
2021年02月07日
ここ最近注目される甘いワイン。ワイン初心者だけでなく、世界中のワイン愛好家に愛される奥深い魅力があります。この記事では、甘いワインの種類や見分け方、そしておすすめの甘口・極甘口ワインをご紹介します。ぜひその甘美な魅力を味わってみてくださいね。
甘いワインとは、文字通り甘い味わいのワイン。基本的には糖度の高いさまざまなワインが甘口ワインとされ、概して「デザートワイン」とも呼ばれています。ただ、明確な定義があるわけでなく、国によっても曖昧なのです。
イギリスでは、食事中に料理と一緒に楽しむ甘口ワインをデザートワインと呼び、ドイツではアルコール度数が8〜10度と低いものをデザートワインとしています。また、アメリカでは、14度以上のアルコール度数のワインをすべてデザートワインとすると法律で定められています。
低アルコールで飲み口が軽い甘いワインがあったり、濃厚なアルコール度数の高い極甘口ワインがあったりと、その種類はバリエーション豊か。飲みやすいワインを探している人だけでなく、濃厚な甘味と複雑で芳醇な香りを味わいたいワインフリークの人にもおすすめですよ。食前酒にはもちろん、食事の余韻を楽しむデザートとしてなど、さまざまな楽しみ方ができるのも魅力ですね。
甘口の白ワインは、アルコール度数が低くまろやかな甘味が特徴。発酵の段階でぶどうの糖分がアルコールへ変化するとき、アルコールに変化させるのを途中で止めて糖分を残して造るため、甘口に仕上がります。
デザートワインでは、「貴腐ワイン」や「アイスワイン」などが有名です。貴腐ワインは、はちみつのように濃密な甘味と独特な風味が特徴。完熟したぶどうにボトリティス・シネレア菌が付きぶどうの水分を蒸発させることで、糖度と芳醇な香りが濃縮され高貴な味わいに仕上がります。
アイスワインとは、カナダやドイツなど寒さの厳しい地域で自然凍結したぶどうを収穫して造られます。貴腐ワインと比べると、甘味と酸味のバランスがよくすっきりとした甘さが特徴です。
一般的にロゼワインとは、ワインが苦手な人やアルコールが得意ではない人におすすめの飲みやすいワインとされます。特に甘口のロゼワインは、アルコール度数が低いものが多く、渋味や苦味がないので、デザート感覚でフルーツやスイーツと一緒に楽しめますよ。
口当たりのよさと弾ける泡のおかげで、ワインが苦手な人でも親しみやすいスパークリングワイン。そのなかでも、甘口のスパークリングワインは、アルコール度数が低めなものが多くフルーティーな香りが広がります。淡い炭酸とやさしい飲み心地で、口のなかがさっぱりと潤いますよ。
本来甘口や辛口とは表現しない赤ワイン。「ライトボディ」「フルボディ」と、重さや渋さで表現するので、甘口という表記の赤ワインはあまり見かけませんよね。ただ、数は少ないですが赤ワインにも甘口があります。
甘口の白ワインで有名なドイツでは、甘口の赤ワインも造られています。また、国内でも日本人の口に合う甘口の赤ワインが造られていますよ。糖分を残すのでアルコール度数は低めで、あっさりとした飲み口。ぶどうの果実味を感じるみずみずしいおいしさです。
甘いワインを見分けるには、ボトルにあるラベルをチェックしましょう。完璧に読み取ることはむずかしいかもしれませんが、甘いワインを推測できるポイントを押さえておくといいですね。
白ワインは、甘口、やや甘口、やや辛口、辛口のように、甘辛度が表記されているものが多いので分かりやすい印象がありますよね。スパークリングワインには、国や産地によって違いがありますが、1Lあたりの糖分含有量で細かく分けるなど、明確な基準があります。
甘口の表記は「Demi Sec(ドゥミ・セック)」「Halbtrocken(ハルプトロッケン)」「Semi Seco(セミ・セッコ)」「Half Sweet(ハーフ・スウィート)」。極甘口は「Doux(ドゥー)」「Dolce(ドルチェ)」「Sweet(スウィート)」と表記されますので、覚えておくといいですよ。
一方、赤ワインは、フルボディ・ライトボディ・ミディアムボディという飲み応えで表記され、甘口と表記されているものは見かけません。
アルコール度数を確認することも甘いワインを探す判断材料になります。甘口ワインは、ぶどうの糖分がアルコールに変化するのを途中で止めて糖分を残すため、アルコール度数は低くなります。
一般的なワインのアルコール度数は11~14%なので、甘辛度の目安として6~11%だと甘口、やや甘口となります。アルコール度数の低いものを選ぶと、口当たりの軽い飲みやすいワインに出会えるでしょう。アルコール度数は、表ラベルの端に書かれているので確認しましょう。
フランスのボルドー地方は、赤ワインの産地として知られていますが、甘口ワインの産地としても有名。ソーテルヌは、フランス南西部のボルドー地方にある地区のひとつで、世界三大貴腐ワイン「ソーテルヌ」が造られています。
甘口のワインを探すなら、まずドイツから探すべきと言われるほど、繊細で軽い飲み口のワインの産地として世界的に有名。ドイツでもっとも糖度の高いぶどうを使用する「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、世界三大貴腐ワインのひとつです。また、アイスワイン作りにも定評があります。
貴腐ワイン発祥の地とされるハンガリーのトカイ地方。特に有名なのが「トカイアスー」や「トカイエッセンシア」と呼ばれる貴腐ワインです。「トカイエッセンシア」もまた、世界三大貴腐ワインのひとつです。
アイスワインの主要産地であるカナダ。寒さの厳しい地域で造られるアイスワインは、ドイツとオーストリア、カナダという限られた国でしか製造されていません。カナダ産のアイスワインは、酸味と甘味のバランスのよさが感じられる、さっぱりとした甘さが特徴ですよ。
甘いワインを選ぶのにひとつの要素となるぶどうの品種。甘いワインに使用される主な品種をチェックしておけば、ラベルの表示で確認できます。複数のぶどう品種を混ぜて造られるワインは、品種の表記がないラベルが多いですが、単一ぶどうで造られるものや日本ワインには表記されているものがありますよ。
主にドイツなど寒冷地域で栽培される白ぶどう品種です。白い花と表現される上品な香りが特徴で、アイスワインや貴腐ワイン、スパークリングワインなど多くのデザートワインに使用されます。
フランスのボルドー地方が原産とされる白ぶどう品種。セミヨンとソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルなどをブレンドして造る「ソーテルヌ」は世界最高峰の甘口ワインです。
主にドイツやオーストリアで栽培される白ぶどう品種。ブラックカラントや白桃、熟した洋梨に例えられる力強い香りと濃厚な甘味が特徴で、アイスワインのようなまろやかな味わいを感じられます。
1955年に誕生した比較的新しい黒ぶどう品種です。ドルンフェルダーで作る赤ワインは、甘口のものが多いです。渋味が少なく果実味が豊かで飲みやすい味わいに仕上がります。
イタリアの限られた地域で栽培される黒ぶどう品種。ランブルスコで造られる甘口の赤のスパークリングワインは、低アルコールで微発泡のものが多いです。ぶどう本来の酸味を感じるフルーティーな甘さで渋味が少なく、とっても飲みやすいですよ。
¥3,850(税込)〜/白/フランス
はちみつや完熟フルーツの香りを持つ極甘口の白ワイン。口のなかいっぱいにリッチな甘味が広がり、食前酒や食後酒にぴったりです。そのほかにも香り高いブルーチーズやデザートとのマリアージュもおすすめ。
¥3,300(税込)〜/ロゼ/ドイツ
コスパに優れたワインを生み出す協同組合クロスター醸造所の、ピノ・ノワール100%のアイスワインです。はちみつやアプリコットのような豊かな香りと濃厚な甘味が特徴。スリムなボトルとラベルデザインがとてもおしゃれなので、プレゼントにもいいですね。
¥1,100(税込)〜/スパークリングワイン/イタリア
天使が描かれたラベルがキュートなスパークリングワイン。マスカットのさわやかな風味とコクのある甘さが特徴で、甘いスパークリングを探している人にぴったりですよ。アルコール度数は7.5%と、ワインとしては低くやさしい味わいなので、アルコールが苦手な人も気分よく楽しめるでしょう。
¥895(税込)〜/赤/日本(長野県)
長野県桔梗ヶ原産のコンコードぶどうから造られた濃厚なデザートワインです。濃密で芳醇な香りとまろやかな甘味で、極甘口ワイン初心者にも人気ですよ。アルコール度数は16度と高めなので、ロックでゆったりと楽しむのがおすすめ。冬はホットワインを作ってもいいですよ。
¥918(税込)〜/白/ドイツ
ドイツで歴史のあるワイナリー・シュミット社の白ワイン。ソフトな口当たりとさわやかな香りで、いろいろな料理に合わせやすい甘口ワインです。「黒猫が座った樽のワインが一番出来がいい」という伝説から誕生したという黒猫のラベルがキュート。青色のボトルもおしゃれですね。
¥1,334(税込)〜/ロゼ/フランス
鮮やかなサーモンピンク色がとても美しい甘口ロゼワイン。ベリーのフルーティーな香りとほんのりとしたやさしい甘味で、さっぱりといただけます。酸味や淡い渋味も感じられ、料理と一緒に楽しむのに最適。魚料理やデザートに合わせるだけでなく、キッシュや鶏肉のグリルなどにもよく合いますよ。
¥4,598(税込)〜/スパークリングワイン/フランス
ぶどうの糖分を凝縮して、昔ながらの製法で造られた貴重なスパークリングワインです。さわやかなりんごの風味とさっぱりとした飲み心地で、ワインを飲み慣れていない人や飲みやすワインを探している人にうってつけ。アルコール度数は8%と低めなので、気軽に楽しめますよ。
¥1,078(税込)〜/赤/ドイツ
赤ワインの重さや渋味が苦手な人におすすめの甘口ワインです。ドルンフェルダー種は豊かな果実味を感じ、程よい酸味と花のようなほのかな香りが特徴。アルコール度数は9.7%と低めで、ワイン初心者にも最適の赤ワインです。
ひと口に甘いワインと言っても、その魅力は多種多様。やわらかな渋味のワインやとろりと濃厚な極甘ワイン、芳醇な香りの高貴なワインなど幅広いです。興味はあっても、うまく見つけることができなかった人も多いのでは?ぜひ記事を参考に、好みの甘いワインを探してみてくださいね。
※商品価格は、2021年2月2日時点での情報です。