
2021年02月23日
北海道のワインが近年、国内外から注目を浴びていることをご存知ですか?北海道産のワインは毎年さまざまなコンクールで受賞しています。海外進出も果たしたワインもあるほど、今や世界各国からの評価が高まりつつある北海道産ワイン。本記事では、その人気の秘密と、おすすめの北海道産ワインを種類別にご紹介いたします。
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国内ワインの産地といえば山梨県(甲州)が有名ですが、北海道も山梨、長野に次いでシェア率約15%と国内第三位の生産量を誇ります。1963年にワインの製造が北海道で始まって以降、2000年までに10軒にも満たなかった道内のワイナリーの数は2019年3月末には37軒まで急増。これも山梨、長野に次ぐ国内第三位のワイナリー数です。(国内製造ワインの概況:平成30年度国税庁調査分より)
北海道がこれほどまでのワイン生産地となった理由は、北海道が亜寒帯気候に属していることにあります。北海道は夏の降水量が少なく、梅雨や台風の影響も少ない地域。また年間を通して寒暖差が激しく、これはワインの本拠地でもあるヨーロッパ北部の気候と非常に類似しています。ぶどうの育成時期である春から秋にかけて雨が少ない北海道では、ヨーロッパ系品種のぶどうが多く栽培されています。「ケルナー」や「ポートランド」、「キャンベル・アーリー」、「ツヴァイゲルト」といったヨーロッパ系品種のぶどうは、国内の生産量は北海道がもっとも多いです。
また2018年には国が地域ブランドを保護する「地理的表示(GI)」で、北海道がワインの産地として表記できることに決まりました。ワインでの指定は、「山梨」に次ぐ2例目。一定の条件を満たせば、商品の産地に「北海道」を表記できるようになったのです。
酸味が味わいの決め手といわれる、白ワイン。寒冷地で育った白ぶどうは酸味の強さが特徴であるため、北海道の白ワインも国内外から高い評価を得ているものがたくさんあります。なかでもおすすめの白ワインを5つ、ご紹介いたします。
¥2,363(税込)〜/白・甘口/日本
本社を小樽に構える「北海道ワイン」の、代表的なワインである「おたる特選」シリーズ最高峰ともいえるワイン。遅摘みのナイアガラを凍結果汁仕込みすることによって、アイスワインを彷彿とさせる濃厚な甘さに仕上がった白ワインです。女性やお酒が苦手な方にも人気が高く、特にワインは甘口派という方にはぜひ一度飲んでいただきたいひと品です。
¥4,400(税込)〜/白/日本
栓を開けた瞬間に、マスカットの香りが広がる果実味溢れるやさしい酸味が特徴の白ワイン。製造元である「オチガビワイナリー」の畑で収穫したぶどうのみを使用し、一粒一粒丁寧に選別して仕込んだ非常に希少性の高いひと品となっています。「オチガビワイナリー」のモットーは、国外のワインや生食用のぶどうは一切使用しないこと。醸造蔵のまわりをワイン専用ぶどう畑で取り囲んだ、国内でも数少ない正統派のワイナリーです。
¥2,530(税込)〜/白・辛口/日本
淡い黄金色が美しい、キリっとした辛口の白ワイン。熟したトロピカルフルーツやジャスミンティーが香る、スッキリとした味わいに特徴があります。北海道南西部の日本海に浮かぶ奥尻島で栽培されたぶどうは、潮風を受けてミネラル分が豊富。そんな奥尻産シャルドネを100%使用して仕込まれた、個性豊かな白ワインです。
¥1,354(税込)〜/白・やや甘口/日本
国産ではめずらしい、生の果実から造られた酸化防止剤無添加の白ワイン。北海道産のナイアガラを100%使用し、ナイアガラの華やかな甘い香りが特徴ある『やや甘口』ながらしっかりとした甘さを感じられる白ワインです。ワイン初心者の方でも味わいやすい、コスパのよいひと品といえるでしょう。
製造元の「はこだてわいん」は1973年創業と、北海道で3番目に古いワイナリーです。日本人の味覚に合う“日本のワイン”を目指し、高度な醸造設備などを有しています。
¥1,767(税込)〜/白・甘口/日本
ぶどうのみならず、さまざまな果物の名産地でもある北海道。「はこだてわいん」では、そんな北海道各地で作られた果物を使用したフルーツワインを各種製造しています。なかでも、北海道夕張産メロンを使用したフルーツワインは特におすすめ!アルコール度数8%でやや甘口のデザートワインのような味わいは、普段ワインを飲まない方やお酒が弱い方でもおいしくいただけます。
北海道の赤ワインは、北海道の食材との相性がよいと言われています。ラム肉やエゾシカ肉などのジビエ料理やジンギスカン、脂ののった旬の鮭などと合わせて飲みたい、おすすめの赤ワインをご紹介します。
¥2,872(税込)〜/赤・ミディアムボディ/日本
池田町で選抜育成された醸造用品種の清見と山ぶどうを掛け合わせた、耐寒性交配品種の山幸から造られたビンテージワイン。発酵終了後フレンチオーク樽で約1年間じっくり熟成させて瓶詰めされるため、熟成香がしっかり香るやわらかい飲み口が特徴です。
製造元の「十勝ワイン」は、北海道でもっとも古い歴史を持つワイナリー。1963年の創業時から長年研究が続けられ、誕生した品種が山幸です。テーブルワインとしても、おもてなしワインとしても楽しめるバランスのよいひと品に仕上がっています。
¥1,420(税込)〜/赤・ミディアムボディ/日本
「富良野ワイン」は、テレビドラマ「北の国から」でも知られる富良野市にある1972年創業の老舗ワイナリーです。創業当時からのロングセラーを誇るのが、ふらのワイン。果実香のなかに品種特有のボタニカルな香りが漂い、ほどよい渋みで飲みやすい赤ワインに仕上がっています。通常のボトルラベルも製造されていますが、写真のラベンダーボトルはなんとラベンダーの香りつき!お土産にもおすすめですよ。
¥1,918(税込)〜/赤・ライトボディ(甘口)/日本
キャンベル・アーリーは、北海道を代表する黒ぶどう品種。日本で栽培されるうち、約5割が北海道産です。生食用としても長く愛されてきたキャンベル・アーリーを、渋みを抑えて甘口に仕上げた限定醸造の赤ワインがこちら。赤ワイン特有の重みや渋みが苦手な方でも気軽にいただける、ふんわり甘い香りとまろやかな味わいが特徴です。
¥3,850(税込)〜/赤・ミディアムボディ/日本
近年、北海道での栽培が増加中のピノ・ノワール。こちらは、1992年から醸造用ぶどうの専業栽培家である木村忠氏と契約栽培を開始し、木村氏が垣根方式で栽培したピノ・ノワールを使用しています。淡めのルビー色が美しく、木いちごやラズベリーのような果実のアロマとハーブ香が清涼感を感じさせます。なめらかな口当たりと伸びやかな酸味が印象的な赤ワインです。
製造元の「千歳ワイナリー」は、山梨県の中央葡萄酒というワイナリーの第2ワイナリーとして1988年に誕生。北海道では7番目の歴史を持つワイナリーです。前身は山梨県のワイナリーの一部でしたが、現在は分社化して独立。北海道の土地に合ったワイン造りをしています。
¥1,084(税込)〜/赤・ミディアムボディ(やや甘口)/日本
北海道の定番郷土料理であるジンギスカンを、よりおいしく楽しむために特別にブレンドした赤ワイン。北海道産ぶどうを100%使用し、セイベル種を主原料として醸造したほどよい酸味が特徴です。ジンギスカンのタレのようなボトルサイズとラベルにユーモアを感じつつ、間違えてお肉にかけないように気を付けたいですね!?
口当たりがよく、ワイン初心者でも気軽に楽しめるロゼワイン。日本ではまだ少数派ともいわれていますが、北海道産のロゼワインにはさまざまな味わいのものが粒ぞろい。ぜひお好みのものを見つけてみてはいかがでしょうか。
¥2,640(税込)〜/ロゼ・辛口/日本
北海道産のぶどう数種類をブレンドして造られた、味わい豊かな辛口のロゼワイン。クランベリーやザクロのような果実の穏やかな香りに、ルバーブやスターアニスのようなオリエンタルなニュアンスも加わった奥行きのある味わいと伸びやかな酸味が特徴です。
より自然に寄り添うワイン作りを目指している「さっぽろ藤野ワイナリー」がワインに使うぶどうは、北海道の契約農家で大切に育てられたぶどうのみを使用。丁寧な選果実や最小限に抑えた亜硫酸(酸化防止剤)をはじめ、無濾過であること、天然酵母での醸造など、ワインの品質にも定評があります。
¥1,048(税込)〜/ロゼ・辛口/日本
酸味とブーケのバランスがほどよいトカップ赤と、フルーティーで高貴な繊細のトカップ白の中間のロゼワイン。国産ワインでは数少ないドライな風味が特徴です。ほどよい酸味は、和風料理から肉料理まで幅広いマリアージュを楽しめますよ。
¥2,090(税込)〜/ロゼ・やや甘口/日本
イチゴやキャンディーのような香りを持ち、甘酸っぱくすっきりとした飲み口のロゼワイン。口に含んだ瞬間に、やさしい甘さと果実の風味が広がり、非常に飲みやすいひと品です。
製造元である「宝水ワイナリー」は、映画「ぶどうのなみだ」の撮影場所となったり、ワインを題材とした漫画「神の雫」でも取り上げられたりと一躍有名になりました。岩見沢という雪深く夏の短い地域で丹精込めて造られたワインは、手工芸品のような逸品とも評されています。
¥1,178(税込)〜/ロゼ・甘口/日本
北海道の果物の代名詞ともいえる、ハスカップ。北海道苫小牧産のハスカップを使用した、果汁感溢れるフルーツワインがこちらです。アルコール度数は8%と低アルコールで飲みやすく、北海道産ハスカップの甘さと酸味が調和したフレッシュな風味が特徴。テーブルワインとしてはもちろん、お土産にも喜ばれるひと品です。
¥2,050(税込)〜/ロゼ・甘口/日本
北海道物産展でも絶大な人気を誇る名物ワインの「おたる特撰」シリーズから、ロゼワインもひと品ご紹介。こちらは、大粒の黒ぶどう「キャンベルアーリ」で醸造するロゼワインです。黒ぶどうや苺を思わせる華やかな芳香と豊かな甘みが魅力的で、凝縮した濃密な味わいが広がるリッチな仕上がりになっています。
ぶどうの品種や味わいのほか、製造方法によっても趣が異なるスパークリングワイン。北海道産のスパークリングワインはさまざまな国内のコンクールで受賞歴を持つものも多く、品質にも定評のあるスパークリングワインが数多くあります。そのなかでも至極のひと品を、5つご紹介いたします。
¥2,860(税込)〜/白・泡(辛口)/日本
北海道余市産ケルナーを100%使用した、新酒作りの炭酸ガス後充填型スパークリングワイン。フレッシュなケルナーの香りとほどよく残った酸味、辛口な味わいが楽しめるひと品です。
ケルナーは、ドイツ南部のバーデン、ヴュルテンベルクの代表品種でもあり、余市町のワインぶどう畑の4割はケルナーです。北海道の白ワインを代表する品種ともいえるでしょう。
¥3,080(税込)〜/ロゼ・泡/フランス
北海道固有のぶどう品種である旅路を使用した、亜硫酸(酸化防止剤)無添加のロゼスパークリングワイン。瓶内二次発酵までのすべての発酵を、野生酵母のみで行っています。やや濃いめの鮮やかなロゼカラーがかわいいらしく、果実の香りにハッカやソーダのような清涼感が漂う爽やかな飲み口が特徴です。
¥2,343(税込)〜/白・泡(やや甘口)/日本
契約農園の厳選された北海道産ケルナーを100%使用した、すっきりとした甘口のスパークリングワイン。糖度が最高の状態にある完熟したぶどうを使用することで、ぶどう本来のフレッシュな香りと甘さを余すところなく表現しています。冷涼な気候ならではのキレのある酸味とフレッシュフルーツのバラエティ豊かな香りを併せ持つ味わいは、日本ワインコンクールで8年連続受賞するのも頷けます。
¥1,330(税込)〜/ロゼ・泡(辛口)/フランス
国内初の瓶内二次発酵に成功したスパークリングワインです。瓶内二次発酵は、シャンパンと同じ製造法。清見種のぶどうを主体とした落ちついたピンク色が美しく、辛口発泡性でクリーミーで決め細かい泡立ちと酵母由来の旨味酵母が特徴です。深い味わいがあらゆる料理とマッチするので、食前から食中酒として楽しむのがおすすめです。
¥3,135(税込)〜/ロゼ・泡(辛口)/日本
千歳市周辺で収穫したハスカップを、瓶内二次発酵製法で仕上げたスパークリングワイン。2019年7月に販売開始されたばかりの限定醸造です。ハスカップはぶどうの三倍の酸度がある、酸味の強い果実。甘酸っぱくすっきりとした辛口と、美しい色調、クリーミーな飲み口が楽しめる、ほかにはないひと品です。
一口に北海道のワインといっても、広大な土地が広がる北海道ではぶどうの品種のみならず栽培地域によっても味わいが異なり、ワインの世界でいうテロワールがそれぞれに表れています。旅行や観光で訪れた際には、ぜひその土地のワインを味わってみてはいかがでしょうか。
記事内参照サイト/国内製造ワインの概況:平成30年度国税庁調査分より
※商品価格は、2020年10月10日時点での情報です。