
2021年02月23日
長野県のワインは、日本で生産量2位に君臨しています。海外でも評価は高く、ファンも増えて日本でも購入しにくいワインもでてきました。そんな長野県産ワインは、どのような特徴があるのかを詳しく学んでみましょう。おすすめのワイナリーと商品も合わせてご覧ください。
長野県のワイナリーは、2017年10月時点で36軒。2000年以降から新しいワイナリーが20軒以上設立されている、とても注目度の高い産地です。
長野県は南北と長く、周囲を北アルプスや南アルプスなどの山に囲まれており、どこも海が接していないため内陸になっています。全体的に盆地気候なので、年降水量が少なく、昼夜や夏冬の気温差が大きいためいいブドウができる環境です。長野ではブドウ栽培に盆地の斜面を使用することが多いため、標高差・気象条件・土壌の多様性からさまざまなブドウ品種が造られていることも特徴的。
2013年「信州ワインバレー構想」が発表されました。これは、長野県で造られるワイナリーを4つの地域(バレー)に分け、それぞれ協力し合い、世界中の人々が訪れたくなるワイナリーにしていこうという目標をかかげスタート。現在はアメリカ・ナパバレーのように、ワイン畑だけではなくレストランやショップなどが並ぶ、楽しくおもしろいワイン産地になるよう改装や増設工事をおこなうワイナリーが多くなっています。
井筒ワインは、1933年に設立してから約80年もの長い歴史を持つ造り手です。桔梗ヶ原ワインバレーで造られ、自家農園と契約農家のブドウのみを使用。甘味のある飲みやすいものからヨーロッパのワインを彷彿とさせる深みのあるワインまで、さまざま手がけます。酸化防止無剤添加で造られる新酒はとても人気で、毎年待ちに待ったファンがワイナリーへつめかけることも多いですよ。
井筒ワインについてもっと詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
https://www.winomy.jp/blog/column/23604/
2004年に、桔梗ヶ原ワインバレーでスタートしたkidoワイナリー。自分が飲みたいワインを造ることにこだわりを持ち、造り手の信念と熱意があふれているワインです。アメリカのカルトワインのように、ワインショップでは販売されず抽選でのみ購入できる希少なワイン。めったにお目にかかれない、kidoワイナリーのワインをぜひ現地で味わってみてください。
千曲川ワインバレーで造られるヴィラデストワイナリーは、カフェやガーデンも併設しています。ブドウ畑をみながら、そのブドウから造られたワインを飲むことや、ガーデンを眺めながら地元の野菜から作られる料理を楽しむ。オーナーはそんな思いで、ワイナリーを手がけています。ぜひ現地で、ワインに合う料理と風景を楽しんでみてください。
日本アルプスワインバレーで造られるワイナリー。安曇野の土地や気候を把握し、安曇野らしいブドウを造ることを目指しているところが特徴。ブドウ畑をみながら軽食も楽しめるテラス席やショップ、試飲カウンターも完備しており、一日中楽しめるワイナリーになっていますよ。
天竜川ワインバレーで造られる本坊酒造信州マルス蒸留所。ウィスキーの蒸留所として設立されましたが、現在はワインも多く手がけています。近年では、日本の伝統的なブドウ品種ヤマ・ソービニオンから造られるワイン造りにも、力を入れているワイナリー。国内のワインコンクールでも入賞経験もあり、注目度が高いワインが多いですよ。
フランス・ボルドー地方で造られ、世界中に広まったブドウ品種。日本での栽培面積はまだ少ないが、長野県での栽培は増えてきています。渋味がしっかりあり濃厚、やさしい酸味と華やかな香りが特徴的です。
口当たりがとてもなめらかで、まろやかな味わい。マイルドな渋味と酸味、果実味が広がります。長野県・桔梗ヶ原バレーは、日本で初めてメルローの栽培研究を推進し根付かせてきた経緯があり、国際的にも評価の高いワインを生み出しています。
長野県で生産量1位のブドウ品種です。アメリカ原産のラブラスカ種で、果汁用原料となることが多い。日本では、桔梗ヶ原ワインバレーで栽培されています。軽やかで渋味は少なく、やや甘味を感じるフルーティーなワインが多いですよ。
日本の風土に合わせて開発された、国産赤ワイン用ブドウの代表品種。色合いは濃いですが、渋味はおだやかでまろやか、ジューシーな独特な香りが特徴です。やや冷やして飲むのが、おすすめのワインが多いですよ。
山梨大学が開発したヤマブドウちカベルネ・ソーヴィニヨンを交配して造られたブドウ品種。色合いは濃く、果実味と酸味がしっかりとしたワインになるところが特徴的です。
ベーリー種とゴールデンクィーン種から育種された、国産の赤ワインブドウ品種。酸味と渋味が強く、野性的なワインになることが多いのが特徴。長期熟成に向くワインが、造られています。
iStock.com/Luca Piccini Basile
世界中で生産されている白ワインの代表品種。シャルドネはブドウ固有の風味が少なくクセもないため、その土地ごとにさまざまな味わいになります。長野県産のシャルドネも、バレーごとに味わいは異なっていておもしろいです。現在千曲川ワインバレーが、日本のシャルドネ産地として注目されています。
長野県の白ワイン用ブドウで、生産量1位を記録しています。アメリカ・ニューヨークで誕生したブドウ品種で、主に寒冷地域で栽培されます。マスカットのような甘味とやさしい酸味、そして華やかな香りが特徴的です。長野県では、新酒としてもよく使われていますよ。
長野県で白ワイン用ブドウの生産量3位を誇るブドウ品種。中国から日本に入ってきたといわれ、古くから長野県善光寺周辺で栽培されてきました。山梨県の甲州種に似て、スッキリとして飲みやすく後味に少し渋味を感るワインが多く造られます。
フランス人のブドウ栽培者が配合してつくりだしたブドウ品種で、ココに番号を持つところが特徴。味わいは、辛口で青リンゴのような爽やかな香りを感じることができます。クセが強くないので、とても飲みやすいブドウ品種です。
ピノ・ノワール(赤ワイン用ブドウ品種)の突然変異によってできたブドウ。長野県でも栽培が広がりつつあります。飲みごたえがあり、繊細でスーッと飲みやすく、洋食以外でも和食も合わせやすいワインが造られてます。
¥5,863~(税込)/赤・ミディアムボディ/長野県
世界のブドウ品種のなかでも、とても栽培が難しいとされているピノ・ノワール。ヴィラデストワイナリーが手がけるワインは、フランスのブルゴーニュ地方を彷彿とさせる味わいです。華やかなでエレガントな香りと、赤い果実味を感じられます。樽で熟成しているので、やさしい樽香も楽しめますよ。
¥1,380~(税込)/赤・辛口/長野県
コンコードらしいフレッシュ感のあるイチゴやサクランボなど、ほんのり甘さのある果実味を楽しめます。ほどよい酸味もあり、サラッと飲みやすいワインです。少し冷やして飲むのがおすすめですよ。
¥1,997~(税込)/赤・ミディアムボディ/長野県
ヤマ・ソービニオン100%で造られる、珍しい赤ワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンの深みのある香りと味わいと、山葡萄の野性的な複雑な風味を楽しめます。カベルネ・ソーヴィニヨンのワインがお好きな方へおすすめです。
¥14,850 ~(税込)/赤・フルボディ/長野県
シャトー・メルシャン代表赤ワインのひとつ「桔梗ヶ原メルロー」のなかでも、特別な区画を選定し、さらに厳選されたワインが「シグナチャー」です。よく熟したカシス、ブラックベリー、ダークチェリーなどの黒い果実の風味とドライフルーツやバニラ、チョコレートなどの樽のニュアンスを感じられます。熟成することで、やさしい酸味としっかりとした渋味がまろやかに。時間をかけてゆっくり飲みたい一本です。
¥9,196~(税込)/赤・フルボディ/長野県
よく熟したブラックベリーやカシスのような果実味と、カベルネ・ソーヴィニヨンらしい濃厚で複雑な味わいを楽しめます。渋味や酸味は、果実の甘さがまろやかにしてくれるバランスのよい一本。ステーキやすき焼きなどの、味わいのしっかりた料理にぴったりです。
¥3,740~(税込)/白・辛口/長野県
オーク樽で7ヶ月熟成された、シャルドネ種100%で造られているワインです。スッキリとした切れ味と、樽で熟成したことででるバニラやハチミツのニュアンスを同時に楽しめる一本。すぐ飲んでもおいしいですが、少し熟成させてから飲んだほうがおいしく変化しそうですよ。
¥1,420~(税込)/白・辛口/長野県
酸化防止剤無添加で造られる、竜眼というブドウ品種から造られる白ワインです。グレープフルーツのような爽やかな香りと、スッキリとした酸味が和食によく合います。また甲州種のような、渋味を後味に少し感じるのがおいしいポイントです。
¥1,540~(税込)/白・辛口/長野県
淡い黄色の色合いがきれいな、ナイヤガラ種から造られるワインです。マスカットのような甘い香りがしますが、口に入れるとスッキリした酸味でドライな印象になります。レモンのような酸味も感じられるので、お刺身や魚介のカルパッチョなどにもよく合いますよ。
¥3,137~(税込)/白・辛口/長野県
柑橘系の果実やパッションフルーツのような香りと、爽やかなハーブのニュアンスが楽しめます。華やかな風味とスッキリとした味わいのバランスがとてもよく、寄せ鍋やてんぷらなどにも相性がいいですよ。
¥1,620~(税込)/白・甘口/長野県
草生栽培(畑に草を早く方法)を用いた、特別な白ワインです。青りんごのような甘味と酸味を感じる、爽やかで飲みやすい一本。酸化防止剤無添加なので、オーガニックワインが好きな方にもおすすめですよ。
¥1,752~(税込)/ロゼ・中口/長野県
マスカット・ベーリーAを使用した、やや甘みを感じるロゼワインです。フレッシュなベリー系の風味を楽しめるので、デザートと一緒に飲むのもいいですよ。甘すぎない味わいなので、辛口ワイン好きでも飲みやすい一本です。
¥1,386~(税込)/ロゼ・甘口/長野県
イチゴやチェリー、ラズベリーなどの、赤い果実を感じるロゼワインです。甘口のロゼワインなので、よく冷やして飲むのがおすすめ。食後に一杯だけ、デザートワインとして飲むのもオシャレですよ。
¥1,485~(税込)/ロゼ・甘口/長野県
コンコード種から造られ、華やかな甘い香りとジューシーな味わいがおいしい甘口ロゼワインです。酸化防止剤無添加なので、添加物を気にしている方にもおすすめ。信濃ワインが手がける、ブドウと造り手のハーモニーを楽しんでみてください。
¥2,200~(税込)/ロゼ・辛口/長野県
海外からも注目度が高いサントリーの塩尻ワイナリーが手がける、繊細でおいしいロゼワインです。熟したパイナップルやリンゴ、メロンなどの甘さと爽やかさを持つ味わい。メルロ100%から造られる、めずらしい一本をお試しください。
¥1,155~(税込)/ロゼ・やや甘口/長野県
セイベルなど数種類のブドウをブレンドして造られる、フルーティーなロゼワインです。赤い果実味の甘いアロマが、それぞれのブドウ品種のいいところを調和してくれています。爽やかな酸味もあるので、さらりと飲める口当たりのいいロゼワインですよ。
長野県のワイン産地では、さまざまなブドウ品種を造り出しています。同じブドウ品種でも造り手や土地が違うことで、味わいがガラッと変わることが特徴的。好きなワイナリーを見付けるのもおすすめですが、色々な造り手のワインを楽しんでみるのもおもしろいですよ。そして、ぜひ現地に行ってブドウ畑を見ながらワイナリーでランチしてみてくださいね。
※商品価格は、2020年11月12日時点での情報です。
ソムリエ・チーズプロフェッショナル /
YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
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