2020年09月29日(火)

“シャブリ”ってこんな白ワイン!合わせるおすすめチーズ2選

残暑を感じながらいただくなら、やっぱりキリっと冷えた辛口白ワイン。中でも日本で人気が高い銘柄といえば、フランス ブルゴーニュ地方で造られる、辛口白ワインの代名詞こと「シャブリ」です。よく「シャブリは牡蠣と相性抜群!」と言われますが、実はチーズとのペアリングもオススメ。今回はシャブリの基本をおさえつつ、数ある種類の中からシャブリに合うチーズを2つ厳選してご紹介します。

シャブリの基本1:味わいの特徴

シャブリはフランス ブルゴーニュ地方の シャブリ村で造られる、辛口の白ワインです。使われるブドウの品種はただ一つ、シャルドネだけ。シャルドネ自体には強い個性はなく、土壌や気候、醸造方法などの影響がワインの味わいに強く反映されます。

シャブリ村はブルゴーニュ地方の最北に位置し、気候はとても冷涼。涼しいエリアで育つブドウにはキレのある酸が残ると言われますが、シャブリも例外ではありません。そんなブドウから造られるワインはスッキリ爽やか系。これが、シャブリのひとつめの特徴です。

ふたつめの特徴は「豊富なミネラル感」。 “ミネラル感”は、ワインの香りや味わいを表すためによく使われますが、なかなかイメージしにくい言葉のひとつです。個人的には「港町の磯っぽい香り」がして「硬度の高いミネラルウォーターを飲んだ時のような後味」が口の中に広がるワインを「ミネラル感が豊富」と表現しています。他には「鉄っぽい味わい」や「川原の石を口にいれたような味わい」をミネラリーと表現する人もいるようです。このようにとても感覚的な言葉なのですが、シャブリを飲んだ人は大抵「ミネラル感が豊富」と口にします。

シャブリの基本2:“ミネラル感”の秘密

“ミネラル感”のルーツは、「キンメリジャン」と呼ばれる土壌にあると言われます。はるか昔(1億5,000万年ほど前)、シャブリ村のある一体は海の底に沈んでいました。その後の地殻変動で陸地となったわけですが、海底だったころの影響で、牡蠣などの化石を多く含む石灰岩と泥灰岩の土壌が出来上がったのだそうです。

石灰や泥はミネラルそのもの。そんな土壌で育まれるシャルドネにはミネラルが豊富に含まれ、シャブリの味わいに反映されているのだとか。牡蠣との相性の良さも、土壌に含まれている牡蠣の化石の影響だと言う人もいます。最近の研究によると、土壌の成分がブドウ果実の成分に直接影響する可能性は低いそうですが、「シャブリの “ミネラル感”のルーツは土壌にある」説にはロマンを感じます。

シャブリの基本3:造り方の違いによる二つのタイプ

シャブリには二つのタイプがあります。

タイプ1:熟成にオーク樽を使って樽香をつけるジューシータイプ
タイプ2:発酵・熟成をステンレスタンクのみで行うフレッシュタイプ

複雑な香りや味わいを求めるならタイプ1、シャブリと言えば!なキレのある味わいを求めるならタイプ2がぴったりです。また、「グラン・クリュ」や「プルミエ・クリュ」などのリッチなラインのシャブリはタイプ1、その下にランク付けされる村名シャブリにはタイプ2が多いと言われています。そう聞くと「樽香のないフレッシュタイプはチープ」と誤解されるかもしれませんが、そうではありません。あわせる料理や楽しむシーンによっては、タイプ2の方が好まれるケースもあります。

ワイン漫画『神の雫』にシャブリが登場した際、物語の中でも2つのタイプが話題になっていました。テーマは「生牡蠣にあうのはどちらのタイプのシャブリか」です。このケースではタイプ2のシャブリを選ぶべし!という結論に。樽熟成によって厚みが増したシャブリを生牡蠣にあわせると、生臭さを感じてしまうのです。ワインと料理のマリアージュの妙を感じることができる、興味深いエピソードです。

それでは、実際にシャブリに合わせて食べてみた感想とともに、おすすめチーズをご紹介します。

合わせたシャブリはこちら!

コスタル・シャブリ 2018

造り手は、ドメーヌ・ジャン・コレ・エ・フィス。自社栽培のブドウのみにこだわる、レコルタン・マニピュランです。格付けは、プルミエクリュの下にランク付けされる村名ワイン。ステンレスタンクで発酵・熟成されたフレッシュタイプ(タイプ2)のシャブリです。スッキリとした酸にシトラス系果実の爽やかな香り、口内に広がるミネラル感…これぞ王道シャブリ!

シャブリに合うおすすめチーズ2選

おすすめチーズ(1)シャウルス(白カビタイプ)

フランス シャンパーニュ地方原産の、白カビチーズ。原材料は牛乳です。シャウルスの産地は、シャンパーニュとシャブリのちょうど中間くらいに位置しています。そのため、シャンパーニュともシャブリとも相性が良いと言われています。

一般的に馴染みのある白カビチーズと言えばカマンベールですが、シャウルスはそれよりもかなり濃いめの味わい。塩味が強めで、よく冷えたシャブリのミネラル感とよくマッチします。一方、香りはフレッシュでクセが少なめ。そのせいか、シャブリと合わせるとシャブリのコクが際立ち、後味には桃やトロピカルフルーツを思わせる甘美さが残ります。シャブリを主役にするチーズです。

シャウルスの名前の由来は、シャンパーニュ地方の町の名前です。シャ=猫、ウルス=熊という意味があるのだとか。「パンダじゃん」と思った方、私と気があいます(笑)。

おすすめチーズ(2)アフィデリス(ウォッシュタイプ)

シャブリと同じブルゴーニュ地方原産のウォッシュチーズ。原材料は牛乳です。実はこのアフィデリス、「シャブリによるシャブリのためのチーズ」と言われています。なんとシャブリで洗って熟成させて仕上げたチーズなのです。

一般的にウォッシュチーズは、整形したチーズの表面を塩水につけたりふいたりを繰り返しながら熟成させます。そうすることでリネンス菌が表面に繁殖して幕をつくり、中身がクリーミー&コクのある味わいに仕上がります。表面を洗う塩水は産地によって様々に工夫されていますが、アフィデリスの場合は大胆にもシャブリそのもので洗っているのです。完成したアフィデリスの味わいの奥には、シャブリの風味を感じるとか…。

残念ながら私はシャブリの風味を感じ取ることはできませんでしたが、シャブリとの相性の良さはしっかりと実感しました。味わいは濃厚でクリーミー、まるで肉厚な牡蠣を食べているようなコクを感じます。そこにシャブリのミネラル感がとてもよくマッチ。不思議なことに、アフィデリスにあわせるとシャブリのフレッシュさが際立って、グレープフルーツのような香りが濃くなりました。同じワインとは思えないほど、別の表情を見せてくれました。

最後に

暑い日に恋しくなる辛口白ワイン、シャブリ。気温がさがる前にもう1本、堪能してみてはいかがでしょうか。ぜひ冷蔵庫でよく冷やしたシャブリに、シャウルスとアフィデリスを添えて、ご賞味ください。今までは違うシャブリの一面を垣間見れること間違いなしです。

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

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