2021年04月29日

シェリー酒ってなに?特徴や飲み方などをソムリエがご紹介!

シェリー酒というお酒、一度は名前を聞いたことがあると思います。しかし、どんなお酒なのか?どんな味わい?飲み方は?など、シェリー酒についてよく知らないという方もいますよね。この記事では、シェリー酒の特徴、選び方、相性のよい料理、飲み方など。シェリー酒初心者さんでも、飲みたくなる魅力をソムリエがご紹介していきます。この記事を読めば、自分でシェリー酒を選んで飲みたくなるはずですよ。

シェリー酒とは

6種類のシェリー酒が机に並ぶ様子
iStock.com/Creaktiva

シェリー酒は、主にスペインのアンダルシア州南西部で造られている「酒精強化ワイン」です。ブドウを原料にしていますが、ワインとはまた別な造り方をしています。日本では、シェリー酒というカテゴリーで分けられてしまいがちですが、シェリー酒はワインの一種なんですよ。

味わいは、甘口から辛口までさまざま。ラベル表記や名前などで味わいを見極められますが、分からずに買うと自分の好みではないものに当たってしまう可能性もあるので注意が必要です。

シェリー酒はどんなときに飲む?

最近では、日本にもスペイン料理店やスペインバルなどが多くあります。シェリー酒が置いてあるお店も増えてきました。味わいが甘口から辛口までさまざまあるので、シーンに合わせて飲み分ける方がいいですよ。

甘口は、食前酒やデザートと一緒に。中口や辛口は、すべての食事を通して飲むこともできます。また、バーなどでシェリー酒をナッツやドライフルーツをおつまみに、ゆっくり飲むのもおすすめですよ。

国によって名前が異なる

本場スペインでは、シェリーとは呼ばず「ヘレス」といいます。シェリーとは、英語表記のこと。フランス語では、ケレスといいます。ヘレスとは、産地名でもあり、生産地の中心地である場所の名前から取られているんです。正式には、「ピノ・デ・ヘレス」といい、訳すと「ヘレスのワイン」と呼ばれています。

シェリー酒は世界3大酒精強化ワインのひとつ

シェリー酒を熟成する樽
iStock.com/arlosdelacalle

酒精強化ワインとは、醸造過程でアルコールを添加して造られるワインのこと。通常のワインより、アルコール度数は15〜22%くらい高く、アルコールをしっかり感じられます。また、コクとワイン自体の保存性を高めることも特徴です。

スペインのシェリー、ポルトガルのポート、マデイラが世界3大酒精強化ワインと言われ、イタリアのマルサラを加えて、世界4大酒精強化ワインと呼ぶこともあります。

シェリー酒のブドウの産地・品種

シェリー酒のブドウ品種が木になっている
iStock.com/barmalini

シェリーの生産地は、マルコ・デ・ヘレスと呼ばれる9つの都市です。アルバリサという炭酸カルシウムがたっぷり含まれた、真っ白い土壌が特徴的。また、アルバリサは水分の保持力が高い土壌。秋から春に降った雨を溜め込み、雨の少ない夏にブドウの根に水分を補給することができます。年間の降水量が、600mmと少ないですが、アルバリサを含む土壌のお陰でおいしいブドウができるのです。

熟成地によって、原産地呼称を名乗れるものと名乗れないものがあります。9都市のうち「ヘレス・デ・ラ・フロンテラ」「サンルカール・デ・バラメーダ」「エル・プエルト・デ・サンタ・マリア」の3つ熟成地(シェリー三角地帯)で熟成され造られたシェリーのみが、原産地呼称を名乗ることができ、販売できるのです。ほかの6都市も熟成はできますが、一部例外を除いてシェリー三角地帯の3都市にある、熟成登録した生産者に販売することが多いようです。

ブドウの品種

シェリー酒に使われるブドウは、「パロミノ」「モスカテル」「ペドロ・ヒメネス」の白ブドウ品種3種類のみ。栽培面積の約95%ほどをパロミノが占め、辛口タイプのシェリーが造られています。ほか2種類は、極甘口用に造られているんですよ。

シェリー酒の種類と選び方

シェリー酒をグラスに注ぐ
iStock.com/barmalini

シェリー酒には、辛口タイプ、中口タイプ、甘口タイプとさまざまなタイプが存在します。単にシェリー酒といっても、味わいの個性はそれぞれ違い、飲み方、食事との合わせ方などは、タイプ・種類によって異なってきます。タイプ・種類で選ぶのもおすすめですので、ぜひ参考にしてみてください。

辛口タイプ

フィノ

酵母と一緒に熟成するタイプ。ヘレス・デ・ラ・フロンテラとエル・プエルト・デ・サンタ・マリアで、熟成されたもののみ名乗れるシェリーです。アルコール度数は、15〜18%程度で、酵母と熟成することで付くイーストっぽい香りが印象的。淡い麦わら色で、軽やかでドライな辛口タイプです。

マンサニーリャ

大西洋岸に近いサンルカールで熟成されたもののみが名乗れるシェリー。上記のフィノと同様、酵母とともに熟成するタイプ。しかし、熟成地の違いから味わいや風味はフィノとは大きく変わります。アルコール度数は、16〜22%程度で、カモミールやパンの生地のような香りを楽しめることが特徴的。やや塩っぽさも感じられる、辛口タイプです。

アモンティリャド

酵母とともに熟成させたのち、酸化熟成をさせたタイプ。アルコール度数は、16〜22%程度。キレイな琥珀色がうつくしく、ヘーゼルナッツのような香りと複雑味のあるドライな味わいが楽しめますよ。

オロロソ

酸化熟成をさせたタイプ。酵母特有のイーストっぽさはなく、ナッツやくるみや木樽などの複雑で香り豊なシェリーです。色合いは、琥珀色からマカボニー色。アルコール度数は、ほかのものと比べると17〜22%程度とかなり高めです。華やかな香りを楽しみたい方におすすめですよ。

パロ・コルタド

短期間酵母とともに熟成し、その後酸化熟成をさせたタイプ。色合いは、琥珀色からマカボニー色。アルコール度数は、オロロソと同様に17〜22%程度と高くパワフルな味わいです。アモンティリャドのような繊細な香りと、オロロソのような風味を持ち合わせる複雑さも楽しめる辛口タイプのシェリーですよ。

中口タイプ

ドライ

色合いは、淡い黄色から金色。アルコール度数は、15〜22%程度。残糖が、5〜45g/lと中口タイプの中では比較的辛口より。酵母とともに熟成されたワインをベースに造るワインなので、パンやイーストっぽいニュアンスを感じられます。やさしい甘さを楽しめるタイプです。

ミデュアム

モンティリャドをベースとし、甘さを加えて造られるシェリーです。アルコール度数は、15.5〜22%程度。残糖は、5〜115g/lと幅が広いタイプ。酵母のニュアンスと酸化熟成のどちらの風味を楽しめ、ほんのり甘い味わいで飲みやすいですよ。

クリーム

オロロソをベースとし、甘さを加えて造られるシェリーです。アルコール度数は、15.5〜22%程度。残糖が115〜140g/lと中口タイプのなかでは一番甘味が強いタイプ。酸化したワインがベースなので、ナッツやクルミなどの複雑で華やかな香りと甘さを楽しめますよ。

甘口タイプ

モスカテル

ブドウ品種「モスカテル」を収穫後1〜2週間程度天下干ししたものから造られる、甘口タイプのシェリー。アルコール度数は、15〜22%程度。モスカテルは、過熟または天下干ししたものを85%以上使用する条件があり、残糖160g/l以上と決まっています。色合いは濃く、琥珀色からマホガニー色。濃厚でトロリとした口当たりと、深みのある甘い味わいが特徴的です。

ペドロ・ヒメネス

ブドウ品種「ペドロ・ヒメネス」を収穫後1〜2週間程度天下干ししたものから造られる、甘口のシェリー。アルコール度数は、15〜22%程度。モスカテル同様に、ペドロ・ヒメネスを過熟または天下干ししたものを85%以上使用することが条件です。残糖が212g/l以上と、モスカテルより甘く極甘口タイプになります。トロリとした口当たりと、干しブドウのような香りと風味を楽しめますよ。

シェリー酒の飲み方・味わい方

カクテルグラスにシナモンやミントが浮かんでいる様子
iStock.com/SilvaPinto1985

シェリーの特徴が分かったところで、飲み方や味わい方も学んでみましょう。ストレートで飲む以外にも、さまざまな楽しみ方がありますよ。

ストレート

シェリーの個性を一番楽しめるのは、ストレートで飲む方法です。小ぶりな白ワイングラスに、少量ついで飲みましょう。種類によっては、アルコール度数が22%と高いものもあるので注ぐ量に注意してくださいね。温度は、白ワイン同様に冷やして飲むのがおすすめ。冷やしすぎると、複雑な風味や香りが感じられなくなるので、ワインクーラーで調節しながら飲みましょう。

カクテル

シェリーは、カクテルとして飲まれることも多いです。スペインでは、氷の入ったグラスに辛口タイプのシェリー(フィノ、マンサニーニャなど)とセブンアップ(炭酸ドリンク)を1:1で割り、レモンやライム、ミントなどを添えて飲む「レブヒート」というカクテルがあります。セブンアップでなくても、ジンジャーエールや炭酸水などでもおいしく飲めますよ。

ほかには、カシスリキュールやアプリコットリキュール、オレンジジュース、クランベリージュースなどで造られるカクテルもあります。バーやレストランに行ったときに、シェリーベースのカクテルはありますか?と尋ねてみるのもいいですね。

デザートと一緒に

ペドロ・ヒメネスは、極甘口のとても甘みが強いタイプのシェリーです。開封後でも日持ちはするので、食後にデザートと一緒に飲むのもおすすめ。特に相性のいいデザートは、バニラアイスクリームや洋酒のパウンドケーキ(ラム酒やオレンジリキュール入りなど)です。

アイスクリームには、ソースのように少しトロリかけてみてください。洋酒のパウンドケーキには、グラスに注いだ極甘口のペドロ・ヒメネスをケーキ、シェリーの順で食べてみてください。より一層おいしくデザートが食べられますよ。ぜひ、試してみてくださいね。

シェリー酒と相性のよい料理

ハモンセラーノをカットしている
iStock.com/mofles

シェリーは、味わいのタイプによって相性のいい料理が変わります。比較的どんなシェリーにも合わせやすいのは、スペイン産の生ハム。特におすすめなのは、アンダルシア州の地方料理でもあるイベリコ豚の生ハム「ハモン・デ・ブーゴ」「ハモン・デ・ロス・ペドロチェス」です。どちらも上質な脂と旨味の詰まったハムが、シェリーに合います。シェリーを飲むときのおつまみに、ひと品はスペイン産の生ハムを用意してみましょう。

おすすめのシェリー酒(辛口)3選

1. ゴンザレス・ビアス「ティオ・ペペ」

ゴンザレス ティオペペ
¥1,155(税込)~/白・辛口/スペイン

「フィノ」のスッキリ辛口タイプ、初心者向きのおいしいシェリーです。しっかり冷やして、ドライに飲むのがおすすめ。魚介料理やチキンのソテーなど、どんな食事にも合わせやすく食中に飲むのにぴったりですよ。あまりシェリーのクセが強く出ていないので、シンプルで飲みやすいです。また、炭酸水と割ってミントを浮かべて、カクテルにして飲むのも、おしゃれでおすすめですよ。

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2. ボデガス・グティエレス・コロシア「アモンティリャード」

ボデガス グティエレス コロシア アモンティリャード
¥2,660(税込)~/白・辛口/スペイン

減農薬栽培で造られるブドウからできたシェリー。「モンティリャド」なので、酵母の風味と酸化熟成の複雑さを同時に楽しめる一本です。わずかにナッツのような香ばしい風味を味わえる辛口タイプなので、燻製料理や鉄板焼などの香ばしさと旨味がある料理と相性がいいですよ。

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3. エミリオ・ルスタウ「アルマセニスタ・オロロソ・デル・プエルト」

エミリオ ルスタウ アルマセニスタ オロロソ デル プエルト
¥3,197(税込)~/白・辛口/スペイン

エミリオ・ルスタウは、酒精強化ワインメーカーの最優秀賞を7年連続で受賞したことをはじめ、数々の賞を受賞している造り手。「オロロソ」は、味わいは辛口ですが、甘い香りがふわっと広がるのでとても華やかなシェリーです。キレイな琥珀色の色合いと、ナッツやアーモンド、胡椒などの複雑な香りとドライフルーツやダークチョコレートのような深みのある味わいが楽しめます。シャルドネグラスや、少し大ぶりなブルゴーニュグラスなどで香りを存分に感じてみましょう。

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おすすめのシェリー酒(中口・甘口)3選

4. バルデスピノ「イザベラ・クリーム」

バルデスピノ・イザベラ クリーム
¥2,940(税込)~/白・中口/スペイン

「オロロソ」をベースに、甘口である「ペドロ・ヒメネス」をブレンドしてる造られる、やや甘さを感じる中口タイプのシェリーです。ドライフルーツの風味があり、芳醇な香りと優しい甘さで飲みやすい一本ですよ。食中でも、デザートともどちらでも合わせやすいので、シーンを問わず楽しめるシェリーです。

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5. ボデガス・バロン「ミカエラ・モスカテル」

ボデガス バロン ミカエラ モスカテル
¥1,760(税込)~/白・甘口/スペイン

華やかなラベルが印象的なボデガス・バロン。「モスカテル」は、マスカットや柑橘系の華やかな甘い香りが特徴的です。天下干しをしたブドウから造られるため、凝縮した甘味がしっかり味わえます。食後に、デザートを一緒に合わせるのもおすすめですよ。

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6. サンチェス・ロマテ「デュケサ・ペドロ・ヒメネス」

サンチェス ロマテ ペドロ・ヒメネス
¥2,475(税込)~/白・極甘口/スペイン

「ペドロ・ヒメネス」は、天下干しをしたブドウで造られるため、濃厚で凝縮した濃い味わいが特徴的。黒糖を想像させるような香ばしさと強い甘み、ドライフルーツやプラムなどの華やかな味わいを楽しめますよ。バニラアイスクリームに少しかけて、贅沢に食べてみるのもおすすめ。甘くておいしいですが、アルコール度数は18%と通常のワインより高いので、スイスイ飲まないように、グラスに少しずつ注いで気をつけて飲みましょうね。

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タイプを見極めていろいろなシーンに合わせよう!

シェリーとひと言でいっても、種類も味わいのタイプもさまざまです。しかし、タイプを見極めることができれば、食中にもデザートワインとしても気軽に合わせることができます。また、辛口タイプ(フィノ、モンティリャドなど)をカクテルにして飲むのも、とてもおいしいですよ。最近では、スペインバルやバーなどでも、いろいろな種類のシェリー酒を置いているお店が増えてきました。さまざまなシェリー酒に挑戦して、好みのタイプや種類を見つけてみましょう。
※商品価格は、2021年4月13日時点での情報です。 

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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