2021年03月15日

最高峰の証!ボルドー五大シャトーの歴史とワインの特徴

ワインの世界で必ず耳にする、ボルドーの「五大シャトー」についてご紹介します。シャトーのある地域やそれぞれの特徴を理解すると、ワインをよりおいしく味わえますよ。シャトー最高の1本であるファーストワインや、セカンドワインについても詳しくご説明します。

ボルドーワインの基礎知識

ボルドー地方の景色
iStock.com/SpiritProd33

ボルドー地域

「ワインの女王が君臨する」と言われるボルドー。「水のほとり(Au bordde l’eau)」という古語を由来に持つこの地区は、紀元4世紀頃にはフランスの銘醸地としてその名を知られていたといいます。海洋性気候で温暖、気温差が少ないというワイン造りに適した気候。ジロンド川、ガロンヌ川、ドルドーニュ川と、3つの川を有しているため、土地によって土壌の質が異なることも特徴です。

右岸と左岸

ボルドー地域は、ジロンド川をはさんだ東側の右岸と、西側の左岸に分けられています。右岸は保水性の高い粘土質土壌。主に果実味たっぷりのメルローが栽培されています。左岸は水はけのよい砂利質土壌。酸味の強いカルベネ・ソーヴィニヨンを中心に栽培されています。

メドック地区の特徴

メドックのぶどう畑
iStock.com/neverest

ボルドー地域には、世界有数の高級ワイン産地メドック地区があります。ジロンド川の下流・左岸に位置するメドック地区は、砂利質土壌のため長期熟成タイプのワインに最適な地。赤ワインは「ワイン名をワイン産地の名とする」制度である、フランスのワイン法「A.O.C.(原産地呼称)」の認定を受けています。

メドック地区は上流エリアと下流エリアに分けられており、栽培品種がそれぞれ異なることも特徴のひとつです。上流エリア「A.O.C.オー・メドック」では、カルベネ・ソーヴィニヨンが、下流エリアの「A.O.C.メドック」ではメルローが多く栽培されています。

上流エリア「A.O.C.オー・メドック」の「オー」とは、「上」や「高い」を意味する言葉。ボルドー五大シャトーのうち4つは、「A.O.C.オー・メドック」のポイヤック地区にあります。

ボルドーの格付け

ワイングラスに赤ワインを注ぐ写真
iStock.com/cristianoalessandro

格付けの概要

メドック地区では、古くからワインの格付けが行われています。対象となるのは、メドック地区のシャトー60軒と、右岸・グラーヴ地区のシャトー・オー・ブリオン。格付けは1級から5級までありますが、1級に認められているのはわずか5つのシャトーのみ。この5つが「ボルドーの五大シャトー」と呼ばれています。

格付けの歴史

メドック産ワインの格付けは、1855年のパリ万博を機にスタートしました。当時の皇帝ナポレオン三世が、万博に出品するためワインの格付けを命じます。ボルドー商工会議所から依頼を受けた仲買人が、5つの等級にランク付けしたワインリストの作成にあたりました。

以降、格付けの見直しが行われることはほとんどないといってよく、唯一1973年に昇格した1件以外は、所有者が変わってもシャトーのランクは変わりません。

ボルドーワインが有名になるまで。知るともっと楽しめる歴史や選び方

五大シャトーとファーストラベル

1. シャトー・ラフィット・ロートシルト(ロスチャイルド)

メドック地区・ポイヤック村北部にあるシャトーです。メドックで最高といわれる砂利質の土壌では、カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カルベネ・フラン、プティ・ヴェルドが栽培されています。化学肥料・有機肥料の使用はごくわずか。ブドウの収穫を手摘みで行うなど、丁寧な作業でワイン造りが行われています。

古くからブドウ栽培を行っていたラフィット(古語で「小高いところ」の意である「ラ・イット」が語源)がシャトーとして名を広めたのは、17世紀、セギュール侯爵が所有者になってからです。

セギュール侯爵の相続人がシャトー・ラトゥールの相続人と結婚するなどし、一時は多くの農園を保有していましたが、相続の関係でラフィットとラトゥールは分割。1868年になりロスチャイルド家の5男、ジェームズ・ド・ロートシルト男爵が購入し、「シャトー・ラフィット・ロートシルト」と名を変えました。ロートシルトは、ロスチャイルドのドイツ読みです。

シャトー・ラフィット・ロートシルト(ロスチャイルド)

シャトー・ラフィット・ロートシルトのボトルとラベル
¥85,580(税込)~

約80%のカルベネ・ソーヴィニヨンに、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ベルドをブレンドしたシャトー・ラフィット最高の1本。繊細さとエレガントさは5大シャトー随一と評されています。ベリーやドライフルーツに、スパイスなどのニュアンスが加わった香りと豊かな果実味、しっかりしたタンニンが特徴。10年~20年寝かせるとタンニンはまろやかに、さらに香り高いワインに変化します。

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2. シャトー・マルゴー

メドック地区のマルゴー村にあるシャトーです。カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド、カルベネ・フランのほか、白ワイン用ブドウのソーヴィニヨン・ブランも栽培されています。ボルドーではめずらしく、シャトー近くに多くのブドウ畑があることも特徴です。

農園だったマルゴーでは、16世紀からワイン造りが始まりました。17世紀には敷地を拡大、18世紀にはラベルの絵柄にもなっているシャトーを建築します。しかし19世紀に害虫被害を受けほぼ壊滅状態に。セカンドラベルをリリースするなど立て直しを図りますが、1960年代から1970年代にかけては一時名声を落としてしまいます。

しかし1977年にギリシャ人実業家、アンドレ・メンツェロプーロスがシャトーを購入。立て直しを図り、1978年にリリースしたワインで名声を取り戻すことに成功しました。2009年にはサードラベルをリリースし、ファースト・セカンド・サードの位置付けを明確に打ち出しています。

シャトー・マルゴー

シャトー・マルゴーのボトル
¥64,800(税込)~

約75%のカルベネ・ソーヴィニヨンに約20%メルロー、少量のカベルネ・フラン、プティ・ベルドで造られるワインの別名は「ワインの女王」。華やかな香り、なめらかなタンニン、バランスのよい味わいはボルドーワインのなかでもっとも女性的と評されています。寝かせる時間が長いほどタンニンがまろやかになることも特徴のひとつ。1855年のメドック格付・テイスティング部門で唯一満点を獲得しています。

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3. シャトー・ラトゥール

メドック地区・ポイヤック村のもっとも南に位置するシャトーです。栽培されているのはカルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルドの3品種。オーガニック肥料の使用、減農薬栽培や有機栽培などに着手するなど、さまざまな方法を取り入れブドウ作りをしています。

ラベルの絵柄である塔は14~15世紀の戦争中、要塞(La Tour)として建てられました。塔は戦争でなくなってしまいますが、17世紀に鳩小屋として復元されています。17世紀にブドウ栽培を始めたシャトーが有名になったのは18世紀。シャトー・ラフィット・ロートシルトを所有するセギュール侯爵が所有者になってからです。

シャトー・ラフィットから分かれたあとも、シャトー・ラトゥールは品質向上に努め優れたワインを生み出し、世界に知られるシャトーとなりました。1787年には一般的なボルドーワインの20倍となる価格が付けられるなど、高く評価されています。

シャトー・ラトゥール

シャトー・ラトゥールのボトルとラベル
¥78,100(税込)~

約75%のカベルネ・ソーヴィニヨンに、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを合わせた凝縮感のあるワインです。深みのある色合いで果実やバラ、乾燥ハーブ、革など複雑味のある香りを持ち、力強さは男性的と評されるほどですが、重すぎることはありません。50年熟成しておいしく味わえる「晩熟で長命」ということも特徴。時間を経ると強いタンニンに丸みが出て、コクのある味わいに変化します。

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4. シャトー・オー・ブリオン

格付け1級シャトーのうち、メドック地区以外で唯一認定されたのがシャトー・オー・ブリオンです。グラーヴ地区の住宅地に囲まれた畑で栽培されているのは、カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カルベネ・フランの3種類。メドック地区より気温が高くブドウが早く成熟するため、収穫は半月ほど早く行われます。

1423年の記録にも残る土地でワイン造りが始まったのは1550年。アルノー3世・ド・ポンタック卿の時代です。1666年には息子である、フランソワ・オーギュストがロンドンで「シャトー・オー・ブリオン」を飲める居酒屋を開き、広くその名が知られるようになりました。

その後、さまざまな所有者の手に渡ったため地所は分割されますが、1841年、ジョゼフ=ウージェーヌ・ラリューの手でひとつにまとめられます。1935年には当時の所有者、アメリカの銀行家クラレンス・ディロンが所有。設立したワイン会社の社長となった甥は近代的な改革を行い、格付け1級の栄誉を維持し続けています。

シャトー・オー・ブリオン

シャトー・オー・ブリオンのボトル
¥65,450(税込)~

1855年のメドック格付け以前から高い評価を得ていたため、例外的にグラーブ地区から選ばれた1級ワインです。原料はカルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランの3種。メルローの比率が4割近くあるため、渋味の少ない、果実味たっぷりのまろやかな味わいを楽しめます。30年熟成してもおいしいといわれるほど、飲みごろ期間が長いことも特徴です。複雑味のある豊かな香りは、五大シャトーで一番と言われています。

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5. シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)

メドック地区ポイヤック村にあるシャトーです。シャトー南のブドウ畑は海抜27メートルと、ポイヤック地区のなかでは少々高め。ブドウ栽培に最適といわれる、泥炭土石灰と砂利が層になっている土壌です。栽培されているのはカルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カルベネ・フラン、プチ・ヴェルド。減農薬栽培が行われていることも特徴のひとつです。

シャトー・ムートン・ロートシルトは、2級から1級に格上げした唯一のシャトーです。誕生は1853年、ナタニエル・ドゥ・ロートシルト男爵が、シャトー・ブラーヌ=ムートンというワイナリーを購入したことに始まります。2年後のメドック格付けで、1級間違いなしと思っていたワインがまさかの2級。奮起したロートシルト家は、当時珍しかったシャトーでの醸造・瓶詰めを行うなど、斬新なアイディアでワイン造りを進めます。格付け1級昇格のため栽培方法を見直し、同時にさまざまな運動を行い、1973年ついに悲願は達成されました。

シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)

シャトー・ムートン・ロートシルトのボトルとラベル
¥63,800(税込)~

約80%のカルベネ・ソーヴィニヨンとメルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドで造られる、色合いの美しいワインです。ベリーやトーストしたパン、スパイスなどのアロマが加わった複雑な香りと、濃厚でしっかりした味わいが特徴。力強いタンニンはベルベットのようななめらかさがあり、ゴージャスな口当たりです。毎年有名アーティストが手掛けるラベルも注目されています。

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まず試したいならセカンドラベルも!

ボルドーワインには、セカンドワインが多く存在します。セカンドと呼ばれることから、最上級であるファーストワインのB級のように思われるかもしれませんが、決してそうではありません。セカンドワインはファーストワインの基準に満たないものの、同じように造られた高品質ワインです。

セカンドワインの主な定義
・ファーストワインと異なる区画で栽培されたブドウ
・ファーストワインに使用する品質を満たしていないブドウ
・樹齢の若いブドウ
・醸造途中でファーストワインの基準に満たなかったもの

ファーストラベルと同じブドウ品種、工程で造られるため、味わいなどの個性はほぼ同じなのに価格は控えめ。長期熟成タイプのファーストワインに比べて、比較的早い時期に味わえることも魅力です。

また、セカンドワインの基準に満たなかったものでサードワインを造るシャトーもあります。五大シャトーのなかでは、シャトー・マルゴー、シャトー・ラトゥール、シャトー・オー・ブリオンがサードワインまで製造。セカンドワインよりリーズナブルな価格ですが希少性が高く、目にするのはなかなか難しいようです。

1. シャトー・ラフィット・ロートシルト

カリュアド・ド・ラフィット

カリュアド・ド・ラフィットのボトル
¥27,570(税込)~

ファーストワインと同じ複雑味のある香りと、まろやかなコクを感じられる1本です。使用しているブドウは、ファーストワインで使用されなかった同じ畑のもの。厳選されたブドウを4割使っているワインは、最高級品に劣らずエレガントです。

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2. シャトー・マルゴー

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー

パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーのボトルとラベル
¥22,800(税込)~

「ワインの女王」シャトー・マルゴーの風格をしっかり持っているワインです。ファーストワインに比べるとメルローの比率が少々多めですが、バランスのとれた味わいはさすが。舌触りなめらかで、凝縮した風味と深みを感じられます。

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3. シャトー・ラトゥール

レ・フォール・ド・ラトゥール

レ・フォール・ド・ラトゥールのボトルとラベル
¥28,006(税込)~

ファーストワインと異なる区画で栽培した、樹齢40年超のブドウを使用しています。複雑な香りで果実味たっぷり。どっしりとした重みを感じられます。新樽率50%ということもファーストワインとの違いです。

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4. シャトー・オー・ブリオン

ル・クラレンス・ド・オー・ブリオン

ル・クラレンス・ド・オー・ブリオンのボトルとラベル
¥19,000(税込)~

ファーストワインと同じ畑のブドウで造られています。異なるのは樹齢が若いということだけ。果実味の若さはありますが、全体バランスがよくエレガント、香り豊かでまろやかな味わいはファーストワインと変わりません。

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5. シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)

ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロスチャイルド

ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロスチャイルド
¥26,620(税込)~

樹齢の若いブドウを使用したワインです。収穫・醸造・ビン詰めなどの工程はファーストワインと全く同じ。丁寧につくられたワインは、しっかり濃厚な味わいのなかに、果実味のフレッシュさを感じられます。

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ワインの味に深みがでる!五大シャトーの物語

世界に知られるボルドーは、「ワインの女王が君臨する」と言われる銘醸地。ワイン造りを行っているシャトーはいくつもありますが、メドック格付け1級の認定を受けているのは5つのみです。五大シャトーの持つ歴史と、ワインに心血を注いだ物語を思いながら、ワインの味を楽しんでみてはいかがでしょう。

※商品価格は、2021年3月1日時点での情報です。

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