2019年01月15日(火)

ヴィンテージワインの楽しみ方(前編)

マニアの地下室で眠るワイン

お店でワインを購入する際、ラベルやビンやキャップシールの状態がきれいであることは当たり前です。
しかしボトル詰めしたワインを熟成する場合、ワインセラーの温度は10~18℃、湿度は90%以上の環境が望ましいとされます。
コルク栓は金属の王冠やプラスティック栓のように密封している訳ではありません。毛細管現象で僅かに外界と通気しており、ワインは死なずにゆっくりと熟成してくれます。湿度が低いと、ワインはコルクを通して蒸発してしまいます。そのため90%以上という高い湿度が理想なのですが、この状態で長く置くと黴だらけとなってしまいます。

蔵元で出荷前に長期熟成する場合は、出荷が決まってからビンの黴や埃やクモの巣を丁寧に拭き取ってラベルを貼ることができますので、きれいな状態なのですが、マニアの地下室では水を撒いて湿度を高めることもあります。ラベルが黴で劣化してしまうため、ボトルの首にプラスティック札を付けて識別したりします。もちろんコルク周りにも黴が付きます。

これではコレクションにならないと、ラベルが読めるように水撒き回数を控えめにすることの方が一般的。長期熟成ワインの液面が下がっているのもよくあることです。また奥さんが掃除をしたくなるのも人情。時には上の棚のワインを割ってしまい、ワインを被ってラベルが汚れることもあります。

でもそれがそのワインの一生。

長期熟成のワインとは

さてワインの一生は様々です。

普通のワインは翌年か翌々年に飲まれるものが大半ですので、その飲み頃に合わせて味や香りがピークを迎えるように醸造されます。一方、長期熟成型ワインは各収穫年毎に異なるぶどうのポテンシャルに合わせて、何年後にどのレベルまで熟成させるかを考慮して醸造します。

同じ畑でも年によって熟成ポテンシャルは違います。そのため生産者が長期熟成ワインを売り出すタイミングも、古い順ではなく仕上がってきた順となり、売り出し年度の逆転現象も起きます。

フランスのワインセラー事情

フランスでは一戸建てには必ず大きな地下室があります。パリのアパルトマンでも、共同地下室内にカギのかかる数m2の個人用セラースペースがあり、ワインがぎっしり詰まっています。

フランス男達は普段飲むワインの他に、どれだけのワインを所有しているかを競っています。フランス人に招かれると、決まって誕生年を聞かれます。そしてご主人が地下室におりて、その年のヴィンテージワインをぶら下げてきてくれるのです。

後編へつづく)

 

Winomyのショップで販売中「オールドヴィンテージ蔵出しワイン特集」

テキスト:田村安(オーガニックワイン専門店MAVIE店主、フランス農事功労章シュヴァリエ)

この記事をSNSでシェアする

最近の記事

レポート

2018年11月25日

【イベント】Winomyオープン記念!持ち寄りワイン会

レポート

2018年12月3日

【イベント】日本料理とワインのマリアージュを楽しむ会

コラム

2019年1月15日

ヴィンテージワインの楽しみ方(前編)

コラム

2019年1月20日

ヴィンテージワインの楽しみ方(後編)

コラム

2019年3月8日

【ワイナリー訪問】山梨・勝沼「くらむぼんワイン」

カテゴリー