2021年10月13日

SF映画みたいな火山の島で造られる、スペイン領カナリア諸島のユニークなワイン

皆様こんにちは、インポーターの大野みさきです。
めっきり涼しくなり、ワインの美味しい季節の到来を感じます。

先日は火山島のワインを赤・白で頂きました。先ずは下の写真をご覧下さい。

沢山、クレーターのような穴ぼこがあり、まるでどこかの惑星のよう。スターウオーズに出てきそうな、見渡すとそこには灰色の世界が広がります。

生命の存在を感じない無機質な光景ですが、これは紛れもない『地球』です。しかもここでワインが造られているのですから、驚きを隠せません。

1つの穴に1本のぶどう木が植えられている、他に類を見ない株仕立。何故そのようなユニークな栽培方法が取られているのか。そして、ここは一体どこなのか、またワインはどんな味わいなのか、今日は火山島のワインに迫ります。

火山の島「ランサローテ」で造られるワイン

スペイン本土から1000km離れた大西洋に浮かぶのは、ヨーロッパのハワイと呼ばれている「カナリア諸島」です。

アフリカ大陸のモロッコから100kmの沖合に位置する7つの島からなり、うち6つの島でワインが造られています。

そんなカナリア諸島のひとつが、今回の舞台「ランサローテ島」。D.O Lanzaroteと原産地呼称もある、れっきとしたスペイン領です。(カナリア諸島全体では10つのD.Oがあります)

土壌の特徴と独自のブドウ栽培方法

ランサローテ島には火山があり、1730年からの噴火によって、島の表土の1/3は火山礫・火山灰で覆われています。そのため緑も少なく、芋類などを除いては、他の植物はなかなか育たない土壌です。

この島では、オヨス(Hoyos)と呼ばれる独特の栽培方法を取ります。

直径4m深さ2mのクレーター状に穴を掘り、ぶどうの木が植えられます。火山岩の石垣で囲むことで、サハラ砂漠から吹き付ける、強風アリシオス(45℃の熱風)からぶどうを守るのです。

火山灰の下が粘土質&石灰質なので、そこまで穴を掘ります。灰と熱風でフィロキセラすら太刀打ちができないランサローテ島では、今でも樹齢100年を超える自根のぶどうが育ちます。ただ、この栽培方法だと300本/ha(収穫量2500㎏)と栽培本数が極端に限られるのと、当然のことながら機械収穫も不可なので、ぶどうは全て手摘みでです。

赤と白を味わってみた!

Yaiza オーガニックヤイザ 2019(白)


参考小売価格 税込4,900/白/品種 マルバジア/D.O Lanzarote ランサローテ

輸入元ワインポーレで見る

先ずは白ワインから頂きました。

ブルーの細長いフラスコボトルが目を引く「オーガニックヤイザ2019」。火山性マルバジア使ってステンレスタンクで仕上げた、すっきりとした白ワインです。

控えめな柑橘香、温度が上がってくると甘みも出てきますが、シンプルなワインなので、キリッと冷やして飲むのがおすすめ。ドライな印象で豊かな酸とチョーキーなミネラル感の中にも少し重たさがあります。

合わせるお食事は、タコの酢の物、ホタテのマリネ、アジフライ、魚貝のフリットなどが良さそうです。

Bodegas los Bermejosリスタンネグロ マセラシオン カルボニカ 2020(赤)


参考小売価格 税込3,950円/赤/品種 リスタン・ネグロ/D.O Lanzarote ランサローテ

輸入元ワインポーレで見る

続いて赤ワインです。

メンタリストDAIGOYouTubeで大絶賛。リスタン・ネグロという土着の黒ぶどうを用いたライトな赤ワインです。

ボージョレ・ヌーヴォーなどを造る時に使われる醸造技術、MC(マセラシオンカルボニック)を採用。ステンレスタンクに全房のぶどうを投入して、炭酸ガスでタンクを密閉して造っています。

イチゴジャム、サクランボリキュール、クレームドカシスの香り、MCをかけているので滑らかでジューシーなテクスチャーです。ヨード香や鉄っぽさも感じられるので、カツオのたたき、牛肉のカルパッチョ、海藻&シーフードサラダ(ポン酢)も◎ですね!

現地のレシピでペアリングを楽しむ

ランサローテ島は海に囲まれた島国なので、シーフードもよく食されるそう。「グリルした濃厚な魚貝と抜群に合う!」と輸入元WINE POREのアヤナさん。

早速、ワインを飲みながらカナリア料理を作ってみました。

万能な「モホソース」は島の食事には欠かせません。パクチー、ニンニク、酢、オリーブオイル、塩胡椒をミキサーにかけるだけの簡単レシピですが、野菜、魚貝、肉と様々な食材と相性が良いのが特徴です。

付け合わせにししとうの素揚げ、レモン一片を入れて茹でたしわしわ芋、マグロの香草焼きはレアで仕上げました(マリネ後に焼き上げてマリネ液に酢を加えたもので味付け)。タコのグリルも一晩オリーブオイルでマリネし、主菜は厚切りポークソテーです。モホソースはどれにかけてもOK

オリーブオイルをふんだんに使った島の料理、このシンプルな味付けには、飾らないワインが合います。シーフードの旨味も、火山島のテロワールが育んだ強烈なミネラルに寄り添い、食材の酢やレモンがワインを引き立てます。

最後に

不毛そうに見えるSFの世界から、こんなに豊かな食卓となるとは!強風アリシオスに吹かれ、ランサローテ島のワインと食が日本に届く日もそう遠くはないでしょう。

それでは皆様、ごきげんよう!


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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