2021年06月30日

食卓の定番「カレーライス」に合わせたいチリのオレンジワイン

日本の食卓に欠かせないスタメンメニューといえば、みんな大好きカレーライスですよね! 食欲を刺激する香りに飽きの来ないスパイシーな味わい……想像するだけでお腹がすいてきます。美味しいだけではなく、カレーに使われる香辛料にはいずれも食欲増進や疲労回復などの嬉しい効能があると言われています。暑さが厳しくなるこの季節、夏バテ防止効果も期待できます。

カレーとワインの相性

カレーはワインとの相性も悪くありません。一口にカレーといっても様々なタイプがあり、それぞれマッチするワインのタイプも異なります。

例えば、スパイシーなインドカレーには、オーストラリアのシラーズのようなスパイシーで果実味豊かな赤ワインを。まろやかなバターチキンカレーには、カリフォルニアのシャルドネのようなコクのある辛口白ワインを。デミグラスソースの香り芳しい欧風カレーには、渋みを感じる重ための赤ワインを。エスニックなグリーンカレーには、同じくエスニックなライチの香りをまとったゲヴュルツトラミネールの白ワインを……。

では、家庭料理の定番「カレーライス」はどうでしょう。インドカレーとも欧風カレーとも異なる独自の進化をとげた、にっぽんの「カレーライス」。ジャガイモやニンジンがごろごろ入っていて、お肉のバリエーションも豊富で、甘味と辛味のバランスが絶妙で、小麦粉でどろっとトロみを効かせた私たちの「カレーライス」……。「カレーライス」にぴったりマッチするワインとは、いったいどんなワインなのでしょう

とあるワインとの偶然の出会いから、自分なりの答えを見つけました。

チリ生まれのオレンジワイン vs にっぽんの「カレーライス」 

そのワインとは、かわいいパッケージが目を引くチリのオレンジワイン、その名も「ロミオレンジ」です。

透明なボトルをとおしてきらめくオレンジ色に、海外ニュアンスが漂う個性的なイラストのラベルがよく映えます。なんて綺麗なのでしょう。王冠で栓をしてあるところも素敵です。ワインボトルに王冠の組み合わせって、絵的にグッときませんか? 東京恵比寿にあるショップ「WINE MARKET PARTY」で見つけ、気づいたらレジに直行していました。完全なるジャケ買いです。

お値段税抜き2,500円、安価でカジュアルなイメージの強いチリワインの中では割とリッチな一本です。値段を確かめずに購入したので「衝動買いがすぎたかしら……」と思いながらも一口含むと、ハーブのような香辛料のような……エスニックな香りが口いっぱいに広がり、思わず「美味しい」という言葉とため息が漏れ出ていました。個人的に「ジャケ買いは当たりワインの伏線」というジンクスがあるのですが、今回もそのとおりになりました。

「ロミオレンジ」はチリのブティックワイナリー「エチェヴェリア」が手がける、ソーヴィニヨン・ブラン(白ワイン用ブドウ品種)のオレンジワインです。チリのオレンジワインを飲んだのが初めてなら、ソーヴィニヨン・ブランのオレンジワインを飲んだのも初めて! ファーストインプレッションで感じた “ハーブのような”ニュアンスは、ソーヴィニヨン・ブランに由来する特徴だったようです。

個性の強いワインで、味わうほどに何かの味に似ている気がしてきます。しかし、考えをめぐらせるもなかなか答えに辿り着けず、その個性ゆえにどう飲むべきか考えあぐねてしまいました。そこで「造っている人に聞いてしまえい!」と思い立ち、問い合わせることに。すると、すぐにプロデューサーの方からお返事をいただきました。

日本人からの問い合わせが珍しかったのか「納豆にも寿司にも刺身にも合うよ〜! Try!」とリップサービスから始まり、(さすがに納豆には難しいでしょ〜)と脳内で突っ込みながら返事を読み進めると「おすすめはカレーだね!」との一言が。その時、何かが目の前ではじけ頭の中で「ガッテン!」という声が響いたような気がしました。そうか、似ている味っていうのは、福神漬けだ……!

もちろん福神漬けのように塩辛いわけではないのですが、甘味や酸味、ハーブのようなピリっとした風味、果実味、それらのバランスが “福神漬け感”を醸し出しているような気がしたのです。

世界で最初にカレーと福神漬けを一緒に提供したのは、何を隠そう日本人だと言われています。大正時代、日本郵船のヨーロッパ周遊客船でメニューのカレーライスに添えられたのだとか。そんな福神漬けを連想させるワインが、にっぽんの「カレーライス」に合わないはずがない。ワイナリーのプロデューサーも「最も合うのはカレーだよ!」といっているし……! 実際に合わせていただいたところ、ドンピシャリ、とてもよくマッチしました。甘辛バランスもちょうどいいし、どろっとしたカレーの食感とワインのフレッシュな口当たりが、心地よいリズムを刻みます。

「カレーライス」とオレンジワイン 

にっぽんの「カレーライス」に最もよく合うワインとは、オレンジワインなのではないかという結論に行きつきました。

オレンジワインとは、白ワイン用のブドウを使って造るオレンジ色のワインのこと。製造過程で果皮を長時間つけこみ、果皮に含まれる香り成分や色素などを多く抽出させるため、一般的な白ワインよりも香りや味わいの複雑みが増すと言われています。一方、元は白ワイン用のブドウなので赤ワインのような渋みや重みはなく、軽やかさやフレッシュさが保たれます。複雑だけれど軽やか……その微妙なバランスが、日本人の舌に馴染む “福神漬け感”につながるのではないかと思うのです。

百聞は一見にしかず……。次回、食卓にカレーライスを登場させる際は、オレンジワインをお供にしてみてはいかがでしょうか。

「ロミワイン」を販売サイトでチェック

ロミワインの命名秘話

「ロミワイン」の名前の由来が気になってそれもワイナリーの方に質問してみたところ、「CEOの娘さんの名前 “ロミリー”にちなんで名付けたんだよ」とのことでした。そう聞くと、ボトルの中に愛情がたっぷり詰まっているような気がしてきます。ちなみにラベルのデザインはCEOの奥さまが担当されたのだとか。ファミリーの共同作業で生まれた、とても温かいワインでした。

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

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