
2020年08月20日
白ワインが好きな方は、どんな選び方や買い方をしていますか?単に白ワインといっても、甘口から辛口、ブドウ品種や生産地の違いなど味わいはさまざまです。この記事では、白ワインの上手な選び方や飲み方、そして価格帯別におすすめの白ワインをソムリエが詳しくご紹介していきます。白ワインにもっと詳しくなって、おいしく楽しく飲みましょう。
赤ワインは、フルボディ、ミディアムボディなどと「〇〇ボディ」で表現されますが、白ワインは基本的に辛口や甘口など「〇〇味」と表現されることが多いです。では、辛口や甘口はどのような違いがあるのかみていきましょう。
辛口といって、味わいはいろいろあります。
例えば、
・和食にも合う「スッキリ辛口タイプ」
・濃厚で深みのある「コクあり辛口タイプ」
・ドライで酸味もしっかりある「さわやか辛口タイプ」
など、ひと言で辛口といってもワインの個性はさまざまです。
辛口タイプのワインは、お酒を飲み慣れている方、甘いお酒が苦手な方、食事に合わせたい方などへおすすめですよ。ワインを飲み慣れてない方は、最初は甘口のほうが親しみやすいかもしれませんね。
甘口ワインは、大きく2つのタイプに分かれます。
・アイスワインや貴腐ワインなどの「極甘口タイプ」
・フルーティーで飲みやすい「甘口タイプ」
極甘口タイプは、普通の白ワインの造り方より特殊な方法で造ることで、トロリとしたコクのある濃厚な味わいな場合が多いです。甘口タイプは、ブドウ品種の特徴や、ブドウの完熟度などによって通常の白ワインより甘くなります。
甘口タイプのワインは、ワイン初心者、甘口のお酒が好き、ケーキやデザートに合わせて飲みたい、そんな方におすすめです。甘口ワインは、食前酒として飲む方も多いですよ。
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ブドウ品種は、ワインの味わいを決める重要なポイントのひとつです。世界各国で、さまざままなブドウ品種が造られていますが、品種ごとに味わいの特徴が違います。自分の好きなブドウ品種をひとつでも知っていると、ワインを選びやすくなりますよ。
白ワイン好きなら、誰もが一度は飲んだことあるはずな知名度No.1の白ワイン用ブドウ品種。産地や気候によって、濃くもさっぱりにも変化し、土壌の特徴を味わえるところが特徴的です。世界各国で生産されていますよ。クセがなく飲みやすいので、食事に合わせやすく、ワイン初心者でも飲みやすいです。
ソーヴィニヨン・ブランは、ハーブっぽさや華やかさを楽しめるさわやか系のブドウ品種です。シャルドネに続く知名度の高さで、世界各国さまざまな産地で造られています。グレープフルーツやハーブなど、さわやかとフルーティーさを兼ね備えた味わいが特徴的です。
リースリングは、甘口にも辛口にも変化するフルーティーなブドウ品種です。味わいや香りは白い花やハチミツなどと表現されることが多く、造り方や産地によって極甘口タイプにも変身します。辛口でもほんのり甘さを感じられるものがあるので、お酒が苦手な方でも飲みやすいものありますよ。
ピノ・グリは、赤ワイン用ブドウ品種ピノ・ノワールの突然変異とも言われています。ブドウはほんのり赤紫色なので、白ワインですがロゼワインのような色合いのものも存在するんです。白ワイン用のブドウ品種としては、比較的果実味と味わいの深みを感じられます。まろやかで酸味はおだやかなことが多いので、果実味とコク重視な方におすすめですよ。
セミヨンは、フランス・ボルドー地方が原産国。セミヨンで造られる有名なワインは、濃厚な極甘口ワインである貴腐ワイン。もちろん辛口タイプも生産されていますよ。熟成が若いとフレッシュでフルーティー、そして後味に苦味を感じるのが特徴的。熟成が進むと、濃厚で芳醇なコクのある白ワインに変身します。果実味やハチミツ感を存分に楽しめるおいしい白ワインですよ。
甲州は、日本を代表するブドウ品種のひとつです。世界のワインコンクールでも賞を受賞することもあり、日本といえば甲州ワインともいわれるくらい有名。グレープフルーツやライムなどのさわやかでフルーティーな味わいと、後味の苦味が特徴的です。天ぷらやお寿司、しゃぶしゃぶなどの、和食にも相性ぴったりのおいしいブドウ品種ですよ。
さらに深く白ワインを追求していくと、産地によっても味わいが違うことが分かります。同じブドウ品種でも、アメリカとフランスのワインは大きく変わるんですよ。白ワインを選ぶときは、品種とともに、産地の違いにも注目してみましょう。
旧世界とは、古くからワインを造っている主にヨーロッパの生産地のことを指します。フランス、イタリア、ドイツ、スペインなどが有名な産地です。
これらの地域で造られるワインは、歴史と伝統がワインの味や造り方にも出ることや、生産地の食事や気候に合わせて造られるものが多くあることが特徴でもあります。
ワイン生産の歴史が旧世界より短い生産地のことを、新世界(ニューワールド)と呼びます。有名な生産地は、チリ、アメリカ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどがあげらます。
これらの地域で造られるワインは、コストパフォーマンスが高いことが多く。味わいは果実味豊かで、ボリューム感の強いものが造られるなどの特徴があります。
白ワインは、ブドウ品種や産地を見極めることができると、比較的安いワインでもおいしく飲むことが出来ます。味わいと値段は、必ずしも比例するわけではありません。高いからおいしいという訳でもなく、それぞれの方の好みがあるので、その点を注意して購入しましょう。
食事と一緒にワインを毎日のように飲まれる方は、1,000円以下のおいしいワインを探すのもおすすめです。また、好みのブドウ品種や産地を探すために、チャレンジしやすい値段でもありますね。
1,000〜2,000円台の白ワインは、あまり失敗がない価格帯でもあります。ちょっと飲みたいなというときや、ホームパーティーで大人数が一斉に飲む場合には、2,000円台の白ワインは一番おすすめです。
3,000円以上になると、華やかさや複雑味など、時間が経つごとに変化も楽しめるおいしい白ワインが多くなります。少人数でじっくりゆっくり飲みたいときにおすすめですよ。価格も、飲むシチュエーションを考えて選ぶと失敗が少なくなります。
¥460~(税込)/白・辛口/チリ
アルパカのラベルが印象的なかわいいボトル。トロピカルフルーツやパイナップルなどの、フルーティーでほんのり果実の甘味を感じるワインです。チリ(ニューワールド)のシャルドネらしい、飲みやすい一本ですよ。
¥695~(税込)/白・辛口/フランス
フランス産でも、地方を選べば1,000円以下で購入できるものもあります。ラングドックの造り手が手がける、すっきりフルーティーなタイプの白ワインです。シトロンや白い花、かすかに香るハチミツのニュアンスが絶品ですよ。
¥902~(税込)/白・辛口/チリ
チリのワイナリーの中で、コストパフォーマンス抜群な生産者のひとつであるコノスル。赤白問わず、いろいろなブドウ品種を発売しています。
今回ご紹介するのは、ゲヴュルツトラミネールというブドウ品種。ライチやフローラルな香りが特徴的です。果実味が豊かなので、少し甘く感じる方もいるかも知れませんが、ハマると止まらないおいしさですよ。
¥682~(税込)/白・辛口/イタリア
イタリア・ヴェネト州で造られる、ガルガーネガというブドウ品種が主体の白ワインです。グレープフルーツや熟したリンゴ、桃などの風味を感じ、フルーティーな甘さとスッキリした後味の酸味が楽しめます。スクリューキャップなので、何日かに分けて飲むのもおすすめですよ。
¥918~(税込)/白・微発泡・やや甘口/オーストラリア
カンガルーのラベルがかわいらしい、やや甘口の白ワインです。ブドウ品種は、モスカートというマスカットの一種。ムスクの香りが特徴的な、甘味とアロマティックな風味が楽しめる白ワイン。
通常の白ワインよりもアルコール度数が8%と低いので、強いお酒が苦手な方でも飲みやすいです。食後のデザートと一緒に合わせるのもおすすめですよ。
¥880~(税込)/白・甘口/ドイツ
畑名であり、ワイン名でもある「シュヴァルツ・カッツ」は、黒猫という意味。ほかの生産者も黒猫をモチーフとした、かわいいラベルにしているところが多いです。
こちらのワインは、リースリング種で造られるスッキリした甘さが特徴的な味わい。白い花やほんのりハチミツ、溶かした砂糖水のような甘味を感じるやさしい味わいで飲みやすい一本ですよ。
¥858~(税込)/白・やや甘口/オーストラリア
オーストラリア産のトラミナー種、リースリング種をブレンドして造られた白ワイン。某ワイン雑誌で、コストパフォーマンス抜群と評価されて人気になりました。
熟した果実の風味を存分に楽しめ、甘ったるくないフルーティーな甘さが素晴らしい一本です。1,000円以下でこの味わいは感動もの。
¥2,200~(税込)/白・辛口/フランス
フランス・ブルゴーニュ地方で有名な「シャブリ」のワンランク下のワインです。シャルドネ100%から造られる、ミネラリーでスッキリとした味わいが、魚介類の料理とよく合います。酸味があるので、生牡蠣との相性も抜群ですよ。食事を邪魔せず、おいしく飲める一本です。
¥2,277~(税込)/白・辛口/フランス
フランスのラングドック・ルーションで造られる白ワイン。ブドウ品種は、生産地でよく造られるマルサンヌ種、ルーサンヌ種、ブールブーラン種をブレンドしています。
果実味のふくよかさと、芳醇な味わいで、飲みごたえのある一本。温度を少し上げると、より果実の風味が楽しめますよ。
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¥1,760~(税込)/白・辛口/イタリア
イタリアの名門ワイナリーであるアンティノリ社がプーリア州で手がけるワインです。桃や柑橘系の香りと、ハーブのようなさわやかな風味を楽しめます。シャルドネ100%で造られるため、造り手の個性と土地の味わいがしっかり味わえるところが特徴的。
南イタリアであるプーリア州らしい、華やかでコクのある味わいを試してみてください。
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¥2,662~(税込)/白・辛口/スペイン
スペイン産のシャルドネ100%の白ワイン。3055シリーズは、有機栽培で造られるオーガニックワインです。パイナップルやトロピカルフルーツ、マンゴーなどの、濃厚で個性のあるフルーツのニュアンスをしっかり感じられます。濃厚な白ワインがお好きな方にぴったりですよ。
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¥1,738~(税込)/白・辛口/日本
山梨県産の甲州種を、100%使って造られた白ワイン。日本ワインコンクールにて、銅賞を受賞した経歴もある評価の高い一本です。フルーティーでさわやかな味わいの中に、後味にほんのり苦味を感じます。日本ワインらしく、お寿司や天ぷらなどの和食と相性抜群ですよ。
¥2,332~(税込)/白・甘口/ドイツ
ドイツ産リースリング100%で造られる甘口の白ワイン。桃や熟したリンゴなどのフルーティーな甘味と、スッキリとした後味の酸味でバランスの良い一本です。アルコール度数は、通常の白ワインより低めなので、飲みやすい甘口でもありますよ。ワインを飲み始めた方や、苦手な方にもぴったりです。
¥1,840~(税込)/白・極甘口/フランス
フランス・ボルドー地方で造られる貴腐ワイン。セミヨン種、ソーヴィニヨン・ブラン種などがブレンドされています。濃厚でコクのある、トロリとした口当たりの極甘口タイプです。ハチミツやアプリコット、ナッツの香ばしさも感じられますよ。ブルーチーズやデザートと一緒に、マリアージュしてみてください。
¥3,030~(税込)/白・辛口/フランス
フランス・ボルドー地方、メドック格付け第一級「シャトー・ムートン・ロッチルド」を所有するワイナリーが手がけるワイン。ソーヴィニヨン・ブラン種、セミヨン種をブレンドしたさわやかさと濃厚さを兼ね備えた一本です。
グレープフルーツやライムなどの柑橘系のさわやかさとフルーティーさ、時間が経つごとにアプリコットやトロピカルフルーツのようなコクが楽しめます。時間をかけて、じっくり飲みたい白ワインです。
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¥3,688~(税込)/白・辛口/イタリア
イタリア産ヴェネト州のピノ・グリージョ(ピノ・グリ)を100%使用した白ワイン。ムザラーニョ家は、オーガニックにこだわり、土壌のよさを表現するためにワインを造ります。
洋梨やシロップ漬けの桃などの、フルーツの味わい。そして、白い花のさわやかさをともに楽しめます。酸味はおだやかなので、スーッと体に染み渡るワインです。
¥3,080~(税込)/白・辛口/フランス
フランス・ブルゴーニュ地方で造られるシャルドネ100%の白ワイン。パトリス・リオンは、ビオディナミ製法で造られたブドウを買い付けてワインを造っています。木樽で熟成されているため、焼きたてのパンのような香ばしさと濃厚さを味わえるのも特徴。
シンプルなシャルドネが、パトリス・リオンらしいフルーティーで奥深い味わいに上手に変身しているので、ブルゴーニュ地方のシャルドネ初心者さんにもおすすめの一本です。
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¥3,212~(税込)/白・辛口/アメリカ
アメリカ産のシャルドネ100%で造られる、濃厚で余韻の長い白ワイン。これぞアメリカワイン!というくらい、濃厚で香ばしい樽の風味を味わえます。濃いだけではなく、酸味もバランスよく残っているので、ニューワールドのワインが苦手な方でもおすすめ。
トロピカルフルーツやパイナップルなどの、華やかな香りがポンポンと広がり楽しいですよ。鶏肉のグリルや鉄板焼などの、力強いお肉料理にも合わせられますよ。
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¥8,250~(税込)/白・辛口/フランス
フランス・ブルゴーニュ地方で造られるシャルドネ100%の白ワイン。ワイン好きの憧れでもあるピュリニー・モンラッシェという畑で造られる、贅沢な一本です。
リンゴやレモンのさわやかさと、バターやバニラのような濃厚で香ばしい風味が絶妙な味わい。土壌の特徴でもある、ミネラル感もたっぷり感じられるおいしいワイン。熟成させても、早く飲んでもどちらでも素晴らしい味わいですよ。
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¥~(税込)/白・極甘口/フランス
フランス・ボルドー地方でセミヨン種で造られる貴腐ワイン。ハチミツや黄桃、黄色い花のような濃厚で芳醇な味わいと、ライムやパッションフルーツのような爽快感と酸味が味わえます。濃厚な極甘口タイプの白ワインではありますが、酸味もほどよく感じられる飲みやすい一本です。ホームパーティーなどで食後に出せばきっと盛り上がりますよ。
¥6,615~(税込)/白・極甘口/フランス
フランス・南西地方で造られる珍しいブドウ品種である、プティ・マンサン種、グロ・マンサン種を使用しています。極甘口のトロっとした濃厚ワイン。アプリコットの甘酸っぱい味わいとアーモンドや焼き立てのパンのような香ばしい香りが楽しめます。
シンプルなビスケットやバニラアイスなどと一緒に食べると絶品です。
白ワインをおいしく飲むためには、温度やグラス、合わせる食べ物などを注意するとより楽しめます。少しだけポイントをご紹介しますね。
温度は、甘口タイプのものは比較的しっかり冷やして飲むこと。辛口タイプはワインクーラーに入れっぱなしではなく、出したり入れたりしながら飲んでみましょう。
ワインの香りや味わいが感じられにくいときは、温度が冷えすぎている場合があります。温度を上げましょう。また、苦味や雑味が出てきたときは、温度が上がりすぎている場合があります。
ワイングラスは、なるべくストレートで小ぶりなものを選ぶのがおすすめです。大きなグラスだと、温度がすぐ上がりやすく雑味を感じやすくなる場合もあります。しかし、アメリカ産や高級なフランス・ブルゴーニュ地方のものなどは、大ぶりなグラスで空気をよく含ませながら飲むとおいしく味わえますよ。
ドライでシンプルなワインには、魚介類の料理(カルパッチョ、アクアパッツァなど)や和食(お寿司や天ぷらなど)。ニューワールドのものや、濃厚なタイプのものは、鶏肉のソテーやムニエルなどの味わいのしっかりした料理。甘口や極甘口タイプは、ドライフルーツのパウンドケーキやブルーチーズなどと相性がいいです。
白ワインを飲むにも、上記のようにさまざまなポイントを抑えると、さらにおいしく飲むことができます。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
白ワインは、赤ワインに比べるとクセがなく飲みやすいものが多いです。当たり外れも少ないかもしれません。でも、せっかく飲むなら、自分の好み知り選べるといいですよね。現在では、1,000円以下でもおいしくクオリティの高いワインが、多くなっています。いろいろなブドウ品種や産地を飲み比べて、自分の好きなタイプを見付けてみましょう。白ワイン選びが、もっと楽しくなりますよ。
※商品価格は、2021年3月23日時点での情報です。
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
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