
2021年02月23日
ワインの世界で耳にすることの多い言葉、「mariage(マリアージュ)」。なんとなく雰囲気はわかるけれど、はっきりとした意味はわからない……ということはありませんか?この記事ではマリアージュの意味や使い方、混同しがちな「ペアリング」との違いをご紹介します。
マリアージュはフランス語で「結婚」「婚姻」「結婚式」「結婚生活」「組み合わせ」などの意味を持つ言葉です。ワインの世界で、「このワインと料理のマリアージュはすばらしい」という言葉をよく聞きますが、これは「ワインと料理の相性や合わせ方がよい」「うまくお互いを引き立て合っている」という意味になります。
日本語で「このワインと料理のマリアージュはすばらしい」と表現する場合は、フランス語の「マリアージュ」が使われますが、英語の場合は「marriage(マリッジ)」または同義語となる「pair(ペア)」を用いた別の言葉で表現されるようです。
マリアージュは、ワインとフランス料理の組み合わせだけではありません。例えばワイン×チーズ、ワイン×和食、ワイン×スイーツ、日本酒×和食、日本酒×フランス料理など。そのほかソースの組み合わせにも使われます。
また、紅茶にフレーバーを加えたフレーバーティ、大福にイチゴを合わせたイチゴ大福も、異なるもの同士を組み合わせ、新しいおいしさを作り出しているマリアージュといえるでしょう。
よく混同されがちですが、「マリアージュ」と「ペアリング」の意味は異なります。マリアージュは、ワインと料理を組み合わせ、新たなおいしさを引き出すこと。ペアリングはワインと料理を組み合わせること。つまり、「ペアリングによりマリアージュが生まれる」のです。
フレンチのレストランで、料理ごとに異なるワインを味わう「ペアリング」のコースがあります。これは、それぞれの料理に最適のワインを組み合わせることで生まれる、マリアージュを楽しむものです。
ワインに料理を組み合わせマリアージュを楽しむためには、ちょっとしたコツがあります。ポイントは、似ているもの・共通するものを合わせること。ここでは基本となる「色」「風味」「重さ」を合わせる方法をご紹介します。「甘いワインに辛い料理」「甘口ワインに塩味の強いブルーチーズ」など、対照的なものを合わせる方法もありますが、まずはしっかり基本をおさえておきましょう。
もっとも簡単にできる、ワインの色と料理の色を合わせる方法です。赤ワインには赤、白ワインには白い食べものやソースを組み合わせます。
【赤ワイン】
赤身の肉・赤身の魚・デミグラスソース、ミートソース、トマトソース、味噌を使った料理
【白ワイン】
豚肉・鶏肉・白身の魚・貝類・オリーブオイルやクリームソースを使った料理
【ロゼワイン】
サーモン・海老・蟹・生ハムを使った料理
ロゼワインは基本的にどんな料理にも合うので、色の濃いものは肉、薄いものは魚を合わせてみるとよいでしょう。
風味を合わせる方法もあります。柑橘系の香りを持つワインに柑橘のソースを使った料理、スパイスシーなワインにスパイスの効いた料理、酸味の強いワインに酸味のある料理などです。樽香を感じるワインには、香ばしい焼き目をつけた料理がよいでしょう。甘口ワインに甘いチョコレートやケーキも王道です。家庭料理で楽しむ際、香ばしく調理したり、料理にハーブや砕いたナッツを料理にふりかけたりすると、簡単に風味を合わせられますよ。
ワインと料理の重さもポイントです。どっしりした重い赤ワインにはボリュームのある肉、さっぱりとした軽い白ワインには、ハーブやレモンなどで味付けした料理を合わせましょう。さっぱり味の料理に重いワインを合わせると、料理のよさを消してしまう可能性があります。
重い・軽いというボリュームではなく、料理の格も判断基準となります。高級ワインには高級料理、カジュアルなワインには軽めの料理を選びましょう。
「マリアージュ」を使用する言葉として、「Best mariage(ベストマリアージュ)」や「Bon Mariage(ボン・マリアージュ)」があります。それぞれの意味や使い方を覚えておきましょう。
【ベストマリアージュ】
最高に相性のよい組み合わせのことです。「このワインと料理はベストマリアージュだ」といった使い方をします。
【ボン・マリアージュ】
Bon(ボン)はフランス語で「よい」の意味。「ボン・マリアージュ=最高の結婚式」のほか、フランスでは、「よい関係」「よい取り合わせ」「よい巡り合わせ」の意味でも使われています。「楽しんで欲しい」という気持ちを伝えるときに用いられることから、レストランの名前につけられることが多い言葉です。
マリアージュは、「ワインと料理の相性や合わせ方がよい」「うまくお互いを引き立て合っている」という意味を持っています。個性豊かなワインと料理の組み合わせは無限大。基本的に共通点のあるものを組み合わせることが多いのですが、特徴の異なるものを組み合わせる場合もあります。いろいろな組み合わせを楽しんで、好みのマリアージュを見つけてくださいね。