2021年04月05日

シャンパンが生まれる土地、シャンパーニュ地方の特色とワイン造り

フランス・シャンパーニュ地方は、その名のとおりシャンパンで知られる土地。この記事では、シャンパーニュ地方でどのようにシャンパンが造られるのか、歴史や製造方法、格付けなどをご紹介します。人気のシャンパンもぜひチェックしてください。

フランス最北部の産地・シャンパーニュ地方

シャンパーニュ地方の景観
iStock.com/Esperanza33

フランス北東部にあるシャンパーニュ地方は、マヌル県、オーブ県、オート・マヌル県、エーヌ県、アルデンヌ県の5県にまたがる約3.4万haの地域です。

ブドウの産地は大きく4つに分けられます。シャンパーニュ地方を代表する産地である「モンターニュ・ド・ランス地区」、渓谷沿いにある広大な「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区」、シャルドネの聖地「コート・デ・ブラン地区」、ほかの地区とは離れた南に位置する「コート・デ・バール地区」。それぞれ、テロワールにマッチするブドウが栽培されています。

シャンパーニュ地方の気候や土壌

シャルドネの生るシャンパーニュ地方のブドウ畑
iStock.com/barmalini

シャンパーニュ地方は大西洋気候と大陸性気候、2つの気候の影響を受ける独特な地域です。年間平均気温は10℃前後、冷涼で日照時間が短くブドウ栽培に適しているとはいえませんが、大西洋気候の安定した降水量、大陸性気候による夏の長い日照時間の恩恵を受けています。

4つの産地はそれぞれ風土に合ったブドウを栽培。モンターニュ・ド・ランス地区とコート・デ・バール地区ではピノ・ノワール、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区ではピノ・ムニエ、コート・デ・ブラン地区ではシャルドネが多く作られています。

シャンパーニュ地方の歴史

シャンパーニュ地方でワイン造りが始まったのは5世紀頃といわれています。当時ワインは「聖なるもの」とされ、製造できるのは修道院の修道士のみ。国王の戴冠式や歴史的な式典で用いられ、その名を広めていきます。

14~15世紀に百年戦争(1339~1453年)が起こりワイン造りは一時衰退しますが、15世紀末から再開。ピノ・ノワールのグリワインや発泡ワインの技術が生まれるなど、新たな盛り上がりをみせていきます。

1690年代には、オヴィレ村ベネディクト会の修道士ドンペリニヨンが、シャンパン造りの基礎となるアッサンブラージュを確立。その他新しい圧搾法、ガラス瓶やコルク栓を導入するなど、革新的な取り組みを行います。フランス宮廷に献上されたシャンパーニュの発泡ワインは富裕層に広まり、徐々に大衆にも浸透していきました。

シャンパーニュ地方の格付け

シャンパーニュ地方のブドウ畑
iStock.com/maximkabb

フランスではAOP法(2008年まではAOC法)によりワインの格付けが行われていますが、それとは別にワイン産地でも格付けが行われています。特徴的なのは、地域によって基準が異なること。シャンパーニュ地方では「村(コミューン)」単位ですが、ブルゴーニュ地方では「畑(クリマ)」、ボルドー地方では「シャトー(ワイン醸造所)」ごとに評価が決まります。

シャンパーニュ地方の格付け基準になっているのは、ブドウの取引価格です。ブドウは天候により収穫量にバラつきが出やすいため、毎年村に対し80%~100%の格付けを行い買取価格を決定。格付け100%の村は「グラン・クリュ」、格付け90%~99%の村は「プルミエ・クリュ」とし、比率に応じた価格で取引が行われていました。

現在は自由取引ですが、格付けは品質基準の指標として残っており、格付け100%の村のブドウのみで造ったものを「グラン・クリュ」、格付け90%~99%の村のブドウのみで造ったものは「プルミエ・クリュ」と呼ばれています。

認定を受けているのは、17のグラン・クリュと42のプルミエ・クリュ。プルミエ・クリュのなかには、ひとつの村内で白ブドウは90%、黒ブドウが87%と品種ごとに格付けされているところもあります。同じ品種でも、認定を受けた村で栽培されていないと、グラン・クリュまたはプルミエ・クリュと名乗ることはできません。

厳格に定められた「AOP」の規則

「シャンパーニュ」という地名を名乗るためには、フランスのAOP法(原産地名称保護制度)をクリアせねばなりません。原産地名称保護制度は、偽装商品から生産者を守るために制定された法律です。2008年まではAOC法でしたが、EC統合によりカテゴリーが整理され、AOP法となりました。

AOP法は3段階のピラミッドで表現されます。トップカテゴリーが「AOP:原産地名称保護ワイン」、次が「IGP:地理的表示保護ワイン」、土台となっているのは「VIN DE TALBE:地理的表示がないワイン」です。規定となるのは生産地、ブドウ品種、醸造所、製造方法など。AOPでは特定産地のブドウを100%使用しなければなりませんが、IGPでは特定産地のブドウを85%使用していればOKというように、カテゴリーの上にいくほど規定は厳しくなります。

それぞれ規定をクリアしたものはラベルに表記が可能です。APOのシャンパンには「産地名」「畑名」「村」「地方名」が記載されているので、チェックしてみましょう。

「シャンパーニュ製法」と呼ばれる製造方法

セラーで瓶詰め発酵中のシャンパンボトル
iStock.com/cristianoalessandro

シャンパンは一般的なワインとは違う方法で造られます。スティルワインは収穫したブドウを圧縮、発酵したあと熟成、澱を取り除きビン詰めになりますが、シャンパンは発酵させたワインに糖と酵母を加え、ビン詰めしてから二次発酵を行います。

ワインの製法
収穫→圧縮→発酵→熟成→澱引き→瓶詰め→打栓
シャンパーニュの製法
収穫→圧縮→一次発酵→アッサンブラージュ→瓶詰め→二次発酵→熟成→動瓶→澱引き→打栓

シャンパーニュ地方以外でこの方法がとられる場合、「シャンパン」ではなく「クレマン」の名で呼ばれます。

ユネスコ世界遺産にも登録!

2015年7月4日、シャンパーニュ地方の丘陵とメゾン、カーブ群が、ユネスコ世界遺産に登録されました。認定されたのは景観、歴史、シャンパンの製造から販売まで包括した普遍的な価値。古くから守られてきた伝統的な手法、AOC認定の取り組みなど、シャンパンをとりまく文化がまるごと評価された結果です。

シャンパーニュの業態

シャンパンボトルのラベルには、「NM」や「RM」といった文字が小さく記載されています。これらは、シャンパン生産者がどのような業務体系をとっているかを表すもの。シャンパーニュ地方の多くは「NM」です。

NM(ネゴシアン・マニュピラン)
生産者から購入したブドウや果汁、原酒でシャンパンを製造する大手メーカーやメゾン。モエ・エ・シャンドンやクリュッグ、ヴーヴ・クリコなど。

RM(レコルタン・マニュピラン)
栽培醸造家のこと。小規模生産者が多く個性的なシャンパンもあるが、生産量は少ない。

CM(コーペラティブ・ド・マニュピラン)
組合に加盟した栽培家のブドウを使った、組合ブランドのシャンパン。ニコラ・フィアットなどが該当。

MA
(マルク・ダシュトゥール)
ホテルやレストランなど、要望に応じて造られるシャンパン。プライベートブランドとして販売されるものも多い。

RC(レコルタン・コーペラトゥール)
栽培農家が組合で造られたシャンパンを買い取り、販売しているもの。

SR(ソシエテ・ド・レコルタン)
組合員の栽培したブドウのみを使用し醸造、販売されるシャンパン。

 一度は飲みたい!人気のシャンパン5選

1. モエ・エ・シャンドン ブリュット アンペリアル

モエ・エ・シャンドン ブリュット アンペリアルのボトル
¥3,800(税込)~

世界売上No.1!1743年創業の大手メゾン、モエ・エ・シャンドンのシャンパンです。すっきり辛口でなめらかな口当たり。ピノ・ノワール(30~40%)、ピノ・ムニエ(30~40%)、シャルドネ(20~30%)と、それぞれの品種がバランスよくブレンドされています。強いクセがなく、いろいろな料理に合わせやすいです。

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2. テタンジェ ノクターン スリーヴァー

テタンジェ ノクターン スリーヴァーのボトル
¥6,510(税込)~

飲みやすさに定評があるシャンパンです。30種ほどのブドウをブレンドしていますが、シャルドネの比率が高いため繊細でエレガント。芳醇な香り、ほのかな甘味が特徴です。ノクターン(夜想曲)の名前にふさわしい長めの余韻もポイント。ノーベル賞の晩餐会や、フランス大統領のレセプションなどでも使用されています。

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3. ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット

ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュットのボトル
¥4,708(税込)~

リザーブワインを含めた50種類ほどをブレンドする、ヴーヴ・クリコの顔というべき1本です。ピノ・ノワールをベースにしたシャンパンは、フルーツとブリオッシュのような香り。さわやかでしっかりしたボディに、ピノ・ムニエのまろやかさとシャルドネの繊細さが加わっています。食前酒、魚料理におすすめです。

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4. シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド・ブリュット

シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド・ブリュットのボトルとラベルのアップ
¥5,200(税込)~

シャンパーニュの名門、ロスチャイルドが手掛けるシャンパンです。異なる区画で栽培したピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネに、それぞれのリザーブワインを40%ブレンド。豊かな花の香りと芳醇で複雑な味わい、さっぱりしたあと味を楽しめます。食前酒はもちろん、肉料理やチーズを使った料理にもマッチします。

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5. ルイ ロデレール ブリュット ヴィンテージ ロゼ 

ブリュット・ヴィンテージ・ロゼのボトル
¥8,633(税込)~

2016年、シャンパーニュ&スパークリング世界選手権のベスト・ヴィンテージ・ロゼ部門で1位を獲得!華やかでスパイシーな香りを持つ、美しい色のロゼスパークリングです。ブレンド比率はピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。しっかり熟成させるため、果実味、ほどよい酸味、コクの絶妙なバランスを楽しめます。

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歴史と伝統を持つシャンパーニュ地方

シャンパーニュ地方は、たいへん古い時代からワイン造りが行われてきました。ブドウ栽培に最適とはいえない土地で、シャンパーニュ製法という独自技術を確立。世界各地に広まってからも伝統を守りシャンパン造りを続けています。華やかな席に好まれるシャンパンですが、歴史をふまえながらじっくり味わってみるのもおすすめです。

※商品価格は、2021年3月17日時点での情報です。

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