2022年09月02日

ワインの当たり年とは?規定や基準などをソムリエが詳しく解説

ワインには、それぞれの生産国や地域によって当たり年やむずかしい年などがあります。しかし、いつが当たり年でむずかしい年なのか、そして基準や規定などはあるのか分からないところが多いですよね。この記事では、ワインの当たり年とは、ヴィンテージチャートとは、各国のワインの当たり年などを、ソムリエが詳しく解説していきます。

ワインの当たり年とは?

ブドウを収穫する人
iStock.com/Pawzi

ワインというお酒は、毎年生産されるお酒です。そのため、ブドウの出来や収穫量などは、日々の天候や日照時間などが大きく左右します。このように、毎年違う環境でできるというのがワインの特徴です。ワインの当たり年というのは、天候や日照時間など造り手にとって最高の状況でできたブドウから造られたもののことをいいます。

当たり年のワインの特徴は、「長期熟成ができるものが多い」「生産本数が安定している」「値段が高騰する場合がある」などがあげられますよ。当たり年のワインは、長期熟成が見込めるものが多いため、ランクが高いものは早飲みには向いてないものもあります。また、出来のよいブドウが多くできるので、希少価値としての値段の高騰は少なくなりますが、出来がよいということでの値段高騰がある商品もありますよ。

逆に、むずかしかった年の方が早飲みできて、価格も低い場合もあります。このように、当たり年のワインがよくて、むずかしい年はだめといわけではなく、飲むタイミングを考えて選んで購入するといいですよ。

ヴィンテージチャートとは

ヴィンテージチャートとは、海外のワイン雑誌や本、インポーターなどが、ワインの出来を評価をしているものです。評価基準はさまざまですが、基本的には天候や日照時間などのブドウ造りによる条件、完成したワインの出来などを考慮して示されていますよ。

ヴィンテージチャートとして有名なのは、ワイン・アドヴォケイト、ワイン・スペクテーター、インポーターのファインズやエノテカなどのものがあります。ワイン・アドヴォケイトとワイン・スペクテーターは、100点満点評価され、インポーターが独自で行っているヴィンテージチャートは5段階評価になっていますよ。国産ワインのヴィンテージチャートは、あまりなく山梨県では山梨県ワイン酒造組合が作成していますが、ほかの県はまとめているサイトは見つかりませんでした。このように、ヴィンテージチャートを見ることで、ワインの当たり年やむずかしかった年が一発で分かる表ということですね。

国別ワインの当たり年

赤ワインをグラスに注ぐ
iStock.com/Alberto Gagliardi

ワインは、国さらに細かい生産地域によって出来が違ってきます。したがって、フランスのボルドー地方が最高の当たり年でも、チリで造られたワインが同じ当たり年かどうかは分かりません。当たり年のワインを購入したい場合は、国や生産地域まで確認して選んでいくことをおすすめしますよ。

ワインは、リリースまでに数年かかることがあるため翌年の評価がすぐ出るわけではありません。そのため以下では、2019年以前の当たり年のワインをご紹介していきますね。

フランスワインの当たり年

フランスは、2000年以降は比較的良い年が多くなっています。2000年以降でとくに評価が高いのは、2005、2009、2010、2015、2016、2018、2019年です。その中でも、フランス全体が天候や日照時間など栽培環境に恵まれ当たり年ワインが多かったのは、2010、2016、2018、2019年になります。2005年は、ボルドー、ブルゴーニュ、ローヌ地方などの赤白ワインが比較的出来が良く。2009、2015年は、ボルドー地方やブルゴーニュ地方の赤ワインがとくにいい出来となりましたよ。

イタリアワインの当たり年

イタリアは、近年では安定したブドウ栽培が出来ている印象です。とくに栽培環境が良く当たり年といわれているのは、2010年2016年のトスカーナ州とピエモンテ州です。長期熟成に向く上質なワインが多くリリースされ、現在では値段も高騰しています。2000年以降は、全体的に良質なブドウが生産されていますが、2002年は雨が多くむずかしい年になりました。長期熟成用やプレゼントなどに購入するなら、2002年は選ばないほうがいいと思いますよ。

ドイツワインの当たり年

ラインヘッセンのワイン畑をバックにワインが並ぶ
iStock.com/barmalini

ドイツは、全体的に気候や天候なども安定しているため、平均的なワインが多くリリースされています。しかし、1980年モーゼル、2000年ラインヘッセンは不作だったため難しい年となっていますよ。とくにおすすめな当たり年は、2017、2018年にモーゼルで造られたワインは栽培環境もよく評価が高い印象です。

スペインワインの当たり年

スペインの当たり年は、2004、2010、2016年が天候や日照時間などの栽培環境がよくおいしいワインが多く造られました。とくに、リオハやリベラ・デル・ドュエロで生産されたワインがおすすめですよ。スペインワインは、2000年以前も評価が出ている地域と評価がない地域があります。当たり年を購入したい場合は、調べる際に産地をよく確認しましょう。

アメリカワインの当たり年

アメリカは、産地が広いので当たり年もさまざまです。アメリカで一番有名なカリフォルニア州は、近年では2012、2013年ものが赤白ワイン共に上質で良質なワインが出来ています。カルフォルニア州らしい果実味が凝縮され、濃厚なワインが出来ていますよ。ワシントン州は、2012年。エレガントなワインがお好きな方は、オレゴン州は、2015、2016、2019年ものがおすすめです。

チリワインの当たり年

チリのワイン生産地が広がる
iStock.com/xeni4ka

チリは、比較的に天候や気候などが安定しているため、毎年平均的なワインが造られている傾向にあります。とくに当たり年をこだわらなくても、毎年安定の味わいの商品が多いです。その中でも、2018年は冬の間に雨が多く降ったことでブドウの成熟がよくでき良年と言われています。そのため、デイリーワインを生産している造り手が、熟成できるワインを特別に造るなどして注目されているヴィンテージです。

南アフリカワインの当たり年

南アフリカは、ブドウ栽培に適した環境の広大な土地が多く、デイリーワインが多く生産されます。天候も落ち着いているので、安定的な栽培ができているので、大きく当たり年というものはありません。その中でも2015、2017年は、評価が高く、熟成にも耐えられるワインもありますよ。

オーストラリアワインの当たり年

オーストラリアは、生産地が点在しています。全体的に見ても、突出してむずかしかった年はなく、安定したワインが造られていますよ。複数ある生産州の中で、南オーストラリア州は、生産量や知名度も高く良質なワインが多く造られる場所です。南オーストラリア州でとくにおすすめな当たり年は、2005、2010、2018年。2005年は、ワイン造りで理想的とされる環境だったため、熟成も楽しめるおいしいワインが造られました。2010年は、冬の雨に救われ良質なブドウが生産されています。2018年は、長期熟成に向く高品質なワインが多く造られていますよ。

ニュージーランドワインの当たり年

ニュージーランドのワイン畑をバックにワイングラスを持つ人
iStock.com/Lina Shatalova

ニュージーランドは、オーストラリアと同様安定した天候・気候のため、平均的なバランスのよいワインが造られます。その中でもとくに良年とされ当たり年と言われているのは、2019年です。理想的な栽培環境で造られたブドウが収穫できたので、全体的においしいワインが出来上がっていますよ。

日本ワインの当たり年

日本では、まだ全体のヴィンテージチャートや当たり年の評価などが多くありません。この記事では、日本ワイン生産量NO.1である山梨県の天候や日照時間などから、当たり年をご紹介しますね。山梨県は台風の影響を受けることもあるので、むずかしい年もあります。そんな中で近年は、2012年が雨量や日照時間、寒暖差などすべての条件が揃い素晴らしいワインが多く造られました。長期熟成も見込める、良質なワインもたくさんリリースされていますよ。

ワインの当たり年を見つけて飲んでみよう!

ワインは、毎年違うものが生産されるお酒です。その年の天候や栽培環境で、ワインの味わいに大きく影響が出ます。当たり年のワインは、良質なブドウで造られるため値段が上がってしまうことが多いです。しかし、当たり年を知っていると同じ値段で売っている別の年号のワインがあったときに、よりおいしいものを購入することが出来ますよ。このように、ワイン一本でも、ヴィンテージまでしっかりみて、選んでみるとより楽しくおいしくワインが飲めますよ。ぜひ、当たり年のワインを見つけて飲んでみてくださいね。

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
【twitter】https://twitter.com/YURI06927640
【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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