2020年10月24日

いまさら聞けないワインの「シャブリ」とは?ソムリエが徹底解説

「シャブリ」というワインは、ワイン好きはもちろんですが、ワインを飲まない方でも聞き覚えがあると思います。この記事では、シャブリというワインの基本的なこと、知っているとちょっとワイン通に見える知識を、ソムリエがご紹介していきます。

 シャブリとは、どんなワインなのか?

シャブリ地区の入り口
iStock.com/RnDmS

シャブリとは、フランス・ブルゴーニュ地方でシャルドネ種から造られる白ワインのことです。フランス・ブルゴーニュ地方といっても縦に長く広い地域ですが、シャブリ地区は一番北部ヨンヌ県という場所で造られています。シャブリ地区は、冷涼な気候と石灰質な土壌が特徴的。フレッシュな酸味とミネラル感を味わうことのできる、辛口の白ワインです。

シャブリワインの特徴

生産される産地は、「シャブリ地区」

シャブリが造られるシャブリ地区は、キメリッジアン土壌から出来ています。キメリッジアン土壌とは、石灰岩と泥灰岩で小さな牡蠣の化石をふくんでいる特殊な土地です。また、遅霧に悩まされるほど冷涼な地域であることも、ワインの味わいに大きく影響してきます。

格付けで大きく変わる値段

シャブリ地区では、畑それぞれに格付けが付いています。上のランクから、
・グラン・クリュ(特級)
・プルミエ・クリュ(一級)
・シャブリ
・プティ・シャブリ
計4つのランクに分けられ、グラン・クリュはシャブリの中でも最上級ワインです。

グラン・クリュには、7つの畑があり、プルミエ・クリュは40の畑があります。シャブリのグラン・クリュは、生産地域も合計で100㏊ほどと狭く、希少性も高く、ブルゴーニュ地方の中でも高級ワインのひとつ。

値段は、グラン・クリュだと1万円以上が多く高級ワイン。プティ・シャブリになると、1,000円台または1,000円以下で売っていることもあります。

シャブリの独特な味や香り

土壌が特殊なこともあり、シャブリの味わいはとても特徴的です。特に、石灰質な土壌によりミネラリティに富んだ、やや火打石のような風味を感じられます。フランス・ブルゴーニュ地方でも、北部で造られるためフラッシュな爽やかな酸味を味わえることも特徴の一つ。

シャブリ自体は、シャルドネというブドウから造られ。味わいのクセは強くなく飲みやすいワインになりますが、ブドウ自体のクセが強くないので、造り手のこだわり(樽の強さ、ブドウの育て方など)がよく反映されます。

シャブリというワインには、赤ワインはない

レストランで働いていると、ときどき「シャブリの赤ワインください。」「私、シャブリの赤ワインが好きなの」「赤ワインなら、シャブリが一番!」などと、不思議な話をしている方を見かけます。

シャブリというワインには、赤ワインは存在しません!

上記のような会話は、ソムリエやワインのプロからすると「間違ってるよ!」と注意したくなってしまうものです。シャブリ=白ワインと覚えておきましょう。ちなみに、シャブリ地区で赤ワインを造ることはできます。「シャブリ」という名前で赤ワインは生産できませんが、シャブリ地区の赤ワインということであれば販売できるということ。シャブリ地区産で探せば、赤ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインもあるので飲んでみてください。

シャブリのワインに合う料理

生牡蠣
iStock.com/MaximFesenko

生牡蠣にはシャブリが合う!とよく聞きますが、それは本当です。先ほど、シャブリ地区では牡蠣の化石をふくむ石灰岩と泥灰岩土壌とご説明しました。シャブリ自体もミネラル感が強いので、生牡蠣との相性は抜群。しかし、シャブリと生牡蠣と合わせるときは、なるべく酸味の強い安めのシャブリがおすすめ。

なぜかと言うと、
・生牡蠣にレモンをかけるイメージ
・食中毒を防ぐため
・高級すぎると酸味が穏やかになる
こんな理由があるのです。

フランス人は、生牡蠣にシャブリの強い酸を合わせることで、殺菌効果を求めていました。そのため、高級なグラン・クリュクラスのシャブリは、酸味が穏やかなものもあるため、あまり合いません。生牡蠣を食べるときに合わせるシャブリは、安めで酸味の強い、レモン感のあるものにしましょう。

もし牡蠣とグラン・クリュやプルミエ・クリュのシャブリを合わせたいときは、バターソテーや白ワイン蒸しなどにして牡蠣の旨味を存分に出してから合わせてみてください。生牡蠣と合わせるよりも、何倍もおいしく食べられますよ。

シャブリワインおすすめ3選

 1. ドメーヌ・ダニエル・ダンプ「シャブリ」

ダニエルダンプのシャブリ
¥3,344~/白・辛口/フランス・ブルゴーニュ/

樽を使わず、シャブリ独特な味わいをピュアに感じられる一本。レモンやほんのり青りんごのような果実の風味と、貝殻のようなミネラル感とフレッシュな酸を感じられます。爽やかさとミネラル感と果実感をバランスよく味わえますよ。シャブリの基礎を知りたい方は、まずはダニエル・ダンプのシャブリをおすすめします。

 2. ドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサ「シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン」

シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン 2018 ヴァンサン・ドーヴィサ
¥8,580~/白・辛口/フランス・ブルゴーニュ/

化学肥料、除草剤など一切使わない100%ビオディナミ農法で造られるシャブリ。土地の味わいを大事にして、自然のもののみを使用し、余計なものを使わずに造り上げる一本です。レモンやグレープフルーツのような爽やかさとフルーティーさに火打石のようなミネラル感。そして、ほどよい樽のニュアンスが、ワイン全体をまとめてくれ余韻の長いシャブリになります。シャープな酸味だけじゃない、深みも感じたい方におすすめです。

 3. ドメーヌ・フランソワ・ラヴノー「シャブリ グラン・クリュ ヴァルミュール」

シャブリ グラン・クリュ ヴァルミュール 2013 フランソワ・ラヴノー
¥54,890~/白・辛口/フランス・ブルゴーニュ/

シャブリと言えば「フランソワ・ラヴノー」と言われるほど、シャブリ好きなら一度は飲んでみたい造り手。ヴァルミュールは、ラヴィノーが1㏊も所有できていない超希少な特級畑。10年熟成しないと良さが出ない!とまで言われる、熟成したい最高のシャブリです。ミネラル感とほどよい樽のバランスが絶妙でおいしい一本。シャブリのミネラル感をダイレクトに感じることができる最上級のシャブリです。

シャブリは、畑よって味わいが変化するおもしろいワイン。

白ワイン
iStock.com/Oleg Elkov

シャブリは、酸味とミネラル感がたっぷり味わえるワイン。ほかのブルゴーニュ産の白ワイン(シャルドネから造られるもの)とは、ひと味もふた味も違います。また、グラン・クリュやプルミエ・クリュの味わいの奥深さは絶品。1本飲んだだけで「シャブリはおいしい」とは言わず、色々な格付けや造り手のものを味わってみましょう。好きな銘柄や造り手が見つかるかもしれませんよ。
※商品価格は、2020年9月30日時点での情報です。 

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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