2021年06月04日

奈良にある注目の次世代ワインショップ「農と発酵Zen」で新感覚のチーズペアリングを体験レポート

皆様、こんにちは。インポーターの大野みさきです。
雨が降ったり止んだり、梅雨の中休みでお天気の移り変わりが激しい今日この頃、皆様はどんなワインライフをお過ごしですか。大野はソーヴィニョンブランや泡で、晴れの日は爽やかに、雨の日も足取り軽やかに過ごしています。

さて、今回は今話題の次世代ワインショップをご紹介します。
2020年11月にオープンした、奈良市大宮町の『農と発酵Zen』では、ワインとチーズの専門店だけに収まらず、どうやら日本酒、コーヒー、クラフトビールも揃えている、たいそう欲張りなお店なのだとか。早速、近鉄電車に乗って伺います。

お酒の時間には少し早めの15時、店中に芳しいコーヒーの香りが広がっていました。夕方になるにつれ、アルコールの出番が増えそうな予感です。コンパクトな店内、入口の冷蔵庫には様々なカットチーズがディスプレイされています。

手前には奈良の蔵元中心の日本酒、扉奥にはワインが所狭しと並びます。ナチュラルワインのエチケットはユニークなものが多いので、まるで美術館に絵画が並んでいるかのごとく、視覚をも楽しませてくれました。

お店の誕生秘話

オーナーの藤井善徳さんにお話を伺いました。

元々、藤井さんのお生まれは、奈良で4代続く老舗の酒屋です。造り手の発掘などを担当していましたが、生産者サイドと対話を重ねるにつれ、実際にお店で扱うアイテムと、自身が本当に伝えたいもの(扱いたいもの)とにギャップが生じたそうです。「自分の好きなものだけを伝えたい!」という想いが後押しし、とうとう新店舗をオープンされたとのこと。

店名である「農と発酵Zen」は、自、お(料理)、日本の美であるのトリプルZen、また善徳さんのを意味します。「農」=バランスの取れた土壌、「発酵」=微生物からアプローチした、ワイン、チーズ、日本酒などを日々の生活にも取り入れて欲しいと願いが込められています。

人間が微生物に寄り添って生まれた、この素晴らしき発酵文化を堪能しない手はありませんな!

酒と肴の良い関係

「農と発酵Zen」ではチーズを主役に、相性抜群のコンビ(ワイン、日本酒、コーヒー、クラフトビール)を取り揃えています。チーズがそれぞれを繋ぐ役割を果たします。

ワインはナチュラルワイン、日本ワイン、シェリーなど、約500種類が陳列。日本酒は生産者の意志や哲学が反映されたもの。コーヒーは日本焙煎技術普及協会(通称アームズ)が提唱する、焙煎とドリップ方法を取り入れています。

チーズへのこだわり

また、チーズはホールで入荷し、カビと酵母の状態をチェックし、適切な(=微生物にとって居心地の良い状態)お世話をします。健康的なチーズであれば熟成庫へ、そうでない場合はメンテナンスを施します。愛のある言葉をかけ、触って撫でて大切にしたら、チーズは応えてくれるそうです。 笑

酒器や提供温度はもちろんのこと、こだわりの姿勢は温度管理にも表れていました。ワインはデリケートなナチュラルワインが多いので、やや低めの12℃、その他、チーズ7℃、日本酒(生酒)0℃、クラフトビール2~4℃、それぞれの適切な温度で品質を保ちます。

店内で角打ちもやっていて、1杯からワインとコーヒーが楽しめます。意外にちょい飲みで利用される方が多いのだとか。この日も適度にソーシャルディスタンスを取りながら、来店客はチーズをあてにワイン、日本酒、ビール、コーヒー、思い思いに好きなものを嗜んでおられました。

ペアリングを体験!

チーズが主軸となれば、ワインと合わせるのは定番です。日本酒は変化球ですが、同じ醸造酒なのでわからないこともないです。しかし、コーヒーとなれば、全く聞いたことがない未知の世界です。ホンマかいなと思いつつ、百聞は一見に如かず。チーズとコーヒーの組み合わせに、半信半疑の気持ちで挑みます。

用意された3タイプのチーズ(ANAのファーストクラスでも採用されている白カビのクロミエウォッシュチーズのタレッジョ青カビのゴルゴンゾーラドルチェ)に、ワイン日本酒コーヒーを合わせます。ワインは365wineのスロヴェニア産オレンジワイン。そりゃあ合いますよ、文句なしのマリアージュです。

チーズ×日本酒がブーム!?

チーズと日本酒は、今めちゃくちゃブームですよ」と藤井さん。新しい組み合わせと感心していたら、既に乗り遅れた模様。必死でついて行きます!

チーズの個性に日本酒が負けてしまう懸念があったのですが、食べてみて一瞬でそんな不安は掻き消されました。合わせた日本酒は奈良吉野の「花巴ナチュール×ナチュール」、仕込水にお酒を使った貴醸酒です。芳醇で柔らかな口当たりと上品な甘味があります。酸味と甘味のバランスも良く、ボディがしっかりしているので全くチーズに負けていません。

藤井さん曰く、ワインと日本酒の中間のようなお酒。なるほど、ブルーチーズと日本酒を頂いた時に、貴腐ワインが浮かびました。そうなのです!貴腐ワインを彷彿とさせる日本酒なので、チーズとの相性も◎です。

その上、自然に乳酸菌を取り込んで発酵(山廃仕込み)させているので、旨味も強く、チーズとも「乳酸」で繋がります。日本酒の甘さがチーズを引き立て、チーズの塩味が日本酒を引き立てています。相互に高め合っている関係です。どうしてこんなに、しっくりくるのか合点がいきました!

半信半疑だった“チーズ×コーヒー”は・・・

最後に、チーズとコーヒーの斬新な組み合わせを披露してくれました。

ペルー産で限りなく無農薬で栽培されたコーヒー豆をアームズメソッドで焙煎&抽出します。ピュアで透明感のある美味しい味わいです。この余韻を壊したくないと思いながら、恐る恐るチーズを放り込みます。

これは凄い!コーヒーの苦みがチーズによって和らぎ、逆にチーズの塩味がコーヒーによってマイルドに感じられます。ウォッシュチーズのタレッジョは、クリーミーなので口の中でコーヒーと混ざり合い、まるでカフェオレ(カフェラッテ)を飲んでいるかのようです。実に円やか。チーズとコーヒーの不思議な出会い。このペアリングはありです。大ありです!とっても美味しい&楽しい組み合わせです!

初めての経験でしたが、チーズ好きの間では、常識になりつつあるのだとか?!美食と楽しみを最大限に追い求める人間の探求心には脱帽ですね。ぺアリングによって単体での印象とは、また違う表情で、1+1=2ではなく、3にも4にも広がりを見せてくれました。目から鱗のペアリングに、嗜好品の楽しみ方の無限を感じます。

楽しさ溢れるペアリングをお試しあれ

嗜好品の垣根を超えた次世代ワインショップ「農と発酵Zen」。お客様の引き出しを増やして楽しみを提供したい!美味しく飲んで食べてもらう、その入口を提供したい!という藤井さんの思いが詰まっています。

ワインに近い日本酒があって、日本酒に近いワインもあります。ワイン、チーズ、コーヒーには、香り、味わい、そして人々を魅了して止まないストーリーなどの共通点もあります。人間の都合でカテゴライズされていますが、それらを超えて通ずるもの、型にはまらないものを提案したいと藤井さんは熱く語ります。

垣根を超えたボーダーレスで、嗜好品を楽しんでみるのもオツですね!

おまけ

ちゃっかりワインとチーズを購入してお家でも楽しみました。
北海道余市「10R(トアール)ワイナリー」のケルナー。青梅、青りんご、プラム、ハーブ香、ジューシーなりんご酸が豊富で、軽やかな甘味もあります。

コンテは今、正に食べ頃で、何とも言えない熟成加減が最高でした。ミルキーな旨味が幾重にも重なっていて、複雑なチーズです。芳醇で余韻も長く感じられます。チーズは重心が低く、ワインは軽やかなので、その対比も面白いです。

10Rワイナリーのワインは大変レアなようで、そんな珍しいワインも「農と発酵Zen」には並んでいます。ワイン愛好家には、とても堪らない空間です!いや、垣根はないのでしたよね、日本酒もコーヒーもクラフトビールもチーズ、そして貴方と良い関係で繋がっています。機会があったら是非、「農と発酵Zen」を覗いてみて下さいね。

それでは皆様、ごきげんよう!

 


花巴ナチュール×ナチュール 山廃×水もと()


10Rワイナリー 藤澤農園余市ケルナー待てば甘露NV
参考小売価格 税込3,080円
農と発酵Zenオンラインショップで見る

コンテ エクストラ18ヶ月
参考小売価格 税込1,183円
農と発酵Zenオンラインショップで見る

農と発酵Zen 店舗情報

奈良市大宮町7-2-15
10:00-20:30 / 月曜定休日
https://www.noutohakkouzen.com/

オンラインショップを見る※現在準備中。6月上旬にオープン予定

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

この記事をSNSでシェアする