
2022年10月01日
「ワインは好きだけど、赤ワインは飲みにくくて苦手。でも飲みやすいタイプがあるなら飲んでみたい」という方はいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、飲みやすい赤ワインの選び方や飲み方、おすすめの飲みやすい赤ワインをソムリエがご紹介していきます。苦手な方も、赤ワインを克服してみましょう。
「ワインが苦手だけど、飲めるようになりたい」「ワインをおいしいと感じられるようになりたい」と思っている方もいると思います。しかし、どうしてもおいしく飲めない場合がありますよね。じつは、赤ワインの特徴であるタンニン(渋味)や苦味、スパイシーな風味、独特なクセのある味わいが苦手と感じてしまうポイントになっているのです。
飲みやすい赤ワインを探すときは、渋味や苦味がおだやかで、クセが強くないものを選んでみましょう。果実味の甘味や香りの華やかさがある赤ワインは、苦手だなと感じている方も飲みやすく楽しめることもあります。それでは早速、選び方を詳しく解説していきます。
赤ワインの風味を決める一番大きなポイントは、ブドウ品種です。飲みやすい赤ワインは、渋味や苦味がおだやかなブドウ品種のものがおすすめですよ。例えば、「ピノ・ノワール」や「サンジョヴェーゼ」、「テンプラニーリョ」など。しかしフランスのブルゴーニュやアルザスなど北部で造られるピノ・ノワールは、酸味がやや強いのものもあるので酸味が苦手な方は選ぶときには注意をしましょう。オーストラリアやアメリカのピノ・ノワールは、酸味が穏やかなので飲みやすいですよ。
サンジョヴェーゼやテンプラニーリョは、2,000円前後の価格帯のものなら果実味があり、味わいのバランスが良くおすすめです。サンジョヴェーゼの産地はイタリア、テンプラニーリョはスペインでよく生産されているブドウ品種です。お店で探してみてくださいね。
フランスやイタリア、スペインなどヨーロッパで造られるワインは知名度が高いため、「絶対おいしいはず!」と購入する方もいらっしゃると思います。しかしワインは同じブドウ品種でも、産地によって味わいが大きく変わります。したがって、産地を意識して選ばないと好みと違うものに当たってしまうので注意が必要です。飲みやすいワインといえば、果実味豊かでフルーティー、そして渋味や少ないものをイメージします。ヨーロッパのワインは、クラシックな造り方をしているワイナリーが多いので、飲みやすさよりも奥深い味わいのものが多いイメージです。
アメリカやチリ、オーストラリア、ニュージーランドなどで造られるワインは、果実味豊かでフルーティーな味わいなものもあるで、赤ワインが苦手な方でも飲みやすいことがあります。これまでヨーロッパのワインばかり飲んでいた方はアメリカやチリ、オーストラリア、ニュージーランドなどの赤ワインを一度試してみてください。
赤ワインには、「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」という表現でタイプを分けています。味わいは、フルボディからライトボディにかけてだんだん軽やかな飲みごたえになりますよ。フルボディというのは、タンニン(渋味)が多く、力強い赤ワインが多いです。したがってミディアムボディか、ライトボディを選ぶようにしてみましょう。
最近では、ボトルの裏側に「〇〇ボディ」と記載されているものも多いので、それを目安に選んでみてくださいね。記載がない場合は、プライスカードを見たり、インターネットでワインの情報を調べたり、店員さんに聞いてみたりしてみましょう。
アメリカ・カルフォルニアで造られる果実味豊かで飲みやすい赤ワインです。さっぱりしていて、ベリー系の風味がしっかり楽しめるので、渋味もあまり感じずサラッと飲めます。飲むときは、少し冷蔵庫で冷やすとさらに飲みやすいですよ。飲めるか不安な方も、価格が1,000円以下と安いので試してみるのにはおすすめです。もし飲んでみて「やはり苦手だな」と感じた場合はカクテルにしたり、炭酸やジュースで割ったりして飲んでみてください。アレンジすることで、おいしく飲めるはずです。
カンガルーのラベルがかわいいイエローテイル。オーストラリアのワインで、さまざまなブドウ品種の商品を販売しています。そのなかでも「ピノ・ノワール」は、フレッシュなイチゴやチェリー、クランベリーなどのニュアンスが味わえ、フルーティーで飲みやすいですよ。イエローテイルが発売している赤ワインのなかでは、ピノ・ノワールが一番さっぱりと飲めますが、もっと濃厚なタイプがお好きな方はメルローやシラーもチャレンジしてみてくださいね。
天使のラベルが特徴的なチリで造られる「モンテス」。いろいろなシリーズがありますが、「アルファシリーズ」はフレンチオークという木樽を使って熟成させています。丸みのある口当たりと、奥深く余韻の長い味わいを楽しめますよ。また「カベルネ・ソーヴィニヨン」は、一般的には渋味が強いブドウ品種。しかし、たくさんの太陽を浴びたチリで造られるカベルネ・ソーヴィニヨンは、イチジクやカシス、ブラックベリーなどの黒系果実味を楽しめておいしいです。どっしりとした濃厚な赤ワインのなかでも飲みやすく、親しみやすい一本ですよ。
くだものやスパイスを加えることで、風味が変わり飲みやすくなることがありますよ。例えば、サングリアやホットワインは、ハチミツやシロップ、ジュースなどを加える場合がよくあります。赤ワインに甘味がプラスされることで、渋味やクセがまろやかになり飲みやすくなりますよ。シナモンやグローブなどを加えるとスパイシーな風味の楽しめます。単体で飲みにくかった赤ワインは、サングリアやホットワインにアレンジしてみてください。
赤ワインをベースにしたカクテルは、多く存在します。例えば、ジンジャーエールで割った「キティ」、炭酸水やレモン果汁で割った「スプリッツァー・ルージュ」、コーラで割った「カリモーチョ」など。赤ワインが苦手な方は、少しずつ赤ワインの味わいに慣れてくることが重要です。ジンジャーエールやコーラなど、自分の好きな炭酸や果汁などで赤ワインを薄め風味に慣れていってみましょう。また、赤ワインの量を徐々に増やすことで、単体で赤ワインを飲むときもおいしく感じられるようになりますよ。
赤ワインは、料理と一緒に味わうと飲みやすくなります。渋味が苦手な方は、カマンベールチーズやクリームチーズなどマイルドでまろやかな味わいのものを一緒に食べてみましょう。酸味が強いなと感じた場合は、干しブドウやドライイチジクなどのドライフルーツをあわせてみるのがおすすめですよ。また、ステーキや焼肉などの肉の脂は甘味があるので、赤ワインと合わせることで、より果実味を楽しめたりもします。このように、苦手だった赤ワインも食事と合わせることで、口の中で混ざり合い相乗効果でおいしくなる場合がありますよ。
赤ワインは、渋味や苦味、スパイシーな味わいなど独特な風味があるため、苦手な方もいる思います。しかし、ブドウ品種や産地、ボディなどから飲みやすいワインを選んでみたり、カクテルやサングリアなどにアレンジしてみたり、工夫はいろいろできますよ。単体で赤ワインを飲むことが苦手な方は、まずは何かで割ってみたりすることで、赤ワインの味わいに慣れていきましょう。続けていると、赤ワインだけでもおいしく感じられる日が来ると思いますよ。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
ソムリエ・チーズプロフェッショナル /
YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese