2020年12月30日

おうちで食い倒れ!大阪庶民の味「551蓬莱」と自然派ワインの意外なコンビネーション

皆様こんにちは、ワインインポーターの大野みさきです。

先日は大阪の庶民の味○○自然派ワインを合わせてみました。意外な取り合わせですが、とても素敵なコンビネーションとなったので、今日はそちらを皆様とシェアしたいと思います。

大阪の顔「551蓬莱の豚まん」

様々なモノ(食べ物も含む)や人が行き交い、商業と物流の中心地であった大阪は、江戸時代には「天下の台所」と呼ばれていました。粉もん文化が根強いので、大阪人のソウルフードと言えば、たこ焼きとお好み焼きが2トップに上がります。その後に串カツ、ねぎ焼、関西風うどん、肉すい、どて焼きなどが続きます。

そして忘れてはならないのが、そう「豚まん」です。「あれ、肉まんと違うの?」と思われた方、少し説明をさせて下さい。関西では伝統的に牛肉が好まれます。肉=ビーフの構図なので、牛肉ではなく豚肉を使った肉まん(中華まん)は、敢えて豚まんと言うのですよ。

今回は大阪の顔とも言える551蓬莱の豚まんを筆頭に、焼売海老焼売を用意しました。合わせるワインは新潟県にあるドメーヌショオのロゼ泡(スパークリング)です。どんな出会いになるのか楽しみです! 

セイロでふっくら蒸しなおして準備完了

551蓬莱は、今でこそ豚まんのイメージですが、1945年の創業当初は、なんとカレーライスを販売していました。豚まんが登場したのはその8年後の1952年です。

ウンチクに目を通しながら、早速、全てをセイロに並べました。既に蒸し上がっているので、電子レンジで軽く温めても良いのですが、ひと手間かけてセイロで蒸すのが、美味しさアップの秘訣です。10分で仕上がりました。蓋をオープンした際、湯気にのってセイロの杉の香りが辺りに広がります。

ふっくら、ふわふわ、まるで出来たてのようです。私が作ったかのようで、テンションが上がりました。

“鮮度はおいしさ。今日作ったおいしさを、毎日お届けする”

出来上がりを眺めながら、ウンチクの第2弾。
551蓬莱では鮮度を優先するため、作り置きはせず、毎日、陽が昇る前から、同社の工場で餡や皮を仕込んでいます。皮に関しては最高の発酵状態を目指すため、工場から150分圏内にしか店舗を持ちません。出来上ったものを関西の各店に24/日配送するそうです。

おいしさを目でも味わって頂きたいという想いから、お客様の目の前で、ひとつずつ手包みするこだわりようです。

アツアツに辛子をつけてほおばります!

手に取るとずっしりした豚まん。割ると餡がたっぷり詰まっています。間髪入れず熱々にかぶりつきました。粗切り豚肉の食感に、ジューシーで甘味のある玉ねぎが優しい味わいです。ふかふかの皮、何とも言えない独特の甘みが相まって美味しいじゃないですか。

大阪では辛子やウスターソースを添えるのが人気の食べ方です。店頭で頂いた大量の辛子を付けて頬張りました。酸味と程よい刺激が加わって、これまた良しです。

自然派スパークリングをペアリング


Domaine Chaud ドメーヌ ショオ ふうせん花束2020

続いてワインを頂きます。クマとお花が描かれている愛らしいエチケットの「ふうせん花束 2020」です。

黒ぶどうのキャンベル・アーリーを醸し、野生酵母によって低温で発酵。フィルターをかけていないので、瓶底には滓(おり)が見られました。亜硫酸も無添加なスパークリングワインです。

今年収穫されたヌーボー(新酒)ワインなのも嬉しいところ。瑞々しい初物を頂きます。適度に冷やして飲む前にゆっくり撹拌し、うす濁りにしてひと口。すももチェリー青りんごなどの果実のアロマを感じます。

ジューシーな酸が、豚まんの旨味と甘味でこってりとした口腔内をリフレッシュさせます。滓によってうっすら甘味も感じます。微炭酸が喉越しに心地よく、豚まんのふた口めを誘います。

焼売に海老餃子も!フレンドリーなワインが庶民の味とマッチ

お次は焼売に箸が伸びました。500円玉より一回り大きいサイズで食べ応えがあります。繋ぎを抑えて豚肉と玉ねぎをふんだんに使っているので、ふわっと柔らかい食感で、ジューシーな肉汁が溢れます。

ロゼ泡はややシャープなので、全体をきりっとまとめてくれました。どこか田舎っぽい、このワインのフレンドリーさが、庶民の味と絶妙にマッチしていました。もう、箸休めできないノンストップ状態です。

最後に海老餃子です。こちらは食べやすい小振りのサイズです。潰した海老を使用して、甘味や旨味を引き立てています。プリプリの海老とシュワシュワの泡。甲殻類の独特な風味が、なお一層ロゼ泡を引き立てます。

個性的なワインですが、旨味の宝庫です。あっという間に完飲食してしまいました。

新しい鉄板ペアリング”豚まんとロゼ泡”

「でも、551でしょ。関西に住んでいないから食べられない~」と嘆くのは早いです。551蓬莱は通販サイトもあるので、お好きな時間にポチっとオーダーして、店頭で並ばずに全国へ届けてくれます。

今回はドライなロゼ泡に合わせましたが、豚まん、焼売、海老焼売、どれを取っても餡、タネ、皮に甘味があるので、やや甘口の泡でも良さそうです。ハンバーガーとコーラを注文するイメージで、気軽に豚まんとロゼ泡を楽しんで欲しいです。是非、色々なロゼ泡と試してみて下さい。

庶民の味とワインのコンビネーションは如何でしたでしょうか。この食い倒れツアーは、まだまだ続きそうな予感です。それでは皆様、ごきげんよう!

■試飲したワイン

Domaine Chaud ドメーヌ ショオ ふうせん花束2020 参考価格3,080円(税込)
新潟のワイナリー Domaine Chaud

■551蓬莱

551蓬莱 通販サイト

 


365wine 大野みさき
スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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