
2022年10月01日
ワイン好きが一度は憧れるワイナリー巡り。日本国内のワイナリーでもツアーや収穫イベントなどを開催しているところは多いです。その中でも山梨県は、ワイナリー巡りも充実しています。この記事では、山梨県のおすすめワイナリーやどんなワインが造られているのかなどの特徴を一緒に、ソムリエが詳しくご紹介していきますね。ぜひいろいろなワイナリーに訪れてみてください。
山梨県のブドウ栽培は、歴史が長く、日本ワイン造りの発祥の地とも言われています。また、現在でも日本国内でNo.1の生産量を誇っているんですよ。ワイナリー数も多く、現在登録されているワイナリーは、80と日本で一番多い産地です。そして、近年では新しいワイナリーも続々と誕生しています。
山梨県のワインは、世界的にも評価が高いワイナリーが多く、海外での受賞歴があるところも増えてきていますよ。ブドウ栽培から、醸造、瓶詰めまでこだわり尽くしている造り手が多いところが特徴的ですね。
山梨県では、大きく10の市町で区分されています。産地は、ワイナリー数が多く有名な甲州市をはじめ、甲府市、甲斐市、韮崎市、北杜市、市川三郷町、南アルプス市、山梨市、笛吹市、大月市でワイン生産がされていますよ。甲州市は、39ものワイナリーがあるので、ワイナリー巡りをするにはとても楽しいです。
山梨県でとくに有名なブドウ品種は、「甲州」というブドウ品種です。山梨でも生産量が多く、全体の50%くらいの割合を占めている山梨県を代表するブドウ品種になります。ほかには、赤ワイン用のブドウ品種である「マスカット・ベリーA」も多く栽培されていますよ。
甲州種は、やや薄紫色の独特な表皮をしています。味わいは、スッキリはしていますが甲州種独特な柑橘の風味が豊かな白ワインが出来上がることが多いです。マスカット・ベリーAは、ベリー系の果実味が豊かで、フルーティーでジューシーな赤ワインやロゼワインが造られていますよ。山梨ワインを飲んでみたい方は、まず甲州とマスカット・ベリーAのワインを飲んでみてほしいです。
平成25年7月16日から山梨県で生産されたワイン(生産基準をクリアしたもののみ)は、地理的表示「山梨」が表示できるようになりました。国で、山梨ワインの品質や生産地が法律で守られることになったのです。海外でも評価や知名度が年々高くなってきている山梨ワインが、国によって守られているのは嬉しいことですね。現在では、北海道、山形、長野、大阪と増えていますが、国産ワインの中でも最初にGI表記ができるようになったには山梨ワインなんですよ。
山梨ワインは、ワイナリーによりさまざまな特徴があります。しかし、ほとんどのワイナリーが甲州種のワインを生産し独自の甲州ワインを製造ています。スッキリタイプや樽での熟成をしっかりさせたタイプなど、味わいもいろいろ。そして、柑橘系の爽やかな風味が日本食との相性が抜群ですよ。山梨ワインを飲むなら、ワイナリーごとに雰囲気の違う甲州ワインを、飲み比べして楽しんでみるのがおすすめです。
1923年創業の中央葡萄酒。日本・海外での受賞歴も多く、世界中でファンが居る素晴らしいワインです。どのワインも特徴があり、赤白、ロゼ、スパークリングどれもとてもおいしいですよ。生産量が少ないものもあり、希少な商品もいくつかあります。私がとくにおすすめな商品は、「甲州 鳥居平畑」。柑橘系の爽やかな風味と、ほんのりスパイス感もあり、スッキリな味わいの中に複雑さがあり素晴らしいですよ。そして注目したいのは、五代目である栽培醸造責任者である三澤彩奈さんのワインへの情熱と愛。どのワインを飲んでも、情熱と愛がしっかり伝わってくるおいしいワインなんですよ。
ワイナリーではショップでいろいろな商品を飲むテイスティングブースもあり、お気に入りの一本を探すことができるのでおすすめです。普段見られない、希少な商品も見つかるかもしれませんよ。
〒409-1315 山梨県甲州市勝沼町等々力173
TEL: 0553-44-1230
営業時間:9:00~12:00 13:00~16:00
定休日:日曜日、及び年末年始
1917年に、サドヤ洋酒店を営んでいた6代目今井精三さんがワイン醸造をスタートさせたのが始まりのきっかけでした。さまざまなタイプのワインがあり、気軽に飲めるものが多いのですが、熟成ワインもとてもおいしいんです。熟成ワインである「シャトーブリヤン」は、受賞歴もある一本です。日本・海外でも受賞歴がある商品もあり、デイリーワインから熟成ワインなどいろいろ飲んでみてほしいです。
また、ワイナリー見学も充実しており、サドヤのワインを一緒に楽しめるレストラン「レアル・ドール」がおすすめ。ワインと料理のマリアージュを、その場で楽しめるのは嬉しいポイントですよ。ワイナリーウエディングも開催していますので、サドヤはワイン好きの方にはいろいろ方法で楽しめるワイナリーですよ。
〒400-0024 山梨県甲府市北口3-3-24
TEL: 055-253-4114
営業時間:平日:10:00~15:00 土日祝:10:00~17:00
定休日:火曜
登美の丘ワイナリーは、富士山の姿がきれいに見える絶景にあります。甲州やマスカット・ベリーAも栽培していますが、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの国際品種も多く栽培されているのが特徴的です。ワイナリー見学では、見学用のぶどう畑を自由に見ることができて楽しいですよ。季節によって、ぶどうの木に変化があるので、いろいろな時期に行ってみると面白いです。
おすすめのワインは、「登美の丘 赤」。メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルドと国際品種をバランスよくブレンドしているところが絶品です。力強く複雑な果実味と、バランスのよい樽の風味が飲みごたえ抜群。すき焼きとの相性バッチリですよ。
〒400-0103 山梨県甲斐市大垈2786
TEL: 0551-28-3233
休業日:年末年始・冬期休業など不定期に休業日がございます
1913年にワイン造りをスタートし、2014年に「株式会社くらむぼんワイン」と社名を変更しました。くらむぼんワインは、赤白ロゼ、スパークリング、甘口とさまざまなワインを手掛けていますが、とくに甲州種のワインに力を入れています。また自然な造り方、自然な味わいを大切にしているので、甲州種の風味がしっかり味わえますよ。また、KURAMUBONシリーズはラベルがとても素敵です。デッサンのような、繊細できれいなラベルの絵が、ワインそのものの味わいを表現しているように感じます。
とくにおすすめなのは、KURAMUBONシリーズの「樽甲州」。やさしい樽の風味が、甲州種の柑橘やかぼすのような爽やかな味わいにそっと寄り添い絶品です。ワイナリーへの見学や訪問は自由にできるので、近くに寄ったときに訪れテイスティングルームでくらむぼんのワインを味わうのもいいですね。
〒409-1313 山梨県甲州市勝沼町下岩崎835
TEL: 0553-44-1012
営業時間:平日13:00~16:00(試飲受付15:30まで) 土日祝日10:00~12:00(試飲受付11:30まで)/13:00~16:00(試飲受付15:30まで)
定休日:水曜日/年末年始(仕込み期間など臨時休業もございますがご容赦ください)
蒼龍葡萄酒は、1899年に創業した歴史が長いワイナリーです。無添加ワインにも力を入れ、日本・海外と受賞歴もあります。蒼龍葡萄酒は、甲州ワインの商品ラインナップがとても多いです。樽熟成、シュール・リー製法、無添加、やや甘口、辛口など、製法や味わいなどさまざまな甲州ワインを楽しむことができます。とくにおすすめなのは、シュール・リー製法で造られる「グラン甲州」。ミネラル感と、ほどよいフルーティーさ、そしてキリッとした味わいが、和食との相性抜群です。
ワイナリーでは、ワインの醸造工程を詳しく説明してくれます。また、ショップでは約40種類のワインをテイスティングできるので、自分の気に入ったものを買って帰れるのも嬉しいですよ。
〒409-1313 山梨県甲州市勝沼町下岩崎1841
TEL: 0553-44-0026
営業時間・定休日・ワイナリー見学は、電話にてお問い合わせください。
日本全国にワイナリーはありますが、山梨県はワイナリー同士が近くにある場合があるので、いろいろなところを見たい方におすすめです。とくに、甲州市は現在39のワイナリーがワイン造りをしています。ぶどう畑がたくさんあるので、ワイン好きには、とても圧巻の風景ですよ。またワイナリー見学に行ったことがない方は、ツアーを組んでいるところや、飲んだことあるところに訪れると初めてでも楽しめると思いますよ。ぜひ、いろいろなワイナリーを訪れて、お気に入りのワインを見付けてみてくださいね。
ソムリエ・チーズプロフェッショナル /
YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
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