2020年11月18日(水)

映画界の巨匠フランシス・コッポラのワインをお供に芸術の秋を堪能しよう

今年も秋が深まってきました。秋といえば、 “芸術の秋”。メローな陽気を感じながら芸術に触れる時間は格別です。芸術にもいろいろありますが、最も身近で手軽に楽しめるのは、やっぱり映画!映画館に出かけるのも楽しいけれど、リビングのテレビで、スマートフォンで…家でリラックスして楽しむことだってできるインドア派の強い味方、それが映画です。

映画館ではポップコーンとコーラが欲しくなりますが、家で映画観賞をするならば、ワインは欠かせません。映画のイメージにあうワインを選んで飲みながら観賞すると、グラスから立ち上る芳しい香りが、物語の深部へといざなってくれるような気がします。

今回は芸術の秋にふさわしい映画&ワインの組合せとして、フランシス・フォード・コッポラ氏が手がける映画とワインをピックアップします。コッポラ氏といえば、アメリカを代表する映画監督でありながら、同時に世界中にファンを抱えるワインメーカーでもあります。映画監督が手がけるワインほど、芸術の秋にぴったりなものはないと言っても過言ではありません。

こちらはカリフォルニアのモントレーにあるフランシス・フォード・コッポラ・ワイナリーの外観。醸造施設だけではなく、プールやゲーム場など、老若男女が楽しめるエンターテインメント設備が備わっているレジャースポットとしても有名です。ギャラリーにはコッポラ氏の代表作「ゴッドファーザー」の絵コンテも飾られているのだそう。映画ファンとしてもそそられます。気になる方はフランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー公式サイトをチェック!遊園地のようなコンテンツが盛り沢山で、わくわくします。

そんなコッポラ氏が手がける映画&ワインの中でも、特に深い関わりをもつ二組をチョイスしてみました。

1. 映画「ロスト イン トランスレーション」とスパークリングワイン「ソフィア」

ロスト・イン・トランスレーション

(リンク元:amazon.co.jp)

一作目は、2003年公開のコッポラ映画「ロスト・イン・トランスレーション」。コッポラ映画といっても、監督・脚本は娘のソフィア・コッポラ氏(父のフランシス・フォード・コッポラ氏も製作総指揮に名を連ねています)。2004年にアカデミー脚本賞を受賞した名作です。

〔あらすじ〕
CM撮影のために東京にやってきたハリウッドの中年男優(ビル・マーレイ)。カメラマンの夫に同行して東京にやってきてホテルの部屋で過ごす若い妻(スカーレット・ヨハンソン)。見知らぬ異国の街で出会った、年齢も性別も違う2人が夜の都市をさまよう。
(引用元:映画.com

この映画にあわせたいコッポラワインはこちら!

ソフィア ブラン・ド・ブラン 2018(スパークリング)

「ソフィア」は、フランシス・フォード・コッポラ氏が娘であるソフィア・コッポラ氏の結婚を記念して、1999年に造ったスパークリングワインです。ソフィア氏は強い炭酸が苦手でシャンパーニュがお嫌いだそう。そんな娘でも美味しく飲めるよう優しくきめ細かい泡のスパークリングを造ったのだとか。「ゴッドファーザー」のイメージとは一味違う、太陽のような父の優しさを感じるエピソードです。

映画「ロスト・イン・トランスレーション」にスパークリングワイン「ソフィア」を合わせる理由は、映画の監督がソフィア氏だから…だけではありません。映画の世界観とワインの味わいに、リンクする要素が多いんです。

【映画の世界観】
一言でいうならば、透明感が半端ない!静かに時間が流れ、ピュアで優しい雰囲気が画面全体から伝わってきます。同時にメランコリックな寂しさも漂っていて、随所で胸にチクリとささる事件も起こります。クライマックスは胸にこみ上げるものを感じつつも、観賞後に残るのは爽やかな印象のみ。儚い夢のような映画です。

【ワインの味わい】
ミネラル感満載で非常にクリア(ブドウはピノ・ブラン、リースリング、ミュスカのブレンド…珍しいですね)。舌にのせると繊細な泡と優しい甘みに頬がほころびます。一方で後味にはレモンピールのような苦味を感じてハッとさせられます。余韻は短くスッと消えていき、後には爽やかさが残ります。

ほら、とても似ているでしょう?「ソフィア」を飲みながら映画を観ると、より映画の世界に入り込んで楽しむことができます。ぜひお試しください!ちなみに、作中に有名シャンパーニュ「クリスタル」が登場するのですが、セロファンの包装が「ソフィア」とそっくりで、ついにやっとしてしまいます。そこにも注目してみてください。

2. 映画「地獄の黙示録 ファイナル・カット」と赤ワイン「Apocalypse Now FINAL CUT」


 (リンク元:amazon.co.jp)

二作目は、上の画像のシーンで有名なコッポラ映画「地獄の黙示録 ファイナル・カット」です。1979年に公開されたコッポラ監督の映画「地獄の黙示録」を監督自らが再編集、デジタル修復を施して昨年リリースした最終版です。映像は1979年当時と同じものなのですが、まったく古さを感じません。デジタル修復技術の高さを実感します。

〔あらすじ〕
ベトナム戦争が激化する1960年代末。アメリカ陸軍のウィラード大尉は、軍上層部から特殊な任務を与えられる。それは、カンボジア奥地のジャングルで軍規を無視して自らの王国を築いているという、カーツ大佐を暗殺するというものだった。ウィラードは部下を連れてヌン川をさかのぼり、カンボジアの奥地へと踏み込んでいくが、その過程で戦争がもたらす狂気と異様な光景を目の当たりにする。
(引用元:映画.com

若かりし日のハリソン・フォードも出演しており、見所満載。この映画にあわせたいコッポラワインはこちら!

Apocalypse Now FINAL CUT 2017

ワイン名の「Apocalypse Now(アポカリプス・ナウ)」は、「地獄の黙示録」の原題です。そう、このワインは「地獄の黙示録」そのものをイメージし、ファイナル・カット版をリリースする際に記念として造られたプレミアムワインなのです。

有名なコッポラワイン銘柄の一つに「ディレクターズ・カット」シリーズがあります。このシリーズのラベルは、昔の映像照射装置に使われていた “ゾートロープ”というフィルムの形をしているのですが、「Apocalypse Now」もそれ同じデザインを採用しています。ただし、通常のラベルが白いの対し、「Apocalypse Now」のラベルは真っ赤。映画の主題でもある「ベトナム戦争の悲惨さ」をラベルの色で表しているようです。

【ワインの味わい】
抜栓したてのころは非常に堅い印象。飲んだ瞬間「あれ、コーヒーを飲んでいるのかな!?」と思ってしまうほど、強いモカの香りとタンニン、苦味を感じます。甘くないカルーアのような…。抜栓翌日にはようやく角がとれ、ジャムのように華やかな果実味を楽しむことができました。すみれの香りやスモーキーなタバコの香り、クローブなどのエキゾチックなスパイスの香りが漂い、濃厚。秋深い季節にぴったりの重たい赤ワインです。

血のように濃く、深みのある味わいが印象的な1本。「地獄の黙示録」の強烈な映像ともリンクする、複雑な味わいです。一方で優雅さも漂い、映画の強烈な印象を緩和する役割もになってくれます。この映画こそ、ワインなしでは観られません。

最後に

まったく印象の異なる二作のコッポラ映画と、これまらまったく味わいの異なる二つのコッポラワインをピックアップしてみました。どちらもぜひ映画のお供として召し上がっていただきたいのですが、お料理にも合わせやすいワインです。

「ソフィア」はスッキリしているので、酸味のきいたドレッシングをかけたサラダや、揚げ物にぴったり。炭酸の苦手な方でも飲みやすい、優しい味わいです。「Apocalypse Now」はパンチのきいた濃厚タイプの赤ワインなので、スパイスのきいたお肉料理との相性抜群。話題性もお墨付きなので、ワイン会の主役にもオススメです。ぜひ手にとってみてくださいね。

いいワインといい映画で、”芸術の秋”をご堪能あれ!

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

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