2022年06月29日

夏バテ知らずな組み合わせ! 素麺と “みかんワイン” の美味しい出会い

白くてツヤツヤしていて冷んやり爽快、中毒性の高い夏の風物詩といえば……そう、素麺です。今年は特に暑さが厳しいといわれているので、全国的に素麺摂取量がぐんと増すのではないでしょうか。「7月を待たず梅雨明けの可能性あり」とのニュースに世間がざわついたころ、私は早すぎる猛暑にうんざりする一方で、素麺シーズンの到来にひとり心躍らせたのでした。そして見つけてしまったのです、素麺にぴったり寄り添う激推し “夏ワイン” を……! 

今回は愛する素麺の魅力を語りつつ、素麺に合わせたいちょっと風変わりなワインを紹介します。

夏に炸裂、素麺の魅力

素麺の魅力ってなんでしょう。ふわっと香る小麦の風味。つるつると心地よい食感。出汁がきいたつけ汁の豊かな味わい。見るだけで涼む清涼感高めなビジュアル。あげるとキリがありませんが、特に夏に炸裂する素麺の魅力は「熱中症対策として有能」という点です。

食べ方にルールはありませんが、たいてい素麺はたっぷりのお湯で茹でたあと、氷水でキーンと冷やしながら出汁と塩味のきいたつけ汁につけていただきます。素麺って真っ直ぐストレートで、とっても細いじゃないですか。ストレートの細麺には “毛管現象” がはたらき、スープがよ〜く絡むのだといいます。素麺はひたっていた氷水やつけ汁をたくさんまとって我々の口へといざなわれるわけです。水分と塩分を同時に効率よく摂取できる、優れもの。これが、昔から熱中症対策のために素麺が食されてきた理由です。生活の知恵ですね。
※JAS規格「乾めん類品質表示基準」によると、素麺とは麺の太さが直径1.3mm未満のものです。これより太いものは「ひやむぎ」(直径1.3mm以上1.7mm未満)、や「うどん」(1.7mm以上)に分類されます(いずれも機械麺の場合)。

好みの薬味で風味と食感をプラスする楽しさ」も忘れちゃいけません。素麺を彩るために薬味を入れるのか、薬味を食すために素麺を茹でるのか……たまにわからなくなるほど、素麺にとって薬味は欠かせません。

加える薬味によって手軽に栄養を摂ることもできます。ネギ、ミョウガ、生姜、大葉、柚子……いろいろありますが、そのどれもが暑さにバテ気味の我々の体を少しずつ癒してくれます。例えば生姜には、食欲を高めたり発汗を促して新陳代謝を助ける働きがあるといわれます。例えばミョウガには、消化促進や血流改善の効果が期待できるといわれます。薬味を加えた素麺はもはや、夏の栄養食といっても過言ではない……はず。

素麺に合わせたい “みかんワイン”

そんな素麺をさらにグレードアップしてくれるベストマッチワインに出会ってしまったものだから、今年はさらに素麺を茹でる手が止まらなさそうです。普通のワインではありません。 “みかんワイン” です。

島みかん(2021)

なんと、温州みかんを使った微発泡ワインなのです。皮ごと絞ったみかん果汁を発酵させた後、瓶内2次発酵。シャンパーニュと同じ造り方です。さらに酸化防止剤無添加で、今流行りのナチュラル製法です。みかんがワインになるだなんて、不思議ですよね。これが本当の “オレンジワイン” 、なんちゃって……。

このワインを手がけるのは、愛媛県今治市大三島にある「大三島みんなのワイナリー」さん。大三島は、本州と四国をむすぶ海の道「しまなみ海道」でつながる島々の内のひとつです。場所は瀬戸内海のど真ん中。

みかん畑が広がる光景はとても美しいと評判です。しかし最近は少子高齢化の影響で、みかん栽培をやめてしまう農家が増えているのだそう。ワイナリー公式サイトによると、現状を打破して島に活気を取り戻したいと奮起した人たちが、栽培放棄されたみかん畑を借り受け、ワイン用ブドウの栽培やワイナリー設立を進めたのだそうです。地元大三島を味わえるワインを造り、ワインを通じて都会の人々と島の人々を結びつける役割を果たしたい……そんな思いが綴られています。

ワイナリー公式サイトを見る

今回注目のワイン「島みかん」の気になるお味ですが……。最初に感じた香りは「ビタミン」! 柑橘類に共通するビタミンの香りです。ビタミン剤のような強烈なそれではなく、果実から漂うビタミンの香り。ハイレモンのタブレット菓子を食べたことがあるならば、ちょっとそれに近い感じ。一口含むと口いっぱいにふわ〜っとまろやかな酸味が広がり、飲んだあと鼻に抜ける香りにはみかんの存在感を感じます。風味はイタリアのリキュール「リモンチェッロ」に似ているけれど、「島みかん」に甘味はほぼなくすっきり辛口。香りも味わいも、じわじわ食欲を刺激してくるので、夏バテ時にぴったりです。

ワインショップの店員さんは「魚肉ソーセージのような味わいだよ」と評していました。うーん……私はあまり感じませんでしたが、どうでしょう。他の方の感想も聞いてみたいところです。

何はともあれ色合いも爽やかで、とにかく夏を感じるフレッシュなワインです。柚子や生姜、ミョウガとの相性が抜群によく、薬味をたっぷりいれたつけ汁でいただく素麺にドンピシャなんですよ、これが。ワインの香りと薬味の風味によって、素麺を口に運ぶ手がもうどうにも止まらない……! 

みかんから生まれたワイン「島みかん」を合わせれば、いつもの素麺がグレードアップするはず。この夏一度は試して欲しいペアリングです。あ、絶対に薬味は忘れないでくださいね。おすすめは柚子と生姜とミョウガです。柚子は乾燥させた「きざみ柚子」が便利ですよ。ぜひ!

最後に

愛媛のみかんといえば、「蛇口からみかんジュースが出る」という都市伝説が有名ですよね。実際にそんな蛇口が普及しているわけはなく、県内に数カ所イベント的に設置されているようです。コロナ禍で一時的に中止している場合もありそうですが、愛媛に行く機会があったら試してみたいところです。


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

この記事をSNSでシェアする