2022年11月01日

フルーティーで飲みやすい!モスカートのワインを飲んでみよう。おすすめもご紹介

モスカートというブドウ品種のワイン、飲んだことありますか?知らない方も、もしかしたら気付かず飲んでいた!そんなこともあると思います。実は、身近で、フルーティーで飲みやすいモスカートのワイン。ブドウ品種の特徴を知って、選んで飲んでみてくださいね。この記事では、モスカート特徴、産地での違い、おすすめワインなどをソムリエが詳しくご紹介していきます。

モスカートとは

白ブドウを収穫する
iStock.com/alessandroguerriero

モスカートとは、別名「マスカット」のことをさします。モスカートにも色々種類があり、日本でも食べられている黄緑色のマスカットが有名ですが、ピンク色の表皮をしているブドウ品種でロゼワインが造られているものもありますよ。

モスカートから造られるワインは、スティルワイン(発泡していないワイン)、微発泡タイプ、スパークリングワイン、酒精強化ワインなど、さまざまなタイプのものがあります。また、甘口タイプやフルーティーで飲みやすいものが多く、お酒が苦手な方も飲みやすいブドウ品種です。そして、産地によって名前が異なる場合もあるので、別名を覚えてておくと便利ですよ。

香りの特徴

モスカートは、マスカットを食べているような香りが特徴的です。とくに言われているのは、麝香(ムスク)の香り。少しエスニックで、華やかな独特な香りが漂います。最近では、香水や柔軟剤の香りなどにも使われているいい香りです。アロマティックな香りが強いので、穏やかな料理に合わせるとワインが勝ってしまうこともあるので、料理と合わせるときは注意しましょう。

味わいの特徴

白ワインがグラスに注がれる
iStock.com/Liudmila Chernetska

モスカートの味わいは、とてもフルーティー。マスカットを口いっぱいにほうばっているような、果実感を存分に味わえる味わいが特徴的です。香りがアロマティックなので、クセが強いかなと心配される方もいらっしゃいますが、やさしい酸味と甘口〜中口程度の甘味が楽しめるクセのない味わいですよ。スッキリ辛口のタイプは、日本ではあまり見かけないので、甘味がある程度あるワインと思って購入してみてくださいね。

産地ごとの特徴

イタリア

イタリアでは、主に「モスカート・ビアンコ」が栽培されています。イタリアは全州でワイン造りがされていますが、モスカート・ビアンコはほぼ全州で栽培されていますよ。モスカート・ビアンコから造られる有名なワインは、「アスティ・スプマンテ」、「モスカート・ダスティ」など、ピエモンテ州で造られるD.O.C.G.ワインがあります。

モスカート・ビアンコは、スパークリングや微発泡タイプのワインを生産している生産者が多く、フルーティーで飲みやすく、アルコール度数が低めで甘みを楽しめる商品が多く発売されていますよ。また、スーパーやお酒屋さん、ワインショップなどで、価格もお手頃で気軽に買えるものがたくさんあります。

フランス

フランスでは、「ミュスカ・ア・プティ・グラン」、「ミュスカ・ド・フロンティア」などと呼ばれ栽培されています。ワイン用でだけではなく、生食用としても造られているブドウ品種でもありますよ。ミュスカは、主にラングドック、ルーション、南部ローヌなどで造られています。

とくに有名なワインは、V.D.N(天然甘口ワイン)であるローヌ産「ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ」やルーション産「ミュスカ・ド・リザルト」、ラングドック産「ミュスカ・ド・フロンティア」などがありますよ。どれも、ブドウ果汁が発酵中にアルコール添加をするため、ブドウ本来の甘味が残った状態のワインができるため、甘味が強くデザートワインや食前酒などに向いていますよ。

スペイン

スペインでは、「モスカテル」と呼ばれ栽培されています。南部地方であるアンダルシア州で多く造られていますよ。辛口から甘口までさまざまなワインが生産されていますが、とくに有名なのは酒精強化ワインであるシェリー酒です。シェリー酒は、極甘口、甘口、中口、辛口などとタイプが分かれています。

その中でも、モスカテルを多く使用したシェリー酒は、濃厚で極甘口のものが出来上がることが多いですよ。理由は、モスカテル収穫後、1〜2週間程度天日干しすることで、水分を蒸発され甘味を凝縮させる方法が使用されることがあるためなのです。モスカテルという、ブドウ品種名が銘柄名にもなっている「モスカテル」は、極甘口タイプが好きな方にピッタリです。

オーストラリア

オーストラリアでは、「マスカット」や「ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン」などと呼ばれ栽培されています。マスカット・ゴールドやマスカット・ア・プティ・グラン・ルージュなどマスカットの後に〇〇と付くブドウ品種が造られていますよ。オーストラリアでも、フルーティーで飲みやすい甘口のやや微発泡タイプのものや、酒精強化ワインなどさまざまなワインが生産されています。

また、ロゼの微発泡タイプのワインも見かけますので、オーストラリアのマスカットではさまざまな商品が生産されていることがわかりますね。価格帯もお手頃なものが多いので、手に取りやすいと思います。

モスカート・ダスティとは

モスカート・ダスティとは、イタリア・ピエモンテ州で生産されている微発泡タイプの白ワインのことです。アルコール度数は、5〜6%程度までと白ワインの中では低め。また、味わいが甘くフルーティーなので、飲みやすいのが特徴的な白ワインです。マスカットの風味と、やさしい甘味、そして華やかなアロマが、一度飲んだらハマってしまうはず。やや微発泡していることで、スムーズに口に入り、胃を刺激してくれるため食欲が増しますよ。モスカート・ダスティは、食前酒、食後のデザートと一緒にと楽しむことの多い甘口ワインです。

1. ラ・スピネッタ「ブリッコ・クワリア モスカート・ダスティ」

 ラ・スピネッタ “ブリッコ・クワリア”モスカート・ダスティ

バローロやバルバレスコなどの、有名所のワインを手掛けているラ・スピネッタ。実は、モスカート・ダスティも生産しています。評価が高く、高級レストランにラインナップされているモスカート・ダスティでもあるんです。また、レストランに流れてしまうことが多いため、ワインショップなどで見かけることが少なく、レアワインとも言われています。マスカットの風味だけではなく、ハチミツや爽快な香り、そしてミネラル感を楽しめるので、複雑なニュアンスを味わえますよ。

相性のいい料理

ビスコッティがお皿に盛り付けられる
iStock.com/Mila Bond

ブリッコ・クワリア モスカート・ダスティは、爽快感もあるので食中にも楽しめますが、ビスコッティと一緒に食べるとまたおいしさが倍増しますよ。ビスコッティとは、イタリアの伝統菓子であり、二度焼くという意味があり、香ばしくザクザクとした食感が楽しめます。ナッツやこんがり焼けたクッキー生地の香ばしさが、ワインと合わさることで、ワインの華やかさやコクが増し、奥深い味わいになりますよ。ぜひ、試してみてくださいね。

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2. フォンタナ・フレッダ「モスカート・ダスティ」

 モスカート・ダスティ フォンタナ・フレッダ

フォンタ・ナフレッダは、長い歴史を持つ伝統的なバローロの生産者であり、イタリアの中でも知名度が高い造り手です。フォンタ・ナフレッダのモスカート・ダスティは、マスカットの風味がしっかり楽しめるので、フルーティーで飲みやすくワイン初心者さんでもおすすめです。デザート感覚で味わえる甘口タイプの微発泡ワインなので、スイーツ好きな方へプレゼントもいいですよ。

相性のいい料理

フルーツサンドがお皿に盛られる
iStock.com/kazoka30

マスカットの風味が楽しめるので、フルーツによく合います。フルーツの盛り合わせも相性がいいですが、甘味をおさえた生クリームたっぷりのフルーツサンドと一緒に合わせるのおすすめですよ。生クリームの濃厚さとミルキー感、パンの旨味、そして爽やかなフルーツがワインと合わさることで、よりフルーツの甘味を引き立ててくれます。マスカットや、キウイフルーツ、柑橘系などのフルーツサンドが合わせやすいですよ。

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3. プルノット「モスカート・ダスティ」 

モスカート ダスティ 2021 プルノット

イタリアの名門アンティノリ社が、ピエモンテ州で手掛けるプルノットが造りだすモスカート・ダスティ。モスカート・ビアンコ独特のムスク系の香りと、ふわっと香るハチミツやマスカット、さまざまなフルーツの風味が楽しめる一本です。甘味はありますが、強くないので食中にも合わせやすいモスカート・ダスティですよ。泡立ちもやさしく、エレガントなので飲み心地も気持ちよく、ちょっと大人なモスカート・ダスティです。

相性のいい料理

グリーンカレーがお皿に盛られる
iStock.com/Jirakan

モスカート・ダスティは、甘味があるのでタイ料理や中華料理などのスパイシーでピリッと辛い料理ともよく合います。とくにおすすめなのは、グリーンカレーです。グリーンカレーのココナッツの風味と、爽やかな風味も楽しめるプルノットのモスカート・ダスティはよく合いますよ。もうひとつは、タイ料理であるヤム・ウンセン。食べたことのない方もいると思いますが、シーフードと春雨、野菜などがマリネ状になったピリッと辛いサラダのような料理です。魚介類とスパイスの効いた辛いソースが、ワインと合わせることで辛さを中和させ、コクを生み出してくれます。ぜひ、合わせてみてくださいね。

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モスカートは、マスカットの風味が楽しめるおいしいワイン!

モスカートのワインは、マスカットの風味が楽しめフルーティーで飲みやすいものが多いです。デザートと一緒に、辛い料理と合わせてみるのもよりワインと食事をおいしくさせてくれるのいいですよ。また、モスカートは、各国さまざまな産地で生産されています。極甘口のタイプからスッキリタイプまで、酒精強化ワインまでタイプも豊富です。一般的なモスカートのワインは、甘口ですが、いろいろなタイプのモスカートにチャレンジしてみるのも楽しいですよ。
 ※商品価格は、2022年10月18日時点での情報です。

私が執筆しました!

YURI
ソムリエ・チーズプロフェッショナル / YURI
資格:J.S.A.ソムリエ、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル、食生活アドバイザー3級。『もっと楽しく、もっと気軽に、もっとおいしく!』をモットーに誰でもワインとチーズを気軽に楽しめるようアドバイスを発信中!ワインの輸入会社、レストラン、料理教室運営などを経験したのち、現在はフリーランスのソムリエ・チーズプロフェッショナルとして活動中。主にワイン・チーズ教室やブログ、ライターにてワインやチーズ・マリアージュなどの楽しみ方を伝えています。
【ブログ】ソムリエールYURIのちょこっとMEMO
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【instagram】https://www.instagram.com/yuri.winetocheese

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