2021年04月14日

甲州の絶品白ワインに合わせる理想的なおつまみを味覚チャートで考えてみた

先日、ふるさと納税の返礼品が届きました。中身はもちろんワインです。日本全国のさまざまなワイナリーの気になるワインが数多くリストアップされている中、昨年のふるさと納税で私が選んだのは中央葡萄酒さんの甲州です。

日本ワインの底力を感じさせる「甲州鳥居平畑プライベートリザーブ」

日本随一のワイン銘醸地、山梨県勝沼地区。中でも “鳥居平”と呼ばれるエリアは、すり鉢状になっている盆地の斜面に位置します。南西向きで日当たりのいい畑には富士山から冷たい風が吹き込み、朝晩の寒暖差がブドウの凝縮度を高めます。その結果、酸と糖度のバランスの良い上質なブドウが育つのだとか。「甲州鳥居平畑プライベートリザーブ」はそんな鳥居平地区が生み出した珠玉の1本。私がいただいたのは2019年ヴィンテージです。

《テイスティングノート》
透き通るようなレモンイエローのワインをグラスに注ぐと、ふわっと果実の香りが鼻腔をくすぐります。グレープフルーツのような柑橘系の香りと、梨のようなジューシーな香りが特徴的です。口に含むと丸みのある、しかし存在感抜群な酸味が口内に広がります。味わいには甲州ワインに特徴的な、吟醸酒のような深みとスパイシーな風味を感じます。一言でいうなら “厚みのある辛口ワイン”。甲州の真髄を味わえます。

実は元来、甲州にはソーヴィニヨン・ブランと同じ香気成分(柑橘系の香り)が含まれているそうです。一方  “オフフレーバー(負の香り)”と呼ばれるフェノール化合物も多く含まれており、それがかぐわしい香りを打ち消してしまっていたのだとか。そのせいで甲州ワインは長らく「個性が乏しい」「つまらない」などと、世界からネガティブな評価を受けてきました。

オフフレーバーを抑え、甲州本来の素晴らしい香りを開花させられるようになったのは、ごく最近のこと。醸造家と研究者のたゆまぬ努力の結果です。「甲州鳥居平畑プライベートリザーブ」は、まさに甲州本来の香りを存分に堪能することができる、素晴らしいワインです。ちなみに、お店で買うと価格は4,000円弱ほど。ちょっぴりリッチなラインです。

味覚チャートで理想のおつまみを探る

甲州の白ワインはなんにでも合わせやすい “フードフレンドリー”なワインです。相手が和食ならなおのこと! 深く考えずに食卓に並べても、たいていミスマッチになることはありません。しかしせっかくゲットしたリッチな1本なので、あえて理想的なおつまみを探ってみました。

マリアージュを成功させるポイントとしてよく言われるのは、①色を合わせる、②産地を合わせる、③味や香りの特徴を合わせる、の3点です。今回もその定石にしたがってかんがようかな……と思っていた時、ふと、以前放送されたテレビ番組で “味覚チャート”が紹介されていたのを思い出しました。上の3つのポイントに加え、味覚チャートを意識してマリアージュを考えれば、より理想的なおつまみにたどりつけるのではないか……そう思い、試してみることに。

味覚チャートとは味覚の5大要素「甘味」「酸味」「塩味」「旨味」「苦味・辛味」のバランスを五角形の図に表したものです。5つの要素をそれぞれ0〜5点で表し、全てが5点満点で味覚要素のバランスがとれているものほど「美味しい」と判断します。今回はワインとのマリアージュを考える際、ワインとおつまみ、それぞれの味覚要素の点数を足し合わせてマリアージュの結果としました。

例えばクリームチーズとワインのマリアージュなら……

酸味と旨味が特徴的なワインと、塩味とほんのりした酸味&甘味を感じるクリームチーズをたしあわせてマリアージュ度を測る、という要領です。図が正五角形に近いほどマリアージュ成功! というわけです。これに、香りの相性などを考慮しつつ、独断と偏見で理想のおつまみトップ3を選出しました。

※苦味と辛味は本来異なる要素ですが、味わいのアクセントになるもの……という考え方でひとくくりにしました。

第3位 おつまみスナックの定番、柿の種

あまりワインと一緒に食べることのない、亀田製菓さんの柿の種。甲州の白ワインとの相性が意外と良いことを発見しました。柿の種は特に辛味要素と塩味要素が強めのおつまみですが、そこにワインの旨味と酸味が加わって、味に複雑さが出ます。甲州特有の吟醸香とあられの香ばしいお米の香りもよくマッチします。強めの辛味がワインの味を打ち消してしまうかも……とも思いましたが、実際食すといい感じにアクセントになって美味しさを演出してくれました。

第2位 家庭料理の強い味方、豚肉の生姜焼き

2位はみんな大好き、生姜焼き! 生姜のピリッとした辛味と風味、タレの塩味と甘味、豚肉の旨味……そこにワインの旨味と酸味が追加され、味覚チャートは五角形に近い形に。甘味の強い味付けにすれば、より完璧かもしれません。ワインに感じるフレッシュな柑橘系の香りが豚肉の脂を柔らかい風味にしてくれます。生姜を強めにきかせるのがポイントです。生姜焼きをこんなに爽やかに感じたのは初めて……というくらい、相性のいい組み合わせでした。

第1位 関西名物、ソース味のたこ焼き

甲州の白ワインとたこ焼きの組み合わせは、私の中で新テッパンコンビに認定されました。それくらい、ベストマッチです。紅生姜をピリリときかせ、甘いソースに旨味の総本山である鰹節と青のりを惜しみなく振りかけたたこ焼きに甲州ワインを合わせれば、完璧な味覚のハーモニーを奏でてくれます。私は外側がカリッとした関東風のたこ焼きよりもトロふわな関西風のたこ焼きの方が、より出汁の旨味を感じ、ワインとの相性が高まると感じました。ボイルされたタコの風味も、ワインのミネラリーな舌触りによく合います。

最後に

点数は私の感覚でつけたものなので、あくまで参考としてご覧ください。また単純にたしあわせているので5点以上になっている要素もありますが……そこはご愛嬌! こういう考え方でワインとおつまみの相性を探るのも、なかなか楽しいですよ。ぜひ皆さんもゲーム感覚でワインとおつまみのマリアージュを探ってみてください。

ワインのオンライン販売情報

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吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

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