2021年05月09日

ソムリエによる赤ワインの基礎講座。これから覚えたい人必見!

ワインと言えば、赤、白、ロゼ、スパークリングなどタイプがいろいろあります。そのなかでも、健康にもいいと言われている赤ワイン。濃厚なものから、あっさりしたものまでひと言で赤ワインと言っても種類はさまざまです。この記事では、赤ワインの特徴、味わいの違い、ブドウ品種や生産地による違いなど、ソムリエが赤ワインについて徹底解説していきます。自分好みの赤ワインを、選べるようになれるかも。

赤ワインの特徴

ワイングラスに赤ワインを注いでいる様子
iStock.com/aprilante

赤ワインは、「黒ブドウ」という紫色をしたブドウから造られます。ブドウ品種や生産地によって味わいは変わりますが、深みがあり、渋味と酸味と果実味のバランスが味わいの決め手となり特徴的です。

そして、赤ワインの大きな特徴は、「タンニン(渋味)をしっかり感じることができるということ」と「赤い色」です。赤ワインのもとになる果汁を取るときは、ブドウの表皮と種などをすべて一緒に絞ります。そうすることで、表皮や種に含まれるタンニンも果汁に混ざり、赤ワイン特有の渋味のもとになるのです。また、ブドウの表皮の色合いが果汁に移り赤くなるため、赤ワインと呼ばれます。

上記以外にも理由はありますが、表皮や種などを、ワインを造る過程で一緒に醸造することで赤ワインの特徴でもある「タンニン」「赤い色」ができるのです。

白ワインとの違い

赤ワインは「黒ブドウ」を使用しましたが、白ワインを造るときは「白ブドウ」を使用します。白ブドウとは、マスカットのような淡い黄緑色やレモンイエローなどの表皮を持つブドウです。

上記で説明したように、赤ワインは皮や種などをまるごと醸造します。白ワインは、果汁を絞ったらすぐ皮や種などを取り除いてワインを造る場合が多いです(一部例外あり)。そのため、タンニンが少なく渋味のやさしいワインになりますよ。

赤ワインの「ボディ」とは

ワインをたしなんでいる女性
iStock.com/yula

白ワインやスパークリングは、味わいを「辛口/甘口な」どと表現します。しかし、赤ワインは「○○ボディ」と表現されることも特徴的。味わいが濃い順に、フルボディ→ミディアムボディ→ライトボディと変化していきます。では、どんな味わいか詳しく見ていきましょう。

フルボディ

フルボディのワインは、飲んだ瞬間に「濃厚」「重厚」「タンニンがしっかり」「力強い」などのキーワードを感じるものが多いです。アルコール度数も高いものが多く、飲みごたえをたっぷり楽しめます。また、フルボディのワインは長期熟成できるものもあるので、10年20年とセラーで寝かせる方もいますよ。

ミディアムボディ

ミディアムボディのワインは、フルボディとライトボディの中間くらいの味わいです。渋味と酸味のバランスがいいものが多く、飲みやすい印象。赤ワインを飲み始めた初心者さんは、ミディアムボディから挑戦してみるのをおすすめしますよ。飲みにくかったら、ライトボディへ。もっとパワフルなワインが飲みたい方は、フルボディへ。ミディアムボディのワインは、万人受けする味わいが多いですよ。

ライトボディ

ライトボディのワインは、「さっぱり」「サラッと飲める」などを飲んだ瞬間に感じられるでしょう。ライトボディのワインは、濃厚さよりも軽やかでスーッと体に染み込むような印象を受けやすいです。アルコール度数やタンニンも、フルボディやミディアムボディよりは低く少ないものが多いですよ。サラッと飲みやすいため、飲みすぎに注意しましょう。

ブドウの品種で変わる!赤ワインの味わい

新鮮な収穫赤ワイン作り木箱にブドウの束
iStock.com/VladimirGerasimov

ワインは、ブドウ品種によって大きく味わいが変わります。赤ワイン用のブドウ品種でも、特に有名な「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロ」「ピノ・ノワール」「シラー」の4種類の特徴をご紹介します。

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンは、全世界で造られる国際品種です。もちろん、最近では日本でも造られています。タンニンが強く、濃厚でパワフルな赤ワインができることが多いです。色合いは、黒みを帯びたガーネットやダークチェリーレッド。味わいは、カシスやブラックベリーのような赤黒系の果実味が楽しめます。また、胡椒のようなスパイシーさも感じる場合もありますよ。

メルロ

カベルネ・ソーヴィニヨン同様に、濃厚な赤ワインが多いです。味わいは、ラズベリーやブルーベリー、カシスなどの、酸味・渋味・果実味を感じるベリー系のニュアンスが楽しめます。特徴としては、カベルネ・ソーヴィニヨンよりはタンニンがマイルドでなめらか。パワフルですが、果実味とタンニンのバランスがいいワインが多く造られます。

ピノ・ノワール

フランス・ブルゴーニュ地方が原産のブドウ品種。色合いは、明るくルビー系統が多いです。ラズベリーやブルーベリー、すみれ、バラなどベリー系の果実味だけではなく、花のニュアンスも楽しめる、エレガント系のワインが多く造られます。香りの華やかさと、キレイな果実味とサラリとした酸味が楽しめますよ。

シラー(シラーズ)

シラーは、オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれるブドウ品種。カシスやブラックベリー、ブラックチェリーのような黒系ベリーの香りと、やや野性的でスパイシーな味わいが特徴的です。凝縮感のある果実味とスパイシーで複雑な味わいを持つ、パワフルでパンチの効いた赤ワインが多く造られますよ。

こちらもチェック!赤ワインの産地

世界地図にワインとチーズの置物が乗っている
iStock.com/cupcakegill

ブドウ品種だけではなく、どこでそのブドウが造られたかでも味わいは大きく変わります。例えば、温かい気候が長く続く国は、ブドウの完熟度や糖度も高くなりますね。逆に、寒い気候の国は、酸味が強くエレガントな赤ワインができることも。以下では、生産地の違いについてもご紹介していきます。

フランス

ワインと言えば、フランスを思い出す方も多いはず。世界最高峰の赤ワインを造る産地「ボルドー地方」「ブルゴーニュ地方」をはじめ、さまざまな地域でおいしいワインが造られます。

ボルドー地方では、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどが造られ、濃厚でパワフルな赤ワインが多いです。ブルゴーニュ地方では、ピノ・ノワールやガメイなどが栽培され、繊細でエレガントな味わいのワインが造られます。フランス全体でみると、甘味の強い赤ワインと言うよりは、深みがあり飲みごたえのある大人っぽいものが多い印象です。

フランスがワイン王国と言われる理由。10の地方とおすすめ商品

イタリア

イタリアは、フランスと1、2位を争う生産量の多いワイン産地。全州でワインを造っていることも特徴的です。有名な赤ワインは、ピエモンテ州のバローロやバルバレスコ、トスカーナ州のキャンティ、キャンティ・クラシコ、ヴェネト州のアマローネなど。州によって気候や環境が大きく変化するので、さまざまな味わいの赤ワインが造られます。南に行けば行くほど、濃厚で凝縮感のある赤ワインに出会えますよ。

ラインナップ豊富なイタリアワイン!地域別の特色とおすすめは?

スペイン

スペインの赤ワインは、テンプラニーリョという黒ブドウが多く使われます。同じブドウ品種ですが、土地によって名前が変わるので見極めるのが難しいです。テンプラニーリョは、濃厚でパワフルな味わいにも、ジューシーでチャーミングな味わいにも変化する面白いブドウ。食事にも合わせやすいので、ぜひ試してみてくださいね。

アメリカ

アメリカは、ニューワールド(新世界)といわれ、歴史は浅いですがおいしいワインを多く造ります。赤ワイン用のブドウ品種は、特にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、ピノ・ノワールが多く、濃厚でパワフル。タンニンがしっかりあります。しかし、フランスと違い、果実味や樽由来の風味が強いことで、パワフルですが甘味もあるのが特徴的ですよ。

チリ

チリも、アメリカ同様ニューワールドの仲間です。評価が高く、コストパフォーマンスがよいと日本でも人気のワイン産地。特に、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンは「チリカベ」と呼ばれ、果実の甘味とパワフルなタンニン、そして程よい酸味のバランスが楽しめるワインが多いですよ。濃厚なワインが好きだけど、甘味があるほうが好みという方は、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを飲んでみてくださいね。

赤ワインの選び方

赤ワインは、ボディ、ブドウ品種、産地を総合して選ぶのがおすすめです。例えば、以下のようにボディ、ブドウ品種、産地を組み合わせていきます。

・濃厚な味が好きで、渋味もしっかり楽しみたい方
 →フランス・ボルドー地方のカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ
・濃厚だけど、果実の甘味が強いほうがよい方
 →アメリカやチリのカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ
・繊細でエレガント、華やかな赤ワインを飲みたい方
 →フランス・ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールやイタリア北部のピノ・ノワールやネッビオーロ

ホームパーティーや家族の集まりなどで赤ワインを出すときは、あまり個性の強くないものを選ぶことをおすすめします。例えば、フランス産メルロが主体のミディアムボディの赤ワインやチリ産ピノ・ノワールのミディアムボディの赤ワインなど。渋味や酸味、クセが強くないワインを選んでみましょうね。

また、ワインが造られた年(ヴィンテージ)によっても味わいが変化します。大事なワインを購入するときは、ヴィンテージをインターネットで調べてから探すと、おいしいワインに当たりやすくなりますよ。

赤ワインをおいしく飲むコツ

グラスの赤ワインを片手にグラスを合わせている様子
iStock.com/ViewApart

おいしい赤ワインも、飲み方を間違えるとおいしく感じられなくなる場合があります。そんな残念なことにならないように、おいしく赤ワインを飲むコツをお伝えしますね。

冷やしすぎに注意!赤ワインに最適な温度

赤ワインは、白ワインのようにキンキンに冷やして飲んではいけません。なぜなら、香りや味わいが冷やすことで消えてしまうからです。おいしく飲むには、適度な温度設定で飲みましょう。

おすすめの温度は、
・フルボディ→17〜20度
・ミディアムボディ→14〜20度
・ライトボディ→14〜16度
です。正確な温度を測る必要はありませんが、ぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、温度が上がりすぎても雑味が出ておいしくなくなります。真夏は、ワインも常温においておくと20度以上になっている場合が多いです。飲む前に、冷蔵庫で少し冷やしましょう。

赤ワインとのマリアージュを楽しむ

赤ワインとマリアージュを楽しむなら、ドライフルーツやチョコレート、白カビタイプのチーズなどがおすすめです。気軽に購入できて、ワインもさらにおいしくなりますよ。

ドライフルーツは、タンニンの強い濃厚な赤ワインや酸味の強いものに合わせてみましょう。渋味や酸味がまろやかになって、果実味がプラスされることでワインがより一層おいしくなります。ミディアムボディのエレガントタイプの赤ワインには、チョコレートを合わせてみましょう。キャラメル入だと、尚更おいしくマリアージュを楽しめますよ。

白カビタイプのチーズは、赤ワイン特有のタンニンを優しくしてくれます。どんな味わいの赤ワインにも合わせやすいので、試してみてくださいね。

おすすめの赤ワイン3選

1. バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ「エスクード・ロホ」

エスクード・ロホ
¥1,950(税込)~/赤・フルボディ/チリ

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がチリで手がける、濃厚でパワフルな赤ワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、カベルネ・フランやカルメネールをブレンドした一本です。力強い飲みごたえのある赤ワインですが、カシスやブラックチェリーなどの甘味と酸味のバランスも抜群。コストパフォーマン抜群で、何度も飲みたくなるような重厚でおいしい赤ワインを味わえますよ。

ワイノミオンラインショップで見る
Amazonで見る
Yahoo!ショッピングで見る

2. ジャンテ・パンショ「ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ」

ジュヴレ・シャンベルタン ヴィエイユ・ヴィーニュ ジャンテ・パンショ
¥9,800(税込)~/赤・ミディアムボディ/フランス

フランス・ブルゴーニュ地方で造られる、エレガントさと力強さを兼ね備えている赤ワイン。ピノ・ノワール100%で造られますが、畑特有の野性味あふれる味わいとクランベリーやチェリーのようなフルーティーな果実味を楽しめます。繊細だけど奥深い、深みのあるミディアムボディのおいしい赤ワインです。

ワイノミオンラインショップで見る
Amazonで見る
Yahoo!ショッピングで見る

3. ベリンダコーリー「キャンティ」

ベリンダコーリー キャンティ
¥1,345(税込)~/赤・ライトボディ/イタリア

イタリアの有名赤ワインの一種キャンティ。サンジョベーゼ主体で造られる、さっぱりした飲みやすい一本。少し冷やしめの温度で、トマトソースのパスタやピザなどに合わせると抜群においしいです。ベリー系の果実味と酸味、クセのない味わいなのでサラリと飲みやすいですよ。万人受けするので、ホームパーティーにもおすすめです。

Amazonで見る
Yahoo!ショッピングで見る

赤ワインが余ったらどうする?

ワインの栓、コルクなどが机に転がる
iStock.com/privetik

赤ワインは、一回で1本飲みきれない場合もあります。特に濃厚でパワフルなワインは、数日かかってしまうときも。ワインストッパーや空気を抜くこともできるバキュバンなどを使って栓をしましょう。もしない場合は、刺さっていたコルクをワインが接してなかった部分を下にして、グッとボトルに差し込みましょう。それだけでワインに栓が出来ますよ。保存場所は、必ず冷蔵庫にしまいましょう。常温だと劣化しやすくなります。また、飲むときは常温に戻して飲みましょうね。

また、料理に使うのもおすすめ。牛肉のワイン煮やビーフシチュー、ミートソースの隠し味など。さまざまな料理にアレンジも効くので、もう飲めないなと思ったときは捨てるのではなく、料理に使ってみるのも手ですよ。

赤ワインは、ボディ・品種・産地を総合して選んでみよう!

単に赤ワインといっても、種類はさまざまです。ブドウ品種でワインの特徴が分かり、産地で果実味や酸味、渋味の強さが変わったりします。しかし、どれもこれも学ぶのは難しいですよね。まずは、自分好みのブドウ品種を見付けてみてください。その後に、産地やボディなどを総合して選んでみましょう。赤ワインの味わいの大きなポイントは、やはりブドウ品種です。ワインを飲んでいて、おいしいなと思ったブドウ品種や産地は、メモしておくと次に購入するときのヒントになって便利ですよ。
※商品価格は、2021年4月19日時点での情報です。

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

この記事をSNSでシェアする