2021年03月22日

ワインの「グラン・クリュ」をソムリエが徹底解説!地域で変わる言葉の意味

ワインラベルに「グラン・クリュ」と書かれたワインを飲んだことありますか?フランス語なので、フランスではもちろん使われていますが、現在では世界各国でグラン・クリュという名称は使われているんです。しかし、どんな意味があるのか分からないで購入している方もいると思います。この記事では、フランス各国の「グラン・クリュ」ワインがどんなものなのかをソムリエが徹底分析していきますよ。これを読めば、どのグラン・クリュがどんなワインなのか分かるので、選びやすくなるはず。

「グラン・クリュ」ってどんな意味?

ワインが並ぶ
iStock.com/ViktorCap

「グラン・クリュ」と聞くと、なんか高級で凄いワインだろうなとイメージされる方もいると思います。もちろん素晴らしいワインには、間違いありません。しかし、実際はいろいろな意味合いを持っているんです。まずフランス語である「グラン・クリュ」を日本語に訳すと、「グラン=大きい、偉大な」「クリュ=畑、ワイン醸造所、格付け」などさまざまな意味を指します。

また、フランスでも地域によって、やや違う意味合いで使われているのです。では、フランス各地の「グラン・クリュ」というものが、どのようなワインなのか詳しく見ていきましょう。

ブルゴーニュ地方のグラン・クリュ

ブルゴーニュ地方ワイン畑iStock.com/javarman3

ブルゴーニュ地方のグラン・クリュは、ラベルに大きく「Grand Cru」と書いてあることや、有名ワインが多く映画やテレビなどでも登場する機会が多いので、知名度が高くよく知られています。高級なものが多く、ワインラヴァーにとっても憧れのワインがたくさん生産されていることも特徴的です。

ブルゴーニュ「グラン・クリュ」の意味

ブルゴーニュ地方では、特級畑のことをグラン・クリュと呼びます。特級畑とは、ブルゴーニュ地方の中でも1,000以上もある畑の中で、たった33畑しかない貴重で偉大なワイン畑なのです。

ブルゴーニュ地方では、大きく分けると下から地方名・地区名・村名・畑名・一級畑・特級畑と、ピラミッド状に格付けされています。その畑で一番上のランクが、特級畑(グラン・クリュ)ということ。ブルゴーニュ地方の最高峰のワインといっても過言ではありません。

エチケットを読み解く方法

ブルゴーニュ地方のワインラベルは、畑名が大きく書かれていることが大半です。例えば、モンラッシェ(畑名)下にグラン・クリュ、シャブリ(地区名)グラン・クリュ下に、レ・クロ(畑名)など。グラン・クリュの場合は、ラベルのどこかに「Grand Cru」と書いてあることが多いです。

しかし、有名な畑や造り手はあえて書いていない場合もあります。その場合は、「Grand vin de Bourgogne」と記載されているのを確認してみましょう。

シャンパーニュ地方のグラン・クリュ

シャンパンの畑でシャンパングラスを持つ
iStock.com/Eduardo Rocha

シャンパーニュのグラン・クリュは、村単位で認められています。ブルゴーニュ地方より区画も広いので、すべてが入手困難な高級品というわけではありません。

シャンパーニュの「グラン・クリュ」の意味

シャンパーニュでは、かつてブドウが公正価格で販売されていた名残があります。村ごとに80~100%の格付けが付けられ、それによって値段が変わっていました。この頃に100%の格付けが付けられていた村が、グラン・クリュというわけです。

現在、シャンパーニュのグラン・クリュは、17あります。その村のブドウを100%使ったシャンパーニュを、グラン・クリュのシャンパーニュと呼びます。また、単一の村ではなく、グラン・クリュに認められた村のブドウであれば、複数ブレンドしてもグラン・クリュのシャンパーニュとして販売できます。

エチケットを読み解く方法

シャンパーニュのラベルには、グラン・クリュであればどこかしらに記載されている場合が多いです。大きく書いている場合もあれば、隅っこの方に小さく書いている場合、造り手によってさまざまですよ。

ちなみに、高いシャンパーニュなら、すべてグラン・クリュというわけでもありません。高級なシャンパーニュほど、自社畑のとても小さな畑のみで造られたものを造っていたりもします。ぜひ、ワイン売り場でボトルを見比べてみてください。

アルザス地方のグラン・クリュ

アルザスのワイナリー
iStock.com/Freeartist

アルザス地方のグランクリュは、認められている小地区(リュー・ディ)で造られ収穫されたブドウが使用されたワインのことを示します。値段もさまざまなので、購入しやすいものも多いですよ。

アルザスの「グラン・クリュ」の意味

アルザス地方のグランクリュは、「アルザス・グラン・クリュ」と呼ばれます。そして、白ワインのみに認められていることが特徴的。認められている51の小地区(リュー・ディ)で造られ収穫されたブドウが使用され、原則リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカの4種類のみ(例外アリ)で造られます。また、全てのブドウを手摘みでしなくてはいけない。という厳しい規定もあるんです。

例外もありますが基本的に、ブドウ品種は単一。そして、ラベルにブドウ品種を記載する義務があります。

エチケットを読み解く方法

アルザス地方のグラン・クリュの場合は、「アルザス・グラン・クリュ」+「小地区名」+「ブドウ品種(リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカどれか1種類)」が記載されています。小地区は51もあるので覚えるのは大変ですが、好みのワインがあった場合は、味わいの雰囲気が似ているときもあるため小地区を覚えておくといいですよ。

ボルドーのグラン・クリュ

サンテミリオンのワイナリーiStock.com/OceanProd

ボルドー地方は、ほかの地方と違い「シャトー(ワイン醸造所)」単位でグラン・クリュが使われます。畑や地区、村などで認められるものではないというのが多きな特徴です。

ボルドーの「グラン・クリュ」の意味

ボルドー地方では、メドック地方、グラーヴ地区、サンテミリオンとさまざまな場所で、「グラン・クリュ」が使われるワインの格付けがあります。それぞれの格付けに入っている場合、グラン・クリュを名乗ることができるのです。しかし、グラン・クリュといっても、1級(最上級)のものだけがグラン・クリュを名乗れるのではなく、格付けに入っている全てのワイン(シャトー)が表示できます。なので、グラン・クリュの中にもランクがあるということを覚えておきましょう。

エチケットを読み解く方法

格付けに入っているワインには、グラン・クリュ(Grands Crus)の表示がどこかにあります。しかし、その前に書いてあるフランス語が重要になってきます。例えば、メドック格付けなら上から1級(PREMIERS)、2級(DEUXIÈMES )、3級(TROISIÈMES)、4級(QUATRIÈMES)、5級(CINQUIÈMES)+グラン・クリュ(Grands Crus)と表示されていますよ。

グラーブ格付けでは、値段の差や希少性などはありますが順位がないため基本的には「Grand Cru Classes de Graves」と記載されます。サンテミリオンでは、グラン・クリュの上に「プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ」があり大きく分けると2種類になります。このように、グラン・クリュだけでは見極められない所がボルドーワインの少し難しいところですね。

グラン・クリュ=高価?

お皿を敷いたグラスに赤ワインに注いでいる
iStock.com/debyaho

ひと言で「グラン・クリュ」といっても、全てが高級なものではありません。ただ、1,000円台でグラン・クリュを購入できるかというと難しいです。

ブルゴーニュ地方のグラン・クリュなら、シャブリ地区のものなら5,000円前後で買えるものもありますが、ピノ・ノワール種で造られるコート・ドール県のグラン・クリュは、安くても1万5,000円は堅いでしょう。シャンパーニュやアルザス地方は、5,000円前後から、ボルドー地方もメドック格付けでなく、サンテミリオン格付けのワインなら時々5,000円以下でも購入できたりします。

このように、グラン・クリュといっても地域によって値段はいろいろあるのがわかります。グラン・クリュだから、高級品・高いワインと思うのではなく、どんなワインなのかを見極めましょう。

これぞ最上級!王道のグラン・クリュ5選

1. ドメーヌ・デュジャック シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュ」

シャルム シャンベルタン グラン クリュ ドメーヌ デュジャック
¥110,000~/赤・フルボディ/フランス

ブルゴーニュワインの中でも、ファンが多いジュヴレ・シャンベルタン村の特級畑である「シャルム・シャンベルタン」。ピノ・ノワール種から造られるワインなのに、パワフルで獣のような複雑で芳醇な香りと味わいを感じます。10年以上熟成も可能な、おいしいブルゴーニュのグラン・クリュワインですよ。

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2. ドメーヌ・ルフレーヴ「バタール・モンラッシェ・グラン・クリュ」

バタール モンラッシェ グラン クリュ 2007 ルフレーヴ
¥106,700~/白・辛口/フランス

ブルゴーニュのグラン・クリュで有名な白ワインはモンラッシェ。その側に隣接する同じ特級畑の「バタール・モンラッシェ」をご紹介します。ハチミツのような芳醇な味わいと、アプリコットやマーマレードのようなフルーティーでありながらほろ苦さも感じられる複雑な味わいが素晴らしい一本です。熟成を経てさらにおいしくなるブルゴーニュのグラン・クリュの白ワインを、ぜひ飲んでみてください。

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3.「シャトー・マルゴー」

シャトー・マルゴー
¥79,970~/赤・フルボディ/フランス

ボルドー地方メドック格付け1級に君臨するシャトー・マルゴー。5大シャトーの中でも、女性的と表現されることが多いワインです。カシスやブラックベリーなどの果実味と、バラのような華やかな香りやスパイシーな風味が、奥深さを感じられますよ。パワフルな味わいなので、20年以上熟成することで渋味がまろやかになりエレガントで繊細なワインに変化します。誰もが憧れる一本です。

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4. シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン(ルージュ)

CH.ラ・ミッション・オー・ブリオン ルージュ
¥62,767~/赤・フルボディ/フランス

ボルドー地方グラーブ格付けに認定されている一本。メドック格付けとグラーブ格付けのどちらにも入っている、シャトー・オー・ブリオンの畑と、道を挟んで向かい合っているライバル関係にもあるワイン。しかし、さまざまな評価では、シャトー・オー・ブリオンを抜くことも多いです。

果実味とパワフルさの中に、土壌由来のスモーキー感や味わいも感じられます。シャトー・オー・ブリオンと、一緒に飲み比べをしてみたいワインですね。

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5. 「シャトー・シュヴァル・ブラン」

シャトー シュヴァル ブラン
¥98,000~/赤・フルボディ/フランス

ボルドー地方サンテミリオン格付けで、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(A)という上位の中のさらに上のランクである一本です。シャトー・シュヴァル・ブランは、カベルネ・ソーヴィニヨンではなくメルロとカベルネ・フランが多く使われたワイン。まろやかなメルロの果実の味わいと、カベルネ・フランのスパイシーだが繊細な優しい味わいのバランスが素晴らしいです。グラスを回しながら、じっくり味わいたい一本ですよ。

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手に入りやすいおすすめのグランクリュ5選

1. ドメーヌ・ヴォコレ・エ・フィスシャブリ・グラン・クリュ・レ・クロ」

シャブリ グラン・クリュ レ・クロ 2018 ヴォコレ
¥6,765~/白・辛口/フランス

シャブ地区のグラン・クリュは、7か所の畑が認められています。その中で、特級畑「レ・クロ」は最大面積を誇り、知名度も高く有名な生産者が手がけている場所です。シャブリ特有のミネラル感やスッキリ感はありますが、ハチミツや完熟した果実のような味わいが楽しめるのも特徴的。シャブリのグラン・クリュを飲んだことない方は、イメージが変わる一本ですよ。

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2. 「シャトー・ダッソー」 

 シャトー・ダッソー
¥6,026~/赤・フルボディ/フランス

シャトー・ダッソーは、ボルドー地方サンテミリオン格付けのグラン・クリュ・クラッセに認められています。メルロ主体の上品でマイルドな飲みやすい一本です。早飲みしても、おいしさをしっかり楽しめるのが嬉しいポイント。格付けに入ったボルドーワインを飲んでみましょう。

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3. ドメーヌ・ユージェーヌ・メイエーアルザス・グラン・クリュ・リースリング・スピーゲル

アルザス グラン クリュ リースリング スピーゲル
¥7,273~/白・中辛口/フランス

アルザス地方で、ビオディナミ農法でワインを造るドメーヌ・ユージェーヌ・メイエー。土地の味わいとブドウの個性を存分に引き出した、おいしいワインを造ります。このワインは、白桃のようなほんのりとした甘さと後味のスッキリ感、余韻の長さが楽しめますよ。1万円以下で熟成にも向く、素晴らしいワインです。

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4. ロベール・モンキュイ「ブラン・ド・ブラン・レ・グラン・ブラン・エクストラ・ブリュット・グラン・クリュ」

ブラン ド ブラン レ グラン ブラン エクストラ ブリュット グラン クリュ ロベール モンキュイ
¥4,928~/白泡・辛口/フランス

ロベール・モンキュイ「ブラン・ド・ブラン・レ・グラン・ブラン・エクストラ・ブリュット・グラン・クリュ」は、グラン・クリュのル・メニル・シュール・オジェ村から取られてたブドウ100%を使用し、シャルドネ種のみで造られた繊細なシャンパーニュです。

以前は、有名シャンパーニュ・メゾンであるビルカール・サルモンやルイ・ロデレール(クリスタル用)へブドウを供給していました。そんな贅沢なブドウから造られるシャンパーニュが、5,000円以下で買えるのはおどろきです。爽やかな柑橘の風味と、ナッツのような香ばしさが味わえるおいしい一本ですよ。

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5. ドメーヌ・ストフラー「アルザス・グラン・クリュ・キルヒベルク・ド・バール・リースリング」

ドメーヌ・ストフラー リースリング グランクリュ キルヒベルク・ド・バール
¥3,670~/白・やや辛口/フランス

アルザス地方のリースリング100%で造られるグラン・クリュ。3,000円台で、この味わいはおどろきです。スーッと爽やかな香りの中に、オレンジや熟したパイナップルなどのフルーツの香りを感じます。温度を上げて飲むと、芳醇な香りがさらにグラスから広がりますよ。ぜひ、グラン・クリュのリースリングを味わってみましょう。

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グラン・クリュは、地域によって気軽に味わえるものもある!

「グラン・クリュ」と聞くと、「高級で手が届かない憧れの存在」と思う方も多いと思います。しかし、グラン・クリュの意味合いを地域ごとに理解していくことで、5,000円前後から飲むこともできるんですよ。また、グラン・クリュと書いてあってもすべてが高級品というわけではないことも覚えておきましょうね。
※商品価格は、2021年3月10日時点での情報です。 

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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