2022年11月01日

「ワインの王様」バローロの特徴とは。5大生産地のおすすめ7選も

イタリアが誇る最高峰の赤ワイン「バローロ」。名前は聞いたことがあるけれど、よくは知らないという方も多いかもしれません。この記事では、バローロの特徴や歴史、生産地、料理との相性を紹介するほか、おすすめの銘柄7選もピックアップ。バローロの奥深い魅力を知ると、きっとバローロを飲みたくなるはずですよ。

バローロとは

グラスに赤ワインが注がれる様子
iStock.com/kuppa_rock

バローロとは、イタリア・ピエモンテ州南部のバローロ村と周辺の村で生産される赤ワインのこと。重厚で堂々たる味わいは「ワインの王様」または「王様のワイン」とも称され、イタリアのワイン格付け最高位「D.O.C.G.」に認定されています。バローロ村のあるランガ地区を含むブドウ畑の景観は、2014年に世界遺産に登録されました。

ブドウ品種

イタリアのワイン法のもと、バローロをはじめとするD.O.C.G.認定ワインは、原料のブドウから畑、生産地域、熟成期間にいたるまで規定が定められています。バローロに使われるブドウは、高貴な品種とされる「ネッビオーロ」。酸とタンニンが豊富に含まれているのが特徴で、骨格のしっかりした深みのある味わいの辛口赤ワインを生み出します。

バローロとバローロ・リゼルヴァ

「バローロ・リゼルヴァ」とは、バローロの上級銘柄のこと。バローロの場合、樽や瓶でおこなわれる熟成の最低期間は38カ月(うち、木樽熟成18カ月)と定められています。バローロ・リゼルヴァと名乗るには、最低62カ月(うち、木樽熟成18カ月)の熟成期間が必要。より奥行きのある複雑な味わいのワインに仕上がります。

味わいは

バローロの味わいは土壌や生産者のスタイルによっても異なります。バローロの生産地域は多様なテロワール(ブドウ畑を取り巻く環境要因)が入り組んでいるのが特徴。鉄分を多く含む土壌の東側地域では長期熟成型のパワフルな味わいに、一方、マンガンやマグネシウム、石灰質に富む西側の土壌では、香り高くエレガントな味わいになります。

 バローロの歴史

イタリア・ピエモンテ州にある畑のネッビオーロ種のブドウ
iStock.com/Michele Ursi

バローロというワインの名声が高まったのは、19世紀半ば以降のこと。時代と共に進化を続けるバローロの歴史とは。

甘口から辛口タイプへ

もともと甘口の微発泡性ワインだったバローロ。変化を遂げたのは、19世紀半ば頃のことです。ピエモンテ州出身で、イタリア統一の立役者でもあるカミッロ・カヴール伯爵が、フランスから醸造家を招聘し最新の醸造技術を導入。それ以降、バローロはネッビオーロ種のポテンシャルを生かした、長期熟成型の辛口赤ワインへと生まれ変わったのです。

バローロボーイズの登場

20世紀後半になって登場したのが、「バローロボーイズ」と呼ばれる生産者たちです。伝統的な長期熟成型のバローロではなく、時代の潮流に合わせた早飲みスタイルのバローロを生み出すことに成功。新たな手法で造られるモダンなバローロは、いきいきとした果実味と樽のニュアンスが感じられるのが特徴で、世界中で高評価を獲得します。

進化を続けるバローロ

伝統的なバローロを造る「伝統派」に対し、革新的なバローロを造る生産者は「モダン派」と呼ばれるように。現在では、伝統派とモダン派双方の技術を取り入れた「中間派」と呼ばれる生産者も多く見受けられます。同じネッビオーロ種というブドウから、土壌や生産者の違いにより、個性豊かなワインを楽しめるのもバローロの大きな魅力です。

バローロの5大産地

イタリア・ピエモンテ州ランゲ地方の丘陵地帯に広がるブドウ畑
iStock.com/e55evu

D.O.C.G.の規定により、バローロを生産できるのはバローロ地区の11の村のみ。なかでも、テロワールの個性を生かした秀逸なバローロを生産する5つの村が「5大産地」と呼ばれています。

バローロ村

バローロ地区西部にあるバローロ村は、粘土と石灰が入り混じったミネラルの多い土壌を形成。有名生産者も多数この地にワイナリーを構えており、バローロらしいバローロを産出する地域といえます。

ラ・モッラ村

北西部に位置するラ・モッラ村は標高が高く、土壌はマンガンやマグネシウム、石灰質が多く含まれているのが特徴です。伝統派からモダン派まで多彩な生産者が集まり、多様なバローロを造り出しています。

カスティリオーネ・ファッレット村

バローロの中央部に位置するのが、カスティリオーネ・ファッレット村です。東側の石灰質を含んだ粘土と西側の砂が混合した複雑な土壌が特徴的。生産量は少ないものの、エレガントなスタイルが魅力です。

モンフォルテ・ダルバ村

南部にあるモンフォルテ・ダルバ村は、広大な面積を有しています。鉄分の多い土壌で、同じ畑でも標高や土壌、斜面の向きなどが異なるケースも。総じて、パワフルなバローロを生み出します。

セッラルンガ・ダルバ村

最も東側に位置するのが、セッラルンガ・ダルバ村。南北に連なる山脈の裾野にブドウ畑が広がっており、土壌には鉄分が豊富に含まれます。長期熟成に向いた、重厚で力強いバローロを産出。

おすすめのバローロワイン7選

5大産地のバローロを中心に、おすすめ銘柄をピックアップしてご紹介します。

1. テッレ・ダ・ヴィーノ バローロ 

赤ワイン「テッレ・ダ・ヴィーノ バローロ」のボトル
¥2,800~/赤/イタリア

バローロ村に本拠地を構える「テッレ・ダ・ヴィーノ」のバローロは、収穫量をおさえ、完熟したネッビオーロ種のみを使用。スミレを思わせる香りや凝縮感のある果実味が魅力です。しっかりとしたタンニンがありながら、舌触りはなめらか。値段以上の価値を感じられるはずですよ。バローロ初心者さんにもおすすめです。

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2. バローロ アウダチェ ロベルト・ サロット

赤ワイン「アウダジェ バローロ」のボトル
¥3,840~/赤/イタリア

アウダジェとはイタリア語で「勇敢な」という意味。陰干ししたネッビオーロ種を用いて造られた、革新的なバローロであることを表しています。複雑で洗練された香り、濃縮した果実味がゴージャス。熟成も可能ですが、すぐにでも楽しめるタイプです。バローロ村に畑を所有する「ロベルト・サロット」の自信作は、試してみる価値ありですよ。

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3. バローロ ロッケ・ディ・カステッレット

バローロ ロッケ ディ カステッレット」のボトル赤ワイン「
¥3,934~/赤/イタリア

生産地はモンフォルテ・ダルバ村のカステッレット地区。生産者はここ進年、ワイン専門誌でも高評価を得ている「カッシーナ・キッコ」です。ラズベリージャムやスパイスの香りが優雅なバローロは、口に含むと濃密でコクのある果実味が広がります。タンニンはまろやかで甘味があり、飲み口はなめらか。ゆったり過ごせる週末に開けたい1本です。

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4. フォンタナフレッダ バローロ

赤ワイン「フォンタナフレッダ バローロ」のボトル
¥4,368 ~/赤/イタリア

「最も偉大な至宝のごときワイナリー」と称される、セッラルンガ・ダルバ村の「フォンナフレッダ」。伝統的なバローロ造りをけん引する存在です。大樽を使う伝統製法で造られ、力強くかつエレガント。スミレやチェリー、スパイスのような香りがたち、上質な酸とやわらかなタンニンが特徴的です。優雅なディナーのお供に最適。

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 5. ドメニコ・ クレリコ バローロ

赤ワイン「ドメニコ クレニコ バローロ」のボトル
¥6,380 ~/赤/イタリア

モンフォルテ・ダルバ村の「ドメニコ・クレニコ」はパローロ・ボーイズの代表格。ブルゴーニュの手法を取り入れ、パリック(熟成の小樽)を用いるモダン・バローロのスタイルを確立し、バローロを世界的に普及させた功労者です。チェリーやプラムのような果実味が豊かで、ボリュームも十分。モダン派の味に興味のある方におすすめです。

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6. ヴィエッティ バローロ カスティリオーネ 

赤ヴィエッティ バローロ カスティリオーネ 」のボトル
¥7,080 ~/赤/イタリア

カスティリオーネ・ ファレット村で5代続く名門の「ヴィエッティ」。この地で初めて単一畑のワイン醸造をした先駆者としても知られます。完熟したチェリーやスパイスなどの香りが立ちのぼり、味わいはリッチ。持続する余韻も魅力的です。やわらかなタッチのエチケットも、ロマンチックな雰囲気を演出するのにひと役買ってくれますよ。

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7. ダグロミス バローロ

赤ワイン「ダグロミス バローロ」のボトル
¥11,385 ~/赤/イタリア

「イタリアワインの帝王」と呼ばれ、イタリアワインの地位向上に尽力した「ガヤ」のバローロ。ベリー系と花の香りが混ざり合い、タンニンは上品で、芳醇な果実味が魅力です。ラ・モッラ村にあるブドウ畑は、バローロのなかでも最上級のテロワールといわれるほど。長期熟成に向いており、セラーに寝かせて特別な日に楽しみたい1本です。

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バローロと相性のいい料理

木製のテーブルに置かれたビーフステーキと赤ワイン入りのグラス
iStock.com/Sergey Nazarov

ワインと料理のマリアージュは、似たもの同士を合わせるのが基本です。バローロには濃厚かつ複雑な料理がよく合います。ビーフシチューやハッシュドビーフ、ローストビーフ、ビーフステーキなど、牛肉の料理とは相性抜群。また、ピエモンテ州の名産である白トリュフを使った料理やバターの風味豊かなリゾットと合わせるのもおすすめです。

ほかにも、ラム肉の香草焼き、野生の鳥獣を使ったジビエ料理などと合わせても、相性のよさを実感できるはず。チーズと合わせるなら、バローロの絞りかすをまぶして熟成させたピエモンテ州の「オッチェリ・アル・ バローロ」、強い風味のあるイタリア産ウオッシュタイプ「タレッジョ」などとマッチしますよ。

とっておきの日に楽しみたいバローロワイン

バローロワインは、とっておきの日に開けたいワインの代表格。記念日やご褒美ワイン、大切な方へのギフトにもぴったりです。生産地や生産者のスタイルを知り、多様なバローロを楽しんでみるのもおすすめです。バローロを飲んだことがないという方も、この機会に味わってみませんか。バローロの奥深い世界をぜひ堪能してくださいね。

 ※商品価格は、2022年10月24日時点での情報です。

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