2021年10月20日

【インタビュー】日本でなぜマイナー?スイスワインの魅力

皆様、こんにちは。ワインインポーターの大野みさきです。

今日は 『スイスワイン』 をご紹介します。
スイスワインが世に知られていない理由。大手が参入しないわけ。知られざるスイスワインの魅力をお伝えします。

お話を伺ったのは、スイスワイン輸入元ヘルベティカの森本純也さんです。Helveticaは、ラテン語で“スイスの”意です。在住歴は1年、渡航歴はなんと30回以上、早くもスイス愛が匂ってきましたよ。それでは、いってみましょう!

スイスワインのこと知ってますか?

「スイスワインを飲んだことある人は手を挙げて下さい」と尋ねて、果たして何人が挙手をするのか。それぐらいマイナーな産地です。何故、あまり知られていないのでしょうか。

日本で見かけない理由①

第一の理由は、生産量に対して消費量が多いため、単純に輸出が難しいのです。

スイスワインの輸出はわずか2%。輸出されなければ、私たちが飲む機会も極端に減ります。スイス国内では年間一人当たり38本(28.5L)のワインが消費されます。飲酒人口から考えると70/年で、毎週1本以上飲んでいる計算。

自国生産しているワインだけでは、とてもじゃないけど賄えないので、輸入に頼っているのが現状です。よってワイン王国でありながらも、知られざる生産国なのです。


istock.com/Buba1955

日本で見かけない理由②

第二の理由は、ワインが高価であることが影響しています。

スイスは世界一、物価の高い国として認知されています。
例)日本だと390円のビックマックが、スイスでは2倍の値

急斜面が多いので手摘み収穫が基本。農薬などを使わない自然派の造り手も多いので、人件費を含めてワイナリーでのコスト高が、ワインの価格に反映されます。さらに、内陸国なので最寄りの港までの長距離をトラック輸送しなければなりません。その上EUに属していないので、国を跨ぐと税金が加算されます。

蔵出し価格にそれらがオンされ、最終的にインポーターサイドの原価も高くなります。そのため大手が手を出しにくい産地であることも、森本さん曰く、スイスワインが世に知られていない理由の一つです。


istock.com/Michael Derrer Fuchs

日本で見かけない理由③

第三の理由を付け加えるとすると、スイスは小国だからと考えます。

現在、スクリューキャップの世界シェアナンバーワンのスティルヴァンが、はじめて商業的にワインのスクリューキャップを採用したのが、スイスのワイナリーでした。

機能性も高くて一時期スイスのワイナリーの半分が使用するまでとなり、なかなか好評だったにも関わらず、その素晴らしいワインクロージャーは、世界に波及しませんでした。世界で影響を及ぼすには、スイスは余りに小国だったからです。

スイスワインの歴史

スイスのワイン造りは、ローマ時代に遡ります。
九州と同じぐらいの国土で、アルプスの山々を除き大概どのエリアでも造られています。250種類のぶどうが栽培され、そのうち80種類が土着品種です。

スイスと言えば白ワインをイメージする方が多く、白ぶどうではシャスラの生産量が最も多いのだとか。近年ではピノノワールが最大の栽培面積を誇り、その次にガメイ、メルロー、ガマレ(ガメイ×ライヘンシュタイナーの交配、高級ワインに用いられる)が続きます。

「アルプスの雪解け水がミネラルを運び、華やかなアロマ、冷涼なので美しい酸が特徴です。このミネラル感は和食の昆布や鰹などの出汁と相性が抜群です」と森本さん。

味わってみたスイスワイン

早速、赤・白2種類のワインを試してみました。

白ワイン VINIGMA アプリオーリ2019

土着2種のブレンド。きりっとしたミネラルに繊細な酸味が綺麗に調和しています。

驚いたのは上品さです!ここ10年ぐらいで若い造り手が海外の醸造学を勉強してスキルを上げたそうです。そのため田舎臭さはなく、エレガントで洗練された口当たりなのだとか。

森本さんのおすすめのマリアージュは、「ワインはその土地のものと合わせるのが1番ですが、肉じゃがや出汁巻き卵と合わせるのも良いですよ」と。


VINIGMA アプリオーリ
2019(750ml)
参考小売価格 7,700円(税込)
品種: ユマーニュブラン、プティットアルヴィン / 辛口白

ヘルベティカのサイトで見る

赤ワイン VINIGMA クゥオントゥム 2019

前述のガマレが主体で、ピノノワールも30%ブレンドされています。果実味も程よくあり、ぶどうのエネルギー、底力を感じました。かと言ってパワフルさが全開でもなく、品の良さも健在です。

ワイン単体で楽しむよりか、食事に合わせて造られたのがスイスワインと言うではないですか。そうと聞くと、スイス料理を合わせないわけにはいきません。


VINIGMA クゥオントゥム
2019 (500ml)
参考小売価格 4,510円(税込)
品種: ガマレ70% ピノノワール30/ ミディアムボディ赤

ヘルベティカのサイトで見る

スイス料理 レシュティと合わせて

スイスの国民食であるレシュティ/Röstiを作りました。粗くおろしたジャガイモを使った、いわゆるハッシュドポテトです。その上に半熟の目玉焼きとベーコンをON、チーズをのせるのも人気なのだとか。

元々は農家の朝食だったのが、今では時間帯を問わず、メインにも付け合わせにもなり、レストランでも提供されるようになった1品です。

レシュティは皆様も想像がつく味わいだと思います。ブランチやランチがなんと贅沢になることか!これでなんちゃってスイス通です。スイスワインと共に郷土料理を楽しむ。その国に興味を持つにはナイスな入り口ですね。

それでは皆様、ごきげんよう!

輸入元 Helvetica サイト
https://www.vinumhelvetica.com

 


365wine 大野みさき

スロヴェニアワイン輸入元365wine㈱ 代表取締役。
元ANA国際線CAが、7年の在職中にワインに魅せられ渡仏。2014年に帰国し、ひと月でワイン輸入会社を設立。買付け、営業、展示会、ウェブショップ運営、倉庫作業をヒィヒィ言いながらも華麗にこなす。巷ではスロヴェニアワインの第一人者と囁かれている。まんざらでもない。ワイン講師、サクラアワードの審査員も喜んで引き受ける。毎日ワインを飲むのか尋ねられたら、「はい、365日ワインです♡」と返すよう心掛けている。

【ワインショップ】http://www.365wine.co.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/365wine/

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