2021年05月10日

繊細かつ力強い「ジュヴレ・シャンベルタン」の魅力をソムリエがご紹介!

ブルゴーニュワイン好きなら、一度はハマるジュヴレ・シャンベルタン村のワイン。ピノ・ノワール100%で造られる赤ワインは、ブルゴーニュワインらしい繊細な味わいに、ジュヴレ・シャンベルタン村の土壌のニュアンスである力強さを楽しめます。この記事では、ジュヴレ・シャンベルタンのワインの特徴や歴史、味わい、畑の格付け、料理とのマリアージュなどを詳しくご紹介していきます。

ナポレオンも愛したシャンベルタンとは

鉄砲を持った戦士
iStock.com/Sharlotta

シャンベルタンとは、フランス・ブルゴーニュ地方コート・ド・ニュイ地区、ジュヴレ・シャンベルタン村で造られるグラン・クリュ(特級畑)のワインのことです。ナポレオンが愛したという逸話をもとに「ブルゴーニュの王」「王のワイン」などと呼ばれることがあります。

ほかの村のグラン・クリュに比べると、シャンベルタンと名の付く特級畑のワインは生産面積が広く、造り手も多いです。しかし価格は、1万円以上〜レアなものだと数十万円するものもあり、ブルゴーニュワインファンにとっては憧れのワインでもありますよ。

シャンベルタンの味わい

ピノ・ノワール種100%で造られるワインです。ブドウの特徴でもある、エレガントさ、キレイな酸味、華やかな果実味はもちろん、さらに力強く深みがあり、やや野性的な個性を楽しめます。男性的とも言われ、ブルゴーニュワインのなかでも長期熟成をすることで変化が感じられるものが多いです。

シャンベルタンを生み出す「ジュヴレ・シャンベルタン」

クロサン・ジャックの畑
iStock.com/Franck Decourt

ジュヴレ・シャンベルタンとは、ブルゴーニュ地方コート・ド・ニュイ地区にある村。グラン・クリュを持つ村のなかでは、一番北にあります。コート・ドールのなかで最大の面積を持ち、9つのグラン・クリュ(特級畑)が存在する有名な村です。

ジュヴレ・シャンベルタンを名乗れるワインは、赤ワインしかありません。しかし、白ワインやロゼワインなど、生産者によっては自家用に造っていたり、ジュヴレ・シャンベルタンを名乗らずリリースしている造り手も多いですよ。

ジュヴレ・シャンベルタンの歴史

ブルゴーニュ地方のなかでも、古くからブドウ栽培を行っていました。元々は「ジュヴレ村」と呼ばれていた、ジュヴレ・シャンベルタン。シャンベルタンの名前の由来は、13世紀頃にベルタンという農夫がおいしいワインを造ることに成功し、その場所をベルタンの畑「シャン・ド・ベルタン」と、呼ぶようになったのがきっかけといわれています。

また18世紀では、ナポレオンがシャンベルタンのワインを愛し、戦場や遠征にも運ばせたという逸話まで残っていますよ。シャンベルタンのワインはどんどん有名になり、当時の村長がジュヴレ村からジュヴレ・シャンベルタン村へと名前を変えたそうです。

ジュヴレ・シャンベルタンの格付け

ジュヴレ・シャンベルタンの畑
iStock.com/IvanMikhaylov

ジュヴレ・シャンベルタンには、ボルドー地方のように一級や二級などの格付けはありません。格付けではなく、村の中の畑にそれぞれランクあるというイメージを持ってください。ブルゴーニュ地方では、最上級の畑グラン・クリュ(特級畑)→プルミエ・クリュ(一級畑)→ヴィラージュ(村名)と分けられます。これは、ジュヴレ・シャンベルタン以外のブルゴーニュ地方の村でも同じように分けられるので、覚えておくといいですよ。

グラン・クリュで造られるワインは、生産量が少なかったり、希少価値が付き値段が高騰したりしているものも多いです。しかし、ジュヴレ・シャンベルタン(村名)のワインは5,000円前後から購入できるものあるので、最初は村名ワインから飲んでいくのをおすすめします。プルミエ・クリュは20個以上ありますが、そのなかでも特に「クロサン・ジャック」「レ・カズティエ」「ラヴォー・サン・ジャック」などが有名。クロサン・ジャックは、グラン・クリュに匹敵するとまで言われる、世界中で人気のプルミエ・クリュです。

ジュヴレ・シャンベルタンにある9つの特級畑

シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ
iStock.com/searagen

ジュヴレ・シャンベルタンには、グラン・クリュが9つあります。特に有名でグラン・クリュの代表格と言われているのは、シャンベルタンとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ。特級畑という最上級ランクの畑で造られますが、それぞれ土壌や気候の環境などの違いで味わいは大きく変わります。以下では、ジュヴレ・シャンベルタンで造られる9つの特級畑の特徴をご紹介していきますね。

シャンベルタン

栽培面積12.28ha。ジュヴレ・シャンベルタンのなかでも、ピノ・ノワールから生まれる力強さと深み、旨味が男性的と言われるのにふさわしいワインが多く造られます。ナポレオンが溺愛し、戦場に持っていっていたのもシャンベルタン。世界的に知名度も高く、希少性も高いワインです。長期熟成も見込めるのも特徴的。ジュヴレ・シャンベルタンのワイン好きなら、絶対に飲んでほしい一本です。

シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ

栽培面積15.2ha。名前のベーズとは、ベーズ修道院の僧侶がブドウを植えた畑だからという由来から名付けられました。華やかな香りと、緻密でなめらかなタンニンが特徴的なワインが多いです。シャンベルタン・クロ・ド・ベーズで造られるワインは、「シャンベルタン」を名乗ることもできます。しかし、シャンベルタンはシャンベルタン・クロ・ド・ベーズを名乗ることはできませんので注意しましょう。

マジ・シャンベルタン

栽培面積9.09ha。シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの北に位置するグラン・クリュ。華やかで爆発的な果実味と、ほどよいタンニン、酸味のバランスのいいワインが多く造られます。男性的で力強いですが、ミネラル感もあるので繊細な味わいも楽しめますよ。

リュショット・シャンベルタン

栽培面積3.30ha。マジ・シャンベルタンの斜面上部に位置します。土壌は小石が多く、そのためミネラル感がやや強く感じられる味わい。繊細な果実味と、やさしい口当たりが楽しめます。シャンベルタンやマジ・シャンベルタンよりは、エレガントなワインが多いですよ。

ラトリシエール・シャンベルタン

栽培面積7.33ha。シャンベルタンの真南に位置します。ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュのなかでも、一番繊細で女性的と言われているラトリシエール・シャンベルタン。ほかのグラン・クリュの土壌よりも小石が多く、冷風が吹くためブドウの育ちも遅くなることも、エレガントなワインになる理由のひとつ。軽やかで繊細なグラン・クリュを飲みたい方に、おすすめです。

シャルム・シャンベルタン

栽培面積12.24ha。シャンベルタンの真下に位置します。隣接しているマゾワイエール・シャンベルタンも、シャルム・シャンベルタンを名乗ることができますよ。造り手により味わいが大きく変化するのも特徴的です。果実味感がたっぷりになることもあれば、固いワインになることも。比較的には、味わいは柔らかく果実味の多いタイプが造られ、熟成も進みやすいので飲みやすいグラン・クリュです。

マゾワイエール・シャンベルタン

栽培面積17.93ha。ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュのなかでもっとも広い栽培面積を誇ります。そのため、ネゴシアン(ブドウを買い付けてワインを造る方法)のワインも多く存在します。ラトリシエール・シャンベルタンの真下に位置し、北にはシャルム・シャンベルタンがある場所。

シャルム・シャンベルタンも名乗ることができるため、実はマゾワイエールで造られたワインだったということもあります。味わいは、野性的な風味と果実味のバランスが良いものが多く造られます。造り手の特徴が顕著に出るワインが多いですよ。

シャペル・シャンベルタン

栽培面積5.49ha。シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの真下に位置します。造り手によって特徴も変わりますが、芳醇な果実味と気品が感じられ、ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュのなかでも親しみやすい味わいです。畑名の由来は、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの修道院の傍らに立てた礼拝堂(チャペル)に由来しています。

グリオット・シャンベルタン

栽培面積2.74ha。シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの下、シャペル・シャンベルタンとシャルム・シャンベルタンの挟まれて場所に位置します。ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュのなかでもっとも栽培面積が狭く、生産量が少ないです。「野生のサクランボ」という意味を持つ畑であることもあり、サクランボやイチゴなどの果実味が華やかなものが多く造られます。また、きめ細やかでなめらかな口当たりが印象的なワインが多いですよ。

おすすめのジュヴレ・シャンベルタンワイン5選

1. ラ・ジブリオット「ジュヴレ・シャンベルタン」

ジュヴレ・シャンベルタン ラ・ジブリヨット
¥7,260~(税込)/赤・ミディアムボディ/フランス

ラ・ジブリオットは、ブドウを買い付けてワインを醸造するネゴシアンです。多くのネゴシアンは大量生産が主流ですが、ラ・ブリジオットは少量生産で評価の高いところが特徴でもあります。味わいは、果実味豊かで、エレガントさとパワフルな力強さを兼ね備えていますよ。ジュヴレ・シャンベルタン初心者さんにおすすめです。

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2. ドメーヌ・フーリエ「ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ」

ジュヴレ シャンベルタン ヴィエイユ ヴィーニュ ドメーヌ フーリエ
¥11,000~(税込)/赤・ミディアムボディ/フランス

ロウキャップのボトルが印象的な、ドメーヌ・フーリエ。ジュヴレ・シャンベルタンなのに、繊細でエレガント、そしてピュアな果実味を楽しめます。クラシカルで華やかな、ジュヴレ・シャンベルタンを味わいたい方にぴったりですよ。

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3. フレデリック・エスモナン「ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラヴォー・サン・ジャック」 

ジュヴレ シャンベルタン 1級畑 ラヴォー サン ジャック 750ml フレデリック エスモナン
¥8,190~(税込)/赤・ミディアムボディ/フランス

コストパフォーマン抜群のジュヴレ・シャンベルタンの造り手。プルミエ・クリュ(一級畑)なのに1万円以下で買えるなんて、素晴らしすぎます。野性味あふれるパワフルな味わいと、フレッシュな果実味がたまりません。力強い男性的なジュヴレ・シャンベルタンを、ぜひ味わってみてください。

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4. ドメーヌ・ドルーアン・ラローズ「シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ」

シャンベルタン クロ ド ベーズ グランクリュ [ 2002 ]ドルーアン ラローズ
¥34,000~(税込)/赤・ミディアムボディ/フランス

ジュヴレ・シャンベルタンに拠点を置き、6つのグラン・クリュ(特級畑)を所有する凄い造り手。そのなかでもシャンベルタン・クロ・ド・ベーズは、濃縮感のある果実味と力強い味わい、そして余韻に少しスパイシーさを感じるバランス抜群の一本。10年以上熟成させたい、贅沢なワインです。

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5. ドメーヌ・クロード・デュガ「シャルム・シャンベルタン」

ドメーヌ・クロード・デュガ/シャルム・シャンベルタン
¥50,830~(税込)/赤・ミディアムボディ/フランス

ジュヴレ・シャンベルタンの造り手といって、忘れてはいけないのはドメーヌ・クロード・デュガ。所有している畑が3haしかなく、生産量も少ないのでカルトワイン的な希少価値のあるワインが多いです。そのなかでもグラン・クリュは、シャルム・シャンベルタン、シャペル・シャンベルタン、グリオット・シャンベルタンの3つだけ。

シャルム・シャンベルタンは、ジューシーな果実味と、緻密なタンニン、やさしい酸味が楽しめ余韻が長い一本。早く開けるにはもったいない、10年、20年熟成させることも可能な素晴らしいワインです。

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シャンベルタンは肉料理と相性抜群!

鹿肉のジビエ料理
iStock.com/Shaiith

ジュヴレ・シャンベルタンのなかでも、グラン・クリュ(特級畑)クラスのワインには、力強くクセのあるお肉料理がよく合います。例えば、鹿肉やイノシシ肉などのジビエ料理、ラム肉や鴨肉のグリルなどがおすすめです。

ジュヴレ・シャンベルタンのワインは果実味がありますが、野性的な風味や男性的な力強い味わいも楽しめます。ベリー系のソースをかけたジビエ料理や、シンプルな調理方法でもクセのあるお肉と合わせると、さらにおいしい組み合わせになりますよ。

多様なジュヴレ・シャンベルタンを楽しもう

ジュヴレ・シャンベルタンは、とても広い村です。広大な栽培面積を持つ村だからこそ、造る場所や造り手によって、エレガントにもパワフルにも変化するのが特徴的。特にグラン・クリュ(特級畑)のワインは、土壌の味わいがワインにしっかりいい影響を与えてくれます。ただ、シャンベルタンのワインを選ぶのではなく、畑や造り手の個性を知ってから味わうと、また違った楽しみ方ができますよ。ぜひ、いろいろなジュヴレ・シャンベルタンを試してみてくださいね。
※商品価格は、2021年4月27日時点での情報です。

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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