2020年08月06日(木)

夏の始まりにオススメなイタリアの二大スパークリングワイン、「プロセッコ」と「フランチャコルタ」!

今年の梅雨は例年よりもかなり長かったですね。関東ではようやく今週から夏らしさを感じられそうです。夏の暑さは苦手だけれど、なかなかやってこないとなると逆に恋しく感じてしまう…人間ってわがままです。

暑くなると飲みたくなるものと言えば、やはりスパークリングワイン!フランスのシャンパーニュやスペインのカバが有名ですが、イタリアにも世界的に有名なスパークリングワインがあります。中でも特に多くの人から親しまれているのは「プロセッコ」と「フランチャコルタ」。どちらもイタリアを代表するスパークリングワインですが、それぞれ異なる特徴を持っており、楽しむシーンに合わせて選べます。

カジュアル派の「プロセッコ 」

日本人にも比較的馴染み深いのがプロセッコ。よくショップのスパークリングワインコーナーでお勧めされているのを見かけます。名前の響きも可愛らしくて、つい何度も口ずさんでしまいます。プロセッコ と言えば、カジュアルなシーンで楽しむのに最適なワインです。店頭に並ぶ値札を見れば分かる通り、とってもリーズナブル!口に含めばパチパチ弾けるポップな泡とフレッシュな果実の香りに気分が昂ります。

プロセッコの生産地

プロセッコの生産地は北イタリア、水の都ヴェネツィアを州都にかまえるヴェネト州です(お隣のフリフリ・ヴェネツィア・ジューリア州でも生産可能)。中でも良質なプロセッコを生産することで有名なのは「コネリアーノ地区」と「ヴァルドッビアデネ地区」(噛みそう…)。この二つの地区で生産されるプロセッコは少しリッチですが、日本で見かけるプロセッコの大半はその他のリーズナブルなエリア出身です。

プロセッコのぶどう品種

プロセッコに使われる代表的なぶどう品種は「グレーラ(Glera)」。前述のエリアでグレーラを85%以上使用して造られるスパークリングワインだけがプロセッコと名乗れます(残りの15%はイタリアの土着品種やシャルドネなどをブレンド可能)。グレーラは元々“プロセッコ”と呼ばれていましたが、「ワイン名とぶどう名が同じだと混乱する!」という理由で2009年に改名されました。さすがイタリア人、とても大らかです。グレーラから造られるワインには洋なしやメロンなどの甘い果実の香りが特徴としてあらわれます。

プロセッコの製法

プロセッコのフレッシュな味わいを決定づけるのが、その製法です。フランスのシャンパーニュやスペインのカバは「瓶内二次発酵方式(トラディショナル方式)」で造られますが、プロセッコの製法は「密閉タンク方式(シャルマ方式)」です。

前者はワインボトルの中に原酒と酵母、糖分を入れて栓をして発酵させる方法。ワインが酵母と蜜に接するため酵母の香り(パンの香ばしい香り)がつきます。対して後者は密閉されたステンレスタンク内で発酵させてから瓶詰めする方法。酵母との接触が少なく、酵母由来の香りがつかず、果実のフレッシュさが際立ちます。プロセッコに感じる果実感の秘密は、この製法にあるのです。

プロセッコ すだち的一本

今やたいていのショップで見かけるほどメジャーなプロセッコ。品質が安定しており、どれを選んでも期待通りに美味しくカジュアルです。そこで今回は少し面白い銘柄を取り上げてみます。


Castelforte(カステルフォルテ) プロセッコ Extra Dry N.V.

中目黒を散歩しているときにふらっと入ったショップで見つけたプロセッコ。ワイナリー名=Cantine Riondo(缶ティーネ・リオンド)のブランド名=カステルフォルテです。 “Extra Dry”の表記どおり、辛口のすっきりとした味わい。後味にほんのりと甘みを感じます。

このプロセッコの何が面白いかって、まるでシェリーを彷彿とさせる独特な香りを感じるんです。ナッツやコーヒーを連想させる香りです。それに華やかなメロンの香りが加わって、とっても個性的。アルコール度数は11度と控えめですが、個性的な香りが十分な飲み応えを演出してくれます。

ウェブで調べても日本語のサイトはほぼ見当たらず…出会ったらとってもラッキーな、レアものの1本です。お値段は1,700円ほどで、リーズナブル。

リッチ派の「フランチャコルタ」

シャンパーニュにも引けをとらないリッチなイタリア産スパークリングワインと言えば、フランチャコルタ。ボトルのデザインからしてキラキラと輝く宝石のようなワインです。中には比較的リーズナブルなラインのものもありますが、平均するとボトル価格5,000円くらいでしょうか。

フランチャコルタはイタリアワイン最高ランクの「DOCG」に分類されます。そのため、産地や製法など、厳しい規定のもとで品質が保たれています。私の中では「シャンパーニュよりほんのちょっと手を出しやすい高級スパークリングワイン」です。実際、いくつかシャンパーニュとの共通点があるんです。

フランチャコルタの生産地

フランチャコルタの生産地は、北イタリアのロンバルディア州。ファッションの聖地、ミラノを州都にかまえる場所です。フランチャコルタはロンバルディア州の中でも、イゼオ湖の南に広がるエリアでのみ造られています。ちょうどミラノからヴェネツィアを結ぶ直線上のミラノ寄りに位置する場所です。

フランチャコルタのぶどう品種

フランチャコルタに使用できるぶどうは4品種。シャルドネ、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)、ピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)、エルバマットです。エルバマットは2017年に新たに使用を許可されたイタリアの土着品種ですが、使用できるのは全体の10%以下。ほとんどのフランチャコルタは前3つの国際品種、特にシャルドネとピノ・ネーロから造られています。そう言えばシャンパーニュの原料もシャルドネ、ピノ・ノワールですよね。これが一つ目の共通点。

フランチャコルタの製法

フランチャコルタは瓶内二次発酵方式(トラディショナル方式)で造られます。つまり、シャンパーニュの製法と同じ…これが二つ目の共通点です。プロセッコの項目で書いた通り、トラディショナル方式で造られるスパークリングワインには酵母由来の香ばしい香りが特徴としてあらわれます。実際、フランチャコルタにも焼いたトーストの香りが感じられるものが多いようです。

熟成期間にも規定があり、最低18ヶ月。シャンパーニュよりもいフランチャコルタの方が出荷前の熟成期間が長いのです(ノンヴィンテージ・シャンパーニュの瓶内熟成期間は最低15ヶ月)。

最近のトレンド

フランチャコルタに使われるぶどうは厳しい管理のもとで栽培され、質の高い果実を実らせます。酸味と甘みがバランスよく含まれ、質の高いワインを生み出すのです。特に糖度が安定しているため、瓶内二次発酵を経てオリ引きされる際に補糖を行わない生産者が増えているのだとか。シャンパーニュでいうところのいわゆる “ノンドゼ”ですね。ぶどう本来の甘みを生かした造り方で、かなりスッキリ辛口に仕上がります。

フランチャコルタ すだち的一本

イタリアワインを専門に扱うショップなら店頭にも豊富な種類が並んでいるので、ウィンドウショッピングも楽しめます。ただ日本ではシャンパーニュほどメジャーではないので、ウェブで探す方がよいかも知れません。今回は比較的リーズナブルで辛口(ノンドゼ)、熟成期間が長めのものを探してみました。


LA FIORITA(ラ・フィオリータ) フランチャコルタ ZERO

ヴィノスやまざきさんが取り扱う1本。ワイナリー名=ラ・フィオリータのフランチャコルタです。お値段は税抜き3,980円(さんきゅっぱ!)、フランチャコルタにしてはリーズナブルです。熟成期間は24ヶ月と長めで、グラスに注ぐと酵母の香ばしい香りが豊かに広がります。味わいはどんなお料理にも合わせやすいスッキリ辛口です。

余談ですが、抜栓した時に飲みきれなかったのでシャンパンセーバーをはめて保管しておいたところ、気圧に耐えられず冷蔵庫の中で栓がぽーんと弾けとんでしまいました。フランチャコルタの瓶内気圧は5気圧程度。シャンパーニュよりも低いからと、完全に油断していました。そのまま気づかず1日おいてしまい、翌日「へたってしまったかなあ…炭酸は抜けちゃってるよなあ…」と思いながら口に含んだところ、前日よりも旨味が増しているではありませんか。炭酸もやや弱まっているものの、いまだ舌に心地よい刺激を感じます。これには驚くとともに、いいスパークリングに出会った喜びを噛み締めたのでした。

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

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