2020年11月25日(水)

まるき葡萄酒の “山梨ヌーボー”を堪能!オンラインワイナリーツアー参加レポート

 

“ヌーボー”と言えばボージョレ・ヌーボーが有名ですが、日本にも美味しいヌーボー(今年収穫したブドウで造られるできたてほやほやの新酒ワイン)があるのをご存知ですか? その名も「山梨ヌーボー」。山梨県産の「甲州」と「マスカット・ベーリーA」で造られる新酒です。解禁日は毎年11月3日。ボージョレ・ヌーボーより2週間ほど早く口にすることができます。

先日、今年の山梨ヌーボーを堪能できるWinomyオンラインイベントに参加しました。中継先は “現存する日本最古のワイナリー” の呼び声高い、まるき葡萄酒さん。そのイベントの様子と、解禁したての山梨ヌーボーの味わいをレポートします。

山梨ヌーボー、飲んだことがある人の割合は…

まずは恒例のアンケートからスタート。お題は「山梨ヌーボーを毎年飲みますか?」結果は、飲んだことがある人が4割、飲んだことがない人が6割でした。実は私も今まで飲んだことがなく、今回が初体験です。

山梨ヌーボーが始まったのは2008年、甲州が国際品種に認定されたのは2010年、マスカット・ベーリーAが国際品種に認定されたのは2013年。この12年で少しずつ日本ワインの認知度が高まり、同時に山梨ヌーボーも世に広まってきました。あと数年もすれば、ボージョレ・ヌーボーに並ぶくらいメジャーになるはず!

2020年の山梨ヌーボー 生誕地をめぐる時間

次に、事前に届いた2020年の山梨ヌーボーを飲みながら、それらが生まれた場所=まるき葡萄酒のワイナリー施設を見学します。案内してくれたのは、まるき葡萄酒 醸造責任者の薬袋(みない)さん。

原料ブドウの “生い立ち”

歴史を感じさせる「マルキ葡萄酒」看板をバックに、まずは山梨ヌーボーの原料ブドウの “生い立ち”の説明です。甲州とマスカット・ベーリーA、それぞれの “生い立ち”を、スライドを使って時系列に見せてくださいました。

ブドウが育つ過程をじっくり観察する機会はなかなかないので、貴重な時間です。特に興味深くて気になる〜!と感じたポイントを抜粋すると…

ココが気になる! 化粧水にも使われる!?ブドウ樹のしずく

ブドウが芽吹く前、枝の切り口から樹液がしたたるのだそうです。これはブドウの活動が始まる合図。このしずくは化粧水にも使われるのだとか。

ココが気になる! 美しい甲州の “グリ”色

甲州は白ワインの原料ですが、実は白ブドウではなく “グリブドウ”です。グリとは灰色という意味ですが、グリブドウはグレーがかった淡いピンク色をしています。うっとり見入ってしまう美しさです。

ココが気になる! 色づき途中のマーブルカラーなベーリーA

黒ブドウの色づきは全粒一斉に始まるのではなく、ランダムに少しずつ進んでいきます。ベーリーAが色付いていく途中のマーブルカラーは、なんともカラフルで可愛らしいのです。ワイナリーに赴いた人しか見ることができない、自然の芸術です。

ブドウ畑の様子

畑では既に収穫が終わり、ブドウの葉が所々赤く紅葉していました。地面に生えているのは雑草たち。まるき葡萄酒ではサスティナブルなブドウ栽培を重視しており、あえて土を人工的に耕さない “不耕起栽培”という栽培方法をとっています。人工的な耕作の代わりに活躍しているのは、こちらの方々。

羊さんです!羊の名前は、ナポレオン、太郎、次郎。彼らが草を食べながら歩き回ることでほどよく土が耕され、排泄物はブドウ樹の肥料となります。彼らの働きもまた、目の前の山梨ヌーボーにつながっているわけです。画面越しに「Good job…!」とつぶやいてしまいました。

醸造施設を見学

醸造棟では、今まさに発酵中のワインが入ったタンクが所狭しと並んでいます。

手前のタンクにはまるき葡萄酒 自信作のマスカット・ベーリーAが入っているのだとか。既に発酵は落ち着いており、カメラ越しにタンクの中を覗かせていただきました。液面がキラキラと光っていて、ワインの出来栄えが伝わってきました。「過去の日本ワインコンクールで4回銀賞を獲得したワインです。今年は特にできがよく、金賞を狙いに行きます。」と薬袋さん。出荷にはまだ時間がかかりますが、楽しみです。

こちらは樽貯蔵庫。画面ごしにも厳かな空気が伝わってくる、静謐な空間です。壁には絵がかけられており、まるで美術館のよう!樽を重ねずに空間を広くとるレイアウトも、こだわりなのだそうです。

基本的にはフレンチオーク樽を使っているそうですが、ベーリーAや甲斐ノワールはアメリカンオーク樽と相性がいいそう。一方、最近ではベーリーA専用のフレンチオーク樽も生産されており、5年前から使い始めたというお話も聞かせていただきました。樽も日々改良されているのですね。

山梨ヌーボー2020のテイスティング

ひととおり見学が終わったら、お待ちかねのテイスティングタイム!

薬袋さんによると、今年のヌーボーの出来栄えは…

【甲州】
・長梅雨の影響で晩腐(ぱんぷ)病などの病害に悩まされ、収穫量が少なかった
・しかし、選果したブドウには綺麗な酸が残り、食事にあわせやすい味わいに仕上がった

【マスカット・ベーリーA】
・8月に良好な天候に恵まれ、色付きがよく質の高いブドウが収穫できた
・ボージョレ・ヌーボーと同じ方法(除梗せずに発酵)で造り、豊かな香りと繊細な酸が食欲をそそるワインに仕上がった

この説明を頭に置きながら、わが家でも今年のヌーボーを味わいました。イベント当日、開栓してすぐの味わいと、1週間後の味わいを比較してみます。

新酒 甲州 2020年

開栓直後
・水のように澄んだ色合い。
・レーズンパンのような甘く香ばしい香りが印象的!
・口に含むと力強い酸味が広がってすっきり。

1週間後
メロンを思わせる甘い香りが強くなってきた!
・酸味以外の要素が引出され、バランスのいい味わいに。

新酒 ベーリーA 2020年

開栓直後
青みがかったグレーピンクが若々しい!
・イチゴのような甘いがぶわっと広がり、とってもキュート。
・酸味が強く、赤ワインながらも魚介や酢の物に合いそうな印象。

1週間後
イチゴのような “キャンディ香”がより強化!
・甘みや渋みが少しずつ出てきて、ベーリーAの良さを感じられる状態に。
・煮物や鍋物に合いそうな味わいに変化。

若いワインなので「1週間もしたらへたってしまうかな」と思ったのですが、逆に良さがぐんぐん引出されてきました。また、個人的には少し温度が高い状態でいただく方が美味しいと感じました。冷蔵庫から出した後、室温で10分くらい落ち着かせた頃が飲み頃という印象。

解禁日にはよーく冷やして、新酒ならではの酸味を楽しみつつ乾杯。その後少し時間をおいてからワインの変化を感じながら食卓でお料理とともに楽しむ。そんな楽しみ方がオススメです。ぜひお試しください。

まるき葡萄酒の山梨ヌーボーをチェック

最後に

新酒ワインは秋の風物詩です。重厚感のあるワインとは異なるけれど、新酒ならではの軽やかさや解禁のお祭りムードを楽しむのもまた一興。さらに日本のヌーボーなら、生産者の思いや醸造のこだわりなどを直に聞くことができるので、楽しさは倍増です。まだ飲んだことがない方は、ぜひこの機会に山梨ヌーボーを手にとってみてください。

 


吉田すだち ワインを愛するイラストレーター

都内在住の、ワインを愛するイラストレーター。日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート。ワインが主役のイラストをSNSで発信中!趣味は都内の美味しいワイン&料理の探索(オススメワイン、レストラン情報募集中)。2匹の愛する猫たちに囲まれながら、猫アレルギーが発覚!?鼻づまりと格闘しつつ、美味しいワインに舌鼓を打つ毎日をおくっている。
【HP】https://yoshidasudachi.com/
【instagram】https://www.instagram.com/yoshidasudachi

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