
2022年11月16日
栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリーでは、毎年秋に「収穫祭」イベントを開催しています。公式サイトによると「晩秋の空の下、葡萄畑で音楽を聴きながらワインを飲む…ただそれだけの収穫祭」です。今年は記念すべき、第40回目! 2023年11月18日(土)、19日(日)の二日間にわたって開かれる予定です。
この記事では昨年(2022年)のココ・ファーム・ワイナリー収穫祭に実際に参加した様子をご紹介します。五感をフル稼働して楽しみ尽くした秋の1日! 気になるけど参加するか迷う……という方はぜひ参考にしてください。
栃木県足利市でブドウ畑が開かれたのは今から64年前。ワイン造りがスタートしたのは1984年で、今年は40年目になるそうです。目指すのは「葡萄がなりたいワイン」を造ること。自社畑では除草剤や化学肥料を使わずオーガニックなブドウ栽培を行い、天然の野生酵母を使ったナチュラルなワイン造りを行なっています。
チケットはココ・ファーム・ワイナリー公式サイトにて事前予約が可能です。料金はひとり5,000円(税込)。この料金で入場券とハーベストキット(記念のワイングラスとグラスホルダー、記念缶バッチ、今年の生産ワイン1本との引換券など)がついてきます。一部当日券もあるようですが、人気のイベントなので早めに予約しないと入手できないこともあり、事前予約が断然おすすめです。昨年は開催日の10日前に事前予約〆切となったようなので、参加を検討中の方は参考にしてください。
※ハーベストキットの内容は2022年のものです。今年は変更になる可能性があります。
イベント会場はココ・ファーム・ワイナリーのブドウ畑です。私が参加したのは、二日目の日曜日。イベント開始時間にあわせて会場入りできるよう、前日の土曜日から近くの佐野駅にホテルステイしました。佐野には佐野プレミアム・アウトレットがあるので、ちょこっと立ち寄るのもおすすめです。
会場は繁華街から少し離れた山の中腹にあります。イベント開催中は、最寄駅の東武足利市駅とJR足利駅から臨時シャトルバスが出ていました。運賃は片道500円。少し早めにホテルを出て余裕をチラ見せしながら足利駅におりたったのですが……
着いた時にはすでに長蛇の列……! 帰りに乗ったタクシーのドライバーさんに聞いたところ、昨年までは自粛モードで人数制限がありこれでも少ない方だったとのことです。例年は1日あたり1万人ほどの人が集結するそうで、今年はよりにぎやかになる予感がします。
バスを降りたら「これからワインと音楽を楽しむんだ!」というウキウキ感を周りの人と心の中で共有しつつ、てくてくと坂道を登っていきます。会話はなくとも連帯感を感じるこの上り坂、まるでジェットコースターの助走のよう。バスで会場入りする場合は降りてから歩くので、スニーカーなど歩きやすい履き物で行くことをおすすめします。
坂道は割と長い……。けっこう歩いたなというところであと400mのサインが。少しくじけそうな心が奮い立つ瞬間。もう一息!
汗をにじませ息を弾ませ、坂を登りきったら、ようやく会場に到着です!
いや〜いい汗かいた! あとはひたすら楽しむのみ! 受付でハーベストキットをゲットして、いざ会場入りです。
それでは早速、会場の様子をどうぞ!
目の前に広がるのは山の斜面に拓かれたブドウ畑。ちょうど収穫が終わったタイミングなのでブドウは実っていませんが、黄色く色づいたブドウ樹の葉が秋の訪れを感じさせてくれます。この畑全体が会場になっていて、各々ピクニックシートなどをひいてブドウ樹の木陰に座りながらワインやおつまみを楽しんでいました。
畑側からの景観はこんな感じ!
一段高くなったところにステージがあり、生演奏が奏でられています。秋晴れのもと心地良い音楽を聴きながら出来立てほやほやの新酒で乾杯できる至福の瞬間……プライスレス。
というわけでこちらが乾杯に選んだ新酒、「できたてワイン」です。
なんて美しいピンク色! まるでいちごミルクのよう。
グラスワインは会場内で購入でき、ハーベストキットの記念グラスに注いでもらえます。私が乾杯に選んだこちらの「できたてワイン」は「まだ酵母が生きている微発泡のフレッシュでフルーティなワイン」のこと。絶賛発酵中のため、会場の外に持ち出すことはできません(酒税法の関係でNGです)。この日、ここでしか味わえない超限定レアワインというわけ! ここに来たからには飲まないわけにはいきません。
焼きたての食パンのように香り立つ酵母の香りがとてもふくよか! 旨みと甘やかなテイストが口の中にふわっと広がり、ヨーグルトのような心地よい酸味がほてった身体を癒してくれます。発酵中のワインなのでアルコール度数は低めです。ごくごく飲めるので、あっという間に飲み干してしまいます。これは飲み過ぎ注意なやつ。
ワインを流し込んでおつまみが欲しくなった人のために、フードコートも設営されています。会場内も上り坂が続くので、転ばないよう注意してゆっくり移動しましょう。お酒もはいっていますからね。
フードコートにはテーブルと椅子が用意されていますが、ご覧の通り大にぎわいのため席は争奪戦です。朝早くに会場入りした勇者たちが一足先に宴を繰り広げているので、座りたい!という方は心して臨みましょう。席を確保できなくてもフードコート脇にピクニックシートを広げて座れる場所があるので、やっぱりピクニックシートは必須です。
さて、フェスならではの食がいろいろ用意されている中、「できたてワイン」にあわせるべく最初に選んだのは……焼きマシュマロ!
焦げたマシュマロの香ばしさとシナモンパウダーのスパイシーな風味がたまりません。ほんのり甘く シュワシュワした口当たりの「できたてワイン」によく合います。あっという間に売り切れていました。
「できたてワイン」の他にも、さまざまなタイプのワインが販売されています。
グラスで少量ずついろいろなワインを味わうのが断然おすすめ。私が次に選んだのは、愛してやまない “オレンジ” ワインです。 “オレンジ” ワインは白ワイン用のブドウを使って赤ワインと同じ造り方で醸造したワインのこと。こちらは日本を代表するブドウ品種「甲州」を使った「甲州オレンジ」です。軽めの飲み口で柑橘の香りが心地いい! “オレンジ” ワインならではの渋みも感じられる1杯です。
美しいオレンジ色が、色づいたブドウ畑に映えること、映えること。
泡 → ”オレンジ” ときたら、次はやっぱり赤でしょう。少し濃いめの赤ワインをゲットしました。草むらに座り、風にのって耳に届く音楽を肴にしっぽりタイムです。
そうはいっても赤ワインをチョイスしたからにはお肉が不可欠。
「ワインに合わないわけがない」と豪語する「足利マール牛」の串焼きをいただくことにしました。足利マール牛」は、ココ・ファーム・ワイナリーがワインを造るときに出るぶどうの果皮や種(マール)を発酵させて餌用に改良して給餌しつつ育てられた牛です。まさに、ワインに合わないわけがない……!
食べ応え満点の牛串! 空の下で赤ワインと一緒に牛串をほうばるなんて、贅沢です。
ワインと食と音楽に心地よく酔いながら、会場を愉快に盛り上げるブドウさんとハイタッチ。
たくさんの笑顔で満ちた、楽しい楽しい場所でした!
ハーベストキットに含まれる「引換券」でゲットしたワインだけでは飽き足らず、2本追加購入で計3本を自分へのお土産に。白ワインとロゼワインと赤ワインです。祭りの思い出を頭の中に描きながら、家で後夜祭と決めこみましょう。ノンアルコールのロゼスパークリングジュースもあったので、お酒が苦手な方やお子さんへのお土産も心配なしです。
ココ・ファーム・ワイナリー 収穫祭は、秋の心地いいブドウ畑の中でワインと食と音楽を愉しめる陽気なフェス! 会場までの少し汗ばむ道のりも良いアクセントです。
あくまで昨年の様子なので、今年は変更になっている点があるかもしれません。でも楽しさはきっと変わらないはず! 気になった方はぜひ、今年のココ・ファーム・ワイナリー 収穫祭に参加してみてくださいね!
会場近くには「岡田のパンヂュウ」という足利市の名物お菓子があります。鉄板で焼く半球状のふわふわの生地の中にあんこが入った、 “和風ミニパンケーキ” のようなお菓子です。焼き立ての「パンヂュウ」はとても美味しくて、地元では大人気なのだとか。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
吉田すだち ワインを愛するイラストレーター
都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定
ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
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