2020年05月27日(水)

“薔薇の日”に飲みたい南フランス・ラングドックのおしゃれな赤ワイン“CHATEAU COUPE-ROSES(クープローズ)”

5月から6月に満開を迎える花といえば、薔薇です。最近知ったのですが、6月2日は“薔薇の日”なのだそうです。なぜかと言うと、6と2で“ローズ”と読めるから…。「愛と感謝の気持ちを薔薇の花に乗せて伝え合う」、そんな文化を日本に根付かせたいという想いから、ダマスクローズの名産地ブルガリアの駐日大使が提唱しました。外国の大使が駄洒落を使いこなすとは、お茶目ですね。

しかし、ワイン好きにとっては花より団子。100本の薔薇の花束は素敵だけれど、実は1本のワインの方が嬉しいというのが本音ではないでしょうか。そんな食いしん坊ならぬ“飲みしん坊”な私たちならば、“薔薇の日”にも生花の代わりに、薔薇にちなんだワインを贈り合うのがオツってものです。

ということで今回は、“薔薇の日”に飲みたいオススメ“ジャケ買い”ワインをご紹介します。ネットで検索するとたくさんの“薔薇ラベル”ワインがヒットしますが、その中でも特にイチオシの1本をピックアップしてみました。

CHÂTEAU COUPE-ROSES BASTIDE シャトー・クープローズ バスティード

CHTEAU COUPE-ROSES(シャトー・クープローズ)というのはワイナリーの名前、BASTIDE(バスティード)というのは銘柄の名前です。こちらのワイナリーからは複数の銘柄が出ていますが、今回ご紹介するワインはその中でも一番リーズナブルな赤ワインです。ボトル価格1,800円ほど。

まず注目すべきはラベルデザイン。1輪の薔薇が中央に凛と佇んでいて、その下には計算されたタイポグラフィが並びます。洗練された、お洒落なデザインです。BASTIDEのラベルに描かれている薔薇は紫色ですが、色は銘柄によって異なります。さらにラベルの薔薇と同じ色のキャップシールにも、薔薇の花があしらわれています。

そしてなんと言っても、心にグッとくるのはワイナリー名です。日本の販売サイトによると、“COUPE-ROSES(クープ ローズ)”とは薔薇の鉢植えという意味なのだそう。“薔薇の日”に贈り合うワインとして、これほどの適役があるでしょうか。花束仕様にラッピングを施してギフトにしたら、とてもお洒落だと思うのです。

これだけでも十分オススメしたい理由にはなるのですが、ワイン好きとしてはもう少しワインのプロフィールを深ぼっておきたいところ。シャトー・クープローズを語るうえでおさえておくべきポイントを整理してみます。

ラングドック“ミネルヴォワ”の老舗ワイナリー

シャトー・クープローズが位置するのはフランス南部、ラングドック地方の“ミネルヴォワ”というエリアです。

ラングドックといえば、フランス最大級のワイン生産地。その理由はなんといっても恵まれた気候です。ブドウ栽培に適した環境が整っており、「手をかけずとも勝手にブドウが育つ」と言われることも。そのため、過去には「安かろう悪かろう」というネガティブな評判も立っていたのですが、近年は政府の政策や醸造家たちの努力により、他に負けない高品質なワインへと進化をとげています。ボルドー等に比べワイン造りのルールが少ないこともあり、最近ではチャレンジ精神にあふれる若き醸造家たちが次々と参入。まるでワイン界のシリコンバレーですね。

シャトー・クープローズは、そんなラングドック地方の中でも老舗のワイナリーです。公式サイトにはこんな説明が載っています。

17〜19世紀にかけて、私たちの家族はタイル(焼き物)の製作をしていました。現在ワイナリーがある場所には昔、窯があったのです。そのため、この辺りは“fabrique de Coupe-Rose”と呼ばれていました。ここはマンガンを豊富に含む粘土質の土壌で、そこから造られるタイルは品質の高さで評判でした。(原文:フランス語)

どうやら、シャトー・クープローズの名前の由来はここにありそうです。ミネルヴォワは粘土質の土壌と石灰岩の土壌が入り混じる場所なのですが、シャトー・クープローズではそれを活用して焼き物を造っていたのですね。そして今では同じ土からワインを生み出している…なんだか少しロマンチックです。

減農薬にこだわった自然派ワイン

シャトー・クープローズは、早くからリュットレゾネと呼ばれるブドウの減農薬栽培によるワイン造りを推進してきました。そこには「ワインは畑で造られる」という哲学があります。ラベルを注意深くみると、EUによるオーガニック認証マーク(ユーロリーフ)もばっちり表示されています。

肥料には羊の糞を使っているのだそう。興味深いのは、その肥料にフランス・ロックフォール村の草を混ぜていることです。ロックフォールと言えば、世界3大ブルーチーズの名産地。なんでも、ロックフォール村の草は無農薬のため、オーガニック栽培の肥料に適しているのだとか。今回ご紹介しているワイン“CHTEAU COUPE-ROSES BASTIDE”はブルーチーズとよく合うと評判なのですが、肥料にロックフォールの草を混ぜていることと何か関係があるのでしょうか。

気になる味わいは…

私がいただいたのは、“CHTEAU COUPE-ROSES BASTIDE”の2018年です。使われているブドウは、グルナッシュとカリニャン。それぞれ50%の割合でブレンドされています。

グルナッシュはタンニン控えめで、口当たりまろやか。ジューシーで飲みやすく、ワイン初心者や赤ワインの渋みが苦手という方にオススメです。一方カリニャンはタンニンと酸が豊富なタイプ。イメージ的にはプティ・ヴェルドに似た味わいでしょうか。カリニャンは他の品種とのブレンド前提で扱われることが多く、ブレンドされても大抵は少量なのだそうです。なので、“CHTEAU COUPE-ROSES BASTIDE”のブレンド比率(カリニャン50%)は、結構めずらしいようです。

グラスに注いで香りをかぐと、非常に豊かな果実香にくらくらします。フランボワーズのようなベリーの香りとカシスの香り。一口含むとほんのりとした甘みと豊かな酸を感じ、鼻から抜ける息にはプルーンのような香ばしい香りが混ざります。渋みは強くもなく弱くもなく。しばらく時間をおくと、だんだん甘い香りが強さを増し、なんとなく薔薇のようなニュアンスを感じるように…ワイナリー名とラベルがみせる錯覚でしょうか。しかしその感じがなんとも心地よい、小悪魔的ワインです。


ラタトゥイユのブルスケッタ

ブルーチーズの他にペアリングにオススメなのは、ラタトゥイユ!トマトの酸味にナスやパプリカの風味が、ワインとマッチします。

最後に

薔薇の花言葉は本数によって変わるのだそうです。さて、冒頭のイラストの薔薇の花束。21本の薔薇の花言葉は「あなただけに尽くします」。薔薇の日に熱烈なプロポーズを受けたけれど、ワインに目が無い彼女はいったん薔薇を脇に置き、クープローズに夢中になっているのでしょう。ふふふ。

それでは皆さま、Happy Rose Day!

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi/

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