2021年06月14日

産地で個性が変わる「ソーヴィニヨン・ブラン」をソムリエが徹底分析!

ソーヴィニヨン・ブランは、白ワインの主要品種としてシャルドネの次に有名なブドウ品種です。白ワインを飲んだことがある方は、聞いたことがあるのではないでしょうか。この記事では、ソーヴィニヨン・ブランの特徴や味わい、香り、そして生産国によって変わる味わいの変化、相性のいい料理などをソムリエが詳しくご紹介していきます。

ソーヴィニヨン・ブランの特徴

ソーヴィニヨン・ブランの看板がブドウ畑に立っている
iStock.com/Aleksandr_Vorobev

ソーヴィニヨン・ブランとは、ワイン生産地の多くの場所で生産されている、白ワイン用ブドウの主要品種のひとつです。見た目はマスカットのような、淡い黄緑色の皮をしています。華やかで独特な香りと、爽やかな酸味が特徴的なブドウ品種ですよ。特に、フランス・ロワール地方やボルドー地方、ニュージーランドが生産地として有名です。

シャルドネとの違い

シャルドネも、白ワイン用のブドウであり、主要品種の一種。一本何十万円もするような、ワインも造られています。ソーヴィニヨン・ブランよりも、個性が穏やかでクセが強くないので、初心者から上級者までファンが多いブドウ品種です。

シャルドネは、ブドウの味わいというよりも、造り手や土壌の特徴を吸収したワインが造られます。したがって、ソーヴィニヨン・ブランの方がブドウ本来の個性を強く感じやすく、楽しみやすいですよ。

ソーヴィニヨン・ブランの香りと味わい

白ワインがグラスに注がれる
iStock.com/5PH

ソーヴィニヨン・ブランの大きな特徴であるのは、独特な香りと国によって変わる味わいです。どんな香りや味わいがするのか、詳しくご紹介していきますね。

ソーヴィニヨン・ブランの香り

ソーヴィニヨン・ブランには、大きく3つの独特な香りが存在します。1つ目は、グレープフルーツ、パッションフルーツなどのフルーティーな香り。2つ目は、猫のおしっこ、カシスの芽などの複雑だがどこかで嗅いだことあるような匂い。3つ目は、青草、草原、ピーマンなどの青っぽいグリーン系の香りがあります。

ほかにも桃、レモングラス、火打石、アスパラガス、花梨、シナモンなどの甘い香りから、ミネラル、スパイシーな香りなどさまざまなニュアンスを感じ取れるのがソーヴィニヨン・ブランの特徴です。また、生産国によって香りが大きく変わるのもソーヴィニヨン・ブランの面白いところですよ。

ソーヴィニヨン・ブランの味わい

ソーヴィニヨン・ブランは、爽やかで豊かな酸味が特徴的。冷涼な地域で造られたソーヴィニヨン・ブランほど酸味は強く、スーッとした軽やかな味わいです。温暖な地域で造られたソーヴィニヨン・ブランはまろやかな甘味があり、酸味も穏やか。飲みごたえのある白ワインになります。

ソーヴィニヨン・ブランといっても、爽やか系とやや濃厚系の味わいがあると覚えておくといいですよ。

ソーヴィニヨン・ブランの代表的な産地

ワインボトルが無造作に並ぶ
iStock.com/VadimZakirov

ソーヴィニヨン・ブランは、生産国によって味わいや香りの変化が大きくなります。国や地方の特徴を知っておくと、自分好みのソーヴィニヨン・ブランを選ぶことができますよ。

フランス

フランスでは、主にロワール地方とボルドー地方でソーヴィニヨン・ブランが栽培されています。ロワール地方は冷涼な地域なので、レモンやグレープフルーツのような酸味のあるフルーツの風味と、ハーブのような爽快な香りになるのが特徴的です。

ボルドー地方ではほかの品種をブレンドしたり、ステンレスタンクだけではなく樽熟成がおこなわれたりするため、やや濃いめの花梨やバニラのような香りが感じられるワインに仕上がります。熟成も楽しめる、奥深いソーヴィニヨン・ブランを味わえますよ。

ニュージーランド

ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは、パッションフルーツのような甘い香りと、アスパラガスや草原のような青っぽいグリーン系の香りが強く感じられます。フランスのロワール地方で造られるソーヴィニヨン・ブランと比べると、やや酸味は穏やかで、果実味は豊かなものが多いですよ。酸味とフルーティーさのバランスがよく、飲みごたえと爽快感を同時に感じられます。

チリ

チリのソーヴィニヨン・ブランは、完熟したグレープフルーツ、白桃、少しピーマンのような複雑な風味を楽しめます。特に、ほんのり香る苦味と青っぽいピーマンの香りが特徴的です。樽で熟成させるタイプや樽で熟成しないタイプなど、造り方はさまざまなので爽やかタイプも濃厚タイプもあります。

味わいとしては、果実味が強いのでニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランに似ていますが、ボルドー地方の生産者がチリで造っているソーヴィニヨン・ブランもあるので、そのようなワインはボルドーのソーヴィニヨン・ブランに近いニュアンスを感じられますよ。

南アフリカ

南アフリカのソーヴィニヨン・ブランは、グレープフルーツやライムなどの爽やかなニュアンスと、ミネラル感を感じられます。爆発的な強い香りではなく、穏やかで繊細なやさしい香りを楽しめますよ。フランス・ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランに、雰囲気が少し似ているかもしれません。青っぽい香りが苦手な方は、ロワール地方のワインより価格もお手頃なのでおすすめですよ。

アメリカ

アメリカのソーヴィニヨン・ブランは、フレッシュなハーブやトロピカルフルーツのような風味が楽しめるワインが多いです。特に、樽で熟成させることが多いので、樽由来の複雑な風味も感じられますよ。ニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランに雰囲気はやや似てますが、アメリカ産は爽やかで芳醇な味わいです。キリッと冷やして飲むと、おいしく飲めますよ。

ソーヴィニヨン・ブランは日本でも栽培

ソーヴィニヨン・ブランが木になってリいる
iStock.com/PatrikStedrak

ソーヴィニヨン・ブランは、日本各地でも栽培されています。シャルドネよりは生産量は少ないですが、数々のワイナリーが挑戦しているブドウ品種です。例えば、長野県でワインを造っている「ヴィラデスト・ワイナリー」は、2008年からソーヴィニヨン・ブランを栽培し始め、徐々に苗木を増やしていったそうです。冷涼な地域で造られるため、繊細なスッキリとしたソーヴィニヨン・ブランを楽しめますよ。

ヴィラデスト・ワイナリー「ソーヴィニヨン・ブラン」

ヴィラデスト・ワイナリー「ソーヴィニヨン・ブラン」
¥3,630~(税込)/白・辛口/日本

冷涼な地域で造られるので、グレープフルーツやレモン、ハーブのような爽やかさとフルーティーさを兼ね備えた味わい。キリッとした酸味とスッキリとした口当たりで、どんな料理にも合わせやすいですよ。一年を通しておいしく飲めますが、特に夏におすすめの一本です。

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ソーヴィニヨン・ブランは熟成しないほうがおいしい?

白ワインのグラスがテーブルに置かれる
iStock.com/kadmy

ソーヴィニヨン・ブランは、スッキリとした酸味や爽やかな風味のワインが造られることが特徴です。したがって、熟成するとフレッシュさが失われるので、なるべく早く飲む方がおいしく飲めるという意見もあります。しかし、実のところは熟成しておいしくなるワインもあるんです。

例えば、フランス・ボルドー地方やアメリカなどで造られるオーク樽で熟成されているタイプや、ソーヴィニヨン・ブランだけではなく、セミヨンやミュスカデルなどほかのブドウ品種をブレンドしているタイプなどは、数年熟成することで酸味がワインに溶け込み、また違った味わいのソーヴィニヨン・ブランに。スッキリとした酸味と爽やかさを楽しみたい方は、早く飲むことをおすすめしますよ。

おすすめのソーヴィニヨン・ブランワイン5選

1. シャトー・ラグランジュ「レ・ザルム・ド・ラグランジュ」

レ ザルム ド ラグランジュ
¥4,400~(税込)/白・辛口/フランス

フランス・ボルドー地方のメドック格付け第3級「シャトー・ラグランジュ」が手がける白ワイン。ソーヴィニヨン・ブラン主体で、セミヨン、ミュスカデルなどがブレンドされています。柑橘系の爽やかな味わいと、ハーブのような爽快感、そしてほかのブドウ品種をブレンドしていることで感じられる複雑さが特徴。食事と合わせてもおいしいですが、ワインだけでじっくり飲んでほしい一本です。すぐ飲んでもいいですが、熟成するのもおすすめですよ。

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2. マトゥア「ソーヴィニヨン・ブラン」

マトゥア ソーヴィニヨン・ブラン
¥1,980~(税込)/白・辛口/ニュージーランド

淡い黄緑がかった色合いが美しいマトゥアのソーヴィニヨン・ブラン。グラスに注ぐと、ハーブや青草のような爽やかな香りがフワッと広がります。トロピカルフルーツのようなフルーティーな甘味をほんのり感じられますよ。酸味はしっかりとあるので、余韻に少しだけフルーツの甘さを感じられて飲みやすいです。いつでもおいしく飲めますが、夏場に飲むしっかりと冷やしたマトゥアのソーヴィニヨン・ブランは格別なおいしさです。

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3. コノスル「ソーヴィニヨン・ブラン・20バレル・リミテッド・エディション」 

コノスル ソーヴィニヨン・ブラン 20バレル リミテッド エディション 
¥2,138~(税込)/白・辛口/チリ

チリで有名な生産者コノスルが手がける、ウルトラプレミアムワイン。ややグリーンがかった濃いめの黄色、濃縮された柑橘系のフルーティーな香りに、ハーブやミネラルの風味が感じられます。毎年厳選されたブドウで、20樽しか造られないワインなので、チリのソーヴィニヨン・ブラン本来の味わいや香りがしっかり楽しめますよ。ソーヴィニヨン・ブランの爽やかさとチリの土壌や気候のいいとこ取りをした一本です。

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4. ロバート・モンダヴィ「プライベート・セレクション・ソーヴィニヨン・ブラン」

ロバート・モンダヴィプライベート・セレクションソーヴィニヨン・ブラン
¥2,035~(税込)/白・辛口/アメリカ

アメリカの有名生産者ロバート・モンダヴィが手がけるプライベート・セレクションのソーヴィニヨン・ブラン。グレープフルーツ、レモンの皮、青草のような爽やか系とフルーティー系の香りと、ピーマンやミネラルの風味がバランスよく味わえます。後味にほんのり甘味はありますが、酸味がキリッとしたおいしい一本です。

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5.クラウディー ベイ ソーヴィニヨン ブラン

¥2,838~(税込)/白・辛口/ニュージーランド

他に類を見ない凝縮感とピュアな果実味を持つソーヴィニヨン ブランで高い認知度を誇る「クラウディー ベイ」。こちらは、世界が白に目覚めたと称される一本です。パッションフルーツのみずみずしいアロマと、豊かな果実味、ハーブや青リンゴを思わせる爽快さが楽しめます。

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ソーヴィニヨン・ブランとあわせたい料理

ラム肉香草焼きがお皿に乗る
iStock.com/bhofack2

ソーヴィニヨン・ブランは、爽やかでスッキリしたワインが多く、グレープフルーツやレモン、ハーブなどの香りがあります。そのため、料理もハーブを使った料理(バーニャカウダー、ハーブとフレッシュチーズのサラダなど)や魚介系のさっぱりした料理(アクアパッツァ、カルパッチョ、エビのグリルなど)が合わせやすいですよ。

ニュージーランドでは、ラム肉のグリルにソーヴィニヨン・ブランを合わせることもあります。ラムの香草焼きやジンギスカンなどにも、ニュージーランドのしっかりとした味わいのソーヴィニヨン・ブランは以外に相性がいいです。ぜひ、試してみてくださいね。

ソーヴィニヨン・ブランは、生産国で選ぶと面白い!

ソーヴィニヨン・ブランは、生産国や地域によって味わいが大きく変化します。フランス・ロワール地方のソーヴィニヨン・ブランは好きだけど、ニュージーランド産は苦手。そんな方もいらっしゃいます。爽やかさとスッキリ感を楽しみたい方は、フランス・ロワール地方や南アフリカなど。トロピカルフルーツのようなフルーティーな味わいや甘味を感じたい方は、ニュージーランドやチリ、アメリカなどがおすすめですよ。ぜひ、産地にもこだわってソーヴィニヨン・ブランを味わってみましょう。
 ※商品価格は、2021年6月1日時点での情報です。

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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