
2022年10月01日
伝統と革新を融合させた、独自のワイン造りで知られるオーストラリア。ワイン醸造の歴史は200年余りですが、産出量も輸出量も世界上位にランクインするワイン大国です。コストパフォーマンスの高さも、オーストラリアワインの魅力のひとつ。この記事ではオーストラリアワインの特徴や主要産地、おすすめ銘柄について詳しくご紹介します。
知っているようで意外と知らないオーストラリアワインの特徴を、4つのポイントに絞ってご紹介します。
南半球に位置するオーストラリアは、世界で6番目に大きい国土面積を有します。ワイン産地はオーストラリア南部に多く、南東部と南西部は温暖な地中海性気候、東部の南端エリアは冷涼な海洋性気候です。地域によって気候や土壌の特性が異なり、テロワール(ブトウ畑を取り巻く環境要因)を生かした多様なワインが造られています。
オーストラリアに初めてブドウの樹が持ち込まれたのが1788年。現在では主要な国際品種を中心に栽培されています。
オーストラリアで栽培されている赤ワイン用ブドウ品種の代表格といえば「シラーズ」。フランス・ローヌ地方原産のシラーがオーストラリアではシラーズと呼ばれ、フランスと双璧をなす世界的産地として知られます。オーストラリアのシラーズは、スパイシーさはありながら、果実味が強い傾向にあるのが特徴。
ほかにも、世界で最も広く栽培されている「カベルネ・ソーヴィニヨン」、華やかな香りと繊細な果実味の「ピノ・ノワール」などの栽培も盛んです。
オーストラリアの白ワイン用ブドウ品種のなかで、断トツの生産量を誇るのが「シャルドネ」。産地や土壌によっても異なる味わいが生まれるのが魅力です。オーストラリアの場合、冷涼な気候の産地では爽やかな柑橘系の味わいに、温暖な産地ではトロピカルフルーツのような濃厚な味わいになるといわれます。
そのほか、繊細な味わいとシャープな酸が特徴の「リースリング」、フレッシュな果実味の「ソーヴィニヨン・ブラン」などが栽培されています。
オーストラリアのワイン法では、産地名(地理的呼称 Gl:Geographical lndicationsを含む)、ブドウ品種名、収穫年などラベル表記についての規定が定められています。一方、ブドウの栽培やワインの醸造法に関しては厳しい法規制がないため、自由な発想による革新的なワイン造りに取り組むことが可能です。
オーストラリアには、レストランに好きなワインを持ち込める「BYO(Bring Your Own)」という独自のワイン文化が根付いています。 お店でお酒を提供するためのライセンスの取得が厳しかったこともあり、客にワインを持ち込むことを許可したのが始まりです。
また、オーストラリアはワインボトルに使われるスクリューキャップの発祥地というのをご存知でしょうか。品質維持の研究を重ね、高級ワインであっても、コルクではなく、開け閉めしやすいスクリューキャップが採用されるケースが多いのです。そのためレストランにも持ち込みやすく、気軽にどこでも楽しめるワイン文化が定着しました。
オーストラリアのワイン産地は広範囲にわたります。代表的なワイン産地をご紹介しましょう。
大陸中央から南部に位置する南オーストラリア州は、オーストラリア最大のワイン産地。大手ワイナリーの拠点が集まるエリアです。州都アデレード周辺に6つの主要産地(バロッサ・ヴァレー、イーデン・ヴァレー、クレア・ヴァレー、アデレート・ヒルズ、マクラーレン・ヴェール、ランクホーンクリーク)があります。
南東部のニュー・サウス・ウェールズ州は、オーストラリアのワイン造り発祥の地です。1788年にオーストラリアに初めてブドウの木が持ち込まれたのが、州都のシドニー。1825年にはハンター・バレーで本格的なブドウ畑が造られました。ハンター・バレーはオーストラリアを代表するワイン産地のひとつです。
大陸東部の南端に位置するヴィクトリア州。州都メルボルンを中心に、州全域に中小規模の生産者が点在しています。スパークリングワインの生産拠点でもあり、多様なワインを産出するエリアとしても有名。ヤラ・ヴァレーやモーニントン・ペニンシュラ、ジーロングといった銘醸地を擁しています。
大陸西部、オーストラリアで最大の面積を有する西オーストラリア州は、生産量はさほど多くはありませんが、上質なワインを生み出すことで注目のエリアです。州都パース周辺にワイン産地があり、マーガレット・リバーやスワン・ディストリクト、グレート・サザン、ジオフラフなどが主要産地です。
赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインのなかからおすすめの銘柄をご紹介します。ひとつのブドウ品種だけで造られる単一ワインも多いので、各ブドウ品種の特徴をダイレクトに楽しめますよ。
¥837~/赤ワイン/オーストラリア
ワラビーのマークでおなじみの「イエローテイル」は、世界中で愛飲されるオーストラリアのワインブランドです。こちらはカベルネ・ソーヴィニヨン100%で、ベリー系のやわらかな果実味としっかりとした酸味、深いコクが豊かに広がります。肉料理や中華料理とも好相性。コスパ抜群なので、カジュアルに楽しめますよ。
¥946~/赤ワイン/オーストラリア
ニュー・サウス・ウェールズ州、ハンター・ヴァレーの秀逸なワイナリー「マクギガン・シメオン・ワインズ」による、シラーズの単一ワイン。果実感たっぷりで、甘酸っぱさやシラーズ特有のスパイシーな風味が感じられ、タンニンはほどよく、飲みやすいのが特徴です。照り焼き料理やコショウを効かせた肉料理に合わせるのがおすすめ。
¥1,364~/赤スパークリングワイン/オーストラリア
オーストラリア唯一のスパークリング専門メーカー「イエローグレン」による、珍しい赤のスパークリングワインです。南東部で栽培されるシラーズを主体に、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネをブレンドしたやや甘口タイプ。黒系果実の風味とかすかな渋味、しっかりとした泡立ちで口当たりはなめらかです。肉料理や中華料理全般と。
¥2,288~/赤ワイン/オーストラリア
南オーストラリア州の銘醸地、バロッサ・ヴァレーの老舗ワイナリー「グラント・バージ」が手がける、自慢のシラーズ。上品で豊かな果実味やスパイシーな味わい、丸みのあるタンニンが特徴で、長い余韻を楽しめます。肉料理やしっかりとした味わいの料理とご一緒にいかがですか。
¥2,494~/ロゼスパークリングワイン/オーストラリア
フランスのシャンパンブランド「モエ・エ・シャンドン」が、オーストラリアで造るロゼスパークリングワインです。ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー産のピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネを使用。ベリー系や柑橘系の上品な果実味が心地よく、のど越しも爽やかです。甲殻類や赤身肉、オリーブオイルを使う料理にマッチしますよ。
¥3,360~/赤ワイン/オーストラリア
ピノ・ノワールらしい華やかな香り、いきいきとした赤系果実の豊かな味わい、そしてなめらかな飲み心地が楽しめる1本です。造り手は、南オーストラリア州アデレード・ヒルズで環境に慮した取り組みを実践し、サステイナブル認定を得ているワイナリー「サイドウッド」。和洋中問わず、旨味とコクのある料理にもってこいです。
¥1,959~/白ワイン/オーストラリア
リースリングの銘醸地として知られる、南オーストラリア州イーデン・ヴァレー産の白ワイン。著名なワイン評論家、ジェームス・ハリデー氏から5つ星の評価を得た実力派ワイナリー「ロルフ・ビンダー」の自信作です。柑橘系の風味、キレのよい酸が特徴で、繊細な日本料理とも相性バッチリ。
¥2,280~/白ワイン/オーストラリア
ニュー・サウス・ウェールズ州ハンター・ヴァレーの代表品種のひとつ、セミヨンを使った辛口タイプです。ハンター・ヴァレーのみならず、オーストラリアワイン産業の発展に貢献してきた有力ワイナリー「ティレル」が手がけています。柑橘系のフレッシュな香りと穏やかな酸、心地よい余韻が魅力的。和食にうってつけです。
¥2,358~/白ワイン/オーストラリア
西オーストラリア州マーガレット・リバーのシャルドネを100%使用。白桃やメロンを思わせる香り、エレガントな果実味とキレのある酸味がバランスよく調和しています。テロワールを生かした高品質なワイン造りをおこなう「エヴァンズ・アンド・テイト」の1本。シーフードやチキン料理と相性がよいですよ。
¥2,398 ~/白ワイン/オーストラリア」
南オーストラリア州アデレード・ヒルズで育まれたソーヴィニヨン・ブラン100%の白ワインです。フレッシュで繊細な果実味、爽やかで口当たりのよい酸が印象的。ワインエキスパートのショウ氏とマスター・オブ・ワインのスミス氏が最高の醸造チームとともに造り上げています。ハーブを使った料理や苦味のある野菜と合わせるのがおすすめです。
広大な国土から産出されるオーストラリアワインは、テロワールの違いによる味わいの多様性を楽しめるのも大きな魅力です。同じブドウ品種のワインを、造り手や産地を変えて飲み比べをしてみるのもおすすめですよ。
ニューワールドと呼ばれるワイン新興国をけん引するオーストラリアのワインは、ワイン伝統国に負けない高い品質を誇ります。きっと価格以上の価値を感じることができるはずですよ。料理や好みに合わせて、ぜひいろいろなオーストラリアワインをお楽しみくださいね。
※商品価格は、2022年6月10日時点での情報です。