
2021年02月27日
すっきりとした飲み口で人気のスパークリングワイン。キラキラと弾ける泡は、目で見て美しく、のど越しもよく、料理を引き立ててくれる存在です。この記事では、スパークリングワインの特徴や選び方といった「これだけはおさえておきたい基本情報」と「おすすめのスパークリングワイン10選」をご紹介します。
スパークリングワインとは発泡性ワイン全般のことを指します。グラスに注ぐときめ細やかな泡が立ち上り、シュワシュワとした爽快な飲み心地が特徴です。普段使いでも、誕生日や記念日といった特別な日でも、さまざまなシーンで華やいだ雰囲気を演出してくれますよね。
種類は白またはロゼが主流。少ないですが、赤のスパークリングワインもあります。アルコール度数は12%のものが大半で、14%程度のワインと比べると若干低めです。味わいは7段階の甘辛度で表現され、好みや料理に合わせて選ぶことができますよ。
シャンパンはスパークリングワインのひとつ。産地はフランス・シャンパーニュ地方に限定され、AOC法(原産地呼称法)の規定をクリアしたもののみ、シャンパンと名乗ることができます。
スパークリングワインを選ぶ際に、「製法」の特徴と「味わい」の甘辛表示について知っておくと便利です。
スパークリングワインの製法は「トラディショナル方式」「シャルマ方式」「トランスファー方式」「炭酸ガス注入方式」の4つに大きく分けられます。製法の違いが風味や泡立ちにも影響するので、参考にしてくださいね。
瓶に詰めたスティルワイン(発泡性ではない通常のワイン)に糖分と酵母を加え、瓶内で二次発酵させる伝統的な製法で、シャンパン方式とも呼ばれます。瓶内でゆっくりと発酵・熟成させるため、手間と時間がかかりますが、きめ細やかで繊細な泡が持続し、風味豊かに仕上がります。
フランスのシャンパンやクレマン、イタリアのフランチャコルタ、スペインのカヴァ、ドイツの一部のゼクトなどがこの製法でつくられています。
スティルワインを瓶内ではなく、密閉されたタンクの中で二次発酵させ、瓶詰めする製法。ワインが空気に触れることがないため、ブドウのフルーティーな香りを残したい場合に有効です。また、短期間で大量の製造ができるため、コストがおさえられるという利点もあります。イタリアのスプマンテ、ドイツの一部のゼクトなどがこの製法を採用。
スティルワインを瓶内で二次発酵させたのちタンクに移し、まとめて澱(おり)を除去してから新しい瓶に詰め替える製法です。トラディショナル方式が1瓶ずつ澱を除去するのに対し、その手間を簡略化し、大量生産を可能にした製法といえます。
味わいはトラディショナル方式に近いとされ、ドイツの一部のゼクトやニューワールド(ワイン製造の歴史が新しい国)などでこの製法を取り入れています。
その名の通り、スティルワインを瓶詰する際またはタンク内で二酸化炭素を強制的に吹き込み、発泡性のあるワインにする製法です。ほかの製法に比べて、手間もコストもかかりません。繊細な泡はできませんが、安価に大量のスパークリングワインをつくる場合に適した製法です。
スパークリングワインは、残糖度の量により、超辛口や甘口など7つのタイプに分類されます。ラベルに表示されている甘辛度をチェックすると、好みのタイプを選ぶことができますよ。上から下にいくにつれ、糖度が増します。生産国によって一部表記は異なりますが、ここではフランスの甘辛度表記をご紹介します。
・Brut Nature/Non Dose(ブリュット・ナチュール/ノン・ドサージュ)= 超辛口
・Extra Brut(エクストラ・ブリュット)= 極辛口
・Brut(ブリュット)= 辛口
・Extra Dry(エクストラ・ドライ)= やや辛口
・Sec(セック)=やや甘口
・Demi-Sec(ドゥミ・セック)=甘口
・Doux(ドゥー)= 極甘口
スパークリングワインは辛口(Brut)が主流です。超辛口、極辛口、辛口タイプは、食事と一緒に楽しみたいときにおすすめ。辛いのが苦手な方は、やや辛口またはやや甘口タイプを選んでみてはいかがでしょう。甘口または極甘口タイプは、甘いお酒が好きな方やデザートと一緒に楽しみたいときにぴったり。
また、女子会用なら華やかなピンク色のロゼを選んだり、ギフトで贈るなら一般的な辛口を選んだり、シーンや予算に合わせて選ぶのも一案です。
フランス、イタリア、スペイン、そして日本産のおすすめスパークリングワインをご紹介します。
¥1,199~/白・辛口/スペイン
スペインのカタルーニャ地方を中心につくられるカヴァは、フランスのシャンパン、イタリアのプロセッコと並ぶ世界3大スパークリングワインのひとつ。カヴァを代表するブランド「フレシネ」の顔ともいえるコルドン・ ネグロは、柑橘系の香りとキリッとした酸味、爽やかな泡が特徴です。どんな料理にも合わせやすく、使い勝手もコスパも抜群。
¥1,540円~/白・辛口/イタリア
スプマンテとはイタリア産スパークリングワインの総称で、プロセッコはヴェネト州でつくられるスパークリングワインのことです。こちらは、世界最高峰のワイン資格「マスター・オブ・ワイン」のトニー・ブラウン氏が監修した自信作。新鮮なブドウの果実味、爽快な泡が心地よく、のど越しも爽やかです。乾杯したい気分のときにぴったり。
¥2,178~/白・辛口/スペイン
モダン・スパニッシュワインの実力派「クロ・モンブラン」が手がける上級クラスのカヴァ。4つのブトウ品種を使い、手間暇かけてつくられています。しっかり熟成させるのが特徴で、きめ細かな泡立ちと、凛とした酸味、リッチな味わいが楽しめます。スタイリッシュなボトルもインパクトがあり、手土産にしても喜ばれますよ。
¥2,640~/白・極辛口/イタリア
イタリア・ロンバルディア州でつくられるフランチャコルタは、フランスのシャンパンと双璧をなす高級スパークリングワインです。つくり手は、2011年のイタリアのワインガイドでベスト・イタリアン・スパークリングを獲得した、注目の「レ・マルケジーネ」。凝縮した果実味、心地よい酸が調和した極辛口タイプです。記念日にもおすすめ。
¥ 円~/ロゼ・辛口/フランス
美しいロゼ色が目を引くエレガントな1本。シャンパンに匹敵する味わいと称されるクレマンは、フランスの特定地域でのみつくられ、こちらはブルゴーニュ地方でスパークリングワインづくりひと筋という老舗が手がけています。ピノ・ノワール種100%で、華やかな香りと上品な果実味が印象的。女子会やパーティーに最適ですよ。
¥3,135~/白・超辛口/フランス
フランス・アルザスの自然派生産者「アルベール・マン」がつくり出す、上品で清涼感のあるクレマンです。特別な区画で収穫したピノ・ブラン種やピノ・ノワール種など複数の品種をブレンドし、補糖はおこなわない超辛口タイプ。繊細な泡立ち、ピュアな果実味、キレのある酸がバランスよく調和しています。飲みごたえもしっかりありますよ。
¥5.830~/ロゼ・辛口/フランス
世界中で愛される老舗シャンパンブランドといえば「モエ・エ・シャンドン」。輝くようなピンク色をしたアンペリアル ロゼは、きめ細やかで持続力のある泡、野イチゴのような香りといきいきとした果実味、なめらかなのど越しが特徴です。華やかなムードを演出したいときにぴったり。ギフトには箱入りタイプを選ぶのがおすすめです。
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¥1,546~/白・やや辛口/日本
日本の固有品種、甲州を使ったスパークリングワインはいかがですか。細やかな泡立ちが長く続き、甲州種特有のグレープフルーツを思わせる上品な香り、すっきりとした味わいで、酸味はおだやかです。やや辛口の味わいで飲み口がよく、和食全般と相性抜群。日本の風土に合ったワインづくりをおこなう「マンズワイン」の人気作です。
¥1,681~/白・やや甘口/ドイツ
ドイツのスパークリングワインのなかでも、高品質とされるのがゼクトです。黒猫のラベルがかわいい、モーゼル地方の人気ブランド「シュワルツ・カッツ」のゼクトは、繊細な泡立ちとリンゴやレモンを感じさせる甘酸っぱい味わいで、余韻も長く続きます。やや甘口タイプなので飲みやすく、スパークリングワイン初心者の方にも向いていますよ。
¥1,175~/赤・甘口/イタリア
赤いスパークリングワインとして名高いランブルスコは、イタリアのエミリア・ロマーニャ州でつくられます。その名の通り、ランブルスコ種が主体で、こちらは「ドネリ社」のオーガニックタイプ。果実の甘味とやさしい泡、ほどよいタンニンが調和し、生ハムやサラミとも好相性です。カジュアルに楽しみたいときにもってこいですよ。
スパークリングワインをおいしく味わうためには、保存の仕方も大切です。まだ開けてない場合と、飲み残してしまった場合の保存方法をご紹介します。
未開栓のスパークリングワインの保存に最も適しているのは、温度や湿度管理がされたワインセラーです。ワインセラーがない場合は、「振動のない冷暗所」に保存を。具体的には、床下収納、部屋の押入れや戸棚の中、冷蔵庫などです。冷蔵庫に入れる場合は、臭いの強いものの近くに置くのは避けてくださいね。
保存の際には、コルクがワインに浸かった状態を維持できるよう、ボトルを寝かせた状態にします。コルクが乾燥して、劣化するのを防ぐためです。また、光を避けるため、ボトルを新聞紙でくるむのも効果的ですよ。
飲み切れなかったスパークリングワインを保存するには、ガスをいかに抜けさせないかがポイント。スパークリングワインには特殊なコルクが使われており、開栓後、ボトルに再度挿入することができません。そのため、専用のシャンパンストッパーで栓をするのがベストです。
シャンパンストッパーを使用した場合、保存期間は2〜3日が目安。シャンパンストッパーがない場合は、ラップとゴムで代用できます。ボトルの口をラップで覆い、ゴムでしっかり巻けばOK。その場合は、翌日には飲み切るようにしてください。また、空気に触れる面を少なくするため、ボトルを立てた状態にして冷蔵庫で保存しましょう。
スパークリングワインの立ち上る美しい泡には、心踊らせる不思議な力があります。カジュアルに味わえるものから、女子会向きのもの、特別な日やプレゼントにぴったりの高級バージョンまで、さまざまな用途に合わせて選べるのも人気の理由です。製造方法の違いや甘辛度の表示を理解しておけば、スパークリングワイン選びがもっと楽しくなりますよ。
※掲載商品の情報は公開時点のものです。店舗によっては取り扱いがない、または販売終了している場合もありますので、あらかじめご了承ください。