2020年07月25日(土)

ボルドーワインが有名になるまで。知るともっと楽しめる歴史や選び方

ボルドーは、ブルゴーニュと並ぶフランスワインの二大醸造地。重厚感と飲みごたえのある赤ワインや、格付けで等級のついた高級ワインを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、地区によっていろんな特徴あるワインが作られているんです。この記事では、ボルドーが世界的なワインの産地になるまでの歴史や、ワインの特徴、選び方などをご紹介します。

ボルドーという街について

空から見渡したボルドーの街並み
iStock.com/saiko3p

ボルドーは、フランスの南西部に位置する港町。パリからは、飛行機で1時間、TGV(高速列車)で3時間の場所にあります。2007年に世界遺産に登録され、2017年には有名なガイドブックで「行くべき世界都市ランキングNo.1」に輝いたとても美しい街です。

気候が暖かく、3本の川が流れる豊かな土壌。川を境にエリアが分かれており、エリアによって土壌が違うためぶどうの品種・ワインの特徴が異なるんです。

川はまず、大西洋から続くジロンド川があり、そのジロンド川からドルドーニュ川とガロンヌ川に分かれて伸びています。ジロンド川〜ドルドーニュ川の右側を「右岸(うがん)」とよび、石灰岩と粘土質な土壌。メルローを中心としたエレガントなワインが多く生まれます。一方、ジロンド川〜ガロンヌ川の左側を「左岸(さがん)」とよび、砂利で水はけの良い土壌。渋みがある重厚なカベルネ・ソーヴィニヨンが中心です。

ボルドーワインの歴史

ボルドーのメドック地区
iStock.com/Eric Cowez

ボルドーでは、約2,000年前のローマ時代からワインが作られていました。

1152年、ボルドー地域を治めていたエレオノールという公女がのちのイギリスの国王(ヘンリー2世)と結婚したことで、ボルドーは一時的にイギリス領となり、ボルドーワインがイギリスへ多く輸出されることとなりました。

その後、オランダなど各地まで貿易を広げ、すでに多く生産されていたボルドーワインを更に世界へアピールするため、1855年(ナポレオン3世の時代)、パリ万国博覧会でボルドーワインの格付けが行われます。

格付けはメドック地区の生産者(シャトー)を対象に、ワインの仲介会社の評判や取引価格をもとにメドック地区の商工会議所がおこないました。150年以上経った今でも、その格付けの制度は変わらず残っています

ボルドーのシャトーマルゴー
シャトーマルゴー iStock.com/azgek

その後19世紀末、ボルドーはワインの樹の病気によって壊滅的被害を受け、一時は生産量が激減。品質の悪いワインが市場に出回るようになったため、品質保持のために制定されたのが原産地統制呼称「A.O.C.」です。

ワインの個性や品質を保持するために作られたA.O.C.は、世界初となるワインの法律。その後、A.O.Cをお手本に各国でワイン法が作られるなど、まさにボルドーワインは世界的なワインの第一人者なんですね。

ボルドーワインの特徴

ワイングラスに入った赤ワイン

ボルドーワインは、複数のぶどうの品種をブレンド(アサンブラージュ)して作られるのが特徴。ワインの生産地として有名なブルゴーニュは単一品種のぶどうを使って作られるので、対照的です。

ボルドーで作られるワインの90%が赤ワインと言われており、代表的なぶどうの品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、マルベックなど。「長期熟成で重厚感があり、男性的なフルボディのワイン」という印象もありますが、熟成が短いもの、軽めの赤ワイン、辛口の白ワインや貴腐ワインなど、地区によってさまざまなワインが作られています。

とはいえ長期熟成で澱が多く発生しやすいものが多いので、そのことからボルドーワインのボトルはいかり肩をしています。注いだときに肩の部分で澱を止めて、グラスに入らないようにしているんですね。

好みのボルドーワインの選び方

ワイングラスに赤ワインを注ぐ様子

地区によって、味や特徴、価格もさまざまなボルドーのワイン。格付けがあることから高級なイメージも持たれますが、格付けされているワインは全体の5%ほどですので、安価で買えるワインはたくさんあります。以下の選び方を参考に、店員やソムリエに相談しながら選んでみてくださいね!

地区で選ぶ

記事の冒頭で記述した通り、ボルドーワインは川を起点に右岸と左岸で特徴が大きく異なりますが、中でも代表的なエリアをご紹介します。

カベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、重厚的なフルボディの赤ワインが多く作られる左岸。代表的な「メドック地区」は、世界最高級クラスのワインが多く作られる場所です。隣の「グラーブ地区」は高品質な赤ワインや、白ワインも多く作られており、お手頃価格のワインも多くあります。グラーブ地区の南にある「ソーテルヌ地区」は超甘口の貴腐ワインが有名です。

一方、繊細で華やかなワインが多い右岸にあるのは、メルローを中心に作られる「サンテミリオン地区」。ここも多くの高級ワインが作られる場所で、。メドック地区の10分の1くらいの大きさである、ボルドー最小の「ポムロール地区」では、格付けはないながらも全世界で認められる濃密でリッチなワインが多いとされています。

他、白ワインの生産が盛んな「アントル・ドゥ・メール」地域のワインは、お手頃なボルドーワインが多く、日本でも1,000円代でも手に入ります。

格付けで選ぶ

格付けは第1級から第5級まで。ボルドーでは地区ではなく、シャトーごとに格付けがされています。

有名どころは、華やかで女性的な繊細さをもつとよばれる「シャトー・マルゴー」、第2級からの異例の昇格を果たした「シャトー・ムートン・ロートシルト」、ルイ15世が愛した王のワインとよばれる「シャトー・ラフィット・ロートシルト」など(すべて第1級)。

著名なシャトーのワインは1本数万円を超えるものもありますが、そのシャトーのメイン(フラッグシップワイン)じゃなく、少しレベルを落としたセカンドラベル、サードラベルのものであれば、1万円を下回るものもあります。また、“第1級だからおいしい” “格付けがないからおいしくない” という訳でもありませんので、店員やソムリエに相談しながら、好みを探してみてくださいね。

おすすめのボルドーワイン3選

畑でワインを乾杯する様子
iStock.com/NDStock

数あるボルドーのワインから、ワイノミおすすめの3本を選出。比較的手頃な価格で楽しめるボルドーらしい赤・白と、ちょっと贅沢したい日の1本をご提案します。

1. ムートン・カデ・レゼルヴ・メドック

真っ黒のワインボトル

「世界で一番愛されるボルドーワイン」、ムートン・カデ。格付け1級シャトーが造るカジュアルな赤ワインです。スパイスの香りに、ブラックチェリーやプルーン、黒スグリなどの熟した果実のアロマが感じられます。力強くもタンニンは非常に滑らかで、芳醇さとフレッシュな味わいが見事に溶け合い、表現力豊かな果実味を備えています。 ビーフシチューやラムチョップのソテー、すき焼きなど、しっかりとしたお肉の旨みを味わうメニューがおすすめです。

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2. シャトー ボネ・ブラン

薄い緑色のワインボトル

白ワインの生産が盛んな「アントル・ドゥ・メール」の北部にあるシャトーのワイン。ソーヴィニヨンブランが主体で、ハーブや柑橘のような爽やかな香り。程よい酸味と、新鮮な果実味が溢れる、ワイン初心者でも非常に飲みやすいワインです。赤ワインがメジャーなボルドーですが、お手頃にボルドーの白を味わってみたい!というかたは、まずこちらの1本がおすすめです。

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3. アルテ・レゴ・ド・パルメ

黒いボトルに金のラベルのワイン

5大シャトー、“シャトー・マルゴー”に次ぐ実力を持つと言われる、“シャトー・パルメ”が出すもうひとつの“パルメ”。樽香が強く出過ぎることが決してないパルメは、硬くて気難しい他のマルゴーとは違って、心が安まる穏やかなブーケを育み始めます。独特の香り高いブーケ、複雑妖艶なアロマ、そして滑らかなテクスチュアは飲む者を魅了して離しません。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロで作られる1本、ちょっと贅沢をしたい日やお祝いの席でいかがですか?

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豊かな土壌で古くから愛されるボルドーワイン

ボルドーの豊かな土地、ワインと共に発展してきた歴史。大変な危機を乗り越えながらも、関わる人たちがワインの文化を大事に育ててきたのがよくわかります。高級ワインから普段使いで楽しめるもの、赤や白や貴腐ワインまで、さまざまな種類があるので、ぜひお好みのボルドーワインを探してみてくださいね。

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