2021年05月22日

右岸と左岸とは?違いを知ってボルドーワインを2倍楽しもう!

「フランスワインの女王」と称されるボルドーワイン。フランスを代表する銘醸地、ボルドー地方には、右岸と左岸と呼ばれる2つのエリアがあります。ひと口にボルドーワインといっても、右岸と左岸では、ワインの特徴や味わい、格付けも異なるんです。右岸と左岸の違いがわかると、ボルドーワインがもっと楽しくなりますよ。

知っておきたい。ボルドーの右岸と左岸

ボルドーワインを語るとき、「これは右岸のワイン」とか「左岸らしい味わいだね」といった言葉を耳にしたことはありませんか?

ボルドーの名の由来は「au bord de l’eau(水のほとり)」。フランス南西部に位置するボルドー地方は、その名の通り、川に囲まれたエリアです。この地方を横断するように流れているのは、3つの川。大西洋に流れ込む大きなジロンド川とその2つの支流、東を流れるドルドーニュ川と南を流れるガロンヌ川です。ボルドーワインの産地は、この川を基点として、右岸と左岸に分かれているんです。

川の水が土や岩のかけらなどを運び、時間をかけてブドウ栽培に適した土壌や地層を形成。中世の頃は、川は水運としても大きな役割を果たし、ボルドーは交易の拠点として栄えました。当時の重要な交易品は、もちろんボルドーワイン!「ワインがおいしくなるには、ブドウ畑が川から見えなくてはならない」。そんなフランスの格言にある通り、古くから川とワイン産地は深く結びついてきました。

右岸と左岸の定義

一般的に、川の上流側から下流側に向かって見て、川の右手側を右岸、左手側を左岸といいます。ボルドー地方の場合、ドルドーニュ川から続くジロンド川の東側エリアが右岸、ガロンヌ川から続くジロンド川の西側エリアが左岸です。同じ川の対岸なのに、一体何が違うんだろうって思いますよね。

違いは土壌にあり!ジロンド川の支流であるドルドーニュ川とガロンヌ川は、それぞれ水源が異なり、川が運んでくる土の性質が違うのです。そのため、右岸と左岸では異なる土壌が形成されました。土壌が違えば栽培されるブドウ品種も異なり、結果として、右岸と左岸ではワインのスタイルにも違いが生まれたのです。

右岸の特徴

ボルドー右岸は、ドルドーニュ川の上流にある中央山脈から粘土質の土が運ばれ、徐々に堆積。主に粘土質土壌が形成されました。保水性の高い粘土質の土壌を好むブドウ品種、メルロ種の栽培が盛んになり、右岸の主要栽培品種となったのです。

右岸産ワインの特徴

右岸では、メルロ種主体に、カベルネ・フラン種やカベルネソーヴィニヨン種をブレンドした赤ワインが造られます。豊かな果実味が特徴で、タンニンは穏やか。ふくよかでまろやかなスタイルは、女性的とも評されます。鶏肉や豚肉を使ったやわらかな肉料理に合わせるのがおすすめ。

右岸の有名地区

右岸の代表的なワイン産地は2つ。サン・テミリオン地区とポムロル地区をご紹介します。

サン・テミリオン地区

ワイン産地としては初めて、世界遺産に登録されたサン・テミリオン地区。中世の面影が残る町の周囲に、広大なブトウ畑が広がります。メルロ種を主体とした赤ワインは繊細で華やか。世界的に高い評価を獲得しています。

地域独自の格付けを1954年に制定。第1特別級A、第2特別級B、そして特別級の3つのランクがあり、10年ごとに見直しをおこなうのが特徴です。第1特別級Aに格付けされるシャトー・オーゾンヌ、シュヴァル・ブランなどが有名。

また、サン・テミリオンの北東にあるサン・テミリオン衛星地区には、サン・テミリオンの名を冠した4つのA.O.C.指定の村が集結。小規模ながら質の高いワインを生み出しています。

ポムロル地区

サン・テミリオン地区のような格付けはもたないものの、国際的に高評価のワインを数多く産出。メルロ種を主体とした右岸のワインのなかでも、メルロ種の比率がかなり高く、凝縮した果実味が感じられるのが特徴です。高級ワインとして名高いシャトー・ペトリュス、シャトー・ル・パンが、ポムロル地区の代表格。

ポムロル地区と隣接したラランド・ポムロル地区は、小規模生産者が多く、しなやかで優雅なワインを生み出す注目の産地です。

左岸の特徴

ボルドー左岸は主に砂利質土壌。ガロンヌ川の上流にあるピレネー山脈から岩のかけらが運ばれ、それらが砂利となったためです。水はけのよい砂利質土壌に適したブドウ品種といえば、カベルネ・ソーヴィニヨン種。左岸を代表する主要栽培品種です。

左岸産ワインの特徴

左岸産の赤ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨン種を主体に、カベルネ・フラン種、メルロ種をブレンドして造られます。渋味のしっかりとした、力強く重厚な味わいで、右岸のワインとは対照的に男性的とも評されます。仔羊肉や牛肉など、赤身肉の料理と好相性。

左岸の有名地区

左岸で有名な産地は2つ。オー・メドック地区とグラーヴ地区をご紹介します。

オー・メドック地区

世界屈指のワインを生み出すことで知られる、左岸のオー・メドック地区。1855年のパリ万国博覧会の際、ナポレオン3世の要請を受けて制定された独自の格付けがあります。

第1級から第5級まで5つのランクのうち、第1級に君臨するのは5大シャトー。シャトー・ラフィット・ロートシルト 、シャトー・マルゴー、シャトー・ラトゥール、シャトー・オー・ブリオン、そして遅れて昇格を果たしたシャトー・ムートン・ロートシルトです。ボルドーワイン界を牽引する名シャトーがそろいます。

グラーヴ地区

左岸のなかでも、ガロンヌ川沿いに広がるワイン産地。砂と小石の入り混じった土壌で排水性がより高く、雨の多い年でも安定した品質を維持しています。5大シャトーのひとつ、シャトー・オー・ブリオンは、グラーヴ地区にありながら、例外的にメドックの格付けに選ばれたことでも有名。

グラーヴ独自の格付けは1959年に承認されました。ランク別の格付けではなく、赤ワイン、白ワイン、赤ワインと白ワイン両方といったカテゴリー別に、優秀なシャトーが選出されています。

右岸のおすすめワイン3選

1. サン・テミリオン ローズヴィル

赤ワイン「サン・テミリオン ローズヴィル」のボトル
¥2,722(税込)~/赤/フランス

ローズヴィルとは「バラの街」という意味。その名の通り、バラやベリー系の華やかな香りが印象的で、エレガントでありながら重厚な味わいの赤ワインです。メルロ種を主体に、カベルネ・ソーヴィニヨン種などをブレンドしたフルボディ。サン・テミリオン地区らしいワインといえます。造り手はボルドー最古のネゴシアン(酒商)として知られるシュレーダー・エ・シーラー社。ボルドーの伝統技術にこだわったワイン造りに定評があります。

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2. シャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイ レゼルヴ

赤ワイン「シャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイ レゼルヴ」のボトル
¥2,995(税込)~/赤/フランス

最良のメルロ種だけを100%使用し、新樽で12~18カ月熟成させたフルボディの赤ワイン。ベリー系のジャムやバニラ、干し肉を想わせるスパイスの香りが感じられ、タンニンはやわらかく、メルロ種らしい深みのあるエレガントな味わいです。余韻は長く、複雑。ラランド・ポムロル地区のシャトー・フルール・ド・ジャン・ゲイは、名門シャトー・ペトリュスで醸造修行をしたオーナー夫人がワイン造りの全工程を指揮しています。

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3. シャトー・スータール 

赤ワイン「シャトー・スータール 」のボトルとラベル
¥7,150(税込)~/赤/フランス

サン・テミリオン地区で特別級に格付けされるシャトー・スータールが手がける赤ワイン。メルロ種を主体に、カベルネ・フラン種をブレンドしたフルボディで、20年以上はもつといわれる長期熟成型です。カシスやブラックベリーを思わせる香り、ほのかなバニラの風味も感じられ、ふくよかな果実味を堪能できます。シャトー・スータールはサン・テミリオン地区でもっとも古いシャトーのひとつ。

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左岸のおすすめワイン3選

4. ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト ボルドー レゼルブ スペシアル

赤ワイン「ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト ボルドー レゼルブ スペシアル」のボトル
¥2,503(税込)~/赤/フランス

5大シャトーに輝くシャトー・ラフィット・ロートシルトのスタイルを、手軽に楽しめるようにと造られたワイン。オー・メドック地区の主要品種、カベルネ・ソーヴィニヨン種を主体に、メルロ種をブレンドしたミディアムボディです。ベリー系やスパイスの気品のある香り、コクのある果実味が特徴。12~15カ月熟成させることで、複雑な風味を生み出しています。ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトは、シャトー・ラフィット・ロートシルトを筆頭とするワイナリーグループ。

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5. シャトー・ヴィラ ベレール ルージュ

赤ワイン「シャトー・ヴィラ ベレール ルージュ」のボトル
¥2,652(税込)~/赤/フランス

グラーヴ地区のシャトーワイン。カシスやスミレのような香り、バニラや樽香のニュアンスが印象的です。カベルネ・ソーヴィニヨン種とメルロ種をブレンドし、繊細さと複雑さを兼ね備えたフルボディの赤ワイン。1988年にシャトー・ヴィラ・ベレールを引き継いだJMカーズ社が、醸造設備を一新。恵まれたテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境要因)を活かしたワイン造りが評判です。

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6. シャトー・オー・ブリオン 2016

赤ワイン「シャトー・オー・ブリオン 2016」のボトル
¥98,000(税込)~/赤/フランス

グラーヴ地区から唯一、5大シャトーに選ばれたシャトー・オー・ブリオンの極上赤ワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン種とメルロ種、カベルネ・フラン種をブレンドしたフルボディで、2016年は偉大なヴィンテージ(ブドウの収穫年)といわれます。黒スグリやブルーベリーといった濃厚な果実香にライラックやバラなど花のニュアンスが絡み合い、複雑で奥深いアロマが特徴的。タンニンは豊富でありながらなめらかで、凝縮した果実味と長い余韻を味わえます。

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右岸と左岸のワインを飲み比べ

ボルドーワインは、右岸と左岸で異なる個性が魅力です。右岸のワインの特徴は「粘土質土壌、メルロ種、女性的」。一方、左岸のワインは「砂利質土壌、カベルネ・ソーヴィニヨン種、男性的」といえます。どちらを選んでよいか迷ったときには、料理に合わせるのが一番。また、右岸と左岸の手頃なワインを飲み比べてみるのもおすすめです。右岸と左岸の違いを味わい、ボルドーワインを2倍楽しんじゃいましょう!

※商品価格は、2021年5月17日時点での情報です。

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