2021年05月17日

華麗なるシャトー・ムートン・ロートシルト。当たり年のヴィンテージ情報も

シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)といえば、世界にその名をとどろかすボルドーワインの名門。フランス・ボルドー地方のメドック地区で、格付け第1級に君臨する5大シャトーのひとつです。世界中のワイン愛好家をひきつけてやまないのは、最高ランクのクオリティーだけではありません。稀代の芸術家によって描かれるアートラベルやジョイントワインの成功など、常に時代の先をいく革新的な取り組みも注目の的。シャトー・ムートン・ロートシルトの特徴や魅力をたっぷりご紹介します。ヴィンテージ情報もチェックしてくださいね。

メドック格付け第1級。シャトー・ムートン・ロートシルト

メドック地区で格付けの最高峰、第1級に認定されている、シャトー・ムートン・ロートシルト。メドックの格付けは、パリ万国博覧会の目玉のひとつとして1855年に制定され、160年以上経った今も、その格付けはほとんど変わっていません。格付けは、第1級から第5級までの5段階にわけられ、当時、第1級に選ばれたのは4つのシャトーのみ。

シャトー・ムートン・ロートシルトは、予想に反して第2級に格付けされました。その後、ブドウ栽培から醸造技術、熟成方法にいたるまで、革新的な改革を実施。不断の努力が実を結び、1973年、第2級から念願の第1級への昇格を果たします。不変といわれるメドックの格付けを覆し、格上げを認められた唯一のシャトーとなったのです。

シャトーの特徴

シャトー・ムートン・ロートシルトは、メドック地区ポイヤック村の小高い丘に、約90ヘクタールのブドウ畑を所有しています。海洋性気候で、土壌は砂利質。水はけがよく、細かな砂利が太陽光を反射するため、ブドウの成長に適した環境です。メドックの第1級に格付けされている5大シャトーのうち、3つのシャトーがこの村にあるんですよ。

主要栽培品種はカベルネ・ソーヴィニョン。ほかにもメルロ種、カベルネ・フラン種、プティ・ヴェルド種などが栽培されています。自然環境に配慮し、化学肥料や農薬を極力使わない「リュット・レゾネ」と呼ばれる減農法を採用。収穫期は、ブドウの大敵である雨を避けるため、数百人もの人で、一気に手摘みによる収穫がおこなわれます。

ブドウ栽培、収穫、発酵、熟成、瓶詰の各部門にスペシャリストを配置。独自のノウハウを蓄積し、ムートンらしい最高品質のワインを生み出しています。

シャトー自体が観光地に

シャトー・ムートン・ロートシルトは、シャトー自体がボルドー随一の観光名所。ブドウとワインをテーマにしたコレクションを収蔵するワインミュージアムをはじめ、千ものオーク樽が並ぶ巨大な熟成庫や貯蔵庫などが見学できます。

ミロやピカソ、シャガールといった著名なアーティストが描いた歴代のアートラベルも展示され、見ごたえ十分。もちろん、ワインの試飲もできますよ。ワインとアートが融合したシャトーは、ぜひとも訪れてみたい場所です。

ワイン史に名を残すロートシルト一族の活躍

ロートシルトと聞いて、シャトー・ムートン・ロートシルト以外に、シャトー・ラフィット・ロートシルトを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。ともに、メドックの格付けは第1級。世界でもトップクラスの評価を得ている名シャトーです。

ロートシルト一族のあゆみ

ロートシルト一族といえば、世界にその名を知られた一大財閥。ロートシルト家とワインとの関わりは、1世紀半以上にも及びます。ロートシルトとはドイツ語読みで、英語読みはロスチャイルド。

ドイツ・フランクフルトのユダヤ人居住区で、古銭取引で成功したマイヤー・アムシェル・ロートシルトは、5人の息子をヨーロッパに派遣します。その一人、英国に派遣されたネイサン・ロートシルトの息子、ナサニエル・ド・ロートシルト男爵が、1853年にシャトー・ムートンを購入。

一方、フランスに派遣されたジェームス・デ・ロートシルト男爵は、1868年にシャトー・ラフィットを手に入れます。ナサニエルとジェームスの関係は、甥と叔父。以降、ふたつのシャトーは切磋琢磨し、ボルドーワインの名声を高めていくのです。

シャトー・ムートン・ロートシルトでは、ナサニエルのひ孫、フィリップ・ド・ロートシルト男爵が数々の偉業を達成。樽出荷が当たり前の時代に、いち早くシャトーでの瓶詰めシステムを導入し、ワインの質を格段に向上させました。また、著名な画家にアートラベルの制作を依頼し、ワインに新たな価値を与えることにも成功。

セカンドワインの始まりともいえる「ムートン・カデ」、カリフォルニアでのジョイントワイン「オーパス・ワン」を生み出したことも評判になりました。その後もボルドーの枠を超え、ロートシルト一族の名は世界のワイン史に刻まれていくのです。

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト」の特徴

「シャトー・ムートン・ロートシルト」は、シャトーのファーストラベル(最上級ワイン)。カベルネ・ソーヴィニョン種を主体に、メルロ種、カベルネ・フラン種などを絶妙にアッサンブラージュ(ブレンド)し、10~15年じっくり熟成させて造られます。

立ち上る豊かで複雑な香り、カシスのような果実味と厚みのあるリッチな味わいが特徴。全体の調和が素晴らしく、理想的な赤ワインの条件をすべてそろえていると評されます。著名なアーティストが描くアートラベルも、このワインを華やかに彩る大切な要素。

ヴィンテージ(ブドウの収穫年)によって価格は異なりますが、高級ワインゆえ、決して安くはありません。そのかわり、とっておきの記念日やお祝いの日をゴージャスに演出してくれることは間違いなし!近年のワインから、2014年のヴィンテージをご紹介します。

シャトー・ムートン・ロートシルト 2014

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト2014」のボトル
¥85,900(税込)~/赤/フランス

近年のヴィンテージのなかでも、2014年は優良なブドウの当たり年なんです。アメリカンチェリーや黒すぐりといった果実香、ブラックペッパーやバニラのほのかな香りもあり、タンニンはしなやかで、ふくよかな果実味が凝縮。アートラベルは、英国のアーティスト、デイヴィッド・ホックニーが描いており、赤ワインが注がれたワイングラスが印象的です。ワインを飲む高揚感が伝わってくるようですね。

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コレクター続出。芸術的なワインラベルにも注目

シャトー・ムートン・ロートシルトのボトルを飾るアートラベルは、毎年デザインが変わることで有名。その年を象徴する豪華アーティストが描く芸術的なラベルは、世界中のコレクターを魅了しています。

これまでも、ダリ、ミロ、シャガール、ピカソ、バルテュス、そしてアンディ・ウォーホルといったアーティストがラベルデザインを手がけてきました。ラベルのモチーフはアーティストの裁量に任されており、ブドウやワインを飲む喜び、シャトー・ムートン・ロートシルトのシンボルでもある牡羊などが多く描かれています。

初めてワインラベルが制作されたのは、シャトーでの瓶詰めをスタートした1924年。その後、1945年からシリーズ化され、アートラベルはシャトー・ムートン・ロートシルトの人気を不動のものにしました。どんなアートラベルがあるのか、一部ご紹介しますね。

シャトー・ムートン・ロートシルト 1991

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト 2011」のボトルトラベル
¥75,900(税込)~/赤/フランス

1991年のラベル制作者は、「20世紀最後の巨匠」と称されるフランスの画家、バルテュスの妻で画家の節子夫人。花瓶やデキャンタなどの静物が優雅に描かれ、ワインを飲む喜びが表現されています。ちなみにバルテュス自身も、1993年のラベルを手がけているんですよ。このヴィンテージは、ポイヤック村のベストワインに選出されています。

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シャトー・ムートン・ロートシルト 2015

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト 2015」のボトルトラベル
¥82,363(税込)~/赤/フランス

2015年のラベル作品は、ドイツ最高峰の現代画家、ゲルハルト・リヒターが担当。世界の注目を集める鬼才です。リヒターが「フラックス」と名付ける独自技法を用い、偶然かつ巧妙に練り上げられた工程を経て、動きのある美しい色彩と構図を生み出しています。まるで、このワインの絶妙なアッサンブラージュ(ブレンド)や複雑な味わいを表現しているかのよう。このヴィンテージのブドウは最良で、多彩なアロマと複雑で深みのある味わいが魅力です。

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シャトー・ムートン・ロートシルトのヴィンテージ情報

「ワインの当たり年」や「よいヴィンテージ」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。ワインの品質について語る際によく使われる言葉です。ワインの品質に影響を及ぼすのは、その年のブドウの出来。農作物であるブドウは、その年の天候によって出来が左右されてしまうのは致し方ありません。

よい天候に恵まれ、ブドウが十分に熟した年は「当たり年」または「よいヴィンテージのワイン」といわれます。ただし、天候に恵まれなかったヴィンテージでも、その後の醸造方法によって味わい深いワインになったり、比較的早い時期から楽しめたりといった利点もあるんです。

シャトー・ムートン・ロートシルトは、ヴィンテージによる違いはあるものの、常にその名にふさわしいワインを産出。どんな状況にあっても革新性と創造性を失わず、最高品質のワイン造りに挑む姿勢は、世界に冠たる名シャトーならではです。具体的に、当たり年といわれるヴィンテージの一部をご紹介しますね。

1. シャトー・ムートン・ロートシルト 2016

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト 2016」のボトルとラベル
¥85,900(税込)~/赤/フランス

2016年というヴィンテージは、秀逸なブドウに恵まれました。冬と春は降水量が多く、夏と秋はまとまった雨はないという、1年の前半と後半とで天候は2極化。結果的に、ブドウの濃度と凝縮性が高まり、熟度が進んだのです。完熟したカシスの香りやスパイス香など多様な香りが混じり合い、濃厚でふくよかな果実味、余韻の素晴らしいワインです。アートラベルは南アフリカ出身のアーティスト、ウィリアム・ケントリッジ作。価格は9万前後。

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2. シャトー・ムートン・ロートシルト 2009

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト 2009」のボトルとラベル
¥93,500(税込)~/赤/フランス

2009年は、偉大な成功作といわれるヴィンテージ。ブドウ栽培と果実の成熟にとって、理想的な天候でした。ブルーベリーやカシスの香りにスパイスを想わせるデリケートな香りが複雑に絡み合い、完熟した上質な果実味が感じられ、上品なタンニンとの一体感が見事。赤ワインのあらゆる魅力が備わった、類まれなワインと評されます。アートラベルは、インド出身のイギリス人アーティスト、アニッシュ・カプーア作。価格は10万前後。

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3. シャトー・ムートン・ロートシルト 2005

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト 2005」のボトルとラベル
¥101,200(税込)~/赤/フランス

2005年ヴィンテージは、降水量が少なく、乾燥した天候にも関わらず、ブドウの生育は順調。野生のベリー系の香りやほのかな樽香、バニラやメンソール、各種スパイスの香りがエレガントに混じり合い、力強い果実味が凝縮した味わいです。しっかりとした上品なタンニンがあり、ほのかな甘味のある余韻が長く楽しめます。アートラベルはイタリアを代表する彫刻家、ジュゼッペ・ペノーネの作。価格は10万前後。

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4. シャトー・ムートン・ロートシルト 1995

赤ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト 1995」のボトル
¥96,800(税込)~/赤/フランス

1995年は上質なヴィンテージ。春から秋にかけて気温が高めの好天が続き、高品質なブドウが収穫されました。香りは煮詰めた果実やトリュフ、コーヒー、スパイスなどが感じられ、ふくよかな果実味が特徴的。タンニンは濃密でなめらか、余韻は長く続きます。アートラベルは、スペイン・バルセロナ出身の彫刻家・画家であるアントニ・タピエスの作品。価格は10万前後。

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特別な日にシャトー・ムートン・ロートシルトを

メドック格付け第1級の5大シャトーのなかでも、シャトー・ムートン・ロートシルトのワインは華やかでリッチ。もっとも派手とも評されます。格付け第2級から第1級へと昇格を果たした経歴からうかがえるのは、品質への飽くなき向上心と不屈の精神。ワインとアートを融合させた独自のワイン文化も、ほかのシャトーとは一線を画しています。

ファーストラベルのワインゆえ、価格は高額。簡単には手をだせませんが、一度は飲んでみたいワインですよね。ここぞ!という特別な日に奮発して、心ゆくまで味わってみてはいかがでしょう♪

※商品価格は、2021年5月8日現在の情報です。

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