2020年08月26日

プロが教える家庭料理とワインのマリアージュ!おすすめのワインも紹介 ~実践編~

マリアージュを実証するために、市販のお惣菜10品を用意しました。デパ地下に行くと、本屋と同様にテンションが上がります。そこは食べ物の天国です!ウキウキと心弾ませ、阪急うめだ本店にある、「日本のさらだ いとはん」のお惣菜を調達しました。

選んだメニューは家庭料理の定番中の定番です。それらに合わせたワインは、タイプの異なった4種です。(白ワイン2種、オレンジワイン1種、赤ワイン1種)

用意したワイン
・すっきり白ワイン(樽なし)
・コクのある白ワイン(樽あり)
・コクのあるオレンジワイン(僅かに樽あり)

・薄うま赤ワイン(ライトボディ)

いざ、マリアージュ実証!

「この組み合わせは合わないな」「こっちは合うな」とあれこれ試してみました。結果は下記の通りです。

ポテトサラダ♡すっきり白

色とボリュームでマッチング。マヨネーズの酸味とワインの酸味が合う。柴漬けやらっきょうなどのピクルスや粒マスタードが入ると更に親和性が増す。

無花果と燻製チキンの和サラダ♡すっきり白

無花果のジューシーさと淡白なチキン(薫香は薄い)には、ワインもコンパクトでボリュームがないものをマッチング。ドレッシングの酢とマスタ―ドがワインの酸を引き立てる。

チキンと紫キャベツの和え物♡すっきり白  

シンプルな塩味の軽いお料理なので、ワインも爽やかで軽いものを合わせます。

大根の梅おかか漬け♡すっきり白 

梅とお酢の酸味がワインの酸と見事に調和。

ひじき煮♡オレンジ・薄うま赤

色が同色。海藻とワインのヨード感が合う。醤油や出汁の旨味とワインの旨味や滋味さにほっこり。

金平ごぼう♡オレンジ・薄うま赤

醤油と出汁、ごぼうの旨味とワインの旨味。ごぼうの土っぽさとワインの土っぽさ(ミネラル)が◎ 

つくね(タレ)♡オレンジ・薄うま赤

鶏ひき肉の旨味とタレのコクに、ワインの旨味と果実味が優しく包み込む。

冬瓜の蟹入り湯葉あんかけ♡オレンジ・薄うま赤

とろっとして甘味のある餡と湯葉のコクがワインの甘味と旨味に溶け合う。

トマトのロールキャベツ♡オレンジ・薄うま赤

ボリュームと合わせる。トマトの酸と旨味、ワインの酸が肉の脂肪を断ち切って、旨味と風味だけを残す。

ささみチーズカツ(ソース) ♡オレンジ・薄うま赤

淡白なささみに濃厚なチーズでボリュームアップ。ソースの旨味、酸味、スパイスの三拍子が、ワインのボディや酸味とパーフェクトマリアージュ!

今回はマリアージュしなかったワインも

今回はコクのある白ワインは全滅でした。強過ぎる樽香は料理が負けてしまうのでNGです。軽く樽が感じられるようなワインは、バターや生クリームを使った重めのお料理や、ナッツやココナッツなどのコクのある食材をアクセントで入れるか、または薫香のあるもので、スモークサーモンのクリームグラタンやキッシュなどが良いと思います。

ロゼワインとスパークリングワインは合わせていませんが、ロゼワインはすっきりした白ワインと同じように応用がきくので、幅広くお食事と合わせられます。オーソドックスなスパークリングワインは、スターターとしての食前酒や食中前半の軽めのお料理、または揚げ物などと相性が良いです。サクサクした揚げ物には、油分を流してシュワシュワと口の中に刺激を与えます。また、口当たりの良いジュレ系にも、食感のギャップとして泡がぴったりです。

家庭料理と合わせたい薄うま赤ワイン

白ワインは軽いものに合わせやすいですが、今回は意外にも薄うま赤が大活躍しました。醤油や出汁を使った煮物やメインのロールキャベツにも仲良く寄り添ってくれました。ソースとの相性も良くて、コロッケなどのフライやお好み焼きなどの粉ものにも活用できそうな組み合わせです。

最後に私がおすすめする薄うま赤ワインを2種類ご紹介します。

EKLEIPSIS ピノ・ヌーヴォ2018

 

NZの女性醸造家の渾身の1本。酸が爽やかで、ゴクゴクが止まらない薄うまピノノワール。半量を全房で2週間マセラシオンカルボニック(MC)を施す。タンニン軽くジューシーで飲み疲れのしないワイン。3,500円。KPオーチャード

INTELLEGO ハラガッシャ ピノタージュ2019

南アフリカの暴れん坊が造る繊細なワイン。全房セミMCをしたのち、5ヶ月フレンチ古木樽で熟成する。ライトで酸は控えめ、でも果実味はたっぷり。「ハラガッシャ」はコサ語でゴールをきめた時の喜びの言葉。歓喜のワイン。3,500円。アフリカンブラザーズ

最後に

お店でテイクアウトすることも多いので、容器のままではなく器に盛る、ワイングラスにこだわるなどしたら、家飲みワインが益々充実することでしょう。ソースと薄うま赤ワインのマリアージュは是非お試し下さい。

それでは皆様、ごきげんよう!

前編を読む―
プロが教える家庭料理とワインのマリアージュ!まずはポイントを押さえよう ~メソッド編~

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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