2021年09月08日

八ヶ岳の隠れ家ワインショップ「山のわいん屋ゑん」小寺さんをインタビュー!近日発売の日本ワインも紹介

皆様こんにちは。インポーターの大野みさきです。
今日はワイン業界で奮闘する若きワイン屋さんの物語をご紹介します。

山梨県北杜市、八ヶ岳の南麓に広がる標高1200mの高原で、ワインショップ「山のわいん屋ゑん」を営む小寺洋平さん(34歳)。2021年4月のコロナ禍に、隠れ家ワインショップをひっそりとオープンさせました。

小寺さんは自宅の一間で酒屋をしながら、ワイナリーの手伝い、イベントの企画や商品開発を手がけるなんでも屋さんです。只今、駆け出しのため、冬場は暖炉にくべる薪の配達をして、食い扶ちを繋いでいます。

「山のわいん屋ゑん」をオープンしたきっかけ

小寺さんは地元ホテルのレストランサービスで働いていました。ワイナリーでの経験もあります。独立して酒屋をするつもりはなかったのですが、1回やって上手くいかなかったら仕方がない、とダメ元で、若人らしいゆる~い心持ちでワインショップをはじめます。

彼にとってショップは、20~30代にワインを広める活動の内のひとつです。若者のアルコール離れが懸念される昨今、先細りする日本のワイン消費を、どうやって食い止めるかが課題となっています。折しも北杜市には日本屈指のキャンプ場が整備されており、一昨年からのキャンプブームを追い風に、若者たちがワインを飲める場所やそのきっかけを提供しようと試みます。

現在、山のわいん屋ゑんには、日本の造り手20社あまりを中心に、所狭しと自然派ワインが並びます。日本ワインの飲み手を増やしたいと願い、ワインそのものの香りや味わいではなく、お料理との相性など、別の入り口からのアプローチを探ります。

日本のワイナリーの良いところは、消費者が造り手に興味を持ったら、直ぐに会いに行けるところです。国内なので気軽に畑訪問もできますし、言葉の心配もありません。人と人との距離が近く、簡単に繋がることができるのが、日本ワインの魅力でもあります。

また、最近は空前のワイナリー建設ラッシュである日本。酒造免許が下りるまで、委託醸造をしている小寺さんと同世代の造り手が多いのも現状です。そんな彼らを応援しつつ、新しいワイナリーと新しい酒屋で、日本のワイン業界に新しい風を吹かせます。

若者に飲んでもらえるワインをセレクト

ショップのワインを選定する基準も、実際に造り手と会って、ワインを飲んでみて、初心者が受け入れてくれる味わいなのか、特に若者が好んでくれるかを重視します。

若い子にイケるかです。やや甘味のあるもの、微発泡、色がきれいなナチュラルワインを彼らは好みます」と小寺さん。

オフフレーバーのワインに出会うと、皆はどのような反応をするだろうかと、若者の視点でワインを検証します。なるほど、ワインを飲み慣れていなくても、その入り口まで牽引してくれるのですね。

ワイン造りにも参加

ワインを他業態とどのように絡めていくかを念頭に置き、南アルプス市のドメーヌヒデのもとでは、畑仕事やワイン造り、営業などを週1で担います。

例えば狩猟の村、山梨県丹波山村(たばやまむら)のジビエ団体(タバグループ)とタッグを組んで、地元のジビエブランド「タバジビエ」に合うワイン「ぶち2017」を手掛けます。丹波山村では猟師のことを鉄砲ぶちと言います。そのぶちから名付けられたジビエワインです。

鹿や猪は木の芽や木の皮を食べるので、肉からも森の香りがします。フランス産のウッドチップをワインに漬け込むと、木の香りが広がるジビエとぴったりのワインが出来上がります。ゆくゆくは村の間伐材を使いたいとのこと。ジビエとワインが過疎地域を元気にします!

出荷の前にキャンプファイヤーをしたスパークリングワイン「キャンパーニュ」も近日リリース予定です。焚火の熱をワインに与えて、発酵を強めて仕上げたオレンジワインの泡です。

キャンプで楽しむワインの提案も

また、長野県東御市で収穫された「ナイアガラ」を用い、山梨県ドメーヌヒデと長野県ツイヂラボが、ワイン対決を繰り広げます。「アウトドアで楽しめるワイン」をコンセプトに、県をまたいで2つのワイナリーが同じぶどうでワインを造るのです。おまけにツイヂラボは2020年9月に開業したばかりのワイナリーです。

ワインは酒販免許を取得したキャンプ場のみの販売となります。(一部WEB販売もあり)「普段キャンプをしない人もキャンプ場に足を運んで貰えたら、そしてビール党のキャンパーもワインに興味を持ってくれたら嬉しい」と小寺さん。

大自然の中で自然派ワインを楽しむキャンプイベントを筆頭に、ワインを絡めた取り組みを全国に広げたいと彼は語ります。ホテルマン時代は若人をワイナリーに連れて畑で様々なことを体験させたとそうです。これからもワインを広める入り口の役割となれるよう努めていく姿勢に、インポーターである私自身も身が引き締まる気持ちです。

今後、日本のワイン業界をどのように引っ張っていくのか、どんな進撃を見せてくれるのか、若い世代に期待を寄せそうではありませんか!益々、これからが楽しみです。

それでは皆様、ごきげんよう!

■タバジビエ


タバジビエ ぶち2017 4,070円(税込) ※近日発売

カベルネソーヴィニョンを用いて造られた猟師ワイン。3年間樽熟成の後、仏産のオークチップを浸漬し、木の香りをワインに移す。無濾過、酸化防止剤無添加。野山を駆け巡った丹波山村のジビエと一緒にどうぞ。

■ドメーヌヒデ


ドメーヌヒデ Camp.agneキャンパーニュ 2020 3,960円(税込) ※近日発売

甲州で造られたオレンジワインの泡。果皮のほろ苦さとオレンジピールが絶妙に溶け合い、果実のエネルギーが感じられるようなワイン。ダッチオーブンで仕上げた煮込み料理などとも相性抜群!

山のわいん屋ゑんを見る

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

この記事をSNSでシェアする