2020年10月28日

秋冬に恋しくなる “フルボディ”な赤ワインとパンの相性を探ってみた

「赤ワインと言えばお肉料理のイメージが強いけれど、パンとの相性ってどうなんだろう?」秋深まるある晩の、わが家の食卓での会話です。

その日、面白い赤ワインを手に入れたのでチーズに合わせて楽しむことにしました。クラッカーがきれていたので食パンで代用したところ、食パンと赤ワインの相性の良さに気づいたのです。チーズなしでも十分いける…!それがきっかけで、赤ワインとパンのに相性ついて興味が湧いてきました。

酵母の香りが豊かな白ワインは「パンと相性が良い」と評価されることがあります。特に白のスパークリングワインとバター香るクロワッサンは最高のペアリング。ワインとパンは発酵食品どうし、風味に共通点があるから合わせやすいのです。赤ワインだって同じワイン、きっと最高のペアリングを見つけられるはず。

早速、赤ワインとパンを用意して相性を探ってみました。

主役のワイン

La Vendange des Chefs (ヴァンダンジュ シェフ)2013

冒頭で触れた “面白い赤ワイン”というのがこの「ヴァンダンジュ シェフ」です。フランス、ローヌ地方の赤ワインで、メルロー100%のフルボディ。お値段は¥2,800。 秋〜冬にかけての寒い季節に恋しくなる、重厚感あふれるタイプです。

ヴァンダンジュ シェフを造っているシャトー・デュッグは、地元の人々に愛される歴史あるワイナリーです。エチケットの絵は今のオーナーが描いたものだそう。シャトーがある町では、全てのレストランがデュッグのワインをオンリストしているのだとか。

このワインには面白いエピソードがあります。2002年、ローヌ地方が大洪水にみまわれた際、町のレストランのシェフたちが総出でデュッグの畑のメルローを収穫したのだそう。自分たちの店はそっちのけで、地元の愛すべきワインを守りました。その後シェフたちへの感謝の気持ちをこめて、その畑のメルローを100%使ったワインを造ったのだとか。それが、ヴァンダンジュ シェフです。“Vendange(ヴァンダンジュ)”= “収穫”を名前に取り入れたのも、シェフたちへの功労をねぎらう意味があります。

テイスティング メモ

グラスに注ぐと、華やかなベリーの香りとほんのりトリュフの香りを感じ、うっとり。プルーン・ジャムを感じさせる濃厚さ。鉄分多めの口当たりで、ブラインド・テイスティングで出されたらシラーと間違えそうな味わい。スーッとする清涼感や胡椒っぽいスパイスのニュアンスも感じます。辛口だけれどやや甘みを感じるタイプ。渋みもしっかりめで、フルボディの貫禄が出ています。

相性を探るパンたち

パン選びのルール
・味がついていないもの
・具が入っていないもの
・トーストするのはOK

パン本来の味わいと赤ワインの相性を探るため、このルールにそって4つのパンを用意。

1. バゲット:小麦の香りがダイレクトに感じられる、フランスの王道パン
2. クロワッサン:バターの風味が強めで、サクサクした食感も楽しいパン
3. カンパーニュ:ライ麦と全粒粉で焼き上げた、香ばしさの強いパン
4. 食パン:パン派の朝食に欠かせない、もっちり食感のやわらかパン
※途中で味に変化をつけるためにフランス、アルザスのウォッシュチーズ「マンステール」を用意

1〜3のパンとチーズは成城石井で、4は食パン専門店の一本堂でゲットしました。これらのパンをそのまま食べたりトーストして食べたり、チーズを乗せて食べたりしながら、赤ワインとの相性を確認しました。

結果はこちら!

映えある1位に輝いたのは、ライ麦+全粒粉のカンパーニュ!黒糖のような香ばしさを感じるカンパーニュの風味とヴァンダンジュ シェフのスパイシーな香りがとてもよくマッチします。チーズやバターを塗らなくても、カンパーニュだけで延々飲めてしまうくらい。少しトーストして表面をパリッとさせるのがオススメです。

2位は冒頭でも書いたとおり、赤ワインとの意外な相性の良さを見せてくれた食パン。個人的に、しっとりもちっとした食感に赤ワインがクセになります。トーストするのも良いけれど、そのままちぎってたべるのもオススメ。

3位はバターが香るクロワッサン。事前の期待値は最も高かったものの、予想に反してあまりふるわず。クロワッサンのバターの香りと赤ワインの香り…別々に食べた方が良さを感じられるようです。クロワッサンは白ワインとの相性が良いだけに、意外でした。

最下位は王道のバゲット。フレンチで一番目にする機会の多いパンなのに、赤ワインとの相性はいまひとつ…。バゲット自体には強い風味がなく、赤ワインと合わせる意味があまりない…というのが正直な感想です。トーストしても結果は同じ。

まとめ

実際に試してみて感じたのは「パンの風味の強弱によって赤ワインとの相性が変わる」ということ。あくまでヴァンダンジュ シェフとの相性ではあるものの、今回試した中では風味の強弱グラデーションのちょうど中間〜やや強めなポジションのパンがよりマッチしていました。

バゲットに関しては改めて「味の異なるものどうしが干渉し合わないように間に食べる役割」を感じました。白ワインから赤ワインにチェンジするとき、魚料理から肉料理にチェンジするとき、などなど。風味が弱めなので口の中をしっかりリフレッシュしてくれるんですね。もちろんバゲット自体も美味しいのですが、ワインとのペアリングにはより風味の強いパンの方が向くようです。

赤ワインとパンのペアリング、もし機会があったらぜひトライしてみてくださいね!

最後に

マンステールを用意したもの、パン自体の風味だけで十分ワインが進んでしまいました。ただ、マンステールを合わせるとより楽しめることは間違いありません。例えば、クロワッサンにマンステールをあわせると、ウォッシュチーズのはずなのにクリームチーズのような味わいに変わります。カンパーニュ+マンステール+赤ワインは鉄板の美味しさ。カンパーニュの香ばしさにマンステールのウォッシュ香、赤ワインのジャム感がなんとも言えない美味しさを演出してくれます。お試しあれ!

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

吉田すだちさんの記事をチェック♪

この記事をSNSでシェアする