2020年06月24日(水)

「赤ワインと白ワインの違い」と、知って楽しい「例外のワイン」 ~ワインの豆知識 初級・中級編~

皆様、こんにちは。インポーターの大野みさきです。

立夏を過ぎると暦の上では夏ですね。生鮮食品や草花にシーズンがあるのと同様に、ワインにも季節によって美味しいと好まれるタイプがあります。それをワインの旬と私は呼んでいます。流行も影響するかもしれませんが、これから夏にかけては、より軽くて爽やかな白ワインやロゼワイン、また喉越し抜群のスパークリングワインが人気です。逆にフルボディの赤ワインやタンニンをしっかりと感じるオレンジワインは秋冬がシーズンです。

大学時代にコンビニでアルバイトをしていましたが、商品の売れ行きは天気(気温、湿度、晴雨)に左右され、天気予報を確認しながら発注する種類や個数を調整していました。例えば、真夏は卵サンドウィッチを減らして、ハム&レタスサンドを多めにするとかです。人間が欲しがるものは、気候によって変化するということですね。

赤ワインと白ワインの違い

今日のトピックは、赤ワインと白ワインの違いです。
何を今さら、知ってるよ!と言われそうですが、本当に皆様はこの違いをご存知でしょうか。

1. まずが違う。
2. そしても違う。
3. さらに品種が違い、
4. 醸造方法も違う。

はい、仰る通りです。しかし、果たしてそれらを正確に説明できるでしょうか。今一度、一緒に整理してみましょう。

“ブドウ品種”で赤白が決まる

第一に赤ワインと白ワインでは、ブドウ品種が異なります。


黒ブドウと白ブドウ

黒ブドウから造られるのは赤ワイン
白ブドウから造られるのは白ワイン
※グリ系の赤紫色の品種を含む

大昔、地球上には黒ブドウしか存在しなかったのですが、突然変異でグリ系の赤紫色の品種を含む黒ブドウから白ブドウが生まれました。

DNAにアントシアニンなどの色素の生成を命令するスイッチがあり、通常はオンになっていますが、ある日突然、オフになっているものが出てきました。それが白ブドウです。色素を持たない動物(白い狼や白い鳩)をイメージしたらわかりやすいかと思います。突然変異の王様と言われているピノ・ノワール(黒ブドウ)からも、ピノ・ブラン(白ブドウ)やピノ・グリ(グリ系の白ブドウ)などが誕生しました。

大きく分けて黒ブドウと白ブドウが存在し、黒ブドウが赤ワインに、白ブドウが白ワインになります。

“醸造方法”で赤白が決まる

次に、赤ワインと白ワインでは、醸造方法が異なります。

果皮(種)ごと醸して発酵させるのは赤ワイン
絞った果汁だけを発酵させるのは白ワイン

果皮の有無によって、醸造(発酵)中に果汁と果皮が接触していれば赤ワイン、接触していなければ白ワインとなります。

赤でも白でもないワイン


オレンジワインとロゼワイン

例外もあって、オレンジワインの原料は白ブドウですが、赤ワインのように果皮を醸して(接触させて)造ったので白ワインとなります。一方、黒ブドウをしっかり醸すと赤ワイン、やや醸すとロゼワインになります。

またロゼワインには、白ワインと同じように果汁だけを絞って白ワインの製法で造られたものもあります。いずれにしても黒ブドウが原料です。

古代はブドウの色に関係なく、全てのワインは醸して造られていました。いつの時代からか、黒ブドウは醸して、白ブドウは醸さず果汁だけを発酵させて造るのが主流となりました。

初級編はこれだけ知っておけばOK!

赤、白、ロゼ、オレンジワインが登場しましたが、白黒つけたいので、下の表をご覧下さい。

つまりオレンジワインなどの例外はありますが、発酵期間中に果皮と果汁がある程度接触して醸されたのが赤ワインで、そうでないのが白ワインです。

白黒つけにくい例外のワイン(中級編)

ここで少しワインに詳しい方は、特殊な醸造によって造られたワインはどうなるのかと疑問を持たれるかもしれません。

オレンジワイン


スロヴェニアのオレンジワイン

例えば、白ワインの醸造でスキンコンタクト(果皮を接触=醸し)がありますが、オレンジワインとの線引きは、定義がないのであやふやです。3週間の醸しでも白ワインと呼んでいる生産者もいれば、1週間の醸しでもオレンジワインと呼んでいる生産者もいます。そもそもオレンジワインと言う呼び方をしない生産者もいるぐらいですから、なおさらグレーな部分です。

ボージョレ・ヌーヴォー

赤ワインに関しては、ボージョレ・ヌーヴォーなどを造る際、MC(マセラシオンカルボニック)と言う醸造技術があります。

密閉したタンクに破砕していない黒ブドウを房ごと投入し、炭酸ガスを充填して数日置く方法です。その後、圧搾して白ワインと同様に果汁のみを発酵させます。炭酸ガスを使用することによって、果汁ではなく果粒中で細胞内発酵が生じます。発酵のズレが起こり、短期間で色素が抽出されて、グリセリンの多い口当たりの滑らかなワインになります。

こうしたタイプの赤ワインはジューシでタンニンが少なくて飲みやすいのが特徴です。果皮を果汁内で醸していませんが、果粒内で果皮から内側へと発酵が行われている、立派な赤ワインです。

濃いロゼワイン

また、ボルドー地方にはクレレ(clairet)と言う色の濃いロゼワインがあります。

かつてボルドーの赤ワインは淡い色合いでした。それをイメージして1日程度、醸しを施したセニエ法を用いています。実際にclairはフランス語で色合いが明るいという意味で、ボルドーからイギリスにワインが輸出されていた時代の名残。今でもイギリス人はボルドー産の赤ワインのことをクラレット(claret)と呼びます。アントシアニンの含有量は115~160mg/Lと、ちょうどロゼワインと赤ワインの中間ですが、クレレは黒ぶどうから造られる赤ワイン寄りのロゼワインです。

黒ブドウの白ワイン

最後にブラン・ド・ノワールについてです。Blanc de noir(White of black) 黒の白、いわゆる黒ブドウから造られた白ワインのことです。

黒ブドウを醸して造るのが赤ワインですが、果皮に含まれる色素を出さずに軽く果汁を絞って、その後は白ワインと同じように発酵させたワインです。主にシャンパーニュの泡をイメージしますが、他の産地ではスティルワインでも見かけます。

ブラン・ド・ノワールが赤ワインか白ワインか考えたこともありませんでしたが、黒ブドウを使っているものの醸しておらず、外観も白(やや色素が出ているものもある)である理由から、名前の通り白ワインとしておきましょう。

最後に

赤ワインと白ワインの違いは如何でしたでしょうか。

ちなみに、畑ではPHの低い(酸性の性質が強い)白ブドウの方が黒ブドウより酸化に強く、ワインになってからは白ブドウになくて(少なくて)黒ブドウにあるもの、そう、「タンニン」が酸化防止に作用します。あのワインレッドが長持ちの秘訣です。タンニン甘味と三拍子揃っているポートワインなどは長期熟成が見込めます。

お酒の席が盛り上がるかどうかは貴方次第ですが、どうぞ今夜から使ってみて下さい。

それでは皆様、ごきげんよう!

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

関連記事をチェック♪

この記事をSNSでシェアする

最近の記事

コラム

2020年7月8日

ワイン通によるワインの嗜み~初心者向け ワインの飲み方&楽しみ方~

山梨ワイン

コラム

2020年7月2日

ソムリエが教える!日本を代表する「山梨ワイン」の歴史や特徴

コラム

2020年7月1日

日本ワイン「グランポレール」をWinomyおすすめ六本木のイタリアンに持ち込んでBYOしてみた!~日本ワインBYOレポート~

テーブルの上に置かれたスパークリングワイン

コラム

2020年7月1日

ワイノミ厳選!おすすめスパークリングワイン10選【甘口・辛口】

グラスに白ワインを注ぐ様子

コラム

2020年7月1日

ワイノミ厳選!おすすめ白ワイン10選【甘口・辛口】

カテゴリー