて下さいね。スパークリングワインやシンプルで軽めな白ワインは、冷蔵庫のドアポケットに入れています。長期保管はNGですが、開栓後、数日程度なら大丈夫でしょう。

それでも残ってしまったワインは?

最後にどうしようもなくなったワインの活用方法です。

1. カクテルにする

手っ取り早くフルーツを入れてサングリアにしたり、ジュースと割ってカクテルにしたり。冬場はホットワインでも良いですね。友人は赤ワインと牛乳を1:1で割って飲んでいました。悪くないお味です。

2. 料理酒に使う


アクアパッツァ

ワイン蒸し、ワイン煮込み、コンポート。メインでも隠し味でもOKです!食材の臭みを消し、柔らかくし、味が染み込みやすくなる嬉しい効果があります。アルコールはコクと旨味に変身します。日本酒のようにどんどん消費して下さい。1/3に煮詰めたワインをブロック状に冷凍して、煮物やスープにすぐに使える「コクの素」をストックしておくのも良いですね。

3. ワインビネガーを作る


ワインビネガーでピクルスを手づくり

ワインは常温で放置するといずれ酢になります。酢酸菌を増やす助けとして市販の酢を使います。ワイン6:酢4の割合でブレンドして暗所に置いておけば、忘れた頃にビネガーの完成です。

4. ワインソルトを作る

少し面倒ですが、ワイン塩が食卓に出てきたらオシャレです。ワインに塩を加え、煮詰めて水分を飛ばして完成です。ワインレッドにできあがる赤ワインで作るのが良いですね。

最後に

おすすめの活用方法を挙げましたが、巷で囁かれているワイン風呂はおすすめできません。10年前のことです。熱劣化して飲めた代物でない8,000円ぐらいの赤ワイン(カルフォルニア産)をまるまる1本、お風呂に入れたことがありました。本当にクレオパトラが愛したかどうかは知りませんが、一度やってみたかったのです。

実際やってみた結果、お肌がスベスベになったとか、体の芯まで温まったとか期待する効果は得られず、バスタブが汚れたので次はしないと誓いました。高価なワインをバスタブに投入する罪悪感とスリリングさを味わいたい方はどうぞお試し下さい。

今日は開栓後のワインのあれやこれやでした。酸化と共に変わりゆくワインを存分にお楽しみ下さいね。

それでは皆様、ごきげんよう!

 

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WINE MARKET PARTY ワインマーケットパーティー
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365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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