2021年06月14日

おつまみにぴったり!フランス伝統のシャルキュトリーとは

この記事では、フランス食文化のひとつ、シャルキュトリーをご紹介します。日本での知名度はまだそれほど高くありませんが、フランスでは食卓に欠かせない食べもの。ワインと相性がよいので、特徴をおさえておいしくいただきましょう。 

ワインと相性抜群!シャルキュトリーとは

ウッドボードに盛られたシャルキュトリー
iStock.com/nschatzi

シャルキュトリーとは加工した食肉の総称です。身近にあるソーセージやハム、ベーコンのほか、パテやテリーヌ、コンビーフなどもシャルキュトリーの一部。材料の多くは豚肉ですが、牛や鶏、鹿、ウサギといったジビエも使用されます。語源はフランス語の「肉(chair)」と、「火を通した(cuite)」を組み合わせたもの。フランスでは、シャルキュトリーを販売する店もシャルキュトリーと呼ばれています。

フランスでは紀元前から豚の飼育がおこなわれており、ローマ時代にはすでに加工肉が取り引きされていました。古くから乾燥や燻製といった加工技術が発達していたことが、シャルキュトリーの誕生につながったといわれています。

フランス各地で、土地の風土に合った加工がおこなわれていましたが、1475年に同業者が集まり組合が誕生。「火を通した肉」の製造・販売を正式に許可されます。大きな組織になったことで、さらなる発展を遂げました。

シャルキュトリー専門職人がいる

シャルキュトリー作りをおこなう専門の職人は、「シャルキュティエ(charcutier)」または「シャルキュティエール(Charcutière)」と呼ばれています。豚肉の加工・販売をおこなうシャルキュティエが職種として認められたのは、15世紀になってから。現在はおこなわれていませんが、16世紀になってからは屠畜も認められていました。

職業として確立したことで、シャルキュティエ達はさらに技術を磨いていきます。伝統製法だけでなく、新たな製法でシャルキュトリー作りに挑んだ結果、そのおいしさは海外にも知られるようになりました。組織化された当時、扱う肉は豚のみでしたが、その後、豚以外の肉も認められています。

シャルキュトリーの種類

台に並ぶさまざまなシャルキュトリー
iStock.com/AlexKozlov

シャルキュトリーは材料と製法により分類されます。材料は主に、「塊肉」「ひき肉」「内臓・血」の3種類。製法は「非加熱」「加熱」「発酵・熟成」「燻製」など複数あるため、多種多様なシャルキュトリーを作ることができます。そのため、シャルキュトリーという言葉で、明確なひとつの食べものを表現することはできません。ソーセージもパテも生ハムも、燻製肉も肉の脂で煮たリエットも、すべてシャルキュトリーなのです。

シャルキュトリーは規定書がある

1968年、シャルキュトリーの伝統製法を守り、次世代に伝えるための基準を設けようという動きが高まります。そこでシャルキュティエやシャルキュトリーに関係する業者、経営者などが集まり規定書を発行しました。

1969年10月発行の規定書にリストアップされたシャルキュトリーは450種以上。品質許可証としての役割も持っているため、「製品の定義」「使用される原料・材料と割合」「製品の詳細(色・味等)」「特産品・地域料理などの呼称」などが細かく記載されています。

規則を守っていれば新たな製品を作ることが可能なため、シャルキュティエ達の意欲をそぐことはありません。規定書は時代の変遷、世界の規格に準じて何度か改定されており、現在もシャルキュトリーのバイブルとされています。

フランスの食文化、シャルキュトリー

左手で白ワイングラスを持ちながら、右手でハムをつまんでいる様子
iStock.com/K Neville

シャルキュトリーは、フランスの食文化のひとつです。そのまま食べたりスープの具材にしたり、伝統料理の塩漬けキャベツ・シュークルートや、肉と豆といっしょに煮るカスレに合わせるなど大活躍。ワインのおつまみにもぴったりです。 

また、大人だけでなく離乳食にもシャルキュトリーが使われています。貝殻型のパスタ、刻んだハム、バターで作る「ジャンボン・コキエット」は、赤ちゃんがはじめて口にする料理定番。フランス人にとって、シャルキュトリーは非常に身近な食べものなのです。 

シャルキュトリーは専門店だけでなく、スーパーマーケットや市場でも購入できます。贈って喜ばれる手土産としても重宝されていますよ。

シャルキュトリーとワインの合わせ方

木製テーブルに置かれた赤ワインのグラスとシャルキュトリー
iStock.com/Natalia Van Doninck

多種多様なシャルキュトリー。ワインのタイプ別に、どのようなものが合うのかみていきましょう。

【赤ワイン】
肉の旨味をしっかり感じられるもの、スパイスの風味や香りが強いものには、フルボディの赤ワインがおすすめ。鴨肉のスモークやパテには、ミディアムボディ~ライトボディといった少し軽めのワインがよく合います。

【白ワイン】
肉の脂を楽しむタイプ、ハーブを使ったものには、口当たりがさっぱりした軽めのワインがマッチします。リエットやローストチキンもよく合いますよ。燻製肉や旨味のしっかりしたハム・ソーセージには、コクのあるワインがぴったりです。

シャルキュトリーはどこで買える?

シャルキュトリーを手に取っている女性
iStock.com/sergeyryzhov

フランスでは専門店から市場まで、さまざまな場所で購入できるシャルキュトリー。日本でもシャルキュトリー専門店は増えてきましたが、さほど多くありません。専門店が近くにない場合、肉屋をのぞいてみましょう。肉屋の多くは、自分の店でシャルキュトリー作りをしています。自慢の一品に出会える可能性がありますよ。

また、デパートや輸入食品を扱うスーパーでも販売されています。足を運ぶのが少々難しいという場合は、ネットスーパーがおすすめです。

種類豊富なシャルキュトリー

シャルキュトリーは、フランスの食卓に欠かせない食べものです。どうやったら肉をおいしく味わえるか、という想いが文化になり、職業として確立。1969年には初の規定書が発行されました。規定書に記載されているシャルキュトリーは450種以上。いろいろなワインとのマリアージュを楽しみながら、好みのものを見つけてみてはいかがでしょう。

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