
2022年10月01日
フルーティーで飲みやすい甘口の白ワイン。甘口と言っても、さっぱりから濃厚までさまざまなタイプがあります。この記事では、白ワインの甘口タイプの特徴と、ソムリエ厳選のおすすめ15選をご紹介していきますよ。辛口タイプがお好きな方も、ときには甘口タイプの白ワインを飲んで体を癒やしてくださいね。
一般的な白ワインは、辛口タイプの方が生産量も多く有名です。しかし、甘口タイプも甘さの度合いがさまざまあり、飲み比べると面白いんですよ。また、生産国によっても甘さの雰囲気や製造方法の違いがあります。このようにひとことで「甘口の白ワイン」といっても、味わいはいろいろあり、飲むタイミングを変えることでおいしさも変化するんです。
とくにおすすめの飲むタイミングは、疲れたときや季節の変わり目で体がだるいときに一杯だけ飲むこと。やさしい甘さが、体に染み渡り癒やしてくれること間違いなしですよ。以下では、甘口白ワインの選び方やおすすめのタイプ別に分けた甘口白ワインをご紹介していきますね。
甘口の白ワインは、さっぱり・フルーティー系、飲みやすい甘口系、濃厚な極甘口系など、さまざまあります。この違いは、ブドウ品種や醸造方法が違うことで糖度が変わるのです。たとえば、極甘口の代表格である貴腐ワイン、アイスワイン。それぞれ造り方は異なりますが、濃厚な甘さが有名です。ほかにも、マスカットのような甘味を持つナイアガラ種の白ワインや、フルーティーな甘味を持つピースポーターなどが人気の甘口白ワインですよ。
このように、甘味も強弱だけでも、味わいは大きく変わります。料理と合わせるとき、デザートと合わせるときなど、シチュエーションによっても相性が違う場合もありますよ。自分好みの甘味を見つけて、その場に合う甘口白ワインを選び飲んでみましょう。
産地によっても味わいは、大きく変わります。たとえば、同じブドウ品種でもアメリカ産はコクがしっかりあって、ドイツ産は酸味がきりっと感じるなど、気候が異なるため味わいも変わるんです。このように、好きなワインを見つけ同じブドウ品種でほかのワインを探しても、産地が違うと失敗してしまうこともあります。
また、産地によって特別に造られる甘口白ワインもあります。たとえば、ボルドー地方で造られる極甘口ワインであるソーテルヌやドイツやオーストリアで造れるアイスワイン、イタリアで造られるヴィン・サントなど。この生産地ならではの甘口白ワインも多いです。ぜひ、産地でも甘口白ワインを選んでみてくださいね。
ワインは、コストパフォーマンスも大切ですよね。甘口の白ワインは、千円以下のものから数万円のものまで、値段の幅が広いです。醸造方法のむずかしさから、生産量が少なく希少価値が付き、高額になっているものもあります。しかし、そのようなワインはハーフボトル(375ml)のものも多く発売されていますので、高価で飲めないという甘口白ワインはハーフボトルを探してみましょう。また、少しだけ試してみたいという方も、ハーフボトルを選んでみるのもいいですね。
フルボトルの甘口白ワインもありますが、ハーフボトルを選んでみるという選択で、飲むシチュエーションも広がりますよ。たとえば、食後酒として飲むや、デザートと一緒に飲むなどもいいですよ。
猫のラベルと青のボトルが可愛いドイツの有名なワインです。味わいは、ピーチやアプリコットのような果実を感じ、さっぱりフルーティーで飲みやすい甘口白ワイン。甘口といっても、爽やかな酸味も楽しめるので甘口ワイン初心者さんにもおすすめの一本です。価格帯もリーズナブルなので、試しやすいですよ。
こちらのワインは、オーストラリア産のトラミナー種とリースリング種で造られています。ライチやモモなどの芳醇な果物の味わいと、フレッシュでイキイキした酸味がバランスの良い甘口ワインです。甘すぎるわけではないので、辛口タイプがお好きな方も飲みやすい一本になっています。単体でもおいしく、料理にも合わせやすく、万能白ワインですよ。
北海道余市で、遅積みのケルナー種100%造られた甘口ワインです。日本ワインコンクールで受賞歴もある、素晴らしいワイン。栽培時期を遅らせることで、ブドウが完熟し、甘味がしっかりのったおいしいブドウから造られています。クセのない、フルーティーでやさしい甘さとやさしい酸味のバランスがとてもいいですよ。和食とも相性ぴったりな一本です。
フランス・アルザス地方で造られるほんのり甘口の白ワイン。ゲヴュルツトラミネールを使用しているので、ライチや熟したマスカットなどのようなフルーティーでフローラルな風味を楽しめます。スッキリというよりは、濃厚で複雑な味わいを感じられますよ。中華料理に合わせると、おいしさが際立ちます。
ドイツからアメリカに移住してきたウェンテは、ドイツの繊細さとアメリカ・カルフォルニアの濃厚さをバランスよく表現している造り手です。とくにリースリングは、フルーティーな甘味と酸味を楽しめるので、食事にも合わせやすくおすすめです。温度を上げると、甘味と芳醇香りが増すので、甘味を強く感じたい方は温度を上げて飲んでみてくださいね。
ドイツ・モーゼル地方の名品でもある、ピースポーター村から造られる甘口白ワイン。こちらのワインは、「黄金の雫」とも言われる村名を持ちます。青りんごや洋梨のような風味、ハチミツのような濃厚さ、そして、きれいでトロピカルでフルーティーな酸味が口当たりを甘いだけではなくキレをよくしていますよ。さっぱりとしながら、コクをしっかり味わえる一本です。
イタリア・トスカーナ州で造られる伝統的なデザートワイン「ヴィン・サント」。ブドウは収穫後に、藁の上に並べたり、木に吊るしたり、風通しのいいところで陰干ししてから醸造に入ります。水分を抜くことで、糖度が高くなり甘みが増すんですよ。カステッロ・ディ・ポミーノが手がけるヴィン・サントは、メープルシロップのような濃厚な甘味と、ドライフルーツの甘酸っぱさを感じます。たくさん飲む甘口白ワインと違い、食後酒として飲むのが一般的なおいしい一本です。
北海道で収穫されたナイアガラ種100%で造られた甘口白ワイン。酸化防止剤無添加なので、ブドウ本来のフルーティーさをしっかり楽しめますよ。マスカットを彷彿させるような、甘味と酸味のコントラストで、デザートワインとしても、キリッと冷やして食中にも飲みやすい一本です。酸化防止剤が入っていないため、おいしく飲むためには開封後すぐ飲み切ることをおすすめしますよ。
ドイツで生産される有名な甘口ワインの一種「アウスレーゼ」。シュペートレーゼよりも、厳選されたブドウを使用し、甘味も強くなります。アプリコットやハチミツのような、濃厚な風味はありますが、ミネラル感や酸味があるので、程よい甘さでスッキリと飲むこともできますよ。じっくり時間をかけて飲んでみると、変化を楽しめるおいしい甘口白ワインです。
長野県で生産されたナイアガラ種を100%使用し、デザートワインとしても飲まれているおいしい甘口白ワインです。ブドウの旨味がギュッと詰まった、コクのある味わいが特徴的。とくに、マスカットを口に入れているような錯覚を感じるような、ブドウ本来のフルーティーさと爽やかさを楽しめますよ。しっかり冷やして、食前・食後酒、デザートワインとして飲むのがおすすめですよ。
きつねのラベルが特徴的な、ドイツの有名な造り手フリードリッヒ・ベッカー。白ワインや赤ワインが有名ですが、アイスワインも手掛けています。黒ブドウであるピノ・ノワール100%で造られる濃厚で芳醇なアイスワインです。アプリコットやハチミツのような風味が楽しめる一本ですよ。しっかり冷やして、食後酒やデザートワインとして飲むのがおすすめです。
こちらの甘口白ワインは、カナダで造られるアイスワイン。とろりとした口当たりと、熟したモモやハチミツのような甘みを楽しめます。アイスワインなので、旨味がぎゅっと凝縮され、ブドウ本来の果実の甘味をじっくり味わえる一本です。開封後も、冷蔵庫に入れておけば1、2週間はおいしく味わえるので、食後酒としてのむのもおすすめですよ。
世界三大貴腐ワインにもなっている、ハンガリーで造られる「トカイ」。フルミントという、トカイワインに使用されるブドウ品種を主体に造られる濃厚な極甘口白ワインです。こちらのワインは、スペインの名門ワイナリーであるベガ・シシリアが手掛けた一本。モモ、ハチミツ、バター、ビスコッティなど甘味と香ばしさ、コクをバランスよく楽しめますよ。ぜひブルーチーズと一緒に合わせてみてください。
フランス・ボルドー地方ソーテルヌ・バルザック格付け1級である、シャトー・リューセック。貴腐ブドウから造られる、繊細で濃厚な味わいの極甘口白ワインです。パイナップルやマンゴーなどのトロピカルな香りやグレープフルーツやレモンなどの爽やかな風味も感じ、ハチミツ漬けしたナッツのような香ばしさとコク旨味も感じます。じっくり時間をかけて飲みたい、熟成も楽しめる極甘口の白ワインです。
貴腐ワインの王様である「シャトー・ディケム」。フランス・ボルドー地方ソーテルヌで造られる極甘口白ワインです。ソーテルヌ&バルザック格付けにて、特別第一級という最高峰に君臨する素晴らしいワイン。10年、20年以上熟成も可能な、歴史を楽しめるワインですよ。黄金色が美しく、ハチミツや煮詰めたコンポートのような風味、ほどよい酸味が後味をスッキリさせてくれる上品な味わいの一本。一生のうちに一度は飲んでみたい、憧れの極甘口白ワインです。
残ってしまった白ワインは、栓をして冷蔵庫に保存しましょう。常温で保存しておくと、劣化のスピードが早くなり、すぐ風味が落ちてしまいます。長期間保存したい場合が、ボトル内の空気を抜く道具(ワインセーバー)を使うと、さらに酸化が遅くなり長くおいしく飲むことができますよ。また、極甘口の白ワインは、栓をして冷蔵庫に入れておけば、数週間程度おいしく飲むことができます。ワインは、毎日変化をしていくので、何日目がおいしかった、開けたてが好きだったなど、味比べをしながら楽しむのもおすすめですよ。
ひとことで甘口といっても、甘味の強弱や濃厚さなどは違います。食中に飲みたい場合は、爽やかさやすっきり感もあるフルーティーな甘口が相性がいいです。食後やデザートワインとして甘口白ワインを飲みたい方は、濃厚なアイスワインや貴腐ワインなどを選んでみるといいでしょう。このように、甘口白ワインを飲むタイミングやシチュエーションによって選び方を変えてみると、より楽しく飲むことができますよ。いろいろな味わいを試して、お気に入りの一本を見つけてみましょう。
※商品価格は、2022年8月13日時点での情報です。
ソムリエ・チーズプロフェッショナル /
YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
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