
2022年10月01日
2022年のボジョレーヌーヴォーの解禁日が少しずつ迫ってくるなか、今年のブドウの出来栄えやワインの評価が気になります。この記事では、2022年のボジョレーヌーヴォーの解禁日や評価について解説します。おすすめのボジョレーヌーヴォーも紹介するので、参考にしてください。
ワインファンにとって11月の一大イベントといえば、ボジョレーヌーヴォーの解禁です。毎年、ボジョレーヌーヴォーを飲むことを心待ちにしている人は少なくないでしょう。気になるのは、2022年のボジョレーヌーヴォーの味わいです。昨年は天候不順により生産者にとって厳しい年となりましたが、2022年はどのような状況なのでしょうか。昨今、巷を騒がせている値上げの影響についても解説します。
ボジョレーヌーヴォーといえば、毎年発表されるキャッチコピーが有名です。その年のボジョレーヌーヴォーの評価を一言で表したキャッチコピーは、少し誇張された文言が印象的であり、毎年楽しみにしている人も多いでしょう。このキャッチコピーは、フランスのボジョレーワイン委員会がその年のブドウの出来を評価し、フランス食品振興会(SOPEXA)が発表しています。気になる2022年のキャッチコピーは、まだ発表されていません。そこで現地の情報をもとに、ボジョレーヌーヴォーの出来栄え予想をお伝えします。
2022年のボジョレー地区は、例年よりも早い6月ごろから気温が上がって暑くなりはじめました。乾燥が心配されていたものの、雨に恵まれ、生育に必要な量の水を確保できました。2021年には霜害で大きなダメージを受けましたが、今年はそのような天候不順もなく、ブドウは順調に育っているそうです。この調子で進めば、質の高いボジョレーヌーヴォーが期待できるでしょう。
ボジョレーヌーヴォーの価格は例年、1,500〜2,000円あたりの価格帯のものが多い印象です。しかし今年は、値上がりすることがすでに決まっています。
ボジョレーヌーヴォーの価格はまず、村のランクで決まります。「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー」と書かれたボジョレーヌーヴォーを見たことがある人は多いでしょう。ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーとは、ボジョレー地区にある特定の村で、厳しく規定された生産量や栽培方法を守って作られたブドウを使用したワインを示します。価格は高くなるものの、ボジョレーヌーヴォーよりも飲みごたえのある味わいに仕上がり、ファンが多いワインです。
また村のランクとは別に、生産方法にこだわったもの、生産量が少ないものは価格が高くなります。ブドウの栽培からワイン醸造まで手作業でおこなうもの、オーガニックで栽培されるもの、収穫量をおさえたものなどは手間やコストがかかる分、価格の上昇が避けられません。
フランスから日本への輸送費も、ボジョレーヌーヴォーの販売価格に大きく影響しています。多くのワインは船で輸入してコストをおさえていますが、日本への到着までに時間がかかることが難点です。ボジョレーヌーヴォーは解禁日の販売開始に間に合わせる必要があるため、航空機を利用して空輸されています。そのため航空機の燃料費が、ワインの販売価格に上乗せされてしまうのです。
さらに2022年は、原油高やウクライナ侵攻による航空機の減便・ルートの迂回などによって燃料費がかさみ、例年の1.4〜2.2倍の価格になる商品もあります。インフレの波は、ボジョレーヌーヴォーも例外ではないようです。
iStock.com/Natalia
Van Doninck
ボジョレーヌーヴォーは毎年、11月第3木曜日の解禁日に販売が開始されるため、消費者は解禁日以降にその年のボジョレーヌーヴォーを手にできます。ボジョレーヌーヴォーの解禁日はフランスの法律で定められており、それ以前の販売は認められていません。これはかつて、ボジョレーヌーヴォーをより早く売り出そうとする作り手の販売競争が激化し、質の悪いワインが出回ってしまったことが原因です。
2022年のボジョレーヌーヴォーの解禁日は、11月17日(木)です。日本は日付変更線の関係で、フランスよりも早くボジョレーヌーヴォーを手にできます。以前は毎年マスコミが注目する一大イベントでしたが、近年は賑わいがずいぶん落ち着いたようです。それでも、解禁日を心待ちにしているファンは多いでしょう。
質のよいブドウの収穫が期待される、2022年のボジョレーヌーヴォー。フレッシュで果実味あふれるものから、コクが感じられる飲みごたえのあるワインまでそろっています。
良質のブドウのみを厳選し、「ボジョレーの帝王」とも呼ばれるジョルジュ・デュブッフ氏こだわりのブレンド技術により作られた一品。果実や花の香りが感じられ、軽やかでフルーティな味わいが特徴です。華やかなラベルも、ボジョレーヌーヴォー解禁の気分を盛り上げてくれます。
¥3,762(税込)〜/赤/フランス
ラブレ・ロワ社による、ガメイ品種の果実味が生き生きと感じられるボジョレーヌーヴォー。酸化防止剤を添加していないだけでなく、動物性由来の物質を使わないヴィーガン対応ワインである点にも注目です。タレントのIKKOによる華麗な書が、ワインの味わいを引き立てます。
¥3,498(税込)〜/赤/フランス
ボジョレー屈指の老舗ワイナリー「ドメーヌ・パルドン」で、丹念に育てられたブドウから醸されたヴィラージュ・ヌーヴォーです。同ワイナリーは環境に配慮した「サステナブル農法」に取り組み、フランス農水省の認証も得ています。コクと風味がたっぷりつまった、飲みごたえのある仕上がりです。
ワインセレクションが世界的に評価を受ける、1946年創業のパリの名門レストラン「タイユヴァン」がセレクトした一品。チャーミングな果実味が感じられる、フレッシュかつコクのある味わいが感じられます。レストランが厳選しただけあり、料理に合わせやすい点も特徴です。
フランスのボジョレーヌーヴォーコンクールで2021年に金賞を受賞した、実力派のワインです。自社畑にある樹齢50年以上の樹に実った、完熟ブドウを厳選して使用しています。力強さと上品さを備えた濃厚で複雑さのある味わいは、飲む者を満足させてくれるでしょう。
2022年のボジョレーヌーヴォーの出来栄えについて、キャッチコピーなどの公式情報はまだ発表されていません。しかし気候の大きな崩れや病害はなくブドウは順調に育っており、ボジョレーヌーヴォーの質は期待できそうです。まもなくやって来る11月の解禁日を、楽しみに待ちましょう。
※商品価格は、2022年9月29日時点での情報です。