
2021年11月10日
味わいだけでなく、美しい色も楽しめるロゼ・シャンパン。この記事では、シーンをパッと華やかにしてくれるロゼ・シャンパンの製造方法や特徴、白いシャンパンとの違いをご紹介します。おすすめのロゼ・シャンパンもチェックしてくださいね。
ロゼ・シャンパンはその名のとおり、きれいなバラ色をしたシャンパン(シャンパーニュ)です。平均アルコール度数は12~12.5%。白のシャンパンとほぼ同じです。使用が許されているブドウは全部で7種ありますが、使用されるのは基本的に、ピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3種。ほか、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・グリ、ピノ・ブランを使用できます。
シャンパーニュ地方でロゼ・シャンパン造りが盛んになったのは20世紀になってからですが、歴史は古く、1700年代後半に、ロゼ・シャンパンが造られた記録が残っています。
もっとも古いとされているのは、1764年に「ルイナール」が「ウイユ・ド・ペルドリ」を60本出荷したというもの。ロゼ・シャンパンを造る製造方法のひとつ、「マセラシオン法」で造られていたそうです。現在主流となっている「アッサンブラージュ法」による初のロゼ・シャンパンは、1775年に「ヴーヴ・クリコ」が出荷しました。
多くのシャトーはロゼ・シャンパンに抵抗があったようで、「ボランジェ」では当主であったマダム・リリーがロゼ・シャンパンに反対。彼女の死後、40年経ってからロゼ・シャンパン造りが始まったといわれています。
飲む前にわかるロゼ・シャンパンとシャンパンの違いは、色合いと価格帯。シャンパンよりロゼ・シャンパンのほうが価格が高くなっています。どのような要素が影響しているのか、その理由を見ていきましょう。
シャンパンの製造方法は基本的にひとつです。ロゼ・シャンパンは、基本の製造方法に色を付ける工程が加わります。色付けには3つの製法がありますよ。
【シャンパン】
圧搾→一次発酵→アッサンブラージュ→瓶詰め→瓶内二次発酵→瓶内熟成→動瓶→澱抜き→ドサージュ
※アッサンブラージュとは、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネなど、別品種のワインをブレンドする作業
【ロゼ・シャンパン】
・アッサンブラージュ法
アッサンブラージュする際、赤ワインを添加する。
・セニエ(マセラシオン)法
圧搾前に黒ブドウを果皮ごと浸ける方法。果汁の味がしっかり出て、果実味豊かでコクのあるワインになる。
・直接圧搾法
収穫した黒ブドウを果皮ごと圧搾し、抽出される色素で色付けする方法。セニエ法より色の薄いロゼ・シャンパンになる。
ロゼ・シャンパン造りの主流は「アッサンブラージュ法」です。「セニエ法」や「直接圧搾法」は手間がかかり、望む色を出すことが難しいため生産者は少なめ。こだわりを持つ小規模生産者が採用することの多い方法です。
ロゼ・シャンパンの多くは、シャンパンに比べるとフルーティといわれています。赤ワインや黒ブドウから抽出した果汁、色素を加えているため、シャンパンよりコクがしっかりしており酸味がまろやか。香りは華やかで、ピノ・ノワールの特徴であるラズベリーやイチゴといったベリー系果実のほか、柑橘系果実、花、紅茶なども感じられます。全体のバランスが非常によいため、食事に合わせやすいことも大きな特徴です。
iStock.com/Maryna Andriichenko
赤・白ワインの特徴を兼ね備えているロゼ・シャンパンは、さまざまな料理に合わせることができます。肉にも魚にも合いますし、料理ジャンルも選びません。特におすすめなのは、肉を使ったジューシーな料理やこってりした料理。コクのある中華料理との相性は抜群です。ロゼ・シャンパンの果実味をしっかり感じることができますよ。チーズは、濃厚で塩味の強いブルーチーズがよく合います。デザートを味わうときにもおすすめです。
ロゼ・シャンパンを味わうときは、刺激の強い料理やスパイスを使った料理に注意しましょう。ロゼ・シャンパンとエスニック料理の相性はよいのですが、辛味の強いスパイスを使った料理を合わせると、ロゼ・シャンパンの繊細な風味がとんでしまいます。トウガラシ、タンドリーペースト、チリソースなど、辛味のあるスパイスや調味料を使った料理は避けたほうがよいでしょう。
¥3,245(税込)~/辛口
ピノ・ノワールとムニエ、シャルドネで造られているロゼ・シャンパンです。20~30%リザーブワインを加え、21ヶ月熟成させるため、力強さと繊細さを持ち合わせています。野イチゴ、ラズベリーなどの赤系果実とバラの香りが華やか。まろやかな果実味とミントのような爽やかさを楽しめます。
¥5,800(税込)~/辛口
「ラ・グランダム(偉大なる女性)」と称されるマダム・クリコ考案の、アッサンブラージュ法のロゼ・シャンパンです。ベースになっているのは、ヴーヴ・クリコ・イエローラベル。イエローラベルの持つフルーティでエレガントな味わいに、赤系果実の香りと豊かな風味が見事に調和しています。
¥5,943(税込)~/辛口
「最高のものだけを」を信念にしているG.H.マムの1本です。オレンジがかったサーモンピンク色、赤系果実の香りにキャラメルのニュアンス、なめらかな果実味、エレガントな酸味が特徴。フランスの最高勲章「レジオン・ドヌール」をモチーフにしたボトルが魅力的です。
¥8,250(税込)~/辛口
名門シャトーが手掛ける1本です。アッサンブラージュするのは、3年熟成させたピノ・ノワール。アッサンブラージュを完璧にするため、澱抜きをしたあと6~9ヶ月熟成させています。ベリーや柑橘の香りを持ち、繊細で深みのある味わい。口当たりはなめらかで、エレガントです。
¥8,633(税込)~/辛口
プレミア・クリュのピノ・ノワールを使った贅沢なシャンパンです。専用のセラーで4年間熟成させ、澱引きしたあとさらに6ヶ月間熟成と、非常に手がかけられています。ワイルドな赤系果実、柑橘の香りにオーク樽の樽香がプラス。さわやかな口当たりですが、重みのある果実味を楽しめます。
¥11,855(税込)~/辛口
ブドウ栽培からワインの醸造・販売までおこなっている「レコルタン・マニピュラン」、ミシェル家の1本です。60%のシャルドネと40%のピノ・ムニエで造られるシャンパンは、オレンジがかったピンク色。ベリー系果実、ホワイトペッパー、バニラの香りと、フルーティでフレッシュな味わいが特徴です。
¥17,380(税込)~/辛口
二コラ・フィアットの「パルム・ドール ロゼ」は、優れたブドウができた年にのみ造られる特別なシャンパンです。繊細な泡、柑橘系果実、イチジク、バターなどの複雑な香り、なめらかな口当たりと、濃密でコクのある味わいが特徴。エレガントという言葉がぴったりの1本です。
¥29,800(税込)~/辛口
世界有数のシャンパーニュ、ドン・ペリニヨンのロゼは、よいブドウが収穫できた年のみ造られます。色は華やかなローズゴールド。イチゴ、リンゴ、オレンジ、ハーブ、スパイスの複雑な香りと、ギュッと凝縮した果実味、なめらかさと力強さを兼ね備えた味わいが魅力的です。
¥35,818(税込)~/辛口
ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネで造られるクリュッグのロゼには、約50種のリザーヴワインがアッサンブラージュされています。最低熟成期間5年というシャンパンは泡立ちが美しく、ベリー系果実、ブリオッシュ、バターなどの香り、繊細でありながらコクのある味わいを楽しめます。
¥47,190(税込)~/辛口
気分がパッと明るくなる色合いのロゼ・シャンパンは、90%以上のシャルドネとピノ・ノワールから造られています。特徴はクリーミーな泡立ちと果実味の強さ。赤系果実の甘い香り、なめらかで厚みのある味わいを堪能できます。生産量がごくわずかなため、非常に人気のあるシャンパンです。
ロゼ・シャンパンは飲む前によく冷やしておきましょう。シャンパンの適正温度は8~10度です。甘味のあるロゼ・シャンパンは、少し温度を低めにするとすっきりした甘さを感じられます。冷やす際は、冷蔵庫またはシャンパンクーラーで。冷蔵庫に入れる際は、飲む4時間ほど前に野菜室に入れるとよいですよ。
シャンパンクーラーを使用する際は、水と氷を入れたクーラーにボトルの首までしっかり入れ、30分ほど冷やしましょう。シャンパングラスは、泡を楽しむものと香りを楽しむものがあります。泡の美しさを楽しみたい場合はフルート型を。香りを楽しみたい場合は、縦長で少し丸みのあるタイプがおすすめです。
うっとりするほど美しい色のロゼ・シャンパンは、シャンパンよりフルーティでまろやか。非常にバランスのよいシャンパンのため、さまざまな料理に合わせることができます。普段の食事はもちろんのこと、華やかシーンにもぴったりなので、記念日やお祝い、パーティなど、特別な日にぜひ味わってくださいね。プレゼントにもおすすめです。
※商品価格は、2021年6月26日時点での情報です。