2021年04月06日

ソムリエと学ぶ!「ムルソー」が芳醇な白ワインの宝庫である理由

ブルゴーニュワインを好きになると、一度は憧れるムルソーのワイン。ピュリニー・モンラッシェやシャサーニュ・モンラッシェに続いて知名度が高い白ワインの名産地です。この記事では、ムルソーの特徴、歴史、有名な造り手、おすすめワインなどをソムリエが詳しくご紹介していきます。ムルソーのことを知って、じっくり味わってみましょう。

ムルソーとは

ムルソー畑
iStock.com/Falombini

ムルソーとは、フランス・ブルゴーニュ地方コート・ド・ボーヌ地区にある村です。ブルゴーニュ地方最高峰の白ワインといわれるモンラッシェを造る「ピュリニー・モンラッシェ」と、赤ワインで有名な「ヴォルネイ」に隣接しています。

ムルソーは白ワインの銘醸地であり、世界的にも有名な生産者が本拠地として構えていることも特徴的な村です。濃厚な白ワインが海外で人気となり、一躍有名な産地になったんですよ。

ワイン造りの歴史

ブルゴーニュワイナリー
iStock.com/Massimo Santi

赤ワインを多く造っていた時代もあったムルソー。しかし、土壌とピノ・ノワールの相性がよくないことで、昔から白ワイン造りに徹していました。しかし70年代以前は、赤ワインの方が高級品、白ワインは赤ワインの半分くらいの値段でしか売れなかったそうです。

そんな苦しい時代もありましたが、濃厚でリッチな味わいと、黄金色に輝く色合い、そしてほかの村の白ワインより価格が安いなどの理由もあり、シャルドネブームであったアメリカで大人気となりました。たちまちムルソーは、世界的に有名なワインになり、ワインラヴァーなら誰でも飲んでみたいというワインになったのです。

また近年では、土壌の個性を活かしミネラル感のある、エレガントなタイプの白ワインも多く出てきていますよ。

ムルソーの特徴

白ワインと赤ワイングラス
iStock.com/Victority

シャルドネに適した土壌

ムルソーは、石が多く白ワインに向いた土壌が特徴的です。以前は、建築資材である石灰岩の産地でもあったんですよ。コンブラシアンと呼ばれる固い石灰岩が、ムルソーの白ワイン用のブドウ品種であるシャルドネをおいしくしています。

また、プルミエ・クリュの斜面では、泥灰岩や泥灰・石灰岩が混ざり合う特殊な土壌。この土壌のおかげで、エレガントでミネラル感を楽しめるスタイルのワインになります。

熟成させると一変する味わい

ムルソーの特徴のひとつでもあるのは、早飲みしても濃厚で旨味が詰まっているところ。基本的にムルソーは、オイリーでこってりしたニュアンスの味わいが多いです。グラスに入れ回すと、もったりした印象を受けるでしょう。早飲みすると、洋梨やナッツなどのみずみずしい果実味と香ばしさ、そしてスッキリした酸味を感じます。

早飲みしてもおいしいですが、熟成するとさらに深みが増すのが面白いところ。ハチミツやバター、コーヒー、ミネラルなど、ややスパイシーで複雑な味わいも楽しめるのです。いつ飲んでも、ムルソーは個性を存分に味わえる素晴らしい白ワインですよ。

ムルソーには赤ワインもある

歴史の部分でも触れましたが、ムルソーは昔多くの赤ワインを造っていました。フランスのワイン法でもあるA.O.C.でも、ムルソーの名前でピノ・ノワール種で造る赤ワインは認められています。一時期は、生産量のほとんどが白ワインでしたが、最近は日本でもムルソーの赤ワインも見かけます。

果実味が豊かで、深みもあり、早飲みしておいしいものが多いです。有名ドメーヌが手がけるレアなムルソー・ルージュは、コストパフォーマンスが高いワインもあるので、見つけたときは買いですよ。

特に有名なムルソー・プルミエ・クリュ

ムルソー畑
iStock.com/studioraffi

ムルソーには、グラン・クリュ(特級畑)がありません。ムルソーでは、プルミエ・クリュが最上級のワインということになります。ムルソー・プルミエ・クリュは多数存在しますが、特に有名なのは「ペリエール」「シャルム」「ジュヌヴリエール」。この3つのプルミエ・クリュは、ムルソー御三家ともいわれ知名度も値段もとても高いです。

シャルムやジュヌヴリエールは、土壌が斜面下方になるため、濃厚で芳醇なスタイルになることが多く、ペリエールは、土壌が斜面上方になるため石灰岩の影響を受けやすく、エレガントでミネラリーな味わいになる場合が多いです。また、グラン・クリュ(特級畑)はないですが、ペリエールはグラン・クリュに匹敵する最高峰のムルソーと呼ばれていますよ。

コント・ラフォンとコシュ・デュリの世界的な活躍

シャルドネが入ったグラス
iStock.com/Victority

ムルソーは、面積が広いこともあり生産者がとても多い場所でもあります。その中でも、世界的にも群を抜いて有名な生産者が「ドメーヌ・デ・コント・ラフォン」と「ドメーヌ・コシュ・デュリ」。

ドメーヌ・デ・コント・ラフォンは、数々のワイン専門誌でワイナリーを絶賛評価されています。コント・ラフォンが手がけるワインは、ビオディナミ農法で造られていること、ミネラリーで土壌の味わいを大事にしていることが特徴的です。2011年には、ムルソーの南の丘に並ぶ6つのプルミエ・クリュすべてを所有しました。ミネラリー感と複雑さ、そしてコント・ラフォンらしさを味わえる特別なムルソーの造り手ですよ。

ドメーヌ・コシュ・デュリは、世界中のワインラヴァーが憧れる希少価値の高いワイン。白ワイン界のレジェンドとも呼ばれるジャン・フランソワ・コシュ・デュリが手がけるムルソーは、ひとくち味わえるだけで感動そのものです。生産量が少ないこと、ムルソーの村名でも5万円以上はすることもあり、幻のワインとも言われています。コシュ・デュリは、農薬を使用せず健全な畑から上質なブドウを造ることに注力してワインを造ります。コント・ラフォンとはまた違う、複雑味と華やかさを楽しめますよ。

どちらもムルソーの巨匠と呼ばれる素晴らしい造り手。しかし、造り方やブドウへの向き合い方などで味わいは違ってきます。どちらのワイナリーも、20年以上熟成できるポテンシャルを持つムルソーのワイン最高峰の生産者。一度は味わってみたい、憧れの造り手ですね。

ムルソーのおすすめ商品5選

1. ルイ・ジャド「ムルソー」

ルイ・ジャド ムルソー
¥5,990~/白・辛口/フランス

ブルゴーニュ地方で名だたる有名畑のワインを手掛ける、ルイ・ジャド。もちろん、ムルソーも手掛けています。黄金色に輝く色合いと、もったりとした濃厚な口当たり。ややナッツや焼きたてのパンのような香ばしさ、フルーティーな果実味を存分に感じられます。ムルソー初心者でも、親しみやすい味わいですよ。

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2. ドメーヌ・コシュ・デュリ「ムルソー」

コシュ デュリ ムルソー
¥98,000~/白・辛口/フランス

世界中のワインラヴァーが欲しがる、ドメーヌ・コシュ・デュリのムルソー。生産量が少なく、市場に出回りにくいことから幻の白ワインとも言われています。村名クラスでも、長期熟成に耐えられることが特徴。

ハチミツやトースト、芳醇な果実味がほどよい酸味と溶け込み、余韻の長い素晴らしいワイン。プルミエ・クリュでなく、村名で10万円弱の値段は高級ですが、一生に一度は飲んでみたいと思う憧れの一本ですね。

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3. フィリップ・パカレ「ムルソー・プルミエ・クリュ・シャルム」

ムルソー プルミエ クリュ シャルム [ 2018 ]フィリップ パカレ
¥19,250~/白・辛口/フランス

自然派ワインを追求する造り手フィリップ・パカレ。ビオディナミ農法で造り上げる数々のワインは、土壌とブドウ本来の味わいがしっかり楽しめます。

こちらのワインは、プルミエ・クリュであるムルソー・シャルムの畑で造られた一本。濃厚な果実味の中に、ハーブや花などのさわやかさ、そして土壌特有のミネラル感をバランスよく感じられます。体に染み渡る、おいしいワインですよ。

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4. フランソワ・ミクルスキー「ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・ジュヌブリエール」

ムルソー・1er・レ・ジュヌブリエール
¥20,350~/白・辛口/フランス

チョークで書いたような、シンプルなラベルが印象的なミクルスキー。ほどよい樽感と果実味、そしてミネラル感をミクルスキーらしいバランスで味わえます。

もともとジュヌブリエールは、濃厚に仕上がりがち。以前は樽のニュアンスが強いワインでした。近年では新樽の比率を抑え、濃厚でありながらも、スーッと切れ味のよい酸味とミネラル感が味わえるワインに変化してきています。大きなグラスで、じっくりと味わいたい一本です。

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5. ドメーヌ・デ・コント・ラフォン「ムルソー・プルミエ・クリュ・ペリエール」 

コントラフォン ムルソー プルミエ クリュ ペリエール
¥65,800~/白・辛口/フランス

世界中で評価の高い、ドメーヌ・デ・コント・ラフォン。ムルソー・ペリエールは、コント・ラフォンの手にかかるとミネラル感がほかのワイナリーのものとは比べ物にならないくらい強くなります。長期熟成に長けており、モンラッシェやコルトン・シャルルマーニュ(ブルゴーニュ地方のグラン・クリュの白ワイン)に肩を並べるほどのポテンシャルを持つとも言われています。

ライムやグレープフルーツのようなさわやかな果実味の中に、ハチミツや砕いた石のようなミネラル分を感じられるワイン。熟成をすればするほど、複雑さと深み、コクが増して絶品の白ワインになります。記念のヴィンテージワインとして、ワインセラーで寝かせるのもいいですね。

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ムルソーのワインにおすすめの飲み方

デキャンタした白ワイン
iStock.com/BeylaBalla

ムルソーのワインは、深みがあり芳醇なものが多く存在します。開けたては、香りや味わいが閉じてしまうことも。せっかく飲むなら、ムルソーのよさを存分に引き出せる方法で飲みましょう。

温度は、白ワインでは高めの12〜13度前後がおすすめです。ワインの温度が冷えすぎると、香りや味わいが感じられにくくなります。また、高すぎると雑味や苦味などが出てくるので注意しましょう。ずっとワインクーラーに入れておくのではなく、温度が上がってきたなと感じるときに使用し、温度調節をしましょう。

グラスは大ぶりのシャルドネグラスか、ない場合はぷっくりとしたブルゴーニュグラスをおすすめします。大きめのグラスだと、華やかな香りと、芳醇な味わいを存分に楽しめますよ。また、飲むときに、デキャンタをすると香りと味わいが開きやすくなるのでおすすすめです。もし、デキャンタがない場合は、ワイングラスを2脚用意して入れ替えてみてください。デキャンタする前と後では、味わいも香りも大違いなはずですよ。

ムルソーはオイリーで華やか、そして複雑な味わいが楽しめるおいしいワインです。熟成していても、開けたては硬い印象があるかもしれません。そんなときは、ゆっくり時間をかけてグラスを回しながら味わってみてくださいね。

芳醇なムルソーをじっくり味わってみよう

ムルソーの特徴や歴史、そして造り手について見てきましたが、以外に知らないことが多いなと感じたのではないでしょうか。芳醇で濃厚な味わいのイメージが強いムルソーですが、近年では、土壌の味わいを重視する造りても多く石灰岩の影響もあり、ミネラリーな味わいもしっかり感じられるワインも増えてきています。複雑さと深みが、更に増したムルソーのワインを、じっくり味わってみましょう。また、ムルソーの赤ワインも見付けたら試してみてくださいね。コストパフォーマンス抜群で、おすすめですよ。
※商品価格は、2021年3月30日時点での情報です。

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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